JP2818260B2 - 耐熱絶縁線輪の製造方法 - Google Patents

耐熱絶縁線輪の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、例えば高速増殖炉における液体ナトリウム
循環用の電磁ポンプの様に、300℃以上の高温で用いら
れる電気機器の耐熱絶縁線輪の製造方法に関するもので
ある。
(従来の技術) 300℃以上の高温で使用できる耐熱絶縁線輪は、殆ど
知られていない。M1(ケーブル(古河電工社の製品)の
様に、導体と金属シースの間に酸化マグネシウムの粉を
充填した耐熱絶縁電線が知られているが、それは金属シ
ースがあるために、渦電流対策が必要であり、しかも導
体占積率が低くなるので、容量の大きい電気機器の線輪
には不向きであった。
また、特公昭62−1241号公報や特公昭62−1242号公報
には、コイルの線間空隙部分およびコイルの外表面部の
少なくとも一部にシリコーン系樹脂または、そのシリコ
ーン系樹脂と高融点無機粉末を充填および/または被覆
した後焼成して無機質層を形成したことを特徴とする耐
熱絶縁コイルが記載されている。
さらに、特公昭62−57086号公報や特公昭62−57087号
公報には、導体上に無機絶縁層または使用中の異常時等
の高温時に、無機物化する耐熱絶縁電線を巻付け加工し
たコイルを固定する方法の耐熱絶縁コイル装置の製法が
記載されている。
(発明が解決しようとする課題) これら公知例に記載されている耐熱絶縁線輪は、表面
に粉末状の無機質層が形成されるため、長期間使用され
ると露出している粉末状の無機質層が徐々に粉末化し、
ぼろぼろと脱落し、崩壊していくので、長期間安定して
用いることができない。また、あまり厚い無機質層を形
成できないため、絶縁破壊電圧が低く、高電圧用の機器
には用いることができないという欠点があった。このよ
うに高電圧の機器の場合、マイカテープや絶縁テープを
無機ポリマー(無機化し得るポリマー)や無機質の接着
剤によって、加熱加圧し成形した後、焼成し完全に無機
化した絶縁を形成することが考えられる。
しかし、この様に全体を接着剤で固めた絶縁は、起動
時や停止時に、導体と絶縁層間の熱膨張率の相違によ
り、熱応力が発生し、このヒートサイクルが繰り返され
ると疲労により絶縁にクラックが発生し、絶縁低下を来
たす。特に、大容量機用の大形巻線やより高温で運搬さ
れる機器でこのような現象が発生し易い。
したがって、高速増殖炉の液体ナトリウムの循環用
の、液体ナトリウム浸漬形無冷却電磁ポンプ等の様な30
0℃以上の高温で使用される絶縁線輪は、300℃以上の高
温で長期間安定して使用できる高い耐熱性が必要であ
り、また、導体占積率を高くして、絶縁線率自体および
電磁ポンプの外形を小さくすることが求められている。
大容量機においてはヒートサイクルによって絶縁劣化の
起きない高電圧の絶縁線輪が必要となる。
本発明は、このような要望に応えるためになされたも
ので、300℃以上の高温で、長期間安定して使用でき、
ヒートサイクルによって絶縁劣化の起きない高電圧にも
用いることができる耐熱絶縁線輪の製造方法を提供する
ことを目的としている。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 本発明は、複数本の導体を巻回して成形し、その上か
ら無機質の補強材を1〜20重量%の無機塗料から成る接
着剤でマイカシートに貼り合わせてなるマイカテープを
巻回した後、300℃以上の温度で焼成し、さらにその上
から機械的強度が大きく耐熱性に優れかつ接着剤を有し
ない無機質の絶縁テープを巻回して耐熱絶縁線輪を製造
するものである。ここで、上記した300℃以上の温度に
よる焼成工程は必ずしも無機質の絶縁テープを巻回する
前でなくとも、例えば絶縁テープを巻回した後でもよ
く、作業性、経済性を考慮して決定すればよい。
ここで、無機塗料としては、モノリン酸アルミニウ
ム、リン酸珪素などのリン酸塩、コロイダルシリカやコ
ロイダルアルミナなどの他に、無機ポリマーも含む。無
機ポリマーとは焼成することにより無機化するポリマー
の総称であり、代表的なものとしては、無機化するシリ
コーンがある。例えばアルキルシリケート系のシリコン
AY49−208(東レシリコーン社商品名)、無機充填剤入
ボロシロキサン系塗料SMR−109(昭和電線電纜社商品
名)やメチルポリシロキサンから成る感圧接着剤YR3286
(東芝シリコーン社商品名)等が含まれる。
無機塗料には、必要に応じてアルミナ、シリカ、マグ
ネシア、ジルコニア、ステアタイト、クレー、カオリ
ン、マイカ粉、高融点ガラスフリット等の無機質充填剤
を充填してもよい。ただし塗り易くするためにこれら充
填剤は平均粒径10μm以下にし、充填剤含有量は10〜90
重量%程度にすることが望ましい。
ただし、無機ポリマーを使用する場合は、一旦高温で
加熱し、無機化する必要がある。
塗布する接着剤量はマイカおよび無機質の補強材を含
んだ総重量の1〜20重量%程度がよい。1重量%以下で
はマイカと無機質の補強材が十分接着せず、無機質の補
強材が補強の役目を果たせず、マイカがテープ巻回時に
切れてしまうからである。また、20重量%以上になる
と、マイカテープ同士間、マイカテープと導体、マイカ
テープと無機質の絶縁テープが互いに接着して、導体と
絶縁テープの熱膨張率の違いに基づく熱応力が大きくな
り、疲労破壊し易くなるためである。
また、マイカテープの補強材および耐熱性を有し接着
剤を有しない無機質の絶縁テープとしては、アルミナ、
アルミナ・ボリア・シリカ(例えば米国スリーエム社商
品名ではネクステル)、シリカなどの耐熱性があり機械
的強度の大きい繊維を織った織布または不織布などを使
用する。織布の場合、絶縁層の熱伝導性を良くするため
に、繊維の密度を高く織ったものが好ましい。一般にマ
イカテープの補強材用には30〜400μm程度の薄いテー
プの方がマイカ層の占積率を上げ、単位厚さ当りの絶縁
破壊電圧を大きくとれ絶縁設計上有利であり、表面に巻
く機械的強度が大きく耐熱性に優れかつ接着剤を有しな
い無機質の絶縁テープは、機械的強度が必要なので、10
0〜500μm程度の比較的厚いテープが適している。
なお、絶縁テープ端末の緩み止めは、アルミナ、アル
キナ・ボリア・シリカ、シリカなどの無機質繊維から成
る糸で押え巻くか、または絶縁テープの端末のみ前述し
た無機塗料を塗布し接着させるとよい。
(作用) 本発明において、導体に無機質の補強材を無機塗料か
ら成る1〜20重量%の接着剤でマイカシートに貼り合わ
せて成るマイカテープを巻回した後、機械的強度が大き
く耐熱性に優れかつ接着剤を有しない無機質の絶縁テー
プを巻回し、耐熱絶縁線輪を製造するのは、前記マイカ
テープおよび無機質の絶縁テープが、導体とマイカテー
プ間、マイカテープ同士間、マイカテープと無機質の絶
縁テープ間並びに無機質の絶縁テープ間を互いに接着さ
せない構成にし、温度変化に伴い絶縁層に発生する熱応
力を小さくし、絶縁層に熱応力の繰返しによる疲労でク
ラックが発生しないようにするためである。また、絶縁
線輪が高温になった際、接着剤から発生する揮発性成分
が、機械的強度が大きく耐熱性に優れかつ接着剤を有し
ない無機質の絶縁テープに付着し焼成されると、第1表
に示すように、無機質の絶縁テープの機械的強度が著し
く低下するが、本発明では少量の接着剤を無機質の補強
材とマイカシートの貼合せのためにのみ使用しているの
で、絶縁層の機械的強度の低下を最小限に押さえること
ができる。
ここで、マイカテープを使用するのは、マイカは耐熱
性が高く、また、絶縁破壊電圧に耐電圧性に優れている
ためである。導体近傍にマイカテープを使用したのは、
導体近傍の方が電界が高く、耐電圧性の高い材料を置く
ことにより、寿命を長くすることができるからである。
マイカテープは、電気的特性は優れているが機械的強
度にやや劣るので、機械的強度の高い耐熱性のある無機
質の絶縁テープを機械的強度の劣るマイカテープの上か
ら巻回し、押えることによって、マイカテープがばらば
らに崩れてしまうのを防ぐことができる。
なお、マイカは、劈開性に富んでいるため、機器の運
転・停止に伴うヒートサイクルによる熱応力をマイカ層
がずれることにより吸収してしまう。したがって、クラ
ックが発生しにくいという特徴を持っている。
一方、表面に巻回した無機質の絶縁テープは、接着剤
が塗布されてないため、ヒーとサイクルによる熱応力を
自身が変形することによって吸収してしまう。したがっ
て、絶縁テープが切断するようなことは起きない。ただ
し、この様に接着剤を有しない絶縁テープを表面に巻回
すると、絶縁テープが緩むので前述した様な緩み止めが
必要となる。
また、本発明の耐熱絶縁線輪において、使用温度が60
0℃以上の高温で使用される場合は、マイカとしては硬
質マイカより、軟質マイカが良い。何故なら、硬質マイ
カの方が軟質マイカより結晶水放出温度が低く、耐熱性
が低いからである。第3図にマイカ巻絶縁の高温での1.
5kV/mmでの課電寿命試験結果の一例を示すが、軟質マイ
カテープ巻絶縁Aの方が硬質マイカ巻絶縁Bに比べ高温
で課電寿命特性が優れていることが分る。
さらに、本発明で使用される導体としては、絶縁被覆
のない導体そのものでも良く、また絶縁被覆のある絶縁
電線でも良い。絶縁被覆のある絶縁電線としては、セラ
ミック絶縁電線、セラミックあるいはガラス繊維巻絶縁
電線、マイカテープ巻絶縁電線を用いることができる。
(実施例) 実施例1 第1図において、導体1はニッケルメッキを施したア
ルミナ分散強化銅2(グリデンメタル社商品名Glid cop
AL−15)から成る平角線に、厚さ50μmのシリカクロ
スと厚さ100μmの軟質無焼成集成マイカシートとを7.5
重量%のシリコーン(例えば東芝シリコーン社商品名YR
3286)を接着剤として貼り合わせて成るマイカテープ3
を巻回したもので、この導体1を、内径600mm、外径100
0mm、厚さ40mmとなるようにパンケーキ状に巻いた後、
無機質充填剤を含むアルキルシリケート系の無機化シリ
コーン(東レシリコーン社商品名AY49−208)やアルミ
ナ等の無機質の接着剤4等を用いて成形する。さらに、
この上から主絶縁として厚さ50μmのアルミナ織布を厚
さ100μmの無焼成軟質集成マイカに、無機化シリコー
ン(東レシリコーン社商品名AY49−208)と無機充填剤
入ボロシロキサン系樹脂塗料(昭和電線電纜社商品名SM
R−109)とシリコーン感圧接着剤(東芝シリコーン商品
名YR3286)を合計でマイカテープに対して15重量%にな
るよう塗布して接着させて成るマイカテープを1/2重ね
巻3回巻回した。この外側に離型用のポリテトラフルオ
ロエチレンテープ(図示しない)を巻き、鉄板に当てた
後、熱収縮性ポリエステルテープ(フィルム状、チュー
ブ状、または織布状のものでもよい)を巻き、これを80
℃で1時間、130℃で2時間、150℃で2時間、さらに18
0℃で15時間加熱して硬化させた。この後、前記熱収縮
性ポリエステルテープ、鉄板、離型用のポリテトラフル
オロエチレンテープを除去し、この線輪を空気中で300
℃で8時間、600℃で8時間焼成し、耐熱絶縁線輪を得
た。
上記の製造過程において、加熱硬化時の加圧は、熱収
縮性ポリエステルテープの加熱収縮によって行われ、さ
らに、高温での加熱焼成により絶縁層中に含まれる有機
質成分は飛散焼失して無機化(セラミック化)し、完全
に無機質の絶縁層が形成された。
また、マイカテープ中には接着剤が少量しか含まれて
いないため、導体とマイカテープ間及びマイカテープ同
士間には前記接着剤が移行せず、従って焼成後導体とマ
イカテープ間及びマイカテープ同士間は接着していな
い。
さらに、この上から接着剤を有しない無機質の絶縁テ
ープとして、厚さ300μmの接着剤を有しないアルミナ
繊維織布からなる絶縁テープ6を1/2重ね巻きで1回巻
回した。然る後、絶縁テープの端末が緩まない様に、ア
ルミナ繊維からなる糸を前記絶縁テープの巻回端末上か
ら押え付けながら巻回し、絶縁層を形成した。
一方比較例として、まず前述した実施例1と全く同様
にしてパンケーキ状導体を製作する。次にマイカテープ
5を無機質充填剤を含む無機化シリコーンを塗布しなが
ら1/2重ね巻で3回巻回した。更にこの上から前記接着
剤を有しない無機質の絶縁テープ代りに、厚さ300μm
のアルミナ繊維織布に前記無機質充填剤を含む無機化シ
リコーン(東レシリコーン社商品名AY49−208)と無機
充填剤入ボロシロキサン系樹脂塗料(昭和電線電纜社商
品名SMR−109)を塗布し乾燥して成るプリプレグ状の絶
縁テープを無機質充填剤を含む無機化シリコーン(東レ
シリコーン社商品名AY49−208)を塗布しながら前述し
たマイカテープ5の上から1/2重ね巻1回巻回し、絶縁
層を形成した。
この後、このように形成された絶縁層の外側に前述し
た実施例1と同様に、離型用のポリテトラフルオロオチ
レンテープ(図示しない)を巻き、鉄板を当てた後、熱
収縮性ポリエステルテープ(フィルム状、チューブ状、
または織布状のものでもよい)を巻き、これを80℃で1
時間、130℃で2時間、150℃で2時間、さらに180℃で1
5時間加熱して硬化させた。この後、前記熱収縮性ポリ
エステルテープ、鉄板、離型用のポリテトラフルオロエ
チレンテープを除去して、この線輪を空気中で300℃で
8時間、600℃で8時間焼成し、耐熱絶縁線輪を得た。
実施例2 実施例1の導体の代りに第2図に示すように、導体1
として厚さ5μmのニッケルメッキをした円形断面の直
径1.3mmのアルミナ分散強化銅5(グリデンメタル社商
品名Glid cop AL−15)からなる丸線にアルミナ、ボリ
ア、シリカの3成分からなる高温用セラミック繊維7
(米国スリーエム社商品名ネクステル)のヤーンを巻回
し、さらにその上から無機充填剤入ボロシロキサン系樹
脂塗料8(昭和電線電纜社商品名SMR−109)を塗布し
て、485℃で焼き付け、絶縁塗料の焼付被覆を形成して
構成された耐熱絶縁電線9を無機質充填剤を含む無機化
シリコーン10(東レシリコーン社商品名AY49−208)を
塗布しながら多重巻回し加熱成形したものを使用した。
以下実施例1と同様にして耐熱絶縁線輪を製造した。
実施例1,2および比較例により得られた耐熱絶縁線輪
を室温と650℃の間で1000回ヒートサイクルを行ったと
ころ、比較例が最も早く、絶縁表面のアルミナ織布テー
プにクラックが発生しアルミナ繊維が切断した。このク
ラックはヒートサイクル数が多くなるにつれ、絶縁層全
面に広がり、クラック自身も拡大した。これに比べて、
本実施例1,2の場合、ヒートサイクルを1000回終了した
後も、クラックの発生は見られなかった。ヒートサイク
ル1000回終了後の残存絶縁破壊電圧(絶縁破壊電圧の初
期値に対するヒートサイクル劣化後の絶縁破壊電圧の百
分率)は、それぞれ実施例1で95%、実施例2で91%、
比較例で55%で本発明の絶縁線輪の残存絶縁破壊電圧が
高かった。このようにヒートサイクル試験において比較
例の劣化が大きかったのは、第1表に示したように、ア
ルミナ織布に接着剤が付くとアルミナテープの引張強さ
が著しく低下することと、マイカテープおよび無機質の
絶縁テープであるアルミナ織布に多量の接着剤が塗布さ
れたことにより、導体とマイカテープ間、マイカテープ
同士間、マイカテープと無機質の絶縁テープ間並びに無
機質の絶縁テープ間が互いに強固に接着し、絶縁線輪の
温度変化に伴い絶縁層に発生する熱応力を吸収できず、
絶縁層に熱応力の繰返しによる疲労でクラックが発生し
たためである。逆に、実施例においては、マイカテープ
には接着剤が少量しか含まれていず、また無機質の絶縁
テープであるアルミナ織布に中には接着剤が含まれてい
ないため、導体とマイカテープ間およびマイカテープ同
士間、マイカテープと無機質の絶縁テープ間並びに無機
質の絶縁テープ間は接着していないので、絶縁線輪の温
度変化に伴い絶縁層に発生する熱応力を吸収でき、絶縁
層に熱応力の繰返しによる疲労でクラックが発生しにく
いためである。
なお、実施例1および2により得られた耐熱絶縁線輪
を窒素を封入した600℃の雰囲気で1年間加熱したが、
加熱後の破壊電圧はいずれも初期値の90%以上であっ
た。
さらに他の実施例として上記実施例においては、マイ
カテープを巻回した後一旦絶縁線輪に含まれる無機ポリ
マーを無機化させるために高温で焼成した後、機械的強
度が大きく耐熱性に優れかつ接着剤を有しない無機質の
絶縁テープを巻回したが、実施例1に使用したマイカテ
ープの接着剤として低温で焼結できるコロイダルアルミ
ナあるいはコロイダルシリカを使用してマイカテープを
巻回した後、さらに続けて機械的強度が大きく耐熱性に
優れかつ接着剤を有しない無機質の絶縁テープを巻回
し、その後加熱焼成して耐熱絶縁線輪を得てもよく、こ
うして得られた耐熱絶縁線輪を実施例1,2および比較例
と同様の試験条件でヒートサイクルを行ったところ、実
施例1,2と同様にクラックの発生は見られず、また絶縁
破壊電圧の低下もほとんど認められず良好な特性であっ
た。上記実施例から加熱焼成工程は絶縁テープを巻回す
る前に行っても後に行っても同様の効果が得られるた
め、作業性、経済性等を考慮して選択すればよい。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明によれば、導体に、無機質
の補強材を1〜20重量%の無機塗料から成る接着剤でマ
イカシートに貼り合わせて成るマイカテープを巻回した
後、機械的強度が大きく耐熱性に優れかつ接着剤を有し
ない無機質の絶縁テープを巻回したため、電気的、機械
的に優れた耐熱絶縁線輪が得られる。また、この耐熱線
輪は、高温で連続使用しても殆ど性能の低下することが
なく、機器の運転・停止に伴って起きるヒートサイクル
が繰り返されても、絶縁層にクラックが入ることもな
く、絶縁性能の低下が殆ど起きない。したがって、高速
増殖炉における液体ナトリウム循環用の電磁ポンプの様
に、300℃以上の高温で用いられる耐熱絶縁線輪に好適
な製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の一実施例を示す耐熱絶縁線輪の横断面
図、第2図は本発明の他の実施例を示す耐熱絶縁線輪の
横断面図、第3図は軟質マイカテープを巻絶縁と硬質マ
イカテープ巻絶縁の高温における課電寿命特性比較図で
ある。 1……導体 2……ニッケルメッキをしたアルミナ分散強化銅 3,5……マイカテープ、4……無機質の接着剤 6……接着剤を有しない無機質の絶縁テープ 7……高温用セラミック繊維 8……無機充填剤入ボロシロキサン系樹脂塗料 10……無機質充填剤を含む無機化シリコーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−257428(JP,A) 特開 昭61−156707(JP,A) 特開 昭62−219412(JP,A) 特開 昭62−114452(JP,A) 特開 昭62−118737(JP,A) 特開 昭63−285139(JP,A) 実開 昭63−21448(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02K 15/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数本の導体を巻回して成形し、その上か
    ら無機質の補強材を1〜20重量%の無機塗料から成る接
    着剤でマイカシートに貼り合わせてなるマイカテープを
    巻回した後、300℃以上の温度で焼成し、さらにその上
    から機械的強度が大きく耐熱性に優れかつ接着剤を有し
    ない無機質の絶縁テープを巻回することを特徴とする耐
    熱絶縁線輪の製造方法。
  2. 【請求項2】複数本の導体を巻回して成形し、その上か
    ら無機質の補強材を1〜20重量%の無機塗料から成る接
    着剤でマイカシートに貼り合わせてなるマイカテープを
    巻回し、さらにその上から機械的強度が大きく耐熱性に
    優れかつ接着剤を有しない無機質の絶縁テープを巻回
    し、しかる後300℃以上の温度で焼成することを特徴と
    する耐熱絶縁線輪の製造方法。
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