JPS63318718A - 耐熱絶縁線輪 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は、例えば原子力発電所の高速増殖炉における液
体ナトリウム循Ｉ】用ポンプのように、３００〜６００
℃程度の高湿で使用される電気機器に用いられる耐熱絶
縁線輪に関する。

（従来の技術） 従来から、高湿下で使用される耐熱絶縁電線としては、
銅やアルミニウム等の金属導体に、ガラスｖａ維等の絶
縁材料を巻回して絶縁ワニスを含浸させ焼付けたものや
、これらの金属導体上に直接、ポリイミドワニスのよう
な耐熱性の良好なりニスを塗布し焼付けたものか−・般
に使用されている。

しかしながら、このような従来の耐熱絶縁電線では、高
湿で使用されると短期間で金属導体の結晶の粗大化が起
き、強度が低下し電気抵抗が増大してしまう上に、絶縁
体の耐熱温度も不十分であるという問題があった。。

このため高湿下で使用される線輪用導体として、次のよ
うな特性を有する導体の開発が望まれている。

（イ）導電率が高く経年変化が少ないこと。

（ロ）酸化などの腐食が生じにくく、耐熱性に優れてい
ること。

（ハ）静的強度、疲労およびクリープ特性が優れている
こと。

（ニ）導体の加工性、組み立−（性、接合性等が階れて
いること。

なお、従来から耐熱性の導体として、例えば、銀入銅、
アルミナ分散強化銅、銅−クロム合金、銅−ジルコニウ
ム合金、銅−カドミウム合金、銅−ニッケル合金等の種
々の銅系金属線が開発されているが、これらの金属も高
速増殖炉の液体ナトリウム循環用ポンプのように、３０
０〜６００　、”Ｃ程度の高湿酸化雰囲気中では酸化し
て変色したり、腐蝕しやすく、かつ導電率が変化しやす
いという問題があった。

一方、絶縁被覆に用いる絶縁体も、高速増殖炉の液体ナ
トリウム循環用ポンプのように、３００〜６００℃程度
の高湿での使用に耐えるものとしで、セラミックや無機
ポリマーが知られているが、一般にこの種の絶縁体は導
体金属との密着性に乏して、また高湿下で酸素を透過さ
Ｕて導体金属の表面が酸化されやすいという問題があっ
た。

（発明が解決しようとする問題点） 上述したように、３００〜６００℃程度の高湿で使用さ
れる絶縁線輪においては、導体として耐熱性の銅系金属
線を使用しても単に従来の耐熱絶縁被覆を施しただけで
は、表面が酸化したり、腐蝕されてしまう上に、絶縁体
も導体との密着性に乏しいため、機械的強度が低く、さ
らに絶縁体の耐熱性も不十分であるため、短期聞で絶縁
破壊を引起こしてしまい、実用が難しいという問題があ
った。このため、３００〜６００℃の高湿においても、
長期にわたって高い絶縁耐力を発揮する耐熱絶縁線輪の
開発が望まれていた。

本発明は、このような要望に応え′るためになされたも
ので、３００〜６００℃程度の九渇での使用に耐える導
体および絶縁被覆を有する耐熱絶縁電線を主体として構
成される耐熱絶縁線輪を提供することを目的とする。

［発明の構成］ （問題点を解決するための手段） すなわら本発明の耐熱絶縁線輪は、銅より耐熱性の良好
な銅系金属線の外周に゛、高湿において銅より酸化され
にくい金属メッキ層を設け、この金属メッキ層の上に、
無機充填討入ボロシロキサン系樹脂の焼トＪ絶縁層を設
けてなる耐熱絶縁電線を、多小回巻回して線輪を形成し
、この多千回巻回した線輪の外周に、無機質絶縁層を設
けてなることを特徴としでいる。

本発明において使用される銅より耐熱性の良好な銅系金
属線どしては、例えば銀人銅、アルミナ分散強化銅、銅
−クロム合金、銅−ジルコニ゛・クム合金、鋼−カドミ
ウム合金、銅−ニッケル合金等の種々の銅系金属線が例
示される。

また、高湿において銅より酸化されにくい金属メッキ層
としては、例えば、金、銀、白金、あるいはニッケル等
が例示される。

本発明に使用される耐熱絶縁電線は、上記銅系金属線上
に形成された金属メッキ層の外周に、無機充填討入ボロ
シＯキサン系樹脂塗料を塗布し焼付けることによって形
成される。またセラミックｍｉのような無機質ｌＩ紺を
上記メッキ層上に巻装。

し、この無機質ｍ雑居に無機充填討入ボロシロキサン系
樹脂塗料を塗布し焼付けることによっても好適に形成さ
れる。

本発明において好適に使用可能な無機充填討入ボロシロ
キサン系樹脂塗料としては、例えばホウ酸とフェニルシ
リコーンとメチルシリコーンとを加熱重合して得られる
ボロシロキサン系樹脂を、フェニルシリコーン樹脂およ
び無機充填材とともに有機溶媒中に溶解または分散させ
でなる絶縁塗料（昭和電線電纜社製　商品名ＳＨＩ？−
１０９）等がある。

本発明の耐熱絶縁線輪は、上記耐熱絶縁線輪多重回巻回
して線輪を形成し、その上に無機質絶縁層を設けること
により形成される。

線輪上に無機質絶縁層を形成する方法としでは、焼成に
よりセラミック化する非炭素骨格を右す゛るポリマー例
えばアルキルシリケート系のセラミック化コニラストマ
ー（東しシリコーン社製　商品名ＡＹ４９−２０８　）
を主成分とする接着剤を線輪の線間に充填し、これを焼
成してセラミック化する方法が例示される。

また本発明においては、この無機質絶縁層の上に、さら
に、焼成によりセラミック化するシリコーン樹脂系接着
剤を、ガラス４Ｍ雑により裏打ち補強されたシート状マ
イカに塗布しで形成されるガラス・マイカ・プリプレグ
を巻装して焼成したり、上記ガラス・マイカ・プリプレ
グを巻装した上に、さらに前記接着剤とセラミックｍＭ
からなるシート状あるいはテープ状のプリプレグを巻装
し焼成して、より強固な無機質絶縁層を形成させること
も可能である。

（作用） このように構成された本発明の耐熱絶縁線輪は、導体と
して銅より耐熱性の高い銅系金属線を使用しているので
、高湿においでも導゛市率が高く耐久性に優れている。

さらに、その銅系金属線の外周に、高湿で酸化されにく
い金、銀、白金、あるいはニッケル等の金属メッキ層が
設（プられており、銅系金属線が直接酸素と接触しない
ので、高湿でも酸化されず、耐久性が一層優れたものに
なる。また、金属メッキ層の外周に無機充填打入ボロシ
ロキサン系樹脂の焼付絶縁層が形成されているので、高
湿においても良好な絶縁耐力を有している。

さらに、線輪を形成した後、その外周にも無機質絶縁層
を設けているので、高湿におい′Ｃ長朋にわたり高い絶
縁耐力が保証される。

（実施例） 以下本発明の実施例を図面を参照して説明する。

実施例１ 第１図は、本発明の一実施例に使用される耐熱絶縁電線
の横断面図である。この図に示すように、本発明に使用
される耐熱絶縁電線１は、円形断面の直径１１のアルミ
ナ分散強化銅（グリデンメタル社製　商品名Ｇ１１ｄ　
ｃｏｐ　ＡＬ−１５）からなる導線２の外周に、厚さ５
μｍのニッケルメッキ層３を形成し、その上に、無機充
填科人ボロシロキサン系樹脂塗料（昭和電線電纜社製　
商品名５ＨＲ−１０９）を塗布し、４８５℃で焼付けて
無機充填打入ボロシロキサン系樹脂絶縁層５を順に形成
させて構成されている。

この実施例の耐熱絶縁線輪は、この耐熱絶縁電線１を用
いて、次のようにしで製造した。

すなわち、まず第２図に示すように、上記耐熱絶縁電線
１を所定の最終形状となるよう多重回巻回して線輪を形
成し、例えばアルキルシリケート系のセラミックス化シ
リコーンエラストマー（東しシリコーン社製　商品名Ａ
Ｙ４９−２０８　）のような耐熱性の接着剤６を線間に
充填して接着させた。しかる侵、この上に、厚さ３５μ
ｍのガラス織布を厚さ１００μｍの無焼成軟質集成マイ
カに裏打補強してこれに上記のセラミック化工ラス１−
マーと無機充填科人ボロシロキサン系樹脂塗料（ＳＨＲ
−１０９）とを塗布してなる耐熱プリプレグ・マイカテ
ープを、上記セラミック化エラストマーを塗布しながら
巻回して、プリプレグ・ガラスマイカ絶縁層７を形成し
た。さらに、この上から、アルミナ・酸化ホウ素・シリ
カの３成分からなる超高湿用長繊維セラミックファイバ
ー（米国スリーエム社製　商品名ネクステル）の織布に
前記セラミック化エラストマーと無機充填科人ボロシロ
キサン系樹脂塗料を塗り込んだプリプレグ織布テーゾに
、前記セラミック化エラストマーを塗布しながら巻回し
てセラミックプリプレグ絶縁Ｆｙｉ８を形成した。

このようにして形成された絶縁層８の外側に離型用のポ
リテトラフルオロエチレンチーブ（図示せず）を巻き、
鉄板をあてた後、熱収縮性ポリエステルチーブ（フィル
ム状、チューブ状、あるいは絹布状のものでよい）を巻
き、これを８０℃で　１時間、１３０℃で２時間、１５
０℃で２時間、さらに１８０℃で１５時間加熱して硬化
させた。その後、前２熱収縮製ポリエステルテープ、鉄
板、離型用のポリテトラフルオロエヂレンテープを除去
し、この線輪をアルゴンガス中で３００℃で８時間、６
００℃で８時間焼成し、耐熱絶縁線輪９を得た。

上記の製造過程におい゛Ｃ１加熱硬化時の加圧は熱収縮
性ポリニスデルチーブの加熱収縮によって行われ、さら
に、加熱焼成によりプリプレグ・ガラスマイカ絶縁Ｆｆ
ｉ７およびセラミックプリプレグ′絶縁層８中に含まれ
る有りｌ質成分は飛散消失して、セラミック化エラスト
マー等はセラミック化し、緊固な無ｉ質の主絶縁層１０
が形成された。

このようにして得られた耐熱絶縁線輪８を、アルゴンガ
スを封入して５００℃で運転される高速増殖炉のナトリ
ウム循環用ポンプに使用したところ、運転温度における
ｔａｎθは２５％であって充分小さく、破壊電圧は１か
月侵においても初期値の８０％を維持していた。またニ
ッケルメッキ層は、アルミナ分散強化銅から剥離するこ
とな（、かつアルミナ分散強化銅の酸化もみられなかっ
た。

実施例２ 第３図は、この実施例に使用された耐熱絶縁電線の横断
面図である。同図に示すように、この実施例の耐熱絶縁
電線１は、円形断面の直径１．３ｎのアルミナ分散強化
銅（グリデンメタル社製　商品名Ｇ１１ｄ　ｃｏｐＡＬ
−１５）からなる導線２の外周に、厚さ５μ−のニッケ
ルメッキ層３を形成し、その上に、アルミナ、酸化ボリ
ア、シリカの３成分からなる超高湿周長セラミック化１
ｆｔ５（米国スリー二ム社製　商品名ネクステル）のヤ
ーンを巻回し、さらにその上から無機充填材入ボＬ１シ
ロキサン系樹脂塗料（昭和電線電纜社製　商品名（ＡＨ
Ｒ−１０９）を塗布して、４８５℃で焼き付け、絶縁塗
料の焼付被覆を形成して構成されている。

しかる後、この耐熱絶縁線輪７を多重回巻回して線輪を
形成し、以下実施例１と同様にして耐熱絶縁線輪を製造
した。

このようにして得られた耐熱絶縁線輪を、アルゴンガス
を封入して４００℃で運転される電気機器に使用したが
、１年間運転後の絶縁破壊電圧は初期の９０％を維持し
ており、はとんど熱劣化がみられなかった。また導体の
強度低下はほとんどなく、このため耐熱絶縁線輪全体の
構造的強僚も充分に維持された。

また、以上の実施例では断面円形の電線を使用した線輪
について述べたが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではなく、例えば平角電線のように断面非円形の
導体を右ツる絶縁電線にも適用が可能である。

また線輪の外周に設けた主絶縁層も、鉄心などが大地に
接触しないものの場合には、省略することができる。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明によれば、抗酸化性が優れ
たメツ１層を右づる電気的性能、耐熱性に優れた導体と
、耐熱性、機械的性質の優れた絶縁層と、線輪の外周に
設けられた無機絶縁層とから構成されているので、高湿
での長期間の使用にもはどｌυど性能が劣化することが
なく長時間にわたって良好な特性を維持ｆることができ
る。したが−）で３００〜６００℃程度もの高湿で使用
される絶縁線輪として好適している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例に使用される絶縁電線の横断
面図、第２図は本発明の一実施例の横断面図、第３図は
本発明の他の実施例に使用される絶縁電線の横断面図で
ある。 １・・・・・・・・・耐熱絶縁電線 ２・・・・・・・・・導線 ３・・・・・・・・・ニッケルメッキ層４・・・・・・
・・・セラミック繊維 ５・・・・・・・・・無機充填打入ボロシロキサン系樹
脂絶縁層 ６・・・・・・・・・接着剤

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）銅より耐熱性の良好な銅系金属線の外周に、高湿
   において銅より酸化されにくい金属メッキ層を設け、こ
   の金属メッキ層の上に、無機充填材入ボロシロキサン系
   樹脂の焼付絶縁層を設けてなる耐熱絶縁電線を、多重回
   巻回して線輪を形成するとともに、この多重回巻回した
   線輪の外周に、無機質絶縁層を設けてなることを特徴と
   する耐熱絶縁線輪。
2. （２）前記無機質絶縁層は、多重回巻回された耐熱絶縁
   電線間に非炭素骨格を有するポリマーを充填し、このポ
   リマーを焼成してセラミック化してなることを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項記載の耐熱絶縁線輪。
3. （３）無機質絶縁層は、無機質繊維基材と非炭素骨格を
   有するポリマーの焼成により形成されたセラミックとマ
   イカとから構成されていることを特徴とする特許請求の
   範囲第１項または第２項記載の耐熱絶縁線輪。