JPS6333352Y2 - - Google Patents

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JPS6333352Y2
JPS6333352Y2 JP1981091644U JP9164481U JPS6333352Y2 JP S6333352 Y2 JPS6333352 Y2 JP S6333352Y2 JP 1981091644 U JP1981091644 U JP 1981091644U JP 9164481 U JP9164481 U JP 9164481U JP S6333352 Y2 JPS6333352 Y2 JP S6333352Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
本考案は一般に加熱装置であつて、詳しくは正
の温度係数を有するサーミスタ素子を用いる加熱
装置に関する。 ここにいうサーミスタ素子はPTCサーミスタ
素子(Positive Temperature Coefficient)で、
通電により直ちに発熱する速熱性を有すると共に
定温度発熱特性を有し、温度上昇に対応する電気
抵抗の増加に対し電流が減少し素子温度はある一
定値以上には上昇しない。このような特徴から、
PTCサーミスタ素子は従来より種々の熱源とし
て用いられている。 第1図はPTCサーミスタ素子を用いた加熱装
置の従来例を示し、板状のPTCサーミスタ素子
1と該素子をはさんでその板面に形成される1対
の電極2aおよび2bと一方の電極2aを介して
素子1に積層される放熱板3を有し、該放熱板3
と電極2b間に電源4を印加するごとく構成され
たもので、通電により素子1で発生した熱が、接
合面を介し放熱板に伝わり外部に放散される。 ところで、PTCサーミスタ素子および放熱板
の双方の接合面には微細な表面荒れおよび歪があ
り、また微細な異物の介在等があるので、接合面
は多数の点接触となり接合しない空隙部分が多数
生じ、その結果、熱伝導が妨げられることにな
る。そこでこれを改善すべく、接合面に熱伝導性
グリースを介在させ空隙部分を充填する手段がと
られている。 この種の手段によれば、素子の発熱温度が比較
的低い100℃前後においては発熱体として安定な
特性を得ることが可能であるが、それ以上の温度
ではグリースの耐熱性から安定な特性を期待する
ことは困難である。また、接合面におけるグリー
スの存在で放熱板と素子との接触面積が少なくな
るので、電気伝導の面でも危険性が生じ、例えば
特に大電流の流入に対して電流が局部的に集中す
る等の問題を生ずる。 従つて本考案は従来の技術の上記欠点を改善す
るもので、その目的は、良好な熱および電気伝導
性を有し効率のよい動作を行なうことのできる加
熱装置を提供することにある。この目的を達成す
るための本考案の特徴は、導電性および熱伝導性
を有すると共に黒鉛の薄片を圧縮積層した柔軟性
のある黒鉛シートと該黒鉛シートの一面に接する
正の温度係数を有するサーミスタ素子とによる少
なくとも1つの組合せ体と、熱伝導性の良い金属
材料からなり上記黒鉛シートの他面に接し組合せ
体を収容する放熱部材と、放熱部材およびサーミ
スタ素子で黒鉛シートを圧するごとく上記サーミ
スタ素子を挿圧する手段と、上記組合せ体に給電
する手段とを有するごとき加熱装置にある。以下
図面により実施例を説明する。 第2図aおよび第2図bは本考案による加熱装
置の一実施例で、第2図aは組立図、第2図bは
断面図を示す。 図において、参照符号AおよびBは組合せ体
で、第1の組合せ体Aは円板状の黒鉛シート21
aと該シートの一面に接する円板状のPTCサー
ミスタ素子20aで構成され、第2の組合せ体B
は黒鉛シート21bとPTCサーミスタ素子20
bで構成される。黒鉛シート21aおよび21b
は黒鉛の薄片を圧縮積層したもので、柔軟性を有
すると共に良好な電気伝導性および熱伝導性を有
し、また耐熱性が高くその酸化温度は300℃以上
の値を有する。22aは上部放熱部材、22bは
下部放熱部材で、熱伝導性の良い金属例えばアル
ミニウム等からなり、上記組合せ体を収容するご
とく容器状に形成される。23は弾力性のある金
属で形成された電極で、水平面内に延びる複数の
突出部を有する菊花形状であつて隣接する各突部
が垂直面内で互いに逆方向に反るごとく構成され
る。24は電極23から引き出されるリード線
で、該リード線を外部に導き出すため、第2の組
合せ体Bおよび下部放熱部材22bに貫通孔がも
うけられる。 以上のごとき各構成のもとで、組合せ体は、第
1の組合せ体Aを構成する黒鉛シート21aの他
面が上部放熱板22aに接し、第2の組合せ体B
を構成する黒鉛シート21bの他面が下部放熱板
22bに接するごとく、放熱部材に収容される。
電極23は、第1の組合せ体Aと第2の組合せ体
Bとの間に配置され、従つて組合せ体が放熱部材
に収容されれば、第2図bに示すごとく各サーミ
スタ素子20aおよび20bの夫々に接し、しか
も電極23は弾力性を有するので、放熱部材に対
して各サーミスタ素子20aおよび20bを圧す
ることになる。 本考案による加熱装置が以上のごとく構成され
れば、電極23による押圧力により黒鉛シート2
1aおよび21bが圧縮され接合面に密着するこ
とになるので、接合面の空隙は除去され良好な熱
伝導性が確保されると共に300℃以上の温度でも
安定な特性を得ることができ、また、大電流の流
入に対しても導電性が良いので電流の局部的集中
を招来するおそれはない。なお、PTC素子に対
する給電は、リード線24と放熱部材間に電圧を
印加することにより行なわれる。 本考案によれば、更に次の効果を得ることがで
きる。 第1に、PTCサーミスタ素子の厚さを比較的
薄くすることが可能で、従つて素子の温度を放熱
部材の温度に良好に感応させることができる。す
なわち、放熱部材を通してPTCサーミスタ素子
の熱を取り出す場合、素子の接合面とこれに対向
し空気に接する素子の他面間には、第3図aに示
すごとき温度勾配が生じ、接合面では抵抗値が低
く、他面では高くなる。なお、第3図aにおい
て、横軸はPTCサーミスタ素子20および放熱
部材22の厚さtm/m、縦軸は接合面を示すと
共に温度℃で、曲線a1は放熱部材22における温
度勾配を、曲線b1は素子20における温度勾配
を、また曲線b2は素子20における抵抗値の変化
を夫々示す。第3図bは第3図aと同様の仕様で
素子20の厚さを薄くした場合を示し、曲線b′1
で示されるように温度勾配が小となり、放熱部材
22の温度に良く感応することがわかる。しか
し、素子の厚さを薄くすると機械的強度が減少す
るので接合面を密着するための挿圧力に限界が生
じ、従つて良好な電気および熱伝導性を得るため
の接合がより困難となるが、本考案によれば、柔
軟性シートを介在させているので、素子厚を薄く
しても素子の破壊を来たすことなく良好な接合面
を確保することが可能である。 第2に、黒鉛シートを発熱体として寄与させる
ことができより効果的な加熱を奏することができ
る。これは、第4図にもとずいて説明される。第
4図はサーミスタ素子の抵抗値RPおよび黒鉛シ
ートの抵抗値rGの温度に対する変化を示すもので
(横軸:温度、縦軸:抵抗値)、サーミスタ素子は
正の温度係数を、黒鉛シートは負の温度係数を有
する。なお、曲線RP+rGは合成抵抗を示す。今、
温度T1で動作しているものとすれば、図から明
らかなように発熱電力の大部分はサーミスタ素子
で負担される。しかし、放熱部から取出される熱
量が増加し温度がT2に下がると、黒鉛シートに
よる発熱電力の分担が大となり、放熱部に密接す
る黒鉛シートがPTCサーミスタ素子と共に発熱
源として動作するようになる。従つて、高負荷時
においても熱の伝導は良好で、充分な熱量を発生
することができる。 第3に、放熱部に対する熱の伝導が早く、従つ
て昇温時間が短い。これは、第5図aおよび第5
図bにもとづいて説明される。第5図aは黒鉛シ
ートを用いない場合における放熱部の昇温特性c
およびサーミスタ素子の昇温特性dで(横軸:時
間、縦軸:電力)、サーミスタ素子自体は比較的
短時間で最大負荷電力W0に達するが、放熱部に
対する熱伝導が良好でないので放熱部の温度上昇
に遅れが生ずる。また、図からサーミスタ素子は
比較的短時間tでほぼ一定の電力ωになることが
わかる。第5図bは第5図aと同一仕様で更に黒
鉛シートをもうけたもので、最大負荷電力W0
曲線d′およびeで示すごとくサーミスタ素子と黒
鉛シートとにより分割されるので、サーミスタ素
子で消費される電力は第5図aに比較して小とな
る(WPTC-G<WPTC)。従つて、サーミスタ単体を
見た場合の昇温速度は遅くなり、電力もそれだけ
長時間t′まで加わる(t′>t)。従つて本考案によ
れば、昇温初期における供給電力量を大きくする
ことができ、曲線d′に示すごとく放熱部の昇温速
度は早くなる。 実験例1:PTCサーミスタ素子直径34mm×厚さ
1.0mm、黒鉛シート厚さ0.4mm、放熱部材(アル
ミニウム)厚さ1.0mmで本考案による加熱装置
を構成し、黒鉛シートを用いないものとの対比
において、時間に対する電流値Aおよび温度℃
を測定した。なお、加熱装置は空気中に設置し
た。
【表】 第1表は実験結果を示し、本考案の構造によ
れば良好な熱伝導性を有し昇温特性の優れてい
ることがわかる。 実験例2:上記構成の加熱装置を水を噴霧させた
状態下に設置し、黒鉛シートを用いないものと
の対比において、突入時の電流と安定時の電流
および安定時の温度とを測定した。
【表】 第2表は実験結果を示し、本考案の構造によ
れば安定時(発熱体による消費電力がほぼ一定
となつた状態)の電流および温度が高く、加熱
特性の優れていることがわかる。 以上説明した実施例および実験例では黒鉛シー
トを用いたが、例えば伝導性ゴム等のごとき熱伝
導性および電気伝導性を有する柔軟な薄板を用い
本考案を構成することが可能である。また、素子
および黒鉛シートからなる組合せ体を2組用いた
が、本考案はこれに限定されるものではなく、そ
の用途および必要とされる熱量に応じて、1組あ
るいは2組以上もうけられる。 以上詳しく説明したように本考案によれば、良
好な熱伝導性および電気伝導性を有する加熱装置
を提供することができ、例えばガソリン内燃機関
における気化のための加熱装置等として有効に用
いることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は加熱装置の従来例、第2図aおよび第
2図bは本考案による加熱装置の一実施例、第3
図a、第3図b、第4図、第5図aおよび第5図
bは本考案による加熱装置の効果を説明するため
の図である。 20a,20b:PTCサーミスタ素子、21
a,21b:黒鉛シート、22a,22b:放熱
部材、23:電極、24:リード線。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 導電性および熱伝導性を有すると共に黒鉛の薄
    片を圧縮積層した柔軟性のある黒鉛シートと該黒
    鉛シートの一面に接する正の温度係数を有するサ
    ーミスタ素子とによる少なくとも1つの組合せ体
    と、熱伝導の良い金属材料からなる上記黒鉛シー
    トの他面に接し組合せ体を収容する放熱部材と、
    放熱部材およびサーミスタ素子で黒鉛シートを圧
    するごとく上記サーミスタ素子を押圧する手段
    と、上記組合せ体に給電する手段とを有すること
    を特徴とする加熱装置。
JP1981091644U 1981-06-23 1981-06-23 Expired JPS6333352Y2 (ja)

Priority Applications (1)

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JP1981091644U JPS6333352Y2 (ja) 1981-06-23 1981-06-23

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JP1981091644U JPS6333352Y2 (ja) 1981-06-23 1981-06-23

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JPS57203496U JPS57203496U (ja) 1982-12-24
JPS6333352Y2 true JPS6333352Y2 (ja) 1988-09-06

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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS565394B2 (ja) * 1976-03-16 1981-02-04
JPS572501A (en) * 1980-06-06 1982-01-07 Nippon Denso Co Resistor

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS565394U (ja) * 1979-06-25 1981-01-17

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JPS565394B2 (ja) * 1976-03-16 1981-02-04
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JPS57203496U (ja) 1982-12-24

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