JPS6333344B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は押しボタンダイヤル装置などのプツシ
ユ式外部操作装置の押しボタンの一部が電話機本
体に着脱する前蓋の押しボタン穴から前蓋の前面
側へ突出した電話機に関する。

押しボタンダイヤル装置のようなプツシユ式外
部操作装置を備えた公衆電話機では、第１図に示
すように、電話機本体１に着脱される前蓋２の前
面板２ａに、プツシユ式外部操作装置４の押しボ
タン外枠５の外形に適合する形状の押しボタン穴
３が設けられ、この押しボタン穴３に押しボタン
外枠５が嵌まつていて、押しボタン外枠５に進退
自在に収容された押しボタン６の前端面が前蓋２
の前面側に突出した構造になつている。

そして、この押しボタン穴３に押しボタン外枠
５が嵌まつた状態において押しボタン外枠５が押
しボタン穴３の中心に位置せず偏つていると、押
しボタン穴３と押しボタン外枠５との間に片側に
間ができ、この隙間からごみがはいつたり、いた
ずらによつて紙その他の薄片を差し込まれるおそ
れがある。このため従来では、押しボタン穴３の
中心に押しボタン外枠５が位置して押しボタン穴
３と押しボタン外枠５との間に隙間が生じないよ
うに位置調整して、前蓋２の前面板２ａの裏面か
ら取付け具７によつてプツシユ式外部操作装置４
を前蓋２に直接取付けている。

しかしながら、このように前蓋２にプツシユ式
外部操作装置４を直接取付けると、電話機本体１
と前蓋２との間は配線でつながつた状態となるた
め、公衆電話機の作動テストの際に自由に前蓋２
を電話機本体１から分離できず非常に不便であ
り、前蓋２と電話機本体１との分離の際には、押
しボタン外枠５その他の実装部品や配線を取りは
ずしたりしなければならず大変不便であつた。そ
して、これを避けるには電話機本体１の配線と前
蓋２の配線との分離、接続を行なうためにコネク
タを用いなければならなかつた。また電話機本体
１と前蓋２とが配線でつながつているため、リー
ド線が長く必要となり、公衆電話機の組立におい
て配線作業が煩雑であつた。

このため、上記の不都合を解消するには、プツ
シユ式外部操作装置４を前蓋２に取付ける代りに
電話機本体１に取付け、前蓋２を電話機本体１に
被せた時に前蓋２の押しボタン穴３に押しボタン
外枠５が嵌合するようにすることが望ましい。し
かしこの方法では、従来のように押しボタン外枠
５を押しボタン穴３に正確に適合させて前蓋２に
直接取付けるのとは異り、プツシユ式外部操作装
置４と前蓋２とが分離しているから、前蓋２を電
話機本体１に被せても押しボタン外枠５と押しボ
タン穴３とが正確に適合することははなはだ困難
である。即ち、前蓋２を電話機本体１に被せたと
きに押しボタン外枠５と押しボタン穴３とが正確
に位置ずれなく隙間なく適合するのは、プツシユ
式外部操作装置４の電話機本体１への取付け寸法
精度、前蓋２と電話機本体１との取付け精度、前
蓋２に形成された押しボタン穴３の寸法位置精度
などのすべての条件が完全に整つた場合にのみ実
現されることであつて、実際にはほとんど不可能
であつた。

本発明は上記の問題を解決し、プツシユ式外部
操作装置を電話機本体に取付けても前蓋の押しボ
タン穴にプツシユ式外部操作装置の押しボタン外
枠が確実に適合するようにした電話機を提供する
ことを目的とするものであつて、外部操作装置を
前蓋平面に平行な任意の方向に所定範囲で移動可
能に且つ前蓋方向への弾発力を与える支持手段に
よつて電話機本体に取付け、前蓋を被せる際に押
しボタン穴に外部操作装置の押しボタン外枠を圧
入して外部操作装置を押しボタン穴と押しボタン
外枠とが適合する位置に移動位置決めさせるよう
にしたことを特徴としている。

以下、図面に基いて本発明の一実施例について
説明する。

第２図に示すように、電話機本体１の前面部に
は、後述するようにプツシユ式外部操作装置（例
えば押しボタンダイヤル装置）４、プリント基板
その他の装置を取付けるための取付け台１１が、
前蓋２の前面板２ａと同一傾斜角で設置されてい
る。

取付け台１１には、プツシユ式外部操作装置４
を取付けるべき中心位置の左右に二つ並んで、凸
字形をした係合穴１５が、同じ向きに平行に穿設
されている。

第３，４図に示すように、プツシユ式外部操作
装置４の背面には、プリント基板２１を介して∩
形の支持金具２２が固定され、支金具２２の脚部
２２ａを介してほぼ∩形の取付け金具２３が固定
されている。なお２４は支持金具２２の脚部２２
ａから内方へ突設された突片２２ｂに取付けられ
たプリント板、２５はプリント板２４に実装され
た電子回路素子、２６はリード線である。

取付け金具２３の底板２３ｂの中央部には、前
記二つの係合穴１５に係合させるためのＴ字形を
した二つの抜け止め片２７が、外方へ垂直に屈折
されている。抜け止め片２７は、側板２３ａに平
行で、同時に二つの係合穴１５の長穴部１５ａに
挿入できるように、二つの抜け止め片２７，２７
の間隔は二つの長穴部１５ａ，１５ａと同一間隔
になつている。また抜け止め片２７の基部２７ｂ
は矩形穴部１５ｂより幅が狭く、先端部２７ａは
矩形穴部１５ｂより幅が広く設定されている。

底板２３ｂ内側には、板ばね２８の基部２８ａ
が溶接によつて固定され、板ばね２８の両端の脚
部２８ｂが、底板２３ｂの両側の切欠き２９から
八の字状に外方へ突出している。脚部２８ｂは板
ばね２８から適宜傾斜角で折曲され、その先端部
２８b′は底板２３ｂとほぼ平行になるようにさら
に曲折されている。

この取付け金具２３は、第５図に示すように、
板ばね２８の脚部２８ｂの先端部２８b′を取付け
台１１に押圧しつつ、二つの抜け止め片２７を取
付け台１１の二つの係合穴１５の長穴部１５ａに
挿入した後、矩形穴部１５ｂ側へ抜け止め片２７
をずらすと、脚部２８ｂの弾発力によつて、抜け
止め片２７の先端部２７ａの両側部が矩形穴部１
５ｂの両縁部に係止した状態で取付け台１１に取
付けられる。従つて、取付け金具２３（及びプツ
シユ式外部操作装置４）は、横方向には矩形穴部
１５ｂの横幅と抜け止め片２７の基部２７ｂの幅
との差だけ、縦方向には矩形穴部１５ｂの縦幅と
抜け止め片２７の基部２７ｂの幅との差だけ移動
できる状態になつている。そして、この状態でプ
ツシユ式外部操作装置４は、電話機本体１へ前蓋
２を取付けた状態における前蓋２の前面板２ａよ
り押しボタン外枠５がさらに前方側へと突出して
位置するように、抜け止め片２７の基部２７ｂの
長さ及び板ばね２８の脚部２８ｂの高さが設定さ
れている。

押しボタン穴３の内周壁は裏面方向へ広がつた
テーパー面となつており、押しボタン外枠５はこ
れに適合する前蓋２方向へ小さくなるテーパー面
になつている。

従つて、電話機本体１に前蓋２を取付ける際
に、前蓋２の押しボタン穴３にプツシユ式外部操
作装置４の押しボタン外枠５が適応するように取
付け台１１に沿つてプツシユ式外部操作装置４を
ずらしておおまかな位置調整を行なつた後、押し
ボタン外枠５を押しボタン穴３に嵌めるように
し、板ばね２８の脚部２８ｂによる前蓋２方向へ
の弾発力に抗してプツシユ式外部操作装置４を取
付け台１１方向へ押圧すると、この押圧によつて
押しボタン穴３と押しボタン外枠５とが正確に適
合する位置へと、プツシユ式外部操作装置４は取
付け台１１に沿つて自動的に微調整移動され、第
６図に示すように、押しボタン穴３内へ押しボタ
ン外枠５が完全に適合密着状態に嵌まり込むこと
になる。

以上説明したように、本発明の公衆電話機で
は、プツシユ式外部操作装置４を電話機本体１
に、前蓋２の前面板より前方へ弾発的に突出し、
前蓋２の前面板２ｂと平行な任意の方向に所定範
囲内で移動し得る状態に取付け、前蓋２を被せる
と前蓋２の押しボタン穴３のテーパー面にプツシ
ユ式外部操作装置４の押しボタン外枠５のテーパ
ー面が合致して自動的に位置調整して嵌まり込む
ようにしたので、プツシユ式外部操作装置４を電
話機本体１に取付けても、前蓋２の押しボタン穴
３とプツシユ式外部操作装置４の押しボタン外枠
５とが正確に中心に適合して嵌合できる。このよ
うに本発明では、プツシユ式外部操作装置４を前
蓋２と分離して電話機本体１に取付けられるよう
にしたので、作動テストの際に他の実装部品や配
線をはずすことなく自由に前蓋２を取りはずすこ
とができる。また前蓋２の押しボタン取付け精度
もゆるやかにできる。また、押しボタン穴３に押
しボタン外枠５は正確に適合して嵌まり込み、し
かも板ばね２８によつて押しボタン穴３に強く押
圧されているから、押しボタン穴３と押しボタン
外枠５とは強く密着し、押しボタン穴３と押しボ
タン外枠５との間隙が生じず、従つてごみがはい
つたり、異物を差し込まれることがなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電話機におけるプツシユ式外部
操作装置の取付け構造を示す断面図、第２〜６図
は本発明の一実施例を示し、第２図は取付け台の
斜視図、第３図ａはプツシユ式外部操作装置に取
付け金具を取付けた状態を示す正面図、同図ｂは
側面図、第４図は裏面側から描いた斜視図、第５
図ａはプツシユ式外部操作装置を取付け台に取付
けた状態を示す正断面図、同図ｂは側断面図、第
６図は前蓋を被せた状態を示す正断面図である。 １……電話機本体、２……前蓋、２ａ……前面
板、３……押しボタン穴、４……プツシユ式外部
操作装置、５……押しボタン外枠、６……押しボ
タン、１１……取付け台、１５……係合穴、１５
ａ……長穴部、１５ｂ……矩形穴部、２２……支
持金具、２３……取付け金具、２７……抜け止め
片、２７ａ……先端部、２７ｂ……基部、２８…
…板ばね、２８ｂ……脚部、２８b′……先端部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 電話機本体に取付けられる前蓋に穿設された
   押しボタン穴に、プツシユ式外部操作装置の奥側
   へ向かつて広がつたテーパー面を有する押しボタ
   ン外枠が収容され、前蓋の前面側から押しボタン
   外枠内の押しボタンを操作するようにした電話機
   において、 係合部を有する、前記前蓋と平行な取付台を、
   前記電話機本体に設け、 前記取付台に弾発的に接する付勢部材及び前記
   取付台の前記係合部に遊びのある状態で係合する
   係合部材とによつて、前記プツシユ式外部操作装
   置を前記取付台に平行な任意方向に移動自在に且
   つ前記取付台から離れる方向に付勢した状態で取
   付け、 さらに前記前蓋の前記押しボタン穴に裏面側へ
   向かつて広がるテーパー面を形成し、 前記押しボタン穴のテーパー面を前記押しボタ
   ン外枠のテーパー面に押圧することによつて、前
   記プツシユ式外部操作装置を前記取付台に平行な
   方向に移動させて、前記前蓋の前記押しボタン穴
   に前記外部操作装置の押しボタン外枠が嵌合する
   ようにしたことを特徴とする電話機。