JPS6333192B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 主走査を行なう固体ラインイメージセンサによ
る原稿の画像情報の読取り方向と直交する方向に
手動によつて副走査を行なつて、原稿の一部分の
画像情報を任意に読取ることができるようにした
手動副走査型の原稿の読取装置は、原稿中の必要
な画像情報だけを容易に読取ることができるため
に、それと画信号の記録装置とを組合わせて使用
することによつて、従来の複写機では行なうこと
のできなかつた各種態様での複写も行なうことも
可能となり、例えば、多数の原稿中の所要の項目
の記載内容を一枚の複写紙に一覧表として記録す
る画像編集も容易となり、事務の省力化にも寄与
できるので、それの実用化研究が推進されて来て
おり、本出願人会社でも上記のような手動副走査
型読取装置（以下、単に読取装置という）につい
ては、例えば特開昭55−108680号公報で公開され
たものを含めて多くの提案を行なつて来ている。

ところで、読取装置ではそれの操作に当り、原
稿中で読取りの対象とされている領域が操作者に
よつて正しく確認できるようにされていないと、
原稿中の所要の画像情報を正確に読取ることがで
きないから、例えばビユーフアインダを設けて読
取りの対象とされている領域が監視できるように
したり、あるいは、読取装置における原稿との接
触部付近を細く構成することにより、操作者の目
によつて原稿における読取り対象領域が直接的に
確認できるようにすることなどが行なわれてい
る。

一方、読取装置では、固体ラインイメージセン
サに対して原稿の画像情報と対応する充分な光量
の情報を与えることが必要とされるから、読取装
置内には原稿面を照明するための照明装置を備え
させているのであるが、読取装置を特に小型軽量
化されたものとして構成することが望まれる場合
には、読取装置はその筐体内にビユーフアインダ
を設けることなく、原稿における読取りの対象と
される領域を直接に操作者の目によつて確認でき
るように、それの原稿との接触部付近が細く構成
されるから、原稿面を照明するための照明装置も
その限られた空間内に設けられることが必要とさ
れる。

そして、読取装置により原稿の画像情報を良好
に読取るために、原稿面における読取り部分へ照
射されるべき所要光量の照明光を、狭い設置空間
内に設けられた小型の照明装置により原稿面の読
取り部分へ与えるようにするのには、使用される
小型な照明装置としては、小型な発光源（ラン
プ）からの光を効率よく原稿面の読取り部分へ照
射しうるような構成のものが必要とされることは
いうまでもない。

また、読取装置によつて読取りの対象とされる
原稿の原稿面は平坦ではなく、ある程度の浮き沈
みを示していることが通常である他、手動での副
走査に当つて読取装置自体が傾斜することもまれ
ではないから、照明装置によつて原稿面における
読取り部分へ照射されるべき照明光は、少なくと
も前記した諸原因により原稿面と読取装置との間
で相対的な変位の生じる範囲内においては略々一
定な強度を示すようなものであることが望まれ
る。

さらに、読取装置には手動での副走査に際し
て、当然のことながら外力が加えられるのである
が、その外力によつて照明装置の各構成部分が振
動しても、前記の振動で照明光による安定な照明
が乱されるようなことがあつてはならない。

さらにまた、読取装置の動作のテストを行なう
場合などには、照明装置を動作状態にしたままで
読取装置の読取り部を見ることもあるが、読取装
置における照明装置としては、前記のような場合
でも見る人にまぶしさを感じさせないような構成
の照明装置であることが望ましいのである。

ところが、従来の読取装置で採用されていた照
明装置は、照明効率の面で不適当であつたり、大
型なものであつたり、結像光学系へのフレア光が
発生するものであつたり、原稿面と読取装置との
間の相対的な変位によつて原稿面での照明光の照
度に大巾な変化が生じるものであつたり、読取装
置に加えられる外力によつて照明装置が励振され
た時に照明状態が不安定になるものであつたり、
照明装置を動作させた状態で読取装置の読取り部
を見た時に見た人に非常なまぶしさを感じさせる
ものであつたり、していたので、その改善が要望
された。

本発明は、上記の諸問題点を良好に解決しうる
手動副走査型読取装置における照明装置を提供す
ることを目的としてなされたものであり、以下、
添付図面を参照しながらその具体的な内容を詳細
に説明する。

第１図は本発明の手動副走査型読取装置におけ
る照明装置の構成原理を示す読取装置の要部の縦
断側面図であり、この第１図において、Ｏは原
稿、１は読取装置の筐体、Ｌは結像光学系、ISは
固体ラインイメージセンサであり、筐体１は原稿
Ｏと接触する端部にかけて次第に細くなるような
形態のものとなされている。

LSは光源であり、この光源LSは点状の光源あ
るいは線状の光源であつて、それは適当な形状の
ランプで構成されうる。なお、前記のランプとし
ては白熱灯あるいは放電灯、その他任意のものが
用いられてもよい。

Maは断面形状が円弧状の反射鏡であり、この
反射鏡Maは紙面に垂直な方向に延長しているよ
うな形態、すなわち円筒面の一部をなすような形
態のものである。

また、Mbは前記した反射鏡Maの下方に連接
して設けられた平板状の反射板である。光源LS
は、円弧状の反射鏡Maにおける反射面上の各異
なる位置からの距離の等しい位置（円弧状の反射
鏡の円弧を円周の一部としているような円の中心
位置）に、反射鏡Maの延びる方向と平行に配置
されている。

Mcは光源LSからの発散光を原稿Ｏ上に直線状
に集光させる第１のだ円鏡であり、この第１のだ
円鏡Mcはそれの第１焦点が、前記した光源LSの
位置と一致し、また、それの第２焦点が原稿面に
一致している如きだ円の一部を断面形状としてい
るだ円筒面の一部と対応する形状のものであり、
この第１のだ円鏡Mcもそれの延びる方向は紙面
に対して垂直の方向である。

Mdは前記した第１のだ円鏡Mcの下方に設け
られた平面鏡であつて、この平面鏡Mdは光源LS
からの発散光を第２のだ円鏡Meの鏡面に向けて
反射する。

前記の第２のだ円鏡Meは、それの第１焦点が
平面鏡Mdによる虚光源の位置ａと一致し、ま
た、それの第２焦点が原稿面より僅かだけ遠い位
置ｂと一致している如きだ円の一部を断面形状と
しているだ円筒面の一部と対応する形状のもので
あり、この第２のだ円鏡Meもそれの延びる方向
は紙面に対して垂直の方向である。

前記した光源LSからの発散光は、第１のだ円
鏡Mcによつて原稿Ｏの面に垂直な線Ｙ―Ｙで示
される結像光学系の光軸と原稿面との交点ｃを含
み紙面に垂直な線状の光として原稿面上に集光さ
れ、また、前記した光源LSからの発散光は、平
面鏡Md及び第２のだ円鏡Meによつて、結像光
学系の光軸Ｙ―Ｙ上で原稿面よりも僅かに遠い位
置ｂにおいて紙面と垂直な線状の光として集光さ
れる。

前記した第１のだ円鏡Mcによる集光々束と、
第２のだ円鏡Meによる集光々束とは、結像光学
系の光軸Ｙ―Ｙに対して、互いに反対の側から原
稿面へ向かつて集光されるようになされており、
かつ、前記した各だ円反射鏡Mc，Meによる集
光々束における結像光学系の光軸Ｙ―Ｙ寄りの部
分と光軸Ｙ―Ｙとのなす角θ₁，θ₂（入射角θ₁，θ₂）
は結像光学系Ｌにおける結像光束のけられ限界角
α₁，α₂よりも僅かに大きくなされている。

上記のように構成された本発明の照明装置にお
いて、第１のだ円鏡Mcには光源LSより大きな発
光角と対応する光が与えられ、第２のだ円鏡Me
には光源LSより小さな発光角と対応する光が与
えられてはいるが、第１のだ円鏡Mcの倍率m_cを
略々１とし、また、第２のだ円鏡Meの倍率m_eを
m_e＜１とすることにより、第１のだ円鏡Mcによ
る集光々束の光量と第２のだ円鏡Meによる集
光々束の光量とを略々同一とすることができると
共に、第１のだ円鏡Mcによつて原稿面上に集光
された線状の光は、第１のだ円鏡Mcの第１の焦
点位置の光源LSの光が第１のだ円鏡Mcの第２焦
点位置と一致する原稿面上に集光されたものであ
るために、光源の像が拡大されることなく微小巾
の線状の集光として原稿面上に形成されるもので
あり、また、平面鏡Mdを介して第２のだ円鏡
Meによつて原稿面付近に集光される光は、倍率
m_eが１よりも小さな第２のだ円鏡Meによつて集
光されたものであるために、原稿面においても充
分に微小巾の線状の集光状態を示すものとさせる
ことができる。

また、第１、第２のだ円鏡Mc，Meによつてそ
れぞれ反射されて原稿面に向かう集光々束の入射
角θ₁，θ₂が小さいことと、第１，第２のだ円鏡
Mc，Meによる集光位置を第１図中のｃ，ｂのよ
うに結像光学系Ｌの光軸上でずらしたことによつ
て、原稿面の浮き上がりによつても原稿面上の照
度の変化を極めて少なくすることができ、また、
前記した第１，第２のだ円鏡Mc，Meによる各集
光々束が、略々同一の光量で、かつ、結像光学系
の光軸Ｙ―Ｙに対して略々対称で同じ入射角θ₁，
θ₂を以つて原稿面に与えられるようになされてい
るために、原稿面や読取装置が左右方向に傾斜し
ても原稿面における照度の変化を極めて少なくす
ることができる。

また、読取装置の開口部から内部を見ても、光
源LSが直接には見えないために、直接光による
まぶしさを感じることがない。さらに、弧状の反
射鏡Ma及び光源LSの配設位置により、結像光学
系内へのフレア光も少なくできるのである。

前記した円弧状の反射鏡Ma、第１のだ円鏡
Mc、第２のだ円鏡Meなどの形状寸法例を挙げる
と次のとおりである。

円弧状の反射鏡Maは直径が10mmの円筒面の一
部であるような形状のものであり、また、第１の
だ円鏡Mcは断面形状が、 X²／23.125²＋y²／15.54²＝１ で示されるだ
円筒の一部であるような形状のものであり、さら
に、第２のだ円鏡Meは断面形状が、 X²／29.625²＋y²／2.262²＝１ で示されるだ
円筒の一部であるような形状のものである。

第２図は、本発明の照明装置を備えた手動副走
査型読取装置の一実施態様のものの斜視図であ
り、１は筐体、Ｌは結像光学系、ISは固体ライン
イメージセンサ、Maは円弧状の反射鏡、LSはハ
ロゲンランプ（光源）、Meは第２のだ円鏡であ
る。

第１のだ円反射鏡Mc及び平面鏡Mdは前記し
た第２のだ円反射鏡Meなどによつてかくれる位
置にあるために第２図中には示されていない。

第２図中において、２，３は側反射板であつ
て、この側反射板２，３（第１図中にも符号２で
示している）は第１図を参照して既述した照明装
置によつて原稿面上を照射する線状の光の線の延
びる方向における照度分布を一様化するのに有効
に作用する。

４は筐体１の底板であつて、この底板４には読
取り窓５が穿設されており、照明装置からの線状
の集光々束がこの読取り窓５を通して原稿面上に
照射され、また、原稿面上からの反射光が読取り
窓５及び結像光学系Ｌを介してイメージセンサIS
に結像されることにより、原稿の画像情報の読取
りが行なわれる。

TPGはタイミングパルス発生器であつて、こ
のタイミングパルス発生器TPGは、タイミング
パルスの発生用の所要の光学的なパターンが施こ
されている回転円板６と、発光素子及び受光素子
とからなる信号発生器７と、前記した回転円板６
に回転動力を与えるベルト８及びローラ９ならび
にローラー９を常時原稿面方向へ突出させるよう
に付勢するスプリング１０と、前記の各部が取付
けられている基板１１などによつて構成されてお
り、読取装置が副走査に従つて原稿面上で走行す
るのに伴なつて、ローラ９が回転することによ
り、回転円板６が回転して、信号発生器７からは
読取装置の一定の移動距離毎に出力信号が発生さ
れる。

前記したタイミングパルス発生器TPGからの
出力信号は、それがタイミングパルスとして読取
装置における固体ラインイメージセンサISの画信
号の送出のタイミングの制御などに用いられるこ
とにより、手動による副走査速度のむらによつて
も記録画像が歪まないようになされるのである。

なお、第２図中において、１２はシヤシ、１３
はプレイ釦、１４はプリント釦、１５は表示器、
１６，１７はプリント基板である。

以上、詳細に説明したところから明らかなよう
に、本発明の手動副走査型読取装置における照明
装置では、光源LSからの発散光を第１のだ円鏡
Mcによつて原稿面上の読取り領域へ線状に集光
させると共に、光源LSからの発散光を平面鏡Md
及び第２のだ円鏡Meによつて原稿面上の読取り
領域へ線状に集光させるようにし、既述した従来
の問題点が良好に解決されるようにしたものであ
り、本発明によれば小型で読取性能の優れた手動
副走査型読取装置を容易に提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の照明装置の構成原理を説明す
るための照明装置部分の縦断側面図、第２図は本
発明の照明装置を備えた手動副走査型読取装置の
一例のものの斜視図である。 １……筐体、５……読取り窓、LS……光源、
Ma……円弧状の反射鏡、Mc……第１のだ円鏡、
Md……平面鏡、Me……第２のだ円反射鏡、Ｏ
……原稿、Ｌ……結像光学系、IS……固体ライン
イメージセンサ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 原稿の画像情報を線状に読取つて画信号に変
   換する固体ラインイメージセンサと、光源によつ
   て線状に照明された原稿の画像情報を前記した固
   体ラインイメージセンサに結像させる結像光学系
   などを含んで構成された手動副走査型読取装置に
   おける照明装置であつて、光源位置と第１焦点と
   を一致させると共に、第２の焦点を原稿面に一致
   させた第１のだ円反射鏡により、光源からの発散
   光を原稿面上へ線状に集光させる第１の集光手段
   と、前記した第１のだ円鏡の下方に配置された平
   面鏡による虚光源の位置に第１焦点を一致させる
   と共に、第２の焦点を原稿面より僅かだけ遠い位
   置に一致させた第２のだ円反射鏡により、光源か
   らの発散光を前記した第１の集光手段による原稿
   面上の線状の集光部分へ集光させる第２の集光手
   段とを備えた手動副走査型読取装置における照明
   装置。 ２ 第１、第２の集光手段により原稿面に集光照
   射される照明光の原稿面への入射角を結像光学系
   における限界角と略々等しく設定してなる特許請
   求の範囲第１項記載の手動副走査型読取装置にお
   ける照明装置。 ３ 第２のだ円反射鏡を光源の下方に配置した特
   許請求の範囲第１項記載の手動副走査型読取装置
   における照明装置。