JP2012111992A - ばねおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐へたり性に優れ、素材コストの低減と製造工程の簡略化を図ることができるばねを提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.5〜0.7%、Si:1.0〜2.0%、Mn:0.1〜1.0%、Cr:0.1〜1.0%、P:0.035%以下、S:0.035%以下、残部が鉄及び不可避不純物からなる成分を有する線材をばねの形状に成形する成形工程と、Ac3点〜(Ac3点+250℃)の温度でオ−ステナイト化後、20℃/秒以上の速度で冷却し、(Ms点−20℃)〜(Ms点+60℃)の温度で400秒以上保持し、次いで室温まで冷却する熱処理工程と、熱処理後のばねにショットを投射するショットピ−ニング工程とを備えた。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐へたり性に優れたばねおよびその製造方法に関するものである。
自動車のエンジン用弁ばね材料としては、JIS規格で炭素鋼オイルテンパ−線(SWO−V)、Cr−V鋼オイルテンパ−線(SWOCV−V)、Si−Cr鋼オイルテンパ−線(SWOSC−V)等があり、従来、耐疲労性や耐へたり性の観点からSi−Cr鋼オイルテンパ−線が広く使用されている。近年、自動車の燃費向上のため弁ばねは軽量化が強く要求されており、素線の引張強さはばねの設計応力の増加を図るため上昇する傾向にある。特に、弁ばねの耐へたり性の改善は重要であり、耐へたり性が低い場合には高応力負荷中にばねのへたり量が大きくなり、設計通りにエンジンの回転数が上がらず、応答性が悪くなるという問題が生じる。
これまで、耐へたり性を改善する技術が種々提案されてきた。特許文献1には、JIS規格のばね鋼成分をベースに、主にCrやSiの濃度を増加し、焼入れ性や焼戻し軟化抵抗を向上させ、耐疲労性とともに耐へたり性を改善する技術が提案されている。しかし、そのような技術では、耐へたり性はある程度の改善がみられるが、高合金化による素材の高コスト化が問題となっていた。
特許文献2には、JIS規格のばね鋼成分をベースに、主にCr濃度の増加とVの添加を行い、かつセメンタイトの大きさ、存在密度および組成を規定し、セメンタイトの微細析出強化と、低温焼鈍や窒化の過程におけるセメンタイトの分解を抑制することで耐へたり性を改善する技術が提案されている。しかし、そのような技術では、高合金化による素材の高コスト化に加え、所望のセメンタイの形態を得るための焼入れ焼戻し条件の管理が厳しく、製造コストが増加することが問題となっていた。
特許文献3には、JIS規格のばね鋼成分をベースに、主にVやNを添加し、かつオーステンパ−処理とその後の焼戻し処理を実施し、焼戻しベイナイト組織とすることで耐へたり性を改善する技術が提案されている。しかし、そのような技術では、得られる強度が低く耐へたり性が不十分であることに加え、高合金化による素材の高コストや工程の複雑化による製造コストの増加が問題となっていた。
特開2004-315967 特開2007-302950 特開平7−179936
本発明は、上記従来技術の有する課題を解決するためになされたもので、耐へたり性に優れることは勿論のこと、素材コストの低減と製造工程の簡略化を図ることができるばねおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、120℃程度の環境下におけるコイルばねの耐へたり性について鋭意研究を重ねた。まず、最大せん断応力が1400MPa程度の高設計応力のばねにおけるへたりは、転位のすべりが支配的であるため、へたり量はばね素線に作用する正味の応力が低いほど小さい。この正味の応力とは、ばねが無負荷状態でも素線に残留する応力と、ばね負荷時に素線が受ける応力を合算したものであるため、冷間コイリング後に残留したひずみにより発生した引張残留応力は、耐へたり性にとって有害でありできるだけ小さいことが望ましい。冷間コイリング後に発生した引張残留応力は、焼鈍により低減させることは可能で、焼鈍温度が高いほど小さくなるが、材料は軟化が進み、成分調整による焼鈍軟化抵抗の増加にも限りがあるので、ばね鋼の高強度を維持しつつその引張残留応力を無くすことは根本的に困難である。そこで、本発明者等は、コイリング後にばねを高温のオーステナイト化温度まで一旦加熱し、コイリングで発生した残留応力を実質的にゼロとした後に組織を改善することが有効であるとの考えに至った。
また、ばね鋼としての高強度を維持したまま、へたりを抑制するには可動転位の動きを止める方法が有効である。その方法としては、従来からひずみの付与と低温焼鈍の組み合わせによるひずみ時効が広く用いられてきた。ひずみ時効は、まず、ひずみの付与により転位密度を増加させ、ある転位が林立転位と交差・切り合うことで生じるジョグやキンクのうち、あるものが不動化して後続の可動転位の障害となるが、幾分可動転位の増加を伴うので、次いで加熱(時効)を行いC等の固溶原子が可動転位の周囲に集まることで転位の動きを抑制させる方法である。ただし、可動転位密度が高過ぎると転位の単位長さ当たりの集積固溶原子数が減少しひずみ時効の効果が低下するため、可動転位密度は時効に先立ち予め適度に制御されている必要がある。
一方、従来のオイルテンパ−線の金属組織はマルテンサイトの焼戻し組織であり、その焼戻し温度から低C濃度のフェライトとセメンタイト(Fe3C)の混合組織(以下、焼戻しマルテンサイト組織という)である。ただし、高温相のオ−ステナイトが残留する場合がある。そのため、C原子の多くはセメンタイトの形成に費やされ、フェライト中の固溶原子に対する可動転位密度が高く、ひずみ時効により耐へたり性を向上させるのは困難である。また、ジョグ等のピン止め効果を増加させるためひずみを付与させるにも、組織自体の延性が乏しいため、ひずみの付与により容易に微小き裂等の欠陥が発生し、これが耐疲労性に悪影響を及ぼす。したがって、焼戻しマルテンサイト組織を用いる限り、ひずみ時効を利用したさらなる耐へたり性の改善は困難との考えに至った。
このような状況を鑑みて、本発明者らは鋭意検討の結果、コイリングの後に延性に優れる微細ベイナイトを主体とする組織を形成することにより、従来の焼戻しマルテンサイト組織より耐疲労性を低下させず大きな塑性ひずみを付与でき、耐へたり性に有害な可動転位の密度を低減させ、ひずみ時効により効率的に可動転位を固着できることを見出した。また、後述するセッチング工程においては大きな塑性ひずみの付与により、素線内部に大きな圧縮残留応力が形成され、これが耐へたり性とともに耐疲労性の向上にも寄与する。
さらに、本発明者らは組織中の第二相による分散強化に着目し、微細ベイナイトを主体とする組織に微細かつ高C濃度な残留オ−ステナイトを高密度で分散させることにより、これらを転位の移動の障害物とし、耐へたり性を向上できることを見出した。従来、焼戻しマルテンサイト組織中に残留するオ−ステナイトはそのC濃度がほぼ母相の平均C濃度であるため、残留オ−ステナイト自体の強度が低く、耐へたり性に有害であるとされてきた。
そこで、本発明者らは残留オ−ステナイトのC濃度を母材の平均濃度を超える高濃度とすることで、残留オ−ステナイト自体の強度が向上し、耐へたり性には有害とはならないことを見出した。むしろ、ショットピ−ニングによる表層の塑性変形の際、高C濃度の残留オ−ステナイトの加工誘起マルテンサイト変態(大きな体積膨張を伴う)効果が加わり、従来よりも素線表層における圧縮残留応力が増加し耐へたり性と耐疲労性の向上に有効であることを見出した。つまり、冷間コイリング後に残る引張残留応力をオ−ステナイト化加熱により消滅させた上に残留オ−ステナイトの加工誘起変態の相乗効果で、表層では後のショットピ−ニングの際に表面から深くまで圧縮残留応力層が形成され、素材全体としては延性に優れる微細ベイナイト組織化とひずみ時効による可動転位の不動化率向上、および表層より内部においては高強度残留オ−ステナイトの微細分散による転位のピン止め作用の強化により、オイルテンパ−線に勝る耐疲労性と耐へたり性が両立することを見出した。
そして、本発明者らは、コイリング前の素材としてJIS規格のオイルテンパ−線や同組成の硬引線等の低廉材を用いることができる他、適切な熱履歴条件を選び所定の組織構成と元素濃度構成の各要件を満たせば、特に複雑な熱処理工程を用いず、かつその後の工程で通常のショットピーニングやセッチングを用いることにより製造できることを見出した。また、従来行われていた窒化処理を省略しても市場要求に応じた高耐へたり性を有することで処理コストの低減や工程の簡略化が図れることを見出した。
すなわち、本発明のばねは、質量%で、C:0.5〜0.7%、Si:1.0〜2.0%、Mn:0.1〜1.0%、Cr:0.1〜1.0%、P:0.035%以下、S:0.035%以下、残部が鉄及び不可避不純物からなる成分を有し、ばね素線の任意の横断面において、面積比率でベイナイトを65%以上、残留オ−ステナイトを4%〜13%含む組織を有し、前記残留オ−ステナイトは平均C濃度が0.65〜1.7%であり、かつ残留オ−ステナイト粒の平均円相当直径が3μm以下であり、ばね素線の任意の横断面の平均円相当直径をD(mm)としたときに、圧縮残留応力層が表面から0.35mm〜D/4の範囲まで形成され、その最大圧縮残留応力が800〜2000MPaであり、該横断面の中心のビッカ−ス硬さが550〜650HVであり、表面から深さ0.05〜0.3mmの範囲に、前記中心硬さより50〜500HV大きい高硬度領域が形成されていることを特徴とする。
また、本発明のばねの製造方法は、質量%で、C:0.5〜0.7%、Si:1.0〜2.0%、Mn:0.1〜1.0%、Cr:0.1〜1.0%、P:0.035%以下、S:0.035%以下、残部が鉄及び不可避不純物からなる成分を有する線材をばねの形状に成形する成形工程と、Ac3点〜(Ac3点+250℃)の温度でオ−ステナイト化後、20℃/秒以上の速度で冷却し、(Ms点−20℃)〜(Ms点+60℃)の温度で400秒以上保持し、次いで室温まで冷却する熱処理工程と、熱処理後のばねにショットを投射するショットピ−ニング工程と、を備えたことを特徴とする。ここで、Ac3点とは、材料が加熱中にフェライト+オ−ステナイトの二相域からオ−ステナイト単相域に移行する境界温度であり、Ms点とは、冷却中にマルテンサイトが生成を開始する温度である。
本発明によれば、高価な合金元素を含有せず、入手が容易なJIS規格のばね鋼組成の鋼線を用い、複雑な熱処理や表面硬化処理を必要とせず、素線表層に高硬度領域と厚い高圧縮残留応力層を有する耐へたり性に優れたばねを得ることができる。また、本発明のばねは、合金元素量が少なくリサイクル性にも優れ、かつ製造工程の簡略化や、処理時間の短縮化による生産性の向上や省エネルギー化が可能である。
(a)は本発明の実施例の組織の反射電子像(SEM(Scanning Electron Microscopy))による観察結果、(b)はC元素マップ(FE−EPMA(Field Emission Electron Probe Micro Analyze)による測定結果、(c)は結晶構造(相)マップ(EBSD(Electron Backscatter Diffraction))による測定結果、(d)は(b)中I〜II線上のC濃度分析結果を示すグラフである。
まず、本発明に用いる鋼の化学成分の限定理由について説明する。なお、以下の説明において「%」は「質量%」を意味する。
・C:0.5〜0.7%
Cは、1800MPa以上の高強度を確保するためと、室温で所望の残留オ−ステナイト比率を得るために重要な元素であり、そのような効果を得るためには0.5%以上含有させることが必要である。しかし、C濃度が過剰になると、軟質相である残留オ-ステナイト比率が増え過ぎて所望の強度を得ることが困難になるため、0.7%以下に抑える。
・Si:1.0〜2.0%
Siは、本発明の特徴であるCが高濃度で固溶した残留オ−ステナイトを得るためには不可欠の元素である。すなわち、ベイナイトはベイニティックフェライト中に炭化物(セメンタイト)が分散した組織である。ここで、Siはオーステナイトからの炭化物の生成を抑制する作用を持ち、Si濃度が高いと炭化物を構成しなかったCはオーステナイトへ排出される。これにより、オーステナイト中のCが濃化される。また、Siは、固溶強化に寄与する元素であり、高強度を得るために有効な元素である。ただし、Si量が過剰であると、軟質な残留オーステナイト比率が高くなり、逆に強度の低下を招くため2.0%以下に抑える。
・Mn:0.1〜1.0%
Mnは、精錬中の脱酸元素として添加されるが、一方でオーステナイトを安定化させる元素でもあるため、本発明の要件にある残留オーステナイトを得るためには0.1%以上含有させる必要がある。一方、含有量が過剰であると偏析が生じ加工性が低下しやすくなるため、1.0%以下に抑える。
・Cr:0.1〜1.0%
Crは、鋼材の焼入れ性を高めて高強度を容易に向上できる元素である。また、パーライト変態を遅延させる作用もあり、オーステナイト化加熱後の冷却時に安定してベイナイト組織を得る(パーライト組織を抑制する)ことができるため、0.1%以上含有させる必要がある。ただし、Crを過剰に含有すると鉄炭化物を生じ易くなり、残留オーステナイトが生じ難くなるため、1.0%以下に抑える。
・P,S:0.035%以下
PおよびSは、粒界偏析による粒界破壊を助長する元素であるため、その含有量は可能な限り低い方が望ましいが、不可避不純物であり低減するには製錬コストがかかるため、上限は0.035%とする。PおよびSの含有量は、好ましくは0.01%以下がよい。
次に、全組織における面積比率の限定理由について説明する。
・ベイナイト:65%以上
ベイナイトとは、従来、オ−ステナイト化された鋼材を550℃程度以下でマルテンサイト変態開始温度を上回る温度域にて等温変態させることによって得られる金属組織であり、ベイニティックフェライトと鉄炭化物で構成される。素地のベイニティックフェライトは転位密度が高く、また鉄炭化物は析出強化効果があるため、ベイナイト組織をもって強度を高めることができる。
本発明の製法によれば、ベイナイト組織は、オ−ステナイト化された鋼材をMs点近傍で等温保持するので、鉄炭化物が微細なベイニティックフェライト地に微細析出した構造を得ることができ、粒界強度の低下が少なく高強度であっても延靭性の低下が小さい。したがって、大きな塑性ひずみを付与しても耐疲労性に有害なき裂等の欠陥は生じず、可動転位密度を低下させることができる。このように、ベイナイトは高強度と高延性を得るために不可欠な組織であり、その面積比率は高いほど望ましく、所望の高強度高延性を得るためには65%以上必要である。
一方、等温保持中の未変態オ−ステナイトは、その後室温まで冷却されることによりマルテンサイトや残留オ−ステナイトとなる。ベイナイト面積比率が65%未満の組織は、等温保持時間が短いことを意味し、その段階での未変態オ−ステナイト中のCの濃縮度は小さいため、その後の冷却によりマルテンサイト比率が高くなる。したがって、ベイナイト面積比率が65%未満である場合は、マルテンサイトが多くなるため高強度は得られるが、切欠き感受性が著しく高くなるため、大きな塑性ひずみを付与することができず、耐へたり性は向上しない。
・残留オ−ステナイト:4〜13%
残留オーステナイトは、TRIP(Transformation-induced plasticity;変態誘起塑性)現象に起因して切欠き感受性が低減し、素材の延性増加により大きな塑性ひずみの付与に有効である。また、残留オーステナイトは、ショットピーニング工程で加工誘起変態によりマルテンサイトに変態する。このとき体積膨張を伴うため、表層に高くかつ内部に向かって深い圧縮残留応力を形成することができる。残留オ−ステナイト比率は、後述する圧縮残留応力分布(特に最大圧縮残留応力の下限値800MPaを超える)を得るために4%以上必要であるが、過剰であると材料強度の低下が著しいため、13%以下に抑える。
・マルテンサイト:残部(0%を含む)
マルテンサイトは、所望の引張強さを確保する場合に応じ適当量存在しても良い。
・残留オ−ステナイト中の平均C濃度:0.65〜1.7%
残留オーステナイトは、そのC濃度が高いほど加工誘起マルテンサイト変態を開始する引張ひずみが高いため、結果的に高い延靭性に起因した切欠き感受性の低下に寄与する。また、残留オーステナイトの加工誘起マルテンサイト変態における体積膨張率は、残留オ−ステナイトのC濃度が高いほど大きく、き裂先端における応力集中を緩和するとともに高くかつ内部へ深い圧縮残留応力の生成を促進するため、耐疲労性の向上により有効である。残留オ−ステナイト中の平均C濃度は、後述する圧縮残留応力分布(特に最大圧縮残留応力の下限値800MPaを超える)を得るため0.65%以上必要である。一方、残留オ−ステナイト中のC濃度が高くなり過ぎると、残留オ−ステナイトは著しく安定化し、これにより加工誘起変態しないまま単なる軟質相としてのみ作用するため1.7%を上限とする。
・残留オーステナイト粒の平均円相当直径:3μm以下
上記のように高C濃度の残留オーステナイトは強度が高く、高強度残留オ−ステナイト粒を微細分散させることで転位のピン止め作用を得ることができ、これにより耐へたり性を向上させることができる。残留オーステナイト粒の平均円相当直径が3μmを超えると、微細分散が不充分で転位のピン止め作用が不充分となる。
次に、ばね素線横断面における諸特性の限定理由について説明する。
・表層の圧縮残留応力分布
表層の圧縮残留応力は主にショットピーニングにより与えられる。ただし、本発明では通常のショットピーニングで得られる圧縮残留応力に加え、素材にもともと存在する残留オーステナイトの加工誘起マルテンサイト変態によりさらに高くかつ内部へ深い圧縮残留応力が形成される。本発明では、表層の圧縮残留応力層の厚さは、ばね素線の任意の横断面の平均円相当直径をD(mm)としたときに、0.35mm〜D/4とする。これは、表面から深さ200μm〜D/4程度の範囲は、本発明のばね素線径範囲において外部負荷による作用応力と残留応力との合成応力が最も高く、耐へたり性に及ぼす影響が大きい領域であるため、表層の圧縮残留応力層の厚さが0.35mm未満ではへたりを抑制するには不十分である。また、圧縮残留応力層の厚さが厚過ぎると、鋼材全体の応力バランスを維持するために、圧縮残留応力がゼロとなる深さ(クロッシングポンイント)よりさらに内側に存在する引張残留応力が著しく高くなり、これが外部負荷によりばね素線に発生する引張応力に重畳しへたりを促進するため、D/4を上限とする。
上記圧縮残留応力層の最大圧縮残留応力は800〜2000MPaとする。該最大圧縮残留応力はへたりを抑制するために高いことが望ましく、高設計応力で使用することを考慮すると、最大値は800MPa以上必要である。一方、該最大圧縮残留応力が著しく高い場合、前述したようにクロッシングポイントより深い内部での応力バランスに起因した引張残留応力によりへたりが促進されるため、2000MPaを上限とする。
・硬度分布
ばね素線の任意横断面の中心のビッカ−ス硬さは、ばねに必要な荷重に耐え得る強度を確保するために550HV以上必要である。一方、硬さが過剰に高い場合は通常伸びが小さくなる上鋼材自体の切欠き(き裂)感受性が増加し、大きな塑性ひずみを付与することができないため、ビッカ−ス硬さで650HV以下に抑える。一方、ばね素線表層の高硬度領域はへたりを抑制するために非常に効果的であり、中心のビッカ−ス硬さより50HV以上大きいことが必要である。しかし、硬度が高過ぎると著しく脆くなるため、増加幅の上限は500HV以下である。さらに上記高硬度領域の厚さは、へたりを抑制するため0.05mm以上必要であるが、厚過ぎると鋼材自体の靭性低下を招くため0.3mm以下に抑える。
次に本発明のばねを製造する方法について説明する。
本発明のばねは、上記化学成分の鋼材に対し、例えばコイリング工程の後、必要によりばねの両端面を研削する座研磨工程後、Ac3点〜(Ac3点+250℃)の温度でオーステナイト化後、20℃/秒以上の速度で冷却し、(Ms点−20℃)〜(Ms点+60℃)の温度で400秒以上保持し、次いで20℃/秒以上の冷却速度で室温まで冷却する熱処理工程の後、ショットピ−ニング工程の後、必要に応じてセッチング工程を行うことによって製造することができる。Ac3点以上に加熱する前の鋼の組織については特に制限されない。例えば、熱間鍛造や線引き加工した条鋼材を素材として使用することができる。以下に、各工程について説明し、必要に応じて限定理由を述べる。
・コイリング工程
所望のコイル形状に冷間成形する工程である。成形方法はばね形成機(コイリングマシン)を用いる方法や、芯金を用いる方法等を利用すればよい。なお、本発明はコイルばねに限定されるものではなく、板ばね、トーションバー、スタビライザーなど任意のばねに適用可能である。
・座面研磨工程
本工程は必要に応じて行うもので、ばねの両端面をばねの軸芯に対して直角な平面になるように研磨する工程である。
・熱処理工程
コイリング後のばねをオ−ステナイト化後、等温保持し、その後冷却することで熱処理工程は完了する。オ−ステナイト化を行う前の鋼の組織については特に制限されない。例えば、熱間鍛造や線引き加工した条鋼材を素材として使用できる。オ−ステナイト化の温度は、Ac3点〜(Ac3点+250℃)である必要がある。Ac3点以下ではオ−ステナイト化せず素材の組織構成のままとなる。また、(Ac3点+250℃)を超えると、旧オ−ステナイト粒径が粗大化し易くなり、延性の低下を招く恐れがある。
オ−ステナイト化後に等温保持する温度までの冷却速度は速いほど良く、20℃/秒以上の冷却速度で行う必要があり、好ましくは50℃/秒以上がよい。冷却速度が20℃/秒未満では冷却途中でパ−ライトが生成し、65面積%以上のベイナイトを得ることができない。等温保持する温度は(Ms点−20℃)〜(Ms点+60℃)である必要があり、これは本発明のばね鋼およびばねを実現するための製造方法として非常に重要な制御因子である。等温保持する温度が(Ms点−20℃)未満では、変態初期に生成するマルテンサイト量が多く延性の向上を阻害するほか、65面積%以上のベイナイトを得ることができない。一方、等温保持する温度が(Ms点+60℃)を超える場合はベイナイトが粗大化するため引張強さが低下し、ばねとして荷重に耐える強度を得ることができない。そして、等温保持を上記のようなMs点近傍で行うことにより、微細なベイナイトを析出させることができる。微細なベイナイトが析出することにより、オーステナイトは微細な空間に残留し、平均円相当直径が3μm以下の残留オーステナイト粒とすることができる。
等温保持によりオーステナイト中にベイナイトが析出する。等温保持の時間は、400秒以上である必要があり、これも本発明の製造方法として非常に重要な制御因子である。等温保持の時間が400秒未満ではベイナイト変態の進行が不充分なため、ベイナイト比率が小さく、ベイナイトの面積率は65%に満たなくなる。なお、等温保持する時間が長過ぎても生成されるベイナイト量は飽和量に達し、生産コストの増大を招くので3時間以内とすることが望ましい。
等温保持後の冷却速度は、均一な組織を得るため速いほど良く、20℃/秒以上の冷却速度が好ましく、より好ましくは50℃/秒以上がよい。具体的には油冷や水冷が良い。このような冷却速度とすることにより、マルテンサイトが析出し、耐へたり性をさらに向上させることができる。
・ショットピ-ニング工程
ショットピ−ニングは、ばねに金属や砂などからなるショットを衝突させ、表面に圧縮残留応力を付与するもので、これによりばねの耐へたり性や耐疲労性が著しく向上する。本発明では通常のショットピーニングで得られる圧縮残留応力に加え、残留オーステナイトの加工誘起マルテンサイト変態によりさらに高く深い圧縮残留応力が形成される。ショットピ−ニングで使用するショットは、カットワイヤやスチールボール、FeCrB系などの高硬度粒子等を用いることできる。また、圧縮残留応力は、ショットの実効または平均球相当直径や投射速度、投射時間、および多段階の投射方式で調整することができる。
また、ショットピーニングにより残留オーステナイトが加工誘起変態し、より強度の高いマルテンサイトとなることが期待される。これにより、変態に伴う体積膨張により高い圧縮残留応力が付与されるとともに、転位のピン止め作用をより一層高めて耐へたり性をさらに向上させることができる。
・セッチング工程
セッチングは、塑性ひずみを与えることにより、弾性限度が著しく向上することと、使用時のへたり量(永久変形量)を低減するために任意的に行う。この場合、200〜300℃でセッチング(温間セッチング)を行うことにより、耐へたり性を一層向上させることができる。また、セッチングにより残留オーステナイトが加工誘起変態し、より強度の高いマルテンサイトとなることが期待される。これにより、変態に伴う体積膨張により高い圧縮残留応力が付与されるとともに、転位のピン止め作用をより一層高めて耐へたり性をさらに向上させることができる。
表1に記載の代表化学成分からなるオーステンパ−線材を用いて、コイリングマシンにより所定形状に冷間コイリング後、表3に記載の条件で熱処理を行った。熱処理は、ばねを加熱炉で850℃に加熱してオ−ステナイト化し、表2に示す温度T(℃)に保持したソルトバスに時間t(秒)保持し、その後冷却した。次いで、ショットピ−ニングは第一段目として球相当直径が0.8mmのラウンドカットワイヤ−を、第二段目として球相当直径が0.45mmのラウンドカットワイヤ−を、第三段目として球相当平均直径が0.1mmの砂粒をそれぞれ使用した。さらに、ばねを230℃に加熱後、最大せん断応力が1473MPa相当となるセッチングを行った。以上のようにして製造したNo.1〜6ばねの諸元を表2に示す。得られたばねに対し、以下の通り諸性質を調査した。その結果を表3に示す。
Figure 2012111992
Figure 2012111992
Figure 2012111992
[相の区別]
相の区別は、試料を3%ナイタ−ル液に数秒間浸漬し、その後の組織を用いて次のように行った。まず、ベイナイトはナイタ−ルにより容易に腐食されるため、光学顕微鏡写真では黒色または灰色に見え、一方、マルテンサイトと残留オーステナイトは、ナイタ−ルに対する耐食性が高いため光学顕微鏡では白色に見える。この特性を利用し、光学顕微鏡写真を画像処理することでベイナイト(黒色及び灰色部)比率と、マルテンサイトおよび/または残留オーステナイト(白色部)の合計比率を求めた。残留オーステナイト比率は、バフ研磨仕上げの試料に対し、X線回折法を用いて求めた。マルテンサイト比率は、上記光学顕微鏡写真から求めたマルテンサイトと残留オーステナイトの合計比率から、X線回折で求めた残留オ−ステナイト比率を差し引くことにより求めた。
[残留オーステナイト中C濃度]
残留オ−ステナイト中の平均C濃度は、X線回折でオーステナイトの(111)、(200)、(220)及び(311)の各回折ピ−ク角度から求めた格子定数a(nm)を用い,以下に示す式(1)の関係を用いて算出した。これらの結果を表3に併記する。
Figure 2012111992
また、上記X線回折から求めた平均C濃度の妥当性を他の手段により評価した。図1に、本発明の実施例No.4について、素線横断面の外周表面から中心に向かって1.025mmにある同一エリアにおける反射電子像(SEM(Scanning Electron Microscopy))による観察結果(a)、C元素マップ(FE−EPMA(Field Emission Electron Probe Micro Analyze))による測定結果(b)、結晶構造(相)マップ(EBSD(Electron Backscatter Diffraction))による測定結果(c)、および図1(b)中I〜II線上のC濃度分析結果を示す(d)。残留オ−ステナイトは、個々でC濃度が異なり、図1(b)中AおよびBの各エリアの残留オ−ステナイト中C濃度はそれぞれ約1.2〜1.5%、約1.3〜1.7%の範囲であり、X線回折から求めた平均C濃度1.22%とほぼ同等であることから、X線回折による残留オ−ステナイト中C濃度の測定方法が妥当であると判断できる。
[残留オ−ステナイト粒の円相当直径]
残留オ−ステナイト粒の円相当直径は、前記EBSD法による結晶構造マップでγ−Fe相を同定し、画像処理ソフトを用いて求めた。
[中心のビッカ−ス硬さ]
試料の横断面において、中心部でのビッカ−ス硬さを5点測定し、その平均値を求めた。
[高硬度領域の厚さ]
試料の横断面において、鋼材の外周表面から中心に向かってビッカ−ス硬さを測定し、前記中心のビッカ−ス硬さより50〜500HV大きい高硬度領域に対し、表面からの厚さを測定した。
[残留応力分布]
試料の外周表面に対しX線回折法を用いて残留応力を測定した。また、試料を全面化学研磨後上記測定を行い、これを繰返すことで深さ方向の残留応力分布を求めた。
[耐へたり性]
へたり試験は、試料を最大せん断応力が1372MPaとなるように荷重を加えて圧縮して固定し、120℃のシリコーンオイル中に浸漬した。浸漬開始から48時間経過後、試料をシリコーンオイル中から取り出し、室温になってから荷重を除去した。へたり量は、ばねを所定高さまで圧縮した時の荷重を上記へたり試験前後で測定し、その荷重減少量ΔPを下記数2に代入して残留せん断ひずみ(γ)を求めた。
Figure 2012111992
ここで、Dは平均コイル直径、dは線径、Gは横弾性係数(=78,500MPa)である。残留せん断ひずみが10×10−以下の場合を耐へたり性が特に優れる(表3で◎)、10×10−を超え15×10−以下の場合を耐へたり性が優れる(表3で○)、15×10−を超える場合を耐へたり性に劣る(表3で×)とした。表3に諸性質の調査結果を示す。
本発明で規定する条件を満たすNo.2,4およびNo.5は、優れた耐へたり性を示す。これに対し、本発明の条件を満足しないNo.1,3およびNo.6は以下の不具合を有している。すなわち、No.1では熱処理工程における等温保持温度が(Ms点−20℃)より低いため、変態初期に生成するマルテンサイトが中心硬さの過剰な増加をもたらし、延性が低下する。また、残留オ−ステナイト中のC濃度が低く、残留オ−ステナイト自体の強度が低い。その結果、耐へたり性に劣る結果となった。
No.3では熱処理工程における等温保持時間が短いため、ベイナイト比率が小さく、その結果マルテンサイト比率が高く、中心硬さの過剰な増加をもたらした。また、残留オ−ステナイト中のC濃度が低く、耐へたり性に劣る結果となった。さらに、加工誘起マルテンサイト変態に伴う体積膨張が比較的小さいため、圧縮残留応力が低くかつ浅い。
No.6では熱処理工程における等温保持温度が高過ぎるため、炭化物の析出が抑制されることにより、オーステナイト中のC濃度が高くなり過ぎる。その結果、Ms点が著しく低下し、オーステナイトが安定化することにより、残留オ−ステナイト比率が高過ぎるため中心硬さが低い。また、等温保持温度が高過ぎるため、粗大なベイナイトが析出し、残留オーステナイト粒の平均直径が3μmを上回った。その結果、耐へたり性に劣る結果となった。さらに、残留オ−ステナイトが加工誘起マルテンサイト変態に伴う体積膨張を生じても周囲の硬度が低く拘束力が低いため、圧縮残留応力が低くかつ浅い。
本発明は、コイル、板ばね、トーションバー、スタビライザーなど任意のばねに適用することができる。

Claims (6)

  1. 質量%で、
    C:0.5〜0.7%、Si:1.0〜2.0%、Mn:0.1〜1.0%、Cr:0.1〜1.0%、P:0.035%以下、S:0.035%以下、残部が鉄及び不可避不純物からなる成分を有し、
    ばね素線の任意の横断面において、面積比率でベイナイトを65%以上、残留オ−ステナイトを4%〜13%含む組織を有し、
    前記残留オ−ステナイトは平均C濃度が0.65〜1.7%であり、かつ残留オ−ステナイト粒の平均円相当直径が3μm以下であり、
    ばね素線の任意の横断面の平均円相当直径をD(mm)としたときに、圧縮残留応力層が表面から0.35mm〜D/4の範囲まで形成され、その最大圧縮残留応力が800〜2000MPaであり、
    該横断面の中心のビッカ−ス硬さが550〜650HVであり、表面から深さ0.05〜0.3mmの範囲に、前記中心硬さより50〜500HV大きい高硬度領域が形成されていることを特徴とするばね。
  2. ばね素線の任意の横断面において面積比率でマルテンサイトを5〜30%含むことを特徴とする請求項1に記載のばね。
  3. ばね素線の横断面の平均円相当直径が1.5〜15mmの線材で形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のばね。
  4. 質量%で、C:0.5〜0.7%、Si:1.0〜2.0%、Mn:0.1〜1.0%、Cr:0.1〜1.0%、P:0.035%以下、S:0.035%以下、残部が鉄及び不可避不純物からなる成分を有する線材をばねの形状に成形する成形工程と、
    Ac3点〜(Ac3点+250℃)の温度でオ−ステナイト化後、20℃/秒以上の速度で冷却し、(Ms点−20℃)〜(Ms点+60℃)の温度で400秒以上保持し、次いで室温まで冷却する熱処理工程と、
    熱処理後のばねにショットを投射するショットピ−ニング工程と、
    を備えたことを特徴とするばねの製造方法。
  5. 室温まで冷却する際の冷却速度を20℃/秒以上とすることを特徴とする請求項4に記載のばねの製造方法。
  6. 前記ショットピーニング工程の後にばねに永久ひずみを与えるセッチング工程を備えたことを特徴とする請求項4または5に記載のばねの製造方法。
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