JPS6331852B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はフロツピーデイスクドライブ装置等の
垂直磁気記録再生装置に用いる垂直磁化ヘツドに
関し、データトラツクの両端部を消去する（トン
ネル消去）機能を有する垂直磁化ヘツドを提供す
るものである。

第１図は、従来の垂直磁化ヘツド（以下、単に
垂直ヘツドと呼ぶ。）を示している。

第１図において、１はスパツタ法・蒸着法など
の方法により形成されたパーマロイ等の軟磁性薄
膜（主磁極薄膜）２を非磁性材３ではさみ込んだ
主磁極、４は巻線５を有しフエライト等の軟磁性
材から成る補助磁極である。記録媒体６は補助磁
極４と対向する側の主磁極１先端に接触して走行
する。第１図において、補助磁極４で生じた磁界
は主磁極薄膜２により集束され、この集束された
強く鋭い磁界により記録媒体６上に記録が行なわ
れる。

一方、第２図に示すように、主磁極１に直接巻
線５を施して補助磁極を省略する励磁方法もすで
に知られている。記録再生感度については、一般
に、第１図に示した補助磁極励磁に比べて、第２
図に示した主磁極励磁は劣る。

上記従来の垂直ヘツドの記録再生感度を向上さ
せるため次の方法が知られている。

即ち、第３図ａに示すように、主磁極膜２の片
方あるいは双方の側面に板状及至はこれを変形し
たフエライト等の軟磁性材からなるコア７を主磁
極膜２の根元に付与するものである。ここでも、
主磁極膜先端は非磁性材３で保護される。この改
善は同図ｂに示すように主磁極励磁にも適用でき
る。

ところで、一般に磁気記録装置においてトラツ
ク位置のずれ（いわゆるオフトラツク）が生じた
状態で行なうと、第４図ａに示すように磁気デイ
スク上の旧データD₁が更新されずに残る。これ
は雑音として再生信号のＳ／Ｎ比を劣化させるの
で、実用上この現象に対して対策を講じることが
重要である。そのためには、第４図ｂに示すよう
に消去ヘツドを用いてデータトラツクの両端Ｓを
消去する（トンネル消去）のが有効である。

近年、高密度記録方式として注目を集めている
垂直磁気記録用ヘツドの提案が数多くなされてい
るが、上記トンネル消去用ヘツド（以下、単に消
去ヘツドと称する。）を具備することを考慮した
ものはない。しかしながら、オフトラツクは温湿
度の変動に基づくデイスク及びドライブ各部の伸
縮により起こるのであるから、消去ヘツドを持た
ない垂直ヘツドでは上述の欠点を生じる。

本発明はこの欠点を除去するもので、以下にそ
の構造並びに動作を説明する。

第５図は本発明の一実施例における垂直磁化ヘ
ツドを示している。第５図において、８は磁性材
からなる直方体状のコアであり、このコア８の一
端面（記録媒体が接する端面）側には、第６図に
示すように両端部８′，８″を残して切り欠き９が
形成されている。１０は上記切り欠き９に充填さ
れた非磁性材である。２は第７図にも示すよう
に、非磁性材１０の側面も含めてコア８の一側面
中央に設けられた軟磁性薄膜（主磁極薄膜）であ
り、この軟磁性薄膜２はパーマロイ等をスパツ
タ、蒸着などの方法で形成される。１１，１１′
はフエライト等の軟磁性材からなるＵ字形のコア
であり、このＵ字形のコア１１，１１′の一端面
はコア８の他側面（コア８の軟磁性薄膜２が被着
された面の逆の面）に固定される。１２，１２′
はＵ字形のコア１１，１１′の他端面とコア８の
他側面との間に形成された空隙、１３，１３′は
それぞれ上記Ｕ字形のコア１１，１１′に巻回さ
れた巻線であり、この巻線１３，１３′はＵ字形
のコア１１，１１′とコア８とのすき間を利用し
て設けられる。なお、巻線１３′は図示していな
い。上記Ｕ字形のコア１１，１１′は、コア８の
主磁極薄膜２が設けられている側に固定してもよ
い。

第５図において、コア８のトラツク方向に見た
両端部８′，８″付近はリング形消去ヘツドの磁路
の一部となり、一方、記録再生用の垂直ヘツドの
コア本来の働きを中央部が行なう。従つて、消去
トラツク幅は、トラツク方向の両端部に残したコ
ア及びＵ字形のコアの幅で規定される。このと
き、垂直ヘツド特有の鋭い磁界分布からデータト
ラツク幅は軟磁薄膜２の幅で正確に限定される。

なお、再生時の消去ヘツドを介しての漏話を軽
減するためには、第８図のようにコア８とＵ字形
のコア１１，１１′とにより形成される消去ヘツ
ドの空隙１２，１２′を軟磁性薄膜２に対して傾
斜させて非平行とし、消去側に故意にいわゆるア
ジマス損失を生じさせることが有効である。

垂直ヘツドの励磁方法としては、上述したよう
に(イ)補助磁極励磁、(ロ)主磁極励磁の二種がある
が、本発明においてはそのいずれもが可能であ
る。

その具体的な実施例を説明する。即ち、 (イ) 補助磁極励磁 第９図に示すように、Ｕ字形のコア１１，１
１′に消去用の巻線１３，１３′を施し、記録媒
体をはさんで軟磁性薄膜２と対向する位置に補
助磁極４を配置する。このようにすることで、
独立に働く記録再生及びトンネル消去の双方の
機能を達成できる。

(ロ) 主磁極励磁 第１０図に示すように、コア８に巻線１４を
施し、この巻線１４を記録再生及び消去兼用巻
線とする。この巻線１４に記録電流を流せば軟
磁性薄膜２を通じて記録が行なわれるが、同時
に信号磁束はＵ字形コア１１，１１′にも流れ
る。このとき、広ギヤツプリングヘツドでは記
録減磁が著しいため信号の記録は行なわれず、
結果的に記録媒体は交流的に消去されることに
なる。

言うまでもなく、Ｕ字形のコア１１，１１′
に巻線を施してこれを消去用巻線として独立に
機能させることも可能であるが、このときは全
部で３組の巻線を施す必要がある。また、上述
の記録減磁現象を利用して消去を行なうこと
は、(イ)で述べた補助磁極励磁においても適用で
き、記録再生用巻線と消去用巻線の双方に記録
信号電流を印加し、消去用電子回路を省略する
ことも可能である。

なお、本発明のヘツドにおける再生は通常ヘツ
ドとまつたく同様に行なわれる。

本発明は上記のような構成であり、本発明によ
れば次の効果が得られる。

(a) 記録再生用垂直ヘツドと消去ヘツドを近接し
て配置しているため、実用上重要なトンネル消
去が可能な垂直記録用フロツピーデイスクヘツ
ドを実現できる。

(b) コアを消去用リングヘツドのコアの一部とし
て兼用するため構造が簡単で製作が容易であ
る。

なお、本発明は上記実施例に限られるものでは
なく、垂直ヘツドのコアの一部を利用してトンネ
ル消去用ヘツドを構成する主旨にそつて種々変形
できることは言うまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図はそれぞれ従来の垂直磁化ヘツ
ドの基本構成を示す図、第３図ａ，ｂはそれぞれ
従来の他の垂直磁化ヘツドの基本構成を示す図、
第４図ａ，ｂは記録媒体のトラツクの様子を示す
図、第５図は本発明の一実施例における垂直磁化
ヘツドの斜視図、第６図、第７図は同垂直磁化ヘ
ツドのコアの斜視図、第８図は本発明の他の実施
例の上面図、第９図は同斜視図、第１０図は本発
明のさらに他の実施例の斜視図である。 ２……軟磁性薄膜、８……コア、９……切り欠
き、１０……非磁性材、１１，１１′……Ｕ字形
のコア、１２，１２′……空隙、１３，１３′……
巻線、１４……巻線。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 記録媒体が接する端面側に両端部を残して切
   り欠きが形成された磁性材の記録再生用コアと、
   上記切り欠きに充填された非磁性材と、上記記録
   再生用コアの一側面の一部および上記非磁性材に
   設けられた主磁極薄膜と、上記記録媒体に接する
   端面を有し、上記記録再生用コアの他側面の両端
   にそれぞれ一体に形成された消磁用コアと、この
   消磁用コアと上記記録再生用コアの境界に設けら
   れた空隙とを備え、上記記録再生用コアに巻線が
   巻きつけられる場合、上記消磁用コアのそれぞれ
   および主磁極薄膜に対向して設けられた補助磁極
   に巻線が巻きつけられる場合のいずれか一方の場
   合により上記記録媒体に記録、再生、消磁を行う
   ことを特徴とする垂直磁化ヘツド。