JPS6332000Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は、自動車の内外装マーク、その他一般
のマークなどとして用いられる装飾体、詳しくは
透明合成樹脂層の裏面に文字、図形等の表示膜を
設けて、これを上記樹脂層の表面に映し出すよう
にした装飾体に関する。

従来技術 従来より、第１，２図に示すように、例えばア
クリル樹脂などで作成した透明合成樹脂層４の裏
面に文字、図形等の凹部４ａを設け（第２図ａ）、
この凹部４ａに金属等を蒸着して表示膜２を設け
（第２図ｂ）、さらに、上記合成樹脂層４の裏面の
表示膜２に対する背景部分４ｂにシルクスクリー
ン印刷の手法によつて薄膜３を形成し（第２図
ｃ）、さらに合成樹脂層４の裏面全面にメタリツ
ク層（反射層）５を塗装して（第２図ｄ）、上記
薄膜３の平面的な配列により、表示膜２の背景に
模様を設けたものがある。

しかしながら、上記構造のものでは、薄膜３を
単に平面的に並べただけで単純にみえるため、装
飾効果としては末だ不十分である。

また、より優れた装飾的効果を得るためには、
単純な薄膜の並列的な配置だけではなく、多種類
のシルクスクリーン印刷で濃淡を段階的に徐々に
変化させればよい。しかし、この場合、濃淡の異
なる種々の色の薄膜を配置するためには、濃淡の
異なる多種の色をもつ薄膜が必要となり、平面的
にこれを形成することは、製作作業が煩雑となる
といつた問題があつた。

又、写真製版による場合には、最底四色の網板
が必要で、製作作業が煩雑となるといつた問題が
あつた。

又、従来の技術では、固体物に印刷する場合に
は、印刷精度等に問題があり、立体感や深み感を
出すのがむつかしいという問題があつた。

考案の目的 本考案の目的は、上記問題を解決することにあ
つて、濃炎の異なる種々の色を少数の薄膜で形成
することができ、宝石の如き装飾効果に優れた装
飾体を提供することにある。

考案の構成 上記目的を達成するために、本考案は、透明合
成樹脂層の裏面の所定位置に文字、図形等の表示
膜を設ける一方、該裏面の表示膜に対する背景部
分に薄色透明膜と、該薄色透明膜に裏面側より部
分的に重なり合う濃色透明膜とを設け、さらに上
記薄色透明膜と濃色透明膜を含む透明合成樹脂層
の裏面全面に着色の反射層を設けた構成とした。

考案の効果 本考案は上記の構成とすることにより、透明合
成樹脂層にその表面より入射した光は、背景部分
において、着色の反射層で反射される一番明るい
光と、薄色透明膜を透過し、着色の反射層で反射
する比較的明るい光と、濃色透明膜を透過し、着
色の反射層で反射する比較的暗い光と、薄色透明
膜と濃色透明膜を透過し、着色の反射層で反射す
る最も暗い光との４種類の光となつて透明合成樹
脂層前面に映し出される。従つて、濃淡２種類の
背景部分と透明膜と着色反射層を用いれば色調の
異なる４種類の色による背景模様を得ることがで
きる。故に、この薄色透明膜と濃色透明膜との組
み合せの種類を多くすることにより宝石の如く実
に多種類の色調をもつ背景を得ることができる。
そして、薄色透明膜の上に部分的に濃色透明膜を
被せることは、３種類の薄膜を平面的に配置する
ことに比較すれば、製作容易性の点において有利
であり、従来のものより立体感・深み感が得られ
る。このように、本考案によれば所期の目的を達
成しうる。

実施例 以下に、第３〜５図に示す実施例に基づいて本
考案を具体的に説明する。

第３図は１実施例である装飾体１の平面図、第
４図ａ〜ｄは上記装飾体１の製造工程の一例を示
す。

上記装飾体１１は、透明合成樹脂層１６と、文
字、図形、記号、模様等の表示膜１２と、薄色透
明膜１３（第３図中斜め左上りの斜線参照）と濃
色透明膜１４（第３図中斜め右上りの斜線参照）
と、反射層としての着色メタリツク層１５（第３
図中白地部分参照）とより大略構成している。

上記合成樹脂層１６は、例えばアクリル樹脂、
ポリカボネートなどよりなる四角形状板であつ
て、その裏面に文字等の凹部１６ａを形成し（第
４図ａ）、この凹部１６ａに金属などを蒸着して
表示膜１２を形成している。（第４図ｂ）。

この合成樹脂層１６の表示膜１２に対する背景
部分１６ｂ、即ち表示膜１２を除く合成樹脂層１
６の裏面には、シルクスクリーン印刷によりシル
クスクリンインキの上記薄色透明膜１３を設けて
いる（第４図ｃ）。

さらに、上記薄色透明膜１３に裏面側より部分
的に又は全面的に重なり合うように、（第３図中
黒地部分参照）、シルクスクリーン印刷により、
上記薄色透明膜１３よりも濃色のシルクスクリン
インキの上記濃色透明膜１４を設けている（第４
図ｃ）。

そして、上記透明合成樹脂層１６の裏面全面、
即ち合成樹脂層１６、表示膜１２及び薄色透明膜
１３の各裏面側露出部と濃色透明膜１４の露出部
に、上記着色メタリツク層１５を塗装している
（第４図ｄ）。この着色メタリツク層１５は、金属
の粉末もしくは薄片を不透明層内に設けたもの
で、光を反射するようになつている。

上記構造に係る装飾体１１は、透明合成樹脂層
１６の表面側より入射する光により、表示膜１２
の背景部分が以下の如く反射する。すなわち、ま
ず、メタリツク層１５と合成樹脂層１６が直接接
触している部分では、合成樹脂層１６の裏面側で
主として光の反射が行われ、メタリツク層１５特
有の輝きを見ることができる。また、薄色透明
膜１３の裏面にメタリツク層１５が設けられてい
る部分では、光が透明膜１３を透過してメタリツ
ク層１５で反射する。そして、主として上記透明
膜１３を再び透過した反射光が合成樹脂層１６を
通つて目に入るので、上記メタリツク層１５で直
接反射されたよりも、透明膜１３の色みがかつ
たやや鈍い輝きを見ることができる。また、薄
色透明膜１３の裏面に濃色透明膜１４が設けら
れ、この濃色透明膜１４の裏面にメタリツク層１
５が設けられている部分では、光は各透明膜１
３，１４を透過してメタリツク層１５で反射す
る。そして、主として各透明膜１３，１４を透過
した反射光が合成樹脂層１６を通つて目に入るた
め、両透明膜１３，１４の色を混合してできる色
みがかかりかつ上記よりもさらに鈍い輝きすな
わち、最も鈍い輝きを見ることができる。さら
に、合成樹脂層１６の裏面に直接濃色透明膜１４
を設け、この濃色透明膜１４の裏面にメタリツク
層１５を設けた部分では、光が濃色透明膜１４を
透過してメタリツク層１５で反射する。そして、
主として濃色透明膜１４を透過した反射光が合成
樹脂層１６を通つて目に入るため、濃色透明膜１
４の色みがかかりかつ中間の光を見ることができ
る。従つて、上記の如く宝石の輝きのように濃炎
種々の色調の光を得ることができ、濃色の部分は
奥行き深く見える一方、淡色の部分は手前に見
え、表示膜１２の背景部分を装飾効果に優れたも
のとすることができる。

なお、本考案は本実施例に限定されるものでは
なく、その他種々の態様で実施することができ
る。例えば、第３図に示すように表示膜１２の背
景部分をランダムな模様とせずに、第５図に示す
如く大小の四角枠１２′，…，１２′を設けて、中
心に向うに従い徐々に濃色になるグラデーシヨン
模様を示すように、濃淡各色の透明膜を種々積層
するようにしてもよい。したがつて、第４図に示
す濃淡二層の透明膜１３，１４の重ね合わせのみ
ならず、任意の数層の透明膜を重ね合わせるよう
にしてもよい。

また、メタリツク層１５は塗装のみならず、蒸
着、貼着などにより設けてもよい。また、メタリ
ツク層１５は不透明層内に金属粉末を混入させる
代わりに、単に金属の粉末層としたり、ウンモな
どの反射粉末もしくは薄片を混入させてパール状
に塗装するようにしてもよい。

さらに、各透明膜を設ける方法としては、シル
クスクリーン印刷に限定されることなく、オフセ
ツト印刷や、タンポ印刷や、ローラで所定位置に
設ける方法などでもよい。

いづれの実施例においても、上記の如き構成で
所期の目的を達成することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の装飾体の平面図、第２図ａ〜ｄ
は順に第１図に示す装飾体の一連の製造工程を示
す断面側面図、第３図は本考案の１実施例に係る
装飾体の平面図、第４図ａ〜ｄは順に第３図に示
す装飾体の一連の製造工程例を示す断面図、第５
図は他の実施例の平面図である。 １１……装飾体、１２……表示膜、１３……薄
色透明膜、１４……濃色透明膜、１５……メタリ
ツク層、１６……透明合成樹脂層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 透明合成樹脂層の裏面の所定位置に文字、図形
   等の表示膜を設ける一方、該裏面の表示膜に対す
   る背景部分に薄色透明膜と、該薄色透明膜に裏面
   側より部分的に重なり合う濃色透明膜とを設け、
   さらに上記薄色透明膜と濃色透明膜を含む透明合
   成樹脂層の裏面全面に着色の反射層を設けたこと
   を特徴とする装飾体。