JP3222324U - 絶縁型ヒータおよびヒータ装置 - Google Patents

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浩四郎 田口
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Abstract

【課題】漏電および短絡に対する信頼性が高く、構造容易で耐久性に優れた絶縁型ヒータおよびヒータ装置を提供する。【解決手段】表裏に電極層が設けられた発熱素子10と、発熱素子を間に挟持し、表裏の電極層のそれぞれと導通する一対の電極板20と、一対の電極板の外側に配置された一対の放熱フィン40と、を備え、一対の電極板のそれぞれと、一対の放熱フィンのそれぞれとの間に絶縁板が設けられ、電極板と絶縁板との間、および絶縁板と放熱フィンとの間は、耐熱性接着剤50によって接続された。【選択図】図1

Description

本考案は絶縁型ヒータおよびヒータ装置に関し、より詳しくは漏電および短絡に対する信頼性の高い絶縁型ヒータおよびヒータ装置に関するものである。
PTC(Positive Temperature Coefficient)素子を用いたヒータは、PTC素子の正温度特性を利用して、容易な温度制御および低消費電力化を図ることができる加熱装置である。また、PTC素子を用いたヒータに絶縁性を持たせることで、乾燥した場所のみならず湿気のある場所での利用も可能となり、適用範囲を拡げることができる。
このような発熱素子を用いたヒータとして、特許文献1には、正特性サーミスターを用いた放熱器が開示される。また、特許文献2〜5には、発熱素子を一対の電極板や一対の放熱フィンで挟持してクリップで挟み込む構成が開示される。
特開平6−203945号公報 特開2008−071553号公報 特開2010−034111号公報 特開2012−028384号公報 特開2014−222781号公報
しかしながら、特許文献1に開示される放熱器では、放熱体に電流が流れる非絶縁型であり、放熱器を組み込む製品の筐体を絶縁性および耐熱性に優れた材料(例えば、耐熱性樹脂)で形成しなければならない。このため、樹脂製の筐体を熱から保護するための温度ヒューズやサーモスタットなどの保護機構を設ける必要があり、製品設計の自由度が低く、コストアップを招きやすい。また、非絶縁型ヒータでは、筐体を絶縁材料で形成したとしても、湿気の多い場所での使用は難しい。
一方、特許文献2〜5に記載のヒータでは、発熱素子と導通する電極板と、放熱フィンとの間に絶縁板が設けられており、放熱フィンに電流が流れない絶縁型となっている。しかし、発熱素子を間として電極板、絶縁板、放熱フィンで挟持する構造体をクリップで挟み込む構成のため、構造が複雑化しやすく、クリップで挟むための延出部分が必要であり、この延出部分やクリップによって装置の小型化を図ることが困難となる。また、クリップによって挟み込むと、その力で発熱素子の割れや欠けが発生する可能性がある。さらに、欠けた発熱素子の破片の脱落や、破片が原因で短絡の危険性が高まる。さらに、クリップによる挟み込みでは、振動する環境で使用される場合や、ON/OFF制御での熱膨張、収縮の繰り返しによって発熱素子が面方向にずれやすく、電極層と電極板との摩擦によって電極層の摩耗が発生し、出力低下の原因となる。
本考案は、漏電および短絡に対する信頼性が高く、構造容易で耐久性に優れた絶縁型ヒータおよびヒータ装置を提供することを目的とする。
本考案の一態様は、表裏に電極層が設けられた発熱素子と、発熱素子を間に挟持し、表裏の電極層のそれぞれと導通する一対の電極板と、一対の電極板の外側に配置された一対の放熱フィンと、を備え、一対の電極板のそれぞれと、一対の放熱フィンのそれぞれとの間に絶縁板が設けられ、電極板と絶縁板との間、および絶縁板と放熱フィンとの間は、耐熱性接着剤によって接続された、絶縁型ヒータである。
このような構成によれば、電極板と放熱フィンとの間に絶縁板を設けることで、放熱フィンを電気的に絶縁することができる。また、電極板と絶縁板との間、および絶縁板と放熱フィンとの間を耐熱性接着剤によって接続するため、クリップなどの固定具を用いることなく発熱素子、電極板および絶縁板による発熱構造体を密着させることができる。
上記の絶縁型ヒータにおいて、発熱素子、一対の電極部および絶縁板で構成された発熱構造体の側面の全体が絶縁性接着剤で覆われていることが好ましい。これにより、発熱構造体の側面において電極層や電極板の露出を防止して、漏電および短絡に対する信頼性を高めることができる。
上記の絶縁型ヒータにおいて、一対の電極部の間で前記発熱素子を挟持する方向を第1方向、第1方向と直交し電極板が延在する方向を第2方向、第1方向および第2方向と直交する方向を第3方向として、発熱素子の第3方向の長さをWp、絶縁板の第3方向の長さをWi、および放熱フィンの第3方向の長さをWfとした場合、Wp<Wi≦Wfを満たし、発熱素子および電極板の側面の全体が絶縁性接着剤で覆われていてもよい。これにより、発熱素子および電極板の幅が放熱フィンおよび絶縁板の幅よりも狭くなり、幅の狭くなった部分に構成される凹部に絶縁性接着剤を埋め込むことができる。
上記の絶縁型ヒータにおいて、第1方向にみて、電極板は絶縁板の内側に配置されることが好ましい。これにより、積層構造体において電極板が絶縁板の外周よりも内側に後退して配置されるため、電極板の縁と放熱フィンとの沿面距離を長くすることができる。
上記の絶縁型ヒータにおいて、絶縁板は、酸化アルミニウムを含んでいてもよい。これにより、絶縁板に十分な硬さおよび平坦性を持たせることができ、絶縁板と筒体の内面との密着性を高めることができる。
上記の絶縁型ヒータにおいて、発熱素子は、PTC(Positive Temperature Coefficient)素子であってもよい。これによりPTC素子の正温度特性を利用して、容易な温度制御および低消費電力化を図ることができる。
本考案の一態様は、上記の絶縁型ヒータと、絶縁型ヒータを収容する金属製の筐体と、を備えた、ヒータ装置である。このような構成によれば、筐体として耐熱性樹脂を用いる必要がなく設計自由度が高まるとともに、樹脂製の筐体を用いる場合に必要な熱に対する保護機構を省略することができる。
本考案によれば、漏電および短絡に対する信頼性が高く、構造容易で耐久性に優れた絶縁型ヒータおよびヒータ装置を提供することが可能になる。
本実施形態に係る絶縁型ヒータの構成を例示する分解斜視図である。 本実施形態に係る絶縁型ヒータの構成を例示する模式平面図である。 本実施形態に係る絶縁型ヒータの構成を例示する模式側面図である。 本実施形態に係る絶縁型ヒータの構成を例示する模式断面図である。 本実施形態に係るヒータ装置の構成を例示する模式図である。 本実施形態に係るヒータ装置の構成を例示する斜視図である。 本実施形態に係るヒータ装置の製造方法を例示するフローチャートである。
以下、本考案の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、同一の部材には同一の符号を付し、一度説明した部材については適宜その説明を省略する。
(絶縁型ヒータの構成)
図1は、本実施形態に係る絶縁型ヒータ(以下、単に「ヒータ」とも言う。)の構成を例示する分解斜視図である。
図2は、本実施形態に係るヒータの構成を例示する模式平面図である。
図3は、本実施形態に係るヒータの構成を例示する模式側面図である。
図4は、本実施形態に係るヒータの構成を例示する模式断面図である。
ここで、図2に示す模式平面図では、上側の絶縁板30および放熱フィン40の一部を省略して表示し、図3に示す模式側面図では、封止剤60の一部を省略して表示している。
本実施形態に係るヒータ1は、電圧印加によって発熱する装置である。ヒータ1は、発熱素子10、一対の電極板20、一対の絶縁板30および一対の放熱フィン40を備える。
なお、本実施形態では、説明の便宜上、一対の電極板20の間で発熱素子10を挟持する方向を第1方向D1、第1方向と直交し放熱フィン40の延在する方向を第2方向D2、第1方向D1および第2方向D2と直交する方向を第3方向D3と言うことにする。また、第1方向D1は厚さ方向、第2方向D2は長さ方向、第3方向D3は幅方向とも言うことにする。
発熱素子10は、電圧の印加によって発熱する素子である。発熱素子10には、例えばPTC(Positive Temperature Coefficient)素子が用いられる。PTC素子は正温度特性を有する。すなわち、キュリー点以上の温度になると抵抗が増加して、それ以上の温度上昇が制限される。発熱素子10としてPTC素子を用いることで、温度制御の容易性および消費電力の抑制を図ることができる。
PTC素子の正温度特性は、チタン酸バリウム(BaTiO)に微量の希土類などを添加することで変化する。本実施形態では複数の発熱素子10が設けられる。1つの発熱素子10は、厚さ約3ミリメートル(mm)〜5mm、幅約13mm〜15mm、長さ約23mm〜25mmの略直方体である。本実施形態に係るヒータ1では、高出力を得るとともに、省スペース化を図るため、上記の大きさの発熱素子10が第2方向D2に複数個、直列に並べられている。
発熱素子10の表裏面(厚さ方向の表裏面)のそれぞれには電極層10aが設けられる。電極層10aには、銀(Ag)やアルミニウム(Al)等の金属が用いられる。これらの金属を発熱素子10の表裏面に例えば溶射することで電極層10aが形成される。金属の溶射によって形成された電極層10aの表面には微小な凹凸が設けられる。また、電極層10aは発熱素子10とオーミックコンタクトしている。
発熱素子10は、一対の電極板20の間に挟持される。一対の電極板20のうちの一方は第1電極板201であり、他方は第2電極板202である。説明の便宜上、第1電極板201および第2電極板202を区別せずに示すときは、電極板20と言うことにする。第1電極板201は、発熱素子10の一方の電極層10aと導通し、第2電極板202は、発熱素子10の他方の電極層10aと導通する。電極板20と発熱素子10との間は耐熱接着剤(シリコーン接着剤等)によって接続される。この電極板20と発熱素子10とを接着する耐熱接着剤としては、後述するように接着力の高い絶縁性の接着剤を用いることができる。
第1電極板201は、第1板状部分211、第1端子部分221および第1凸状延出部分231を有する。第2電極板202は、第2板状部分212、第2端子部分222および第2凸状延出部分232を有する。また、第1端子部分221は第1かしめ部分251を有し、第2端子部分222は第2かしめ部分252を有する。
説明の便宜上、第1板状部分211および第2板状部分212を区別せずに示すときは、板状部分210と言うことにする。また、第1端子部分221および第2端子部分222を区別せずに示すときは、端子部分220と言うことにする。また、第1凸状延出部分231および第2凸状延出部分232を区別せずに示すときは、凸状延出部分230と言うことにする。また、第1かしめ部分251および第2かしめ部分252を区別せずに示すときは、かしめ部分250と言うことにする。
板状部分210は、第2方向D2に延在する薄板状の部分であり、電極層10aと導通するように接する。板状部分210の幅は、電極層10aの幅よりも広く、発熱素子10の幅以下であることが望ましい。板状部分210の幅が電極層10aの幅よりも広いことで、電極層10aの全体を板状部分210と接触させることができる。一方、板状部分210の幅を発熱素子10の幅以下にすることで、板状部分210の幅方向の縁部分が発熱素子10よりも外側にはみ出ないことになる。
端子部分220は、板状部分210における一方の端部に設けられる。第1かしめ部分251には第1導通ケーブルC11がかしめによって固定され、第2かしめ部分252には第2導通ケーブルC12がかしめによって固定される。
説明の便宜上、第1導通ケーブルC11および第2導通ケーブルC12を区別せずに示すときは、導通ケーブルC10と言うことにする。導通ケーブルC10は、導線の周囲を絶縁被覆材で覆ったものである。導通ケーブルC10の先端において絶縁被覆材から露出する導線がかしめ部分250でかしめによって接続される。また、絶縁被覆材の先端部分についても、かしめ部分250でかしめによって固定されていることが望ましい。かしめによる接続では、はんだ付け、ろう付け、ねじ止めに比べて容易かつ確実に接続することができる。導通ケーブルC10を接続した端子部分220には絶縁処理(絶縁テープや熱収縮チューブ)を施しておくことが好ましい。
凸状延出部分230は、板状部分210とかしめ部分250との間に設けられる。凸状延出部分230は、板状部分210における端部から第2方向D2へ凸型に延出した部分である。凸状延出部分230の先端部分から第2方向D2へ、かしめ部分250が延出している。
電極板20には、例えばステンレスやアルミニウム(Al)が用いられる。なお、端子部分220を幅狭で直線的に延出させるため、電極板20にはある程度の固さを備えたステンレスを用いることが好ましい。板状部分210の厚さは約0.2mm以上0.5mm以下程度である。
一対の絶縁板30は絶縁性を有する板状部材であり、一対の電極板20を間に挟持する。一対の絶縁板30のうちの一方は第1絶縁板301であり、他方は第2絶縁板302である。説明の便宜上、第1絶縁板301および第2絶縁板302を区別せずに示すときは、絶縁板30と言うことにする。
絶縁板30は、例えば酸化アルミニウム(アルミナ)を含む。絶縁板30は、酸化アルミニウムの板材によって構成されていてもよいし、芯材となる支持板の表面に酸化アルミニウムを被覆した構成でもよい。また、絶縁板30は、ポリイミド等の樹脂材料で構成されていてもよい。第1絶縁板301は第1電極板201の外側に配置され、第2絶縁板302は第2電極板202の外側に配置される。すなわち、第1絶縁板301と第2絶縁板302との間に、発熱素子10を挟持した一対の電極板20が挟持される状態となる。
ここで、絶縁板30の長さは、電極板20の端子部分220の全体を覆うことができる長さであることが好ましい。これにより、一対の絶縁板30の間に端子部分220が隠れるようになり、絶縁性、耐短絡性を高めることができる。また、凸状延出部分230から延出する端子部分220を一対の絶縁板30で支持し、折れ曲がりを防止することができる。端子部分220側の端部の処理としては、一つの絶縁板30の間において端子部分220を封止剤60で埋め込んでもよいし、絶縁性を有するキャップ(樹脂製キャップ)を被せるようにしてもよい。
一対の放熱フィン40は、一対の電極板20の外側に配置される。すなわち、第1電極板201の外側に第1放熱フィン401が配置され、第2電極板202の外側に第2放熱フィン402が配置される。なお、説明の便宜上、第1放熱フィン401および第2放熱フィン402を区別せずに示すときは、放熱フィン40と言うことにする。放熱フィン40は、例えばアルミニウム(Al)からなる板材を、山部と谷部とを繰り返すように折り曲げて構成されている。
本実施形態では、第1電極板201と第1放熱フィン401との間に第1絶縁板301が配置され、第2電極板202と第2放熱フィン402との間に第2絶縁板302が配置される。これにより、第1電極板201と第1放熱フィン401とは第1絶縁板301によって電気的に絶縁され、第2電極板202と第2放熱フィン402とは第2絶縁板302によって電気的に絶縁される。
また、本実施形態では、電極板20と絶縁板30との間、および絶縁板30と放熱フィン40との間は、耐熱性接着剤50によって接続される。すなわち、第1電極板201と第1絶縁板301との間、第1絶縁板301と第1放熱フィン401との間、第2電極板202と第2絶縁板302との間、および第2絶縁板302と第2放熱フィン402との間が耐熱性接着剤50によって接続される。耐熱性接着剤50には、例えばシリコーン接着剤が用いられる。耐熱性接着剤50としては、接着力の高い絶縁性の接着剤を用いることができる。
このように、本実施形態では、電極板20と放熱フィン40との間に絶縁板30を設けることで放熱フィン40を電極板20(発熱素子10)と電気的に絶縁することができる。また、電極板20と絶縁板30との間、および絶縁板30と放熱フィン40との間を耐熱性接着剤50によって接続する構成のため、クリップなどの固定具を用いることなく発熱素子10、電極板20および絶縁板30による発熱構造体100および発熱構造体100と放熱フィン40とを密着させることができる。
ここで、発熱素子、一対の電極板、一対の絶縁板および一対の放熱フィンを積層構造としようとした場合、接着剤を用いて各部間を接続する構成が考えられる。この際、発熱素子10と電極板20との間は導電性を有する接着剤を用いるようにする。しかし、導電性を有する接着剤には導電性フィラーが混入しているため、絶縁性の接着剤に比べて接着力が劣る。そこで、接着剤を使わずに直接積層して発熱素子と電極板との導通を得た状態で、クリップで挟持して固定する構成が採用される(特許文献2〜5など)。
ところが、クリップで挟持する場合、クリップの押圧力で発熱素子の割れや欠けが発生する可能性がある。さらに、欠けた発熱素子の破片の脱落や、破片が原因で短絡の危険性が高まる。また、クリップによる挟み込みでは、振動する環境で使用される場合や、ON/OFF制御での熱膨張/収縮の繰り返しによって発熱素子が面方向にずれやすく、電極層と電極板との摩擦によって電極層の摩耗が発生し、出力を低下させる原因となる。
本実施形態では、電極層10aがアルミニウム等の金属の溶射によって形成されているため、電極層10aの表面に微小な凹凸が設けられている。このため、絶縁性の接着剤を用いて発熱素子10と電極板20とを接着しても、密着させた際に電極層10aの微小な凹凸が絶縁性の接着剤を貫通して電極板20と接触し、電極層10aと電極板20との導通を得ることができる。
このため、発熱素子10と電極板20とを接着力の高い絶縁性の接着剤で接続することができ、クリップで挟持する必要なく強固な密着力と導通性とを得ることが可能となる。また、本実施形態では、電極板20と絶縁板30との間、および絶縁板30と放熱フィン40との間を耐熱性接着剤50も接着力の高い絶縁性の接着剤を用いることができる。すなわち、発熱素子10、一対の電極板20、一対の絶縁板30および一対の放熱フィン40の積層構造を、クリップを用いることなく、接着力の高い絶縁性の接着剤で強固に密着接続することができる。
したがって、本実施形態では、クリップを用いることなく接着剤による密着積層でシンプルな構成を実現できること、絶縁性の接着剤を用いても発熱素子10と電極板20との導通を得られること、絶縁性の接着剤を用いた強固な接着によって、振動や熱膨張/収縮の繰り返しによる発熱素子10の面方向のずれが発生しにくく、電極層10aと電極板20との摩擦による電極層10aの摩耗を抑制できること、これにより長期間にわたり出力を維持できる耐久性に優れていること、という特有の作用効果を得ることができる。
また、本実施形態では、図4に示すように、発熱素子10の第3方向の長さ(幅)をWp、絶縁板30の第3方向の長さ(幅)をWi、および放熱フィン40の第3方向の長さ(幅)をWfとした場合、Wp<Wi≦Wfを満たすよう構成されている。これにより、ヒータ1の最も幅の広い部分が放熱フィン40となり、放熱フィン40および絶縁板30の幅よりも発熱素子10の幅のほうが狭くなる。この幅の差によって発熱構造体100の側面に凹部100aが構成される。この凹部100aには封止剤60が埋め込まれる。封止剤60には、例えばシリコーン系樹脂やエポキシ樹脂などの耐電圧および耐熱型の樹脂材料が用いられる。
封止剤60によって、発熱構造体100の側面において電極層10aや電極板20の露出を防止することができる。また、発熱構造体100の側面を封止剤60で覆ったとしても、封止剤60を凹部100aに埋め込むことができ、封止剤60によってヒータ1の幅が広くなることを抑制できる。
また、電極板20の第3方向の長さ(幅)をWeとして場合、We<Wi≦Wfを満たすよう構成されていることが好ましい。さらには、電極層10aの第3方向の長さ(幅)をWaとした場合、Wa<Wpを満たすよう構成されていることが好ましい。これにより、第1方向D1にみて、電極板20や電極層10aが絶縁板30よりも内側に配置されるため、発熱構造体100の長辺側の側面において生じやすい電極板と放熱フィンとの間の漏電の抑制効果を高めることができる。
さらに、第1方向D1にみた場合、電極板20が絶縁板30の内側に配置されるようにすることが好ましい。これにより、発熱構造体100において電極板20が絶縁板30の外周よりも内側に後退して配置されるため、電極板20の縁と放熱フィン40との沿面距離を長くすることができ、電極板と放熱フィンとの間の漏電の抑制効果をより高めることが可能となる。
このような構成を備えた本実施形態に係るヒータ1では、シンプルな構成でありながら、漏電および短絡に対する信頼性が高く、耐久性に優れ、しかも部材間をクリップで止める必要がないため、コンパクトなヒータ1を実現することが可能となる。
(ヒータ装置の構成)
図5は、本実施形態に係るヒータ装置の構成を例示する模式図である。
図6は、本実施形態に係るヒータ装置の構成を例示する斜視図である。
本実施形態に係るヒータ装置500は、上記説明した本実施形態に係るヒータ1を金属製の筐体510に収容したものである。図5および図6に示すヒータ装置500の例では、2つのヒータ1を上下重ねて筐体510に収容した構成となっている。なお、筐体510に収容するヒータ1の数や配置はこれに限定されない。
筐体510に収容されたヒータ1の導通ケーブルC10は、筐体510から外側に延出しており、外部の電源部600と接続される。これにより、電源部600から供給される電力が導通ケーブルC10を介して筐体510内のヒータ1に供給される。加熱されたヒータ1の熱は放熱フィン40に伝わる。ヒータ装置500の外側には図示しないファンが設けられており、ファンから放熱フィン40に風を送ることで、放熱フィン40の熱が風に伝わり、温風となって放出される。
このようなヒータ装置500に本実施形態に係るヒータ1を用いることで、筐体510として絶縁性を備えた樹脂製のみならず、金属製を適用することができる。すなわち、本実施形態に係るヒータ1では、電極板20と放熱フィン40との間に絶縁板30が設けられているため、金属製(例えば、アルミニウム)の放熱フィン40に電流は流れない。したがって、筐体510として絶縁性を備えている必要はなく、金属製の筐体510であっても適用可能となる。
樹脂製の筐体を用いる場合には、筐体成型のための金型が必要になるとともに、耐熱性を考慮した樹脂材料の選定が必要になる。耐熱性としては、例えば200℃以上が必要である。さらには、樹脂製の筐体を熱から保護するための温度ヒューズやサーモスタットなどの保護機構を設ける必要がある。
一方、筐体510として金属製を適用できると、筐体510の設計自由度を大幅に向上させることができる。すなわち、樹脂製を適用する場合のような金型が不要になり、板金加工によって筐体510を形成することができる。しかも、樹脂製の場合には必要になる温度ヒューズやサーモスタットのような保護機構を省略することができる。
また、もし、絶縁されていない放熱フィンを有するヒータを金属製の筐体に組み込もうとした場合には、筐体とヒータ(放熱フィン)との間に何らかの絶縁処理が必要になる。しかし、本実施形態に係るヒータ1を用いることで、ヒータ1(放熱フィン40)と筐体510との間に絶縁処理を施すことなくヒータ1を金属製の筐体510に組み込むことができる。すなわち、金属製の筐体510と放熱フィン40とが接触しても問題なく、隙間無く組み込むことができる。
したがって、同じ大きさのヒータであっても、本実施形態に係るヒータ1を用いることで筐体510を小型化することができる。さらに、筐体510に温度に対する保護機構を設ける必要がなくなり、ヒータ装置500の小型化とともに構造の簡素化を達成することができる。
(製造方法)
次に、ヒータ1の製造方法について説明する。
図7は、ヒータの製造方法を例示するフローチャートである。
先ず、発熱素子10を一対の電極板20で挟持する(ステップS101)。なお、発熱素子10を挟持する前に、予め、電極板20の端子部分220には導通ケーブルC10をかしめなどで接続しておく。発熱素子10と電極板20との間の接続には、熱伝導性に優れた例えばシリコーン系接着剤を用いることが好ましい。
次に、発熱素子10を挟持した一対の電極板20を一対の絶縁板30で挟持する(ステップS102)。絶縁板30には、例えば酸化アルミニウム(アルミナ)の板材が用いられる。電極板20と絶縁板30との間の接続には、耐熱性接着剤50が用いられる。耐熱性接着剤50としては、熱伝導性に優れた例えばシリコーン系接着剤が用いられる。
次に、一対の絶縁板30のそれぞれに一対の放熱フィン40を取り付ける(ステップS103)。絶縁板30と放熱フィン40との間の接続には、耐熱性接着剤50が用いられる。耐熱性接着剤50としては、熱伝導性に優れた例えばシリコーン系接着剤が用いられる。
次に、耐熱性接着剤50の硬化を行う(ステップS104)。耐熱性接着剤50として熱硬化型の接着剤を用いる場合、一対の放熱フィン40の外側から治具によって圧力をかけながら接着剤の硬化温度まで加熱する。これにより、発熱構造体100の各部材とともに一対の放熱フィン40が密着した状態で固定される。耐熱性接着剤50の硬化によってヒータ1が完成する。
このような製造方法によれば、耐熱性接着剤50によって発熱構造体100の各部材間の密着接続および放熱フィン40の密着接続をステップS104に示す硬化処理(加熱・加圧硬化処理)で一括して行うことができる。これにより、放熱フィン40の接続や、発熱構造体100の密着を別工程で行う場合に比べて製造にかかる時間を短縮することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、漏電および短絡に対する信頼性が高く、構造容易な絶縁型ヒータ1およびヒータ装置500を提供することが可能になる。
なお、上記に本実施形態およびその適用例を説明したが、本考案はこれらの例に限定されるものではない。例えば、発熱構造体100の側面を封止剤60で覆う例を示したが、複数の発熱素子10を収容できる絶縁性の枠体を用いてもよい。複数の発熱素子10が収容された枠体を一対の電極板20、一対の絶縁板30および一対の放熱フィン40で挟持すれば、枠体の内側に発熱素子10が密閉されることになる。また、導通ケーブルC10を接続する端子としてかしめ部分250の例を示したが、平板状に延出する端子部分であってもよい。この場合、導通ケーブルC10を、はんだ付け、ろう付け、ねじ止めで接続してもよいし、コネクタで接続してもよい。また、発熱素子10としてPTC素子を用いる例を示したが、PTC素子以外の素子(例えば、アルミナや窒化珪素などのセラミックス)を用いてもよい。
また、前述の各実施形態またはその適用例に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、各実施形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本考案の要旨を備えている限り、本考案の範囲に包含される。
本考案は、自動車、電車、船、飛行機等の移動体、浴室乾燥機、ドラム型洗濯乾燥機、食器洗い機、ふとん乾燥機などの加熱機構部分として利用可能である。特に、漏電および短絡に対する信頼性が高いため、湿気の多い場合で用いられる加熱機構部分として好適に利用可能である。
1…絶縁型ヒータ(ヒータ)
10…発熱素子
10a…電極層
20…電極板
30…絶縁板
40…放熱フィン
50…耐熱性接着剤
60…封止剤
100…発熱構造体
100a…凹部
201…第1電極板
202…第2電極板
210…板状部分
211…第1板状部分
212…第2板状部分
220…端子部分
221…第1端子部分
222…第2端子部分
230…凸状延出部分
231…第1凸状延出部分
232…第2凸状延出部分
250…かしめ部分
251…第1かしめ部分
252…第2かしめ部分
301…第1絶縁板
302…第2絶縁板
401…第1放熱フィン
402…第2放熱フィン
500…ヒータ装置
510…筐体
600…電源部
C10…導通ケーブル
C11…第1導通ケーブル
C12…第2導通ケーブル
D1…第1方向
D2…第2方向
D3…第3方向
Wa…電極層の幅
We…電極板の幅
Wf…放熱フィンの幅
Wi…絶縁板の幅
Wp…発熱素子の幅

Claims (7)

  1. 表裏に電極層が設けられた発熱素子と、
    前記発熱素子を間に挟持し、前記表裏の電極層のそれぞれと導通する一対の電極板と、
    前記一対の電極板の外側に配置された一対の放熱フィンと、
    を備え、
    前記一対の電極板のそれぞれと、前記一対の放熱フィンのそれぞれとの間に絶縁板が設けられ、
    前記電極板と前記絶縁板との間、および前記絶縁板と前記放熱フィンとの間は、耐熱性接着剤によって接続された、絶縁型ヒータ。
  2. 前記発熱素子、前記一対の電極部および前記絶縁板で構成された発熱構造体の側面の全体が絶縁性接着剤で覆われた、請求項1記載の絶縁型ヒータ。
  3. 前記一対の電極部の間で前記発熱素子を挟持する方向を第1方向、前記第1方向と直交し前記電極板が延在する方向を第2方向、前記第1方向および前記第2方向と直交する方向を第3方向として、
    前記発熱素子の前記第3方向の長さをWp、前記絶縁板の前記第3方向の長さをWi、および前記放熱フィンの前記第3方向の長さをWfとした場合、
    Wp<Wi≦Wfを満たし、
    前記発熱素子および前記電極板の側面の全体が絶縁性接着剤で覆われた、請求項1記載の絶縁型ヒータ。
  4. 前記第1方向にみて、前記電極板は前記絶縁板の内側に配置された、請求項3記載の絶縁型ヒータ。
  5. 前記絶縁板は、酸化アルミニウムを含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の絶縁型ヒータ。
  6. 前記発熱素子は、PTC(Positive Temperature Coefficient)素子である、請求項1から5のいずれか1項に記載の絶縁型ヒータ。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の絶縁型ヒータと、
    前記絶縁型ヒータを収容する金属製の筐体と、
    を備えた、ヒータ装置。
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