JPS6333252B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は防爆形陰極線管の製造方法の改良に関
するものである。

例えばカラー受像管などの陰極線管は内部が高
真空となつているため、機械的衝撃などが加えら
れると爆縮を起す危険があり、これを防止かる各
種防爆処理が既に実施されている。

第１図乃至第４図は従来の防爆処理の１種であ
るパノプライ方式の説明図である。

先ず第１図の如く内面に蛍光面１が被着形成さ
れたフエースプレート２と、このフエースプレー
ト２の側壁部３にフアンネル４を介して図示しな
い電子銃を内装するネツク５及びステム６が連接
された陰極線管外囲器の前記側壁部３に第２図に
示す様に内面に接着剤７が塗布された略コ字形の
リムバンド８を第３図のように２個対向してその
端部を当接させ、前記陰極線線とこのリムバンド
８を加熱して前記接着剤を硬化させるか、または
未硬化のまま保持し、次にこのリムバンド８上に
第４図の如くテンシヨンバンド９を張架する。こ
の場合、前記テンシヨンバンド９は電流を流して
加熱することにより熱膨張させておき、前記リム
バンド８上に巻装して両端を重ねた後、溶接点１
０に於てスポツト溶接し、冷却後数100Kgの張力
で側壁部３を緊締するように張架する。この場
合、前記加熱されたテンシヨンバンド９を常温の
側壁部３及びリムバンド８上に当接すると、その
熱により陰極線管にクラツクが入る恐れがあるの
で、通常陰極線管を約100℃近くに加熱したのち、
前記加熱されたテンシヨンバンド９を巻装する方
法が取られている。

次に同様のＴ−バンド方式を第５図及び第６図
により説明する。この場合防爆処理される陰極線
管は第１図のものと同様であるので特に説明しな
い。

まず、フエースプレート２の側壁部３またはこ
の側壁部３からフアンネル４にかけて第５図の様
に例えばガラスウールに熱硬拡化性接着剤を含浸
状に被着し、半硬化させた可撓性、耐熱性を有す
るテープ１１を巻装し、次に第６図の様に前記パ
ノプライ方式と同様に熱膨張させたテンシヨンバ
ンド９を巻装してこのテンシヨンバンド９の両端
部を重ねた後、溶接点１０に於てスポット溶接
し、冷却後数100Kgの張力で側壁部３を緊締する
様に張架する。この場合も前記テープ１１を加熱
して接着力を出させ、前記側壁部３と前記テンシ
ヨンバンド９との接着を良好にするとともに、前
記熱膨張させたテンシヨンバンド９による陰極線
管のクラツクを防止するため、前記陰極線管を約
100℃以上に加熱する。

この様にパノプライ方式、Ｔ−バンド方式は共
に陰極線管を約100℃近く迄加熱することが必要
である。

然るに従来の前記陰極線管の製造方法は、第１
図のネツク５に連接されたシステム６に設けられ
た図示しない排気管により内部を高真空とする排
気工程時に脱ガスその他の目的で外囲器を加熱し
て排気し、次工程のエージングを略常温で行なつ
た後、次の防爆処理工程に於て再度陰極線管を加
熱して防爆処理している。この理由は排気工程か
ら防爆工程迄の途中工程に於ける不良品まで防爆
処理する必要はないのと、防爆処理をした陰極線
管は再生が非常にめんどうで工程がかさむ為であ
る。

前述した様に従来の防爆形陰極線管の製造方法
に於ては、排気工程→エージング工程→防爆処理
工程の順に行なつているが、比較的陽極電圧の低
い小形陰極線管および技術の進歩により高耐電圧
化が達せられた大形陰極線管に於ては、前記エー
ジング工程に於ける良品率が極めて高いため、陰
極線管の再生をほとんど考える必要がない現状に
於て、排気工程後常温にもどし、防爆処理工程に
於て再度陰極線管を加熱することは、工程の煩雑
化、人件費や設備費などを増大させる原因となつ
ている。

本発明は前記従来の欠点に鑑みなされたもので
あり、最も効率のよい防爆形陰極線管の製造方法
を提供することを目的としている。

即ち本発明の防爆形陰極線管の製造方法は、前
記排気工程に於ける陰極線管の加熱により未だ高
温度にある外囲器に、防爆処理工程を行うよう従
来の排気工程→エージング工程→防爆処理工程を
排気工程→防爆処理工程→エージング工程とする
ことを特徴としている。

以下、この防爆陰極線管の製造方法について詳
述する。この場合の防爆形陰極線管は第１図乃至
第６図に示したものと同様であるので、この図面
をそのまま援用する。

先ず第１図の如く、内面に蛍光面１の被着形成
されたフエースプレートを径大な一端部とし、こ
のフエースプレート２の側壁部３にフアンネル４
を介して、他端部側に図示しない電子銃を内装す
る径小のネツク５及びこのネツク５の端面を閉止
するステム６が連接された略錐状を示す陰極線管
外囲器を約400℃に加熱しながら、前記ステム６
に設けられた図示しない排気管を介して前記外囲
器内部を高真空に排気し、前記排気管をチツプオ
フして排気を終了した後、排気時の加熱により外
囲器が常温よりかなり高い温度にあるときに防爆
処理を施す。即ち第１の防爆処理であるパノプラ
イ方式の場合には、第２図の如き略コ字形からな
り、内面に接着剤７の塗布されたリムバンド８を
第３図に示すように２個対向して当接すると、側
壁部３が加熱されているため接着剤７が硬化して
固着され、更に第４図に示すようにこのリムバン
ド８上にテンシヨンバンド９を加熱して張架して
も陰極線管にクラツクが入る恐れもない。また第
２の防爆処理であるＴ−バンド方式の場合には、
第５図に示すように側壁部３に例えばガラスウー
ルに熱硬化性接着剤を含浸状に被着し半硬化した
可撓性、および耐熱性を有するテープ１１を巻装
するとこのテープ１１が軟化しながら接着力を出
し、この上に第６図に示すようにテンシヨンバン
ド９を加熱して張架しても陰極線管にクラツクが
入る恐れはなく、またテープ１１により側壁部３
とテンシヨンバンド９との接着が良好になる。尚
この防爆処理の後でエージングを行つても、エー
ジング工程に於ける良品率に変化はない。

したがつて前記本発明の防爆形陰極線管の製造
方法によれば、排気時の加熱により高い温度にあ
る陰極線管にその温度を利用して防爆処理を施す
ので、従来の如く防爆処理工程に於て、再度陰極
線管を加熱することが不要となり、工程の簡略化
人件費や設備費などを軽減することができる。

またこの防爆形陰極線管の製造方法は、これを
平面または曲率の小さいフラツト化されたフエー
スプレートを有する陰極線管に適用して特に顕著
な効果を発揮する。即ちフラツト化されたフエー
スプレートを有する陰極線管は外囲器内を真空に
すると、外側から加わる大気圧のために通常の曲
率の大きい球面状のフエースプレートを有する陰
極線管にくらべてフエースプレートの変形が大き
く、かかる管を加熱排気後、防爆処理を施すこと
なく常温まで冷却すると、極めて高い発生率で爆
縮する。しかしかかる管に対して排気時の加熱に
より外囲器が高い温度にあるとき、フエースプレ
ートがわの側壁部外周にこの側壁部を緊締する防
爆処理を施すと、前記フエースプレートの変形を
軽減して爆縮しない安全な陰極線管を容易に製造
することができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は陰極線管の一例を示す一部切欠側面
図、第２図はリムバンドの形状を示す斜視図、第
３図は陰極線管にリムバンドを当接した状態を示
す一部切欠側面図、第４図はリムバンド上にテン
シヨンバンドを張架しパノプライ方式の防爆処理
を施した防爆形陰極線管の側面図、第５図は陰極
線管のテープを巻装した状態を示す一部切欠側面
図、第６図はテープ上にテンシヨンバンドを張架
しＴ−バンド方式の防爆処理を施した防爆形陰極
線管の側面図である。 ３……側壁部、７……接着剤、８……リムバン
ド、９……テンシヨンバンド、１０……溶接点、
１１……テープ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 一端部が径大なフエースプレートで構成され
   他端部が径小のネツクで構成された略錐状の外囲
   器を有する陰極線管を加熱排気し、この排気時の
   加熱により前記外囲器が常温より高い温度にある
   とき前記外囲器の一端部がわの側壁部外周にこの
   側壁部を緊締する防爆処理を施すことを特徴とす
   る防爆形陰極線管の製造方法。 ２ 防爆処理がパノプライ方式であることを特徴
   とする特許請求の範囲第１項記載の防爆形陰極線
   管の製造方法。 ３ 防爆処理がＴ−バンド方式であることを特徴
   とする特許請求の範囲第１項記載の防爆形陰極線
   管の製造方法。