JPS6332733Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は車両用の、複数のシヤフトと相隣るシ
ヤフト相互を結合する自在継手とを含むプロペラ
シヤフトに関する。

（従来技術） 車両の駆動装置と終減速装置との間に介在され
るプロペラシヤフトとして、３つのシヤフトと相
隣るシヤフト相互を結合する４つの自在継手とを
有する、いわゆる４継手型のプロペラシヤフトが
使用されることがある。このプロペラシヤフトで
は、４つの自在継手のうち少なくとも１つは、ス
ライド式のトリポードジヨイントやバーフイール
ドジヨイント、レプロジヨイント等のシヤフトの
軸線方向へスライド可能な継手である。

（考案が解決しようとする問題点） ４継手型のプロペラシヤフトを車体に組み付け
る場合、スライド可能な継手は、その耐久性の観
点から、相対滑りをする部分が継手のほぼ中央付
近に位置し、この中央付近が常用の使用範囲とな
るように、組み付けられるべきである。

しかし、従来、４継手型のプロペラシヤフトは
その両端にコンパニオンフランジを有し、前方の
コンパニオンフランジが駆動装置のコンパニオン
フランジに、後方のコンパニオンフランジが終減
速装置のコンパニオンフランジにそれぞれ結合さ
れていた結果、プロペラシヤフトのコンパニオン
フランジ間の製作誤差や組付け誤差によるアライ
メント誤差が、すべてスライド可能な継手によつ
て吸収されていた。そのため、スライド可能な継
手の相対滑りをする部分が、この継手のケーシン
グの開口端部に位置したり、逆に、開口端部から
遠方のケーシングの奥の部分に位置して常用の使
用領域となり、耐久性を高める上で問題があつ
た。

本考案の目的は、スライド可能な継手の相対滑
りをする部分が継手のほぼ中央に位置することを
可能とし、継手の耐久性を向上できるプロペラシ
ヤフトを提供することにある。

（問題を解決するための手段） 本考案は、駆動装置と終減速装置との間に介在
されるプロペラシヤフトであつて、複数のシヤフ
トと、相隣るシヤフト相互を結合する自在継手
と、少なくとも１つのシヤフトを支持して車体に
固定される少なくとも１つのセンタベアリング
と、前記駆動装置または前記終減速装置に一番近
い前記自在継手を駆動装置または終減速装置に接
続するスライドヨークとを含み、前記自在継手の
うち少なくとも１つはシヤフトの軸線方向へスラ
イド可能な継手であり、前記センタベアリングは
該スライド可能な継手と前記スライドヨークとの
間に配置されている。

（作用および効果） スライドヨークはたとえば、駆動装置に一番近
い自在継手を駆動装置に接続する部分に設けられ
る。プロペラシヤフトを車体に組み付ける際、最
初に、スライドヨークを駆動装置の出力軸に接続
し、プロペラシヤフトの後方の端に設けられたコ
ンパニオンフランジを終減速装置のそれに接続す
る。次に、スライド可能な継手の相対運動する部
分が継手のほぼ中央に位置することを確認して、
センタベアリングをサポートを介して車体に固定
する。かくて、プロペラシヤフトの長手方向のア
ライメント誤差は、出力軸とスライドヨークとに
よつて吸収されることとなり、スライド可能な継
手の相対運動する部分を継手のほぼ中央に位置さ
せることが容易となる。

プロペラシヤフトが回転している時、出力軸と
スライドヨークとの間に相対的な滑りが生じ、ス
ライド可能な継手がその動き分を吸収することに
なるが、センタベアリング及びこれを車体に固定
するサポートがスライド可能な継手とスライドヨ
ークとの間にあるので、トルク無負荷時、スライ
ド可能な継手は元の組付け位置に戻り、相対運動
する部分はその継手のほぼ中央に位置して使用さ
れることとなる。

スライドヨークにより、プロペラシヤフトの一
方の端部を駆動装置または終減速装置に接続する
ので、スライド可能な継手の相対運動する部分を
その継手のほぼ中央に位置させる際の組付性が向
上する。また、スライド可能な継手の相対運動す
る部分がその継手のほぼ中央に位置することか
ら、耐久性を向上できる。

本考案に係るプロペラシヤフトを車体に組み込
んで実験をしたところ、スライド可能な継手のス
ライドストロークが小さくてすむこと、その継手
のトルク容量を小さくできることが確認された。
これにより、自在継手の小型軽量化が可能であ
る。

（実施例） プロペラシヤフト１０は第１図に示す例では、
第１自在継手１２、第２自在継手１４、第３自在
継手１６および第４自在継手１８と、第１シヤフ
ト２０、第２シヤフト２２および第３シヤフト２
４と、スライドヨーク２６とを含む４継手型であ
る。

第１自在継手１２はフツクス継手からなり、前
方側、すなわち図の左方側でスライドヨーク２６
に結合されている。第１自在継手１２は後方側、
すなわち図の右方側で第１シヤフト２０に結合さ
れる。

第２自在継手１４はフツクス継手からなり、前
方側で第１シヤフト２０に、後方側で第２シヤフ
ト２２に結合されている。

第３自在継手１６は軸線方向へスライド可能な
等速継手であり、スライド式のトリポードジヨイ
ントやバーフイールドジヨイント、レプロジヨイ
ント等が使用される。第３自在継手１６は、前方
側で第２シヤフト２２に、後方側で第３シヤフト
２４に結合される。

第４継手１８はフツクス継手からなり、前方側
で第３シヤフト２４に結合される。

スライドヨーク２６は、トランスミツシヨン２
８の出力軸３０に軸線方向へスライド可能に結合
される。スライドヨーク２６は、通常、円筒状の
スリーブによつて形成され、その内周面にスプラ
インまたはキー溝が設けられ、他方、出力軸３０
の外周面にスプラインが設けられまたはキーが配
置されるが、逆の構成とすることもできる。すな
わち、スライドヨーク２６の外周面にスプライン
を設けたり、キーを配置し、出力軸を円筒状に形
成してその内周面にスプラインやキー溝を設ける
ようにしてもよい。スライドヨーク２６は、プロ
ペラシヤフト１０を車体に組み付ける際、最初に
出力軸３０に接続される。

第３シヤフト２４の後方端にコンパニオンフラ
ンジ３２が結合され、これは終減速装置３６のド
ライブピニオン軸に結合されたコンパニオンフラ
ンジ３６にボルト及びナツトにより接続される。

第２シヤフト２２は前方の部位で第１センタベ
アリング３８に、後方の部位で第２センタベアリ
ング４０に支持され、両軸受はサポート（図示せ
ず）を介して車体に固定される。両センタベアリ
ング３８，４０を車体に固定する際、スライド可
能な継手１６の相対運動する部分、たとえば、ト
リポードジヨイントのトラニオン軸部がチユーリ
ツプ状ケーシングの軸線方向長さのほぼ中央に位
置するように調整される。両軸受３８，４０は、
スライド可能な継手１６とスライドヨーク２６と
の間に配置されている。

第２図ないし第５図はプロペラシヤフトの別の
配列を示すもので、第１図に示した要素と同じ要
素に、同じ符合が付してある。

第２図に示す例では、第１自在継手１２、第２
自在継手１４および第３自在継手１６がフツクス
継手により、第４自在継手１８がスライド可能な
継手によつて形成されている。そして、第２シヤ
フト２２が第１および第２センタベアリング３
８，４０に支持されている。両センタベアリング
３８，４０は、スライド可能な継手１８とスライ
ドヨーク２６との間に配置されている。

第３図に示す例では、第１自在継手１２、第３
自在継手１６および第４自在継手１８がフツクス
継手により、第２自在継手１４がスライド可能な
継手によつて形成されている。そして、第１シヤ
フト２０が第１センタベアリング３８に、第２シ
ヤフト２２が第２センタベアリング４０に支持さ
れている。第１センタベアリング３８は、スライ
ド可能な継手１４とスライドヨーク２６との間に
配置されている。

第４図に示す例では、第１自在継手１２および
第４自在継手１８がフツクス継手により、第２自
在継手１４および第３自在継手１６がスライド可
能な継手によつて形成されている。そして、第１
シヤフト２０が第１センタベアリングに、第２シ
ヤフト２２が第２センタベアリング４０に支持さ
れている。第１センタベアリング３８は、スライ
ド可能な継手１４とスライドヨーク２６との間
に、第２センタベアリング４０は、スライド可能
な継手１６とスライドヨーク２６との間にそれぞ
れ配置されている。

第５図に示す例では、第１自在継手１２および
第３自在継手１６がフツクス継手により、第２自
在継手１４および第４自在継手１８がスライド可
能な継手によつて形成されている。そして、第１
シヤフト２０が第１センタベアリング３８に、第
２シヤフト２２が第２センタベアリング４０に支
持されている。第１センタベアリング３８は、ス
ライド可能な継手１４とスライドヨーク２６との
間に、第２センタベアリング４０はスライド可能
な継手１８とスライドヨーク２６との間にそれぞ
れ配置されている。

なお、前記各例では、スライドヨーク２６は第
１自在継手１２をトランスミツシヨン２８に結合
する部位に設けられているが、これに代え、第４
自在継手１８を終減速装置３４に結合する部位に
スライドヨークを設け、第１自在継手１２とトラ
ンスミツシヨン２８とはコンパニオンフランジに
よる結合構造とすることもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図はプロペラシヤフトの概略
を示す平面図である。 １０：プロペラシヤフト、１２：第１自在継
手、１４：第２自在継手、１６：第３自在継手、
１８：第４自在継手、２０：第１シヤフト、２
２：第２シヤフト、２４：第３シヤフト、２６：
スライドヨーク、２８：トランスミツシヨン、３
４：終減速装置、３８：第１センタベアリング、
４０：第２センタベアリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 駆動装置と終減速装置との間に介在されるプロ
   ペラシヤフトであつて、複数のシヤフトと、相隣
   るシヤフト相互を結合する自在継手と、少なくと
   も１つのシヤフトを支持して車体に固定される少
   なくとも１つのセンタベアリングと、前記駆動装
   置または前記終減速装置に一番近い前記自在継手
   を駆動装置または終減速装置に接続するスライド
   ヨークとを含み、前記自在継手のうち少なくとも
   １つはシヤフトの軸線方向へスライド可能な継手
   であり、前記センタベアリングは該スライド可能
   な継手と前記スライドヨークとの間に配置され
   た、プロペラシヤフト。