JPS63312917A - ばね性と延性の優れた高強度鋼板の製造方法 - Google Patents
ばね性と延性の優れた高強度鋼板の製造方法Info
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- JPS63312917A JPS63312917A JP14793287A JP14793287A JPS63312917A JP S63312917 A JPS63312917 A JP S63312917A JP 14793287 A JP14793287 A JP 14793287A JP 14793287 A JP14793287 A JP 14793287A JP S63312917 A JPS63312917 A JP S63312917A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、ばね性および延性の優れた高強度鋼板の製造
に係り、とくに引張強さが120kgf/am”以上、
ばね限界値Kbが100kgf/曽■8以上、伸びが1
0%以上の高度のばね性および延性を有する高強度鋼板
の製造方法に関するものである。
に係り、とくに引張強さが120kgf/am”以上、
ばね限界値Kbが100kgf/曽■8以上、伸びが1
0%以上の高度のばね性および延性を有する高強度鋼板
の製造方法に関するものである。
近年、自動車等の鋼構造物の軽量化のために。
高強度でしかも延性の優れた高強度鋼板が種々開発され
ている。これらの鋼の代表例として9日本特許第107
3451号(特公昭56−11741号公報)等で提案
されているフェライト・マルテンサイト2相鋼(Dua
l phasell :通称DP鋼)がある、この鋼板
は、降伏伸びがなく°、また降伏比が低いことなどの特
徴を有し、引張強さが50〜100kgf/■eIg程
度の強度レベルにおいて固溶強化型や析出強化型の鋼よ
りも優れた延性を示す鋼板としてよく知られている。
ている。これらの鋼の代表例として9日本特許第107
3451号(特公昭56−11741号公報)等で提案
されているフェライト・マルテンサイト2相鋼(Dua
l phasell :通称DP鋼)がある、この鋼板
は、降伏伸びがなく°、また降伏比が低いことなどの特
徴を有し、引張強さが50〜100kgf/■eIg程
度の強度レベルにおいて固溶強化型や析出強化型の鋼よ
りも優れた延性を示す鋼板としてよく知られている。
また9本発明者らはさらに引張強さが100〜150k
gf/am”程度で20〜40%もの伸びを示す鋼とし
てベイナイト・残留オーステナイト2相鋼を日本特許第
1208007号(特公昭58−42246号公報)で
提案している。この鋼も降伏伸びは示さず、また降伏比
は低い。
gf/am”程度で20〜40%もの伸びを示す鋼とし
てベイナイト・残留オーステナイト2相鋼を日本特許第
1208007号(特公昭58−42246号公報)で
提案している。この鋼も降伏伸びは示さず、また降伏比
は低い。
しかしながらこれらの鋼は高強度でしかも高延性ではあ
っても、降伏比が低いことから、概してばね性が劣って
いる。
っても、降伏比が低いことから、概してばね性が劣って
いる。
一方、高強度鋼板のばね性を高くする方法として、冷間
加工と時効処理とを組合せた歪時効処理が有効であるの
は良く知られていることである。
加工と時効処理とを組合せた歪時効処理が有効であるの
は良く知られていることである。
しかし、歪時効処理によってばね性を付与しようとする
と、延性が著しく低下することもよく知られている。し
たがって、高延性とばね性とを兼ね備えることは従来に
おいてきわめて困難なこととされていた。
と、延性が著しく低下することもよく知られている。し
たがって、高延性とばね性とを兼ね備えることは従来に
おいてきわめて困難なこととされていた。
本発明は、引張強さ120kgf/+sm”以上の高強
度レベルにおいて、高延性(伸びが10%以上)とばね
性(ばね限界値K b100kgf/am”以上)を兼
備する鋼板を得ることを目的としたものである。
度レベルにおいて、高延性(伸びが10%以上)とばね
性(ばね限界値K b100kgf/am”以上)を兼
備する鋼板を得ることを目的としたものである。
前記の目的を達成すべく1本発明者らは、鋼成分、熱処
理条件、歪時効処理条件などについて広範囲な試験と研
究を重ねてきたが1本発明者らが先に開発した日本特許
第1208007号(特公昭58−42246号公報)
−で提案したベイナイト・残留オーステナイト2相鋼に
対して、適切な冷間加工条件と時効処理とを組み合わせ
た歪時効処理を行なうならば、延性を大きく劣化させる
ことなく強度とばね性を著しく向上させることができる
ことを見出した0本発明はかかる知見に基づいてなされ
たものであり、その要旨とするところは。
理条件、歪時効処理条件などについて広範囲な試験と研
究を重ねてきたが1本発明者らが先に開発した日本特許
第1208007号(特公昭58−42246号公報)
−で提案したベイナイト・残留オーステナイト2相鋼に
対して、適切な冷間加工条件と時効処理とを組み合わせ
た歪時効処理を行なうならば、延性を大きく劣化させる
ことなく強度とばね性を著しく向上させることができる
ことを見出した0本発明はかかる知見に基づいてなされ
たものであり、その要旨とするところは。
重量%で、c:o、4o〜0.85%、 S i:1
.40〜2.50%、 Mn:0.30〜1.OO’
%、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼を、A
c、点以上の温度に加熱して完全にオーステナイト化し
たのち、TTT線図のノーズ(鼻)を通過する速度より
も大きい冷却速度で380〜480℃の範囲の温度まで
冷却し、この温度域で過冷オーステナイトの65〜85
%がヘイナイト変態するまで等温保持し、そして空冷或
いはそれ以上の冷却速度で室温まで冷却することによす
、65〜85%のベイナイト相と残部が残留オーステナ
イト相からなるベイナイト・残留オ−ステナイト2相鋼
とし、この2相鋼を圧下率10〜25%にて冷間圧延し
、さらに180〜420℃にてIO分以上10時間以下
の時効処理を行なうことからなる。ばね性と延性の優れ
た高強度鋼板の製造方法に存する。すなわち本発明は、
特許第1208007号(特公昭58−42246号公
報)の製造法に従ってベイナイト・残留オーステナイト
2相鋼を製造し、この2相綱に圧下率10〜25%の冷
間圧延を施したうえ、さらに180〜420℃にてlO
分以上10時間以下の時効処理を行うことを特徴とする
ものである。
.40〜2.50%、 Mn:0.30〜1.OO’
%、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼を、A
c、点以上の温度に加熱して完全にオーステナイト化し
たのち、TTT線図のノーズ(鼻)を通過する速度より
も大きい冷却速度で380〜480℃の範囲の温度まで
冷却し、この温度域で過冷オーステナイトの65〜85
%がヘイナイト変態するまで等温保持し、そして空冷或
いはそれ以上の冷却速度で室温まで冷却することによす
、65〜85%のベイナイト相と残部が残留オーステナ
イト相からなるベイナイト・残留オ−ステナイト2相鋼
とし、この2相鋼を圧下率10〜25%にて冷間圧延し
、さらに180〜420℃にてIO分以上10時間以下
の時効処理を行なうことからなる。ばね性と延性の優れ
た高強度鋼板の製造方法に存する。すなわち本発明は、
特許第1208007号(特公昭58−42246号公
報)の製造法に従ってベイナイト・残留オーステナイト
2相鋼を製造し、この2相綱に圧下率10〜25%の冷
間圧延を施したうえ、さらに180〜420℃にてlO
分以上10時間以下の時効処理を行うことを特徴とする
ものである。
以下に本発明の内容を詳しく説明する。
まず9本発明の鋼の化学成分の範囲限定理由について述
べる。
べる。
Cは残留オーステナイトを安定化するのに必須の元素で
あり、かつ、鋼の強度を向上させるのに重要な元素であ
る。C量が0.40%未満では、残留オーステナイトの
安定化が困難であり、しかも本発明で意図するような大
きな強度は得られない。
あり、かつ、鋼の強度を向上させるのに重要な元素であ
る。C量が0.40%未満では、残留オーステナイトの
安定化が困難であり、しかも本発明で意図するような大
きな強度は得られない。
しかし、Cが0.85%を超えても残留オーステナイト
の安定化や強度の向上に対してなお一層の効果が発揮さ
れるわけではなく、逆に延性を低下させる。従ってcl
は0.40〜0.85%の範囲とする。
の安定化や強度の向上に対してなお一層の効果が発揮さ
れるわけではなく、逆に延性を低下させる。従ってcl
は0.40〜0.85%の範囲とする。
Siはフェライト形成元素であり、しかも炭化物を形成
しにくい元素として知られている。Siはベイナイト変
態に際し、母相のオーステナイトよりもC濃度の低いベ
イナイトを生成させる作用があり、それによって未変態
オーステナイトにCが濃縮され、残留オーステナイトを
安定化させることができる。このメカニズムにより1本
発明においてSiはオーステナイト安定化元素として作
用するとも言える。このようなSiの効果は、 1.4
0%未満では小さく、また2、50%を超えると残留オ
ーステナイトの安定化効果が減少するばかりでなく1表
面性状等の健全な鋼板を得ることが困難となるので1.
40〜2.5%とする。
しにくい元素として知られている。Siはベイナイト変
態に際し、母相のオーステナイトよりもC濃度の低いベ
イナイトを生成させる作用があり、それによって未変態
オーステナイトにCが濃縮され、残留オーステナイトを
安定化させることができる。このメカニズムにより1本
発明においてSiはオーステナイト安定化元素として作
用するとも言える。このようなSiの効果は、 1.4
0%未満では小さく、また2、50%を超えると残留オ
ーステナイトの安定化効果が減少するばかりでなく1表
面性状等の健全な鋼板を得ることが困難となるので1.
40〜2.5%とする。
Mnはオーステナイトの焼入性を向上させる元素であり
、フェライト・ノーズ(鼻)およびパーライト・ノーズ
(鼻)を長時間側に移行さ−せ、オーステナイト化温度
からベイナイト変態温度への冷却途中でのフェライトや
パーライトの析出を抑制する。このようなMnの効果は
0.30%未満では小さい、また1、00%を超える添
加はベイナイト変態を遅延せしめ効率的な熱処理作業を
阻害するばかりでなく、鋼板の副原料コストをいたずら
に上昇させるので、 0.30〜1.00%とする。
、フェライト・ノーズ(鼻)およびパーライト・ノーズ
(鼻)を長時間側に移行さ−せ、オーステナイト化温度
からベイナイト変態温度への冷却途中でのフェライトや
パーライトの析出を抑制する。このようなMnの効果は
0.30%未満では小さい、また1、00%を超える添
加はベイナイト変態を遅延せしめ効率的な熱処理作業を
阻害するばかりでなく、鋼板の副原料コストをいたずら
に上昇させるので、 0.30〜1.00%とする。
本発明においては、かかる化学成分範囲の鋼板をAcs
点以上の温度に加熱して完全にオーステナイト化したの
ち、TTT線図のノーズ(鼻)を通過する速度よりも大
きい冷却速度で380℃〜480℃の範囲の温度まで冷
却したのち、過冷オーステナイトの65〜85%がベイ
ナイト変態するまで等温保持し1次いで空冷かあるいは
それ以上の冷却速度で室温まで冷却して、65〜85%
のベイナイト相と残部が残留オーステナイト相であるベ
イナイト・残留オーステナイト2相鋼とする。ここでr
TTT線図のノーズを通過する速度より大きな冷却速度
」とは、オーステナイト化温度から380〜480℃の
ベイナイト変態温度域への冷却途中で、フェライトやパ
ーライトのいわゆる上部変態生成相が析出しない冷却速
度を意味している。フェライトやパーライトの析出は強
度を低下させるばかりでなく、残留オーステナイトの安
定化を阻害するので抑制しなければならない、フェライ
トやパーライトの析出を抑制するためには本発明の鋼成
分範囲では少なくとも10℃/s以上の冷却速度が必要
である。
点以上の温度に加熱して完全にオーステナイト化したの
ち、TTT線図のノーズ(鼻)を通過する速度よりも大
きい冷却速度で380℃〜480℃の範囲の温度まで冷
却したのち、過冷オーステナイトの65〜85%がベイ
ナイト変態するまで等温保持し1次いで空冷かあるいは
それ以上の冷却速度で室温まで冷却して、65〜85%
のベイナイト相と残部が残留オーステナイト相であるベ
イナイト・残留オーステナイト2相鋼とする。ここでr
TTT線図のノーズを通過する速度より大きな冷却速度
」とは、オーステナイト化温度から380〜480℃の
ベイナイト変態温度域への冷却途中で、フェライトやパ
ーライトのいわゆる上部変態生成相が析出しない冷却速
度を意味している。フェライトやパーライトの析出は強
度を低下させるばかりでなく、残留オーステナイトの安
定化を阻害するので抑制しなければならない、フェライ
トやパーライトの析出を抑制するためには本発明の鋼成
分範囲では少なくとも10℃/s以上の冷却速度が必要
である。
ベイナイト変態量を65〜85%と規制するのは次の理
由による。すなわち、ベイナイト変態量が65%未満で
は、過冷オーステナイトへのCの濃化が不十分であり過
冷オーステナイトが十分に安定化されず0等温保持後、
引続いて行なわれる冷却過程において過冷オーステナイ
トの一部がマルテンサイト変態を起こし、延性が著しく
低下する結果となる。他方ベイナイト変態量が85%を
超すと。
由による。すなわち、ベイナイト変態量が65%未満で
は、過冷オーステナイトへのCの濃化が不十分であり過
冷オーステナイトが十分に安定化されず0等温保持後、
引続いて行なわれる冷却過程において過冷オーステナイ
トの一部がマルテンサイト変態を起こし、延性が著しく
低下する結果となる。他方ベイナイト変態量が85%を
超すと。
残留オーステナイトによる延性向上効果は得られなくな
る。これらの理由によりベイナイト変態量を65〜85
%と規制する。
る。これらの理由によりベイナイト変態量を65〜85
%と規制する。
さらにベイナイト変態処理温度を380〜480℃と規
制するのは次の理由による。すなわち、380℃未満の
温度では、Cの拡散に律速されるベイナイト変態速度が
著しく小さいので、ベイナイト変態量を65%以上とす
るために著しく長い等温保持時間が必要となり5w4板
の熱処理コストをいたずらに増加させるばかりでなく、
未変態オーステナイトへのCの濃化も十分に進行しない
、他方480℃を超す等温処理ではパーライト変態が生
じるのでベイナイト・残留オーステナイト2相組織は得
られない、これらの理由により、ベイナイト変態処理温
度を380〜480℃の範囲に規制する。この等温処理
温度に保持する時間は、過冷オーステナイトの65〜8
5%がベイナイト変態するのに必要な時間に相当し1本
発明鋼の場合、鋼成分と等温処理温度によってその時間
は変化するが30〜600秒の間にある。
制するのは次の理由による。すなわち、380℃未満の
温度では、Cの拡散に律速されるベイナイト変態速度が
著しく小さいので、ベイナイト変態量を65%以上とす
るために著しく長い等温保持時間が必要となり5w4板
の熱処理コストをいたずらに増加させるばかりでなく、
未変態オーステナイトへのCの濃化も十分に進行しない
、他方480℃を超す等温処理ではパーライト変態が生
じるのでベイナイト・残留オーステナイト2相組織は得
られない、これらの理由により、ベイナイト変態処理温
度を380〜480℃の範囲に規制する。この等温処理
温度に保持する時間は、過冷オーステナイトの65〜8
5%がベイナイト変態するのに必要な時間に相当し1本
発明鋼の場合、鋼成分と等温処理温度によってその時間
は変化するが30〜600秒の間にある。
また1等温処理後の室温まで冷却する際の冷却速度は1
”C/s = 1000℃/Sの範囲にあればよい、
この冷却速度が1℃73未満であると、冷却途中にベイ
ナイト変態がさらに進行し、ベイナイト変態量を65〜
85%の範囲に納めることが困難となる。またこの冷却
速度が1000℃/Sを超えてもベイナイト変態を停止
させる効果に向上はなく、冷却の不均一さに基づく鋼板
の変形や残留応力の発生を伴なう不都合が生じる恐れが
ある。
”C/s = 1000℃/Sの範囲にあればよい、
この冷却速度が1℃73未満であると、冷却途中にベイ
ナイト変態がさらに進行し、ベイナイト変態量を65〜
85%の範囲に納めることが困難となる。またこの冷却
速度が1000℃/Sを超えてもベイナイト変態を停止
させる効果に向上はなく、冷却の不均一さに基づく鋼板
の変形や残留応力の発生を伴なう不都合が生じる恐れが
ある。
このようにして、65〜85%のベイナイトと残留オー
ステナイトからなるベイナイト・残留オーステナイト2
相鋼を得るが1本発明においては、この2相鋼を圧下率
lO〜25%の範囲で冷間圧延を行ない、さらに180
〜420℃の温度範囲に10m1n以上保定する歪時効
処理を行なうことによって、引張強度120kgf/a
m”以上の高強度レベルにおいて、延性とばね性を同時
に発現させ、伸びが10%以上。
ステナイトからなるベイナイト・残留オーステナイト2
相鋼を得るが1本発明においては、この2相鋼を圧下率
lO〜25%の範囲で冷間圧延を行ない、さらに180
〜420℃の温度範囲に10m1n以上保定する歪時効
処理を行なうことによって、引張強度120kgf/a
m”以上の高強度レベルにおいて、延性とばね性を同時
に発現させ、伸びが10%以上。
ばね限界値Kbが100kgf/a+s”以上の特性を
確保する点に基本的な特徴がある。すなわち、この歪時
効処理により、ベイナイト・残留オーステナイト2相鋼
の強度とばね限界値Kbを著しく向上させることができ
、他方、延性はこの歪時効を行なわない場合よりも低下
することになるが、冷間圧延の圧下率と時効処理条件を
適正に調整することにより、意図する強度およびばね性
の向上を発現しながら延性の低下を出来るだけ少なくす
るように配慮した点に本発明の骨子がある。
確保する点に基本的な特徴がある。すなわち、この歪時
効処理により、ベイナイト・残留オーステナイト2相鋼
の強度とばね限界値Kbを著しく向上させることができ
、他方、延性はこの歪時効を行なわない場合よりも低下
することになるが、冷間圧延の圧下率と時効処理条件を
適正に調整することにより、意図する強度およびばね性
の向上を発現しながら延性の低下を出来るだけ少なくす
るように配慮した点に本発明の骨子がある。
先ず、該2相鋼の冷間圧延を行なうと、引張強さは増加
するかばね限界値が著しく低下し、伸びも下がるように
なる。それぞれの特性値の変化は圧下率が大きいほど大
きい傾向にある0次に、これに時効処理を行なうと、伸
びはあまり変化しないが引張強さが増加し、ばね限界値
は著しく増加することがわかったが3そのバランスが難
しい。
するかばね限界値が著しく低下し、伸びも下がるように
なる。それぞれの特性値の変化は圧下率が大きいほど大
きい傾向にある0次に、これに時効処理を行なうと、伸
びはあまり変化しないが引張強さが増加し、ばね限界値
は著しく増加することがわかったが3そのバランスが難
しい。
本発明においては、該2相鋼を先ず冷間圧延しそのさい
の圧延率を10〜25%に規制する。冷間圧延率が10
%未満では延性の低下は小さいものの。
の圧延率を10〜25%に規制する。冷間圧延率が10
%未満では延性の低下は小さいものの。
強度およびばね限界値の向上が小さいので、目的とする
120kgf/+ms”以上の引張強さと100kgf
/a+m”以上のばね限界値を得ることができない、他
方冷間圧延率が25%を超えると延性が著しく低下し、
目的とする10%以上の伸びを得ることができない。
120kgf/+ms”以上の引張強さと100kgf
/a+m”以上のばね限界値を得ることができない、他
方冷間圧延率が25%を超えると延性が著しく低下し、
目的とする10%以上の伸びを得ることができない。
この理由から該2相鋼の冷間圧延を10〜25%の圧下
率で実施する。
率で実施する。
次に、適正な時効処理を行うのであるが1時効処理温度
が180”C未満であると、前記の冷間圧延の条件では
、ばね限界値の増加は小さく、目的の100kgf/a
m”以上のばね限界値を得ることができない。また時効
処理温度が420℃を超えると、引張強さ、伸びおよび
ばね限界値が著しく減少してしまう、このため1時効処
理温度は180〜420℃の範囲としなければならない
。他方2時効処理時間については、前記の処理温度範囲
において、処理時間が10分未満では十分な時効効果が
得られず、目的の100kgf/am”以上のばね限界
値を得ることができない、また時効処理温度が10時間
を超えてもより一層の時効効果の向上は得られず、過時
効現象を生じてばね限界値が逆に低下したり、或いはい
たずらに時効処理コストが増加するのみとなるので1時
効処理時間は10分〜10時間の範囲とするのがよい。
が180”C未満であると、前記の冷間圧延の条件では
、ばね限界値の増加は小さく、目的の100kgf/a
m”以上のばね限界値を得ることができない。また時効
処理温度が420℃を超えると、引張強さ、伸びおよび
ばね限界値が著しく減少してしまう、このため1時効処
理温度は180〜420℃の範囲としなければならない
。他方2時効処理時間については、前記の処理温度範囲
において、処理時間が10分未満では十分な時効効果が
得られず、目的の100kgf/am”以上のばね限界
値を得ることができない、また時効処理温度が10時間
を超えてもより一層の時効効果の向上は得られず、過時
効現象を生じてばね限界値が逆に低下したり、或いはい
たずらに時効処理コストが増加するのみとなるので1時
効処理時間は10分〜10時間の範囲とするのがよい。
以上のようにして9本発明法によると、引張強さが12
0kgf/+wa+”以上で、伸びが10%以上、ばね
限界値Kbが100kgf/am’以上の延性とばね性
を兼備した高強度鋼板を得ることができる。
0kgf/+wa+”以上で、伸びが10%以上、ばね
限界値Kbが100kgf/am’以上の延性とばね性
を兼備した高強度鋼板を得ることができる。
以下に、実施例により本発明法の特徴と効果を具体的に
示す。
示す。
〔実施例1〕
重量%で、c:o、ss%、St:2.05%+Mn:
0.75%、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼
の板厚1.2−の冷延鋼板を、ソルトバスを用いて、8
50℃で10分のオーステナイト処理後ただちに440
℃に2.5分間等温保持する等温変態処理に供すること
によって、ベイナイト相70%と残留オーステナイト相
30%の2相組織鋼とした。
0.75%、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼
の板厚1.2−の冷延鋼板を、ソルトバスを用いて、8
50℃で10分のオーステナイト処理後ただちに440
℃に2.5分間等温保持する等温変態処理に供すること
によって、ベイナイト相70%と残留オーステナイト相
30%の2相組織鋼とした。
次いで5〜50%の範囲の種々の圧下率で冷間圧延を施
したのち、300℃に1時間保定し室温まで空冷する時
効処理を施した。
したのち、300℃に1時間保定し室温まで空冷する時
効処理を施した。
得られた綱板について1等温変態処理まま、および各圧
下率で冷間圧延した場合の、引張強さ。
下率で冷間圧延した場合の、引張強さ。
伸びおよびばね限界値(K b)を調べ、第1図の結果
を得た。第1図の結果から次のことが明らがである。
を得た。第1図の結果から次のことが明らがである。
先ず等温変態処理ままでは引張強さ115kgf/am
”。
”。
伸び35%と高強度でしかも高延性の優れた引張性質を
示すものの、ばね限界値は70kgf/ms”にしか過
ぎず、ばね性は低い。
示すものの、ばね限界値は70kgf/ms”にしか過
ぎず、ばね性は低い。
また、これに冷間圧延を施すことなく (冷間圧延率:
0%) 300’CX 1時間の時効処理を施しても、
引張強さ、伸びおよびばね限界値はほとんど変化しない
。
0%) 300’CX 1時間の時効処理を施しても、
引張強さ、伸びおよびばね限界値はほとんど変化しない
。
しかし1等温変態処理の材料に、冷間圧延率10〜25
%の範囲で冷間圧延したうえ、300℃X1時間の時効
処理を施したものは、引張強さが145〜170kgf
/m+m”、伸びが11〜19%、 ソL 7 ハネ限
界(fiが103〜148kgf/s+m”と1本発明
の目的である引張強さ120kgf/m+*”以上、伸
び10%以上、ばね限界値100kgf/ms”以上を
いずれも満足することが明らがである。
%の範囲で冷間圧延したうえ、300℃X1時間の時効
処理を施したものは、引張強さが145〜170kgf
/m+m”、伸びが11〜19%、 ソL 7 ハネ限
界(fiが103〜148kgf/s+m”と1本発明
の目的である引張強さ120kgf/m+*”以上、伸
び10%以上、ばね限界値100kgf/ms”以上を
いずれも満足することが明らがである。
他方1時効処理前の冷間圧延率が10%未満の場合には
、伸びは大きいもののばね限界値はloOkgf/aa
m”に達しない、また時効処理前の冷間圧延率が25%
を超える場合には、引張強さとばね限界値はそれぞれ目
標値を大きく上回るものの、伸びは10%に達しない。
、伸びは大きいもののばね限界値はloOkgf/aa
m”に達しない、また時効処理前の冷間圧延率が25%
を超える場合には、引張強さとばね限界値はそれぞれ目
標値を大きく上回るものの、伸びは10%に達しない。
〔実施例2〕
重量%でCj 0.63%、Si:1.65%、Mn:
0.85%、残部Feおよび不可避的不純物からなる綱
の板厚0.6mmの冷延鋼板を、ソルトバスを用いて。
0.85%、残部Feおよび不可避的不純物からなる綱
の板厚0.6mmの冷延鋼板を、ソルトバスを用いて。
850℃で10分のオーステナイト化処理後ただちに4
20″Cで3分間等温保持する等温変態処理により。
20″Cで3分間等温保持する等温変態処理により。
ベイナイト相75%と残留オーステナイト相25%の2
相組織鋼とした。
相組織鋼とした。
続いて板厚0.5mmまで冷間圧延した。圧下率は17
%(0,6wm→0.5m5)である、ついで100〜
500℃の範囲の種々の温度に1時間保定したのち室温
まで空冷する時効処理を施した。
%(0,6wm→0.5m5)である、ついで100〜
500℃の範囲の種々の温度に1時間保定したのち室温
まで空冷する時効処理を施した。
得られた鋼板について9等温変態処理まま、冷間圧延ま
ま、および2時効処理後の各時効処理温度についての、
引張強さ、伸びおよびばね限界値(K b)を調べ、第
2図の結果を得た。
ま、および2時効処理後の各時効処理温度についての、
引張強さ、伸びおよびばね限界値(K b)を調べ、第
2図の結果を得た。
第2図の結果から次のことが明らかである。
まず等温変態処理まま品2相鋼では、引張強さ123k
gf/++w”、伸び32%と高強度でしかも高延性の
優れた引張性質を示すものの、ばね限界値は75kgf
ll”にしか過ぎない、また、これに17%の冷間圧延
を施した状態では、引張強さが140kgf/m+m”
まで上昇する一方、伸びは22%まで低下し、ばね限界
値は45kgf/ms+”まで低下してしまう。
gf/++w”、伸び32%と高強度でしかも高延性の
優れた引張性質を示すものの、ばね限界値は75kgf
ll”にしか過ぎない、また、これに17%の冷間圧延
を施した状態では、引張強さが140kgf/m+m”
まで上昇する一方、伸びは22%まで低下し、ばね限界
値は45kgf/ms+”まで低下してしまう。
ところが、この冷間圧延材を時効処理温度180℃〜4
20℃の範囲で処理したものは、引張強さが145〜1
50kgf/+1ml”、伸びが12〜19%、ばね限
界値が120−130kgf/as”と1本発明の目的
である引張強さ120kgf/s+g”以上、伸び10
%以上、ばね限界値100kgf/am”以上をいずれ
も満足するようになる。
20℃の範囲で処理したものは、引張強さが145〜1
50kgf/+1ml”、伸びが12〜19%、ばね限
界値が120−130kgf/as”と1本発明の目的
である引張強さ120kgf/s+g”以上、伸び10
%以上、ばね限界値100kgf/am”以上をいずれ
も満足するようになる。
これに対して1時・効処理温度が180℃未満では。
ばね限界値は100kgf/ms”に達することができ
ない。
ない。
そして2時効処理部度が420℃を趙えると、引張強さ
とばね限界値が逆に低下してしまい、伸びも低下して、
そのいずれも本発明の目的とする特性を同時に満足でき
なくなる。
とばね限界値が逆に低下してしまい、伸びも低下して、
そのいずれも本発明の目的とする特性を同時に満足でき
なくなる。
〔実施例3〕
第1表に示す化学組成を有する板厚0.6mmの冷延鋼
板を、連続等温変態処理ラインによりベイナイト単相鋼
あるいはベイナイト相と残留オーステナイト相からなる
2相組礒綱としたのち、冷間圧延率17%で冷間圧延を
施し、さらに300℃×1時間の時効処理を施した。各
鋼の引張強さ、伸び。
板を、連続等温変態処理ラインによりベイナイト単相鋼
あるいはベイナイト相と残留オーステナイト相からなる
2相組礒綱としたのち、冷間圧延率17%で冷間圧延を
施し、さらに300℃×1時間の時効処理を施した。各
鋼の引張強さ、伸び。
ばね限界値を測定し、その結果を第2表に示した。
第2表の結果から次のことが明らかである。
!1ilA−C−1は本発明鋼であるが、いずれも引張
強さ120kgf/+*m”以上、伸び10%以上、ば
ね限界値100kgf/as”以上を満足している。
強さ120kgf/+*m”以上、伸び10%以上、ば
ね限界値100kgf/as”以上を満足している。
綱C−2およびC−3は化学組成は本発明の範囲内にあ
るものの1等温変態処理したのちの組織が本発明で規定
する範囲外のものであり、いずれも伸びが10%に満た
ない。
るものの1等温変態処理したのちの組織が本発明で規定
する範囲外のものであり、いずれも伸びが10%に満た
ない。
鋼りおよびEは化学組成が本発明の範囲外にあり1等温
変態処理したのちの組織がベイナイト単相組繊のもので
ある。いずれも伸びが本発明によるものより低く、5%
にも満たない。
変態処理したのちの組織がベイナイト単相組繊のもので
ある。いずれも伸びが本発明によるものより低く、5%
にも満たない。
第1図は引張強さ、伸びおよびばね限界値に及ぼす時効
処理前の冷間圧延率の影響を示す図。 第2図は引張強さ、伸びおよびばね限界値に及ぼす時効
処理温度の影響を示す図である。
処理前の冷間圧延率の影響を示す図。 第2図は引張強さ、伸びおよびばね限界値に及ぼす時効
処理温度の影響を示す図である。
Claims (1)
- 重量%で、C:0.40〜0.85%、Si:1.40
〜2.50%、M:0.30〜1.00%、残部がFe
および不可避的不純物からなる鋼を、Ac_3点以上の
温度に加熱して完全にオーステナイト化したのち、TT
T線図のノーズ(鼻)を通過する速度よりも大きい冷却
速度で380〜480℃の範囲の温度まで冷却し、この
温度域で過冷オーステナイトの65〜85%がベイナイ
ト変態するまで等温保持し、そして空冷或いはそれ以上
の冷却速度で室温まで冷却することにより、65〜85
%のベイナイト相と残部が残留オーステナイト相からな
るベイナイト・残留オーステナイト2相鋼とし、この2
相鋼を圧下率10〜25%にて冷間圧延し、さらに18
0〜420℃にて10分以上10時間以下の時効処理を
行なうことからなる、ばね性と延性の優れた高強度鋼板
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14793287A JPH07100815B2 (ja) | 1987-06-16 | 1987-06-16 | ばね性と延性の優れた高強度鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14793287A JPH07100815B2 (ja) | 1987-06-16 | 1987-06-16 | ばね性と延性の優れた高強度鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63312917A true JPS63312917A (ja) | 1988-12-21 |
JPH07100815B2 JPH07100815B2 (ja) | 1995-11-01 |
Family
ID=15441330
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14793287A Expired - Lifetime JPH07100815B2 (ja) | 1987-06-16 | 1987-06-16 | ばね性と延性の優れた高強度鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07100815B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010110041A1 (ja) * | 2009-03-25 | 2010-09-30 | 日本発條株式会社 | 高強度高延性ばね用鋼およびその製造方法並びにばね |
WO2012018144A1 (ja) * | 2010-08-04 | 2012-02-09 | 日本発條株式会社 | ばねおよびその製造方法 |
JP2012111992A (ja) * | 2010-11-22 | 2012-06-14 | Nhk Spring Co Ltd | ばねおよびその製造方法 |
WO2012133885A1 (ja) * | 2011-04-01 | 2012-10-04 | 日本発條株式会社 | ばねおよびその製造方法 |
WO2013115404A1 (ja) * | 2012-02-02 | 2013-08-08 | 日本発條株式会社 | コイルばねおよびその製造方法 |
JP2017166036A (ja) * | 2016-03-17 | 2017-09-21 | 新日鐵住金株式会社 | 高強度ばね用鋼、ばね及び高強度ばね用鋼の製造方法 |
-
1987
- 1987-06-16 JP JP14793287A patent/JPH07100815B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010110041A1 (ja) * | 2009-03-25 | 2010-09-30 | 日本発條株式会社 | 高強度高延性ばね用鋼およびその製造方法並びにばね |
JP2010222671A (ja) * | 2009-03-25 | 2010-10-07 | Nhk Spring Co Ltd | 高強度高延性ばね用鋼およびその製造方法並びにばね |
CN102362001A (zh) * | 2009-03-25 | 2012-02-22 | 日本发条株式会社 | 高强度高延性弹簧用钢及其制造方法以及弹簧 |
US8926768B2 (en) | 2009-03-25 | 2015-01-06 | Nhk Spring Co., Ltd. | High-strength and high-ductility steel for spring, method for producing same, and spring |
WO2012018144A1 (ja) * | 2010-08-04 | 2012-02-09 | 日本発條株式会社 | ばねおよびその製造方法 |
US20130118655A1 (en) * | 2010-08-04 | 2013-05-16 | Nhk Spring Co., Ltd. | Spring and manufacture method thereof |
US11378147B2 (en) | 2010-08-04 | 2022-07-05 | Nhk Spring Co., Ltd. | Spring and manufacture method thereof |
JP2012111992A (ja) * | 2010-11-22 | 2012-06-14 | Nhk Spring Co Ltd | ばねおよびその製造方法 |
WO2012133885A1 (ja) * | 2011-04-01 | 2012-10-04 | 日本発條株式会社 | ばねおよびその製造方法 |
WO2013115404A1 (ja) * | 2012-02-02 | 2013-08-08 | 日本発條株式会社 | コイルばねおよびその製造方法 |
JP2013159802A (ja) * | 2012-02-02 | 2013-08-19 | Nhk Spring Co Ltd | コイルばねおよびその製造方法 |
JP2017166036A (ja) * | 2016-03-17 | 2017-09-21 | 新日鐵住金株式会社 | 高強度ばね用鋼、ばね及び高強度ばね用鋼の製造方法 |
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---|---|
JPH07100815B2 (ja) | 1995-11-01 |
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