JPS63308724A - 磁気記録媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁気カードなどの磁気記録媒体に関する。

〔従来の技術〕

磁性材料に所定の信号を磁気記録する磁気カードは、銀
行カード、ＴＤカード、クレジット・カード、各種のプ
リペイド（前払い）カードとして広く利用されており、
公知である。このような磁気カードでは、偽造、変造、
盗用などの不正使用があった場合には、大きな損害をも
たらすので、その不正使用を防止する機能は極めて重要
である。

特に、単に磁気ストライプ部分に個人データ、例えば暗
証コードなどを磁気記録している場合には、マグネット
・ビューアなどの簡単な装置で解読でき、また、磁気転
写などの方法により容易にコピーできる。磁気転写法と
は、真正カードと偽造カードとをその天地を逆にして磁
性面同志を密着させ、偽造カード磁性層をキューリ一点
以上の温度に加熱するか、偽造カード磁性層の保磁力以
上のバイアス磁界を印加して真正カードの磁化パターン
を偽造カードに転写する方法であり、磁気ストライプの
長手方向に直交する方向に磁気ヘッドのギャップを配置
して磁化する磁気記録媒体では、この転写方法により、
同一データを偽造カードに確実に転写できる。

磁気記録層の記録データを隠蔽し、また磁気転写を防止
する方法としては、データ記録層の上に高透磁率の磁性
層を設け、データ記録層表面から発生する磁束を当該高
透磁率磁性層で吸収させて外部に出ないようにし、通常
の磁気読取装置やマグネット・ビューアでは記録データ
を読み取れないようにする方法（例えば、特開昭５５−
９３５１４号、特開昭６０−２１９６３６号、実開昭５
６−５１１３６号）や、真データを記録する高保磁力磁
性層の上に偽データを記録する低保磁力磁性層を設け、
真データの読み取りを防止する方法（例えば、特開昭５
４−８５００７号、特開昭６０−２１９６３５号、特開
昭６１−１４５７２７号）が提案されている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上記従来例により、マグネット・ビューアによる記録デ
ータの読み取りや記録信号の転写をある程度防止できる
が、それでも完全ではない。前者の場合には、再生時と
同じ条件で高ｆｆ１Ｉ率層に一様磁界を印加すれば、マ
グネット・ビューアにより記録データを簡単に観察でき
る。また後者では、高保磁力磁性層の上に低保磁力磁性
層を積層するので、その分製造コストがかかるし、各層
が単独の材料からなるので、偽造のための分析が容易で
ある。更に後者では、偽データの存在を予測でき、偽デ
ータを消去すれば真データを簡単に読み取ることができ
、偽造も、真データを記録する磁性材料を用意してそこ
に真データを転写し、偽データの記録層に対しては適当
な低保磁力の磁性材料を用意すればよく、それほど困難
ではない。

基本的には、磁気記録の記録密度が高い程、対応の読み
取り装置を持たない者がその記録データを読み取ること
、及びコピーを製造することは困難になるが、上記従来
例では、その点の解決は得られない。

そこで、本発明は、偽造防止機能の高い磁気記録媒体を
提示することを目的とする。

ｃ問題点を解決するための手段〕 本発明に係る磁気記録媒体は、保磁力の異なる複数の磁
性材料を混合してなる磁気記録部を有することを特徴と
する。

〔作用〕

保磁力の異なる複数の磁性材料を混合することにより、
各磁性材料毎に別々の磁化パターンでの磁気記録を行う
ことができ、各磁化パターンが互いに他を隠蔽するので
、データの秘匿性が高い。

また、偽造のためには組成分析だけでなく、記録再生方
法の解析、例えば偽データの有無、あるとすればどれが
偽データかの解析、各磁化パターンの解読などのそれぞ
れに困難な作業が必要になる。

従って、偽造防止機能が高い。

〔実施例〕

以下、図面を参照して本発明の詳細な説明する。尚、本
発明では、保磁力の異なる複数の磁性材料を利用するが
、以下の実施例では、２種類の磁性材料を用いる場合を
説明する。

第１図は本発明を適用した磁気カードの正面図を示し、
第２図はそのＡ−Ａ線で見た断面図を示す。磁気カード
１０は、プラスチック、紙などからなるベース１２と、
磁気記録のための磁気ストライプ１４とからなる。１６
は保磁力の異なる２種類の磁性材料を分散・混合させて
バインダにより結合させた磁性層であり、１８は当該磁
性１１１６を保護するための保護膜である。保護膜１８
は、ベース１２の上面を被覆していてもよい。また、表
面にパーマロイなどからなる高透磁率のシールド層を設
けてもよいことは勿論である。

保磁力の異なる磁性材料には異なる保磁力に合わせて別
々の磁化状態を与えることができる。即ち、最も高い保
磁力の磁性材料を飽和磁化できる磁界を印加して、その
磁性材料を所望磁化パターンに磁化する。次に、最高保
磁力の磁性材料の磁化状態には影響を与えないが、２番
目に高い保磁力の磁性材料を磁化できる磁界を印加して
その２番目に高い保磁力の磁性材料を所定磁化パターン
に磁化する。このように順次、より保磁力の低い磁性材
料を所望磁化パターンに磁化していくことで、保磁力の
異なる磁性材料のそれぞれに対し別個の磁化パターンを
付与できる。

各磁化パターンを任意の位置及び方向に配置することで
、仮にマグネット・ビューアでその磁化パターンを観察
しようとしても、各磁化パターンが相互に隠蔽しあうた
めに網目状又はモアレ状になってしまい、記録データの
秘匿性を高めうる。

例えば、各磁化パターンの磁化方向に少し角度をつけ同
じ位置に多重記録する。その記録方法では、特定角度方
向の磁化パターンを再生する場合には、その角度方向に
適合したギャップの磁気ヘッドを用いればよい。再生の
際、他の角度方向の磁化パターンからのクロス・トーク
が少なからず存在し、これがＳ／Ｎの劣化に繋がるが、
これは、各磁化パターンの磁化方向のなす角度、各磁性
材料の残留磁束密度、磁化状態の各磁性材料からの再生
電圧が同程度となるような磁性材料の混合比及び存在比
などを選定することによって、無視可能な程度となり、
実用上の支障は無い。

磁性層１６の保磁力の異なる磁性材料を互いに異なる磁
化方向で磁気記録及び再生する方法を以下に説明する。

第３図＋８＞は磁気記録の際の磁気ヘッドと磁気ストラ
イプ１４の位置関係を示し、第３図（ｂ）は再生時の磁
気ヘッドと磁気ストライプの位置関係を示す。ともに、
磁気ストライプ１４は矢印方向に走行する。磁気記録に
用いる強磁界用磁気ヘッド３０と弱磁界用磁気ヘッド３
２とはその磁化方向が異なっており、相互になす角度θ
は後述する理由から３〜５°程度が好ましい。他方、再
生に用いる磁気ヘッド３４及び同３６は、それぞれ記録
時の強磁界用磁気ヘッド３０及び弱磁界用磁気へラド３
２による磁化方向に適合する方向に設置される。

磁気記録に際しては、先ず、強磁界用磁気ヘッド３０に
より高保磁力磁性材料を飽和磁化させるのに充分な強い
磁界を印加してデータを磁気記録する０次に、弱磁界用
磁気ヘッド３２により、低保磁力の磁性材料を磁化可能
であって、高保磁力の磁性材料の磁化状態には影響を与
えない程度の＠磁界を印加して別のデータを多重に磁気
記録する。第３図（ａ）、　（ｂｌでは高保磁力磁性材
料に対する磁化パターンを右上がりの線で示し、低保磁
力磁性材料に対する磁化パターンを左上がりの線で示し
た。この場合、１トラツクに通常の２倍のデータを記録
でき、また、重なりあうデータが相互に隠蔽しあうこと
になる。

再生に際しては、順番は関係なく、各保磁力の磁性材料
の磁化方向に応じたギャップ方向の再生ヘッド３４．３
６で各磁化方向での記録データを再生する。再生ヘッド
と対応しない磁化方向の磁気記録がクロス・トークとな
るが、残留磁束による磁気ヘッドの誘導電圧が各磁性材
料毎で同程度になるような磁性材料、混合比、又は存在
比などを選定することにより、以下に詳細に説明するよ
うに、ディジタル・コードの再生という点では邪魔にな
らない。

例えば、高保磁力磁性材料の磁化領域の磁気モーメント
をａ、低保磁力の磁性材料の磁化領域の△ 磁気モーメントをｂとし、高保磁力磁性材料の磁化パタ
ーンが２進コード”０１０”に対して第４図（ａ）のよ
うに表され、低保磁力の磁性材料の磁化パターンが２進
コード”１０１”に対して第４図（′ｂ）のように表さ
れると想定する。また、右方向磁化を＋、左方向磁化を
−とする。高保磁力磁性材料の”１”のコード部分に低
保磁力磁性材料の”０”のコード部分が重なった場合、
その合成部分の各部の磁気モーメントは第５図（ａ）の
ようになる。

第５図（′ｂ）は合成ベクトルの方位を示す。

このような磁化パターンの重なりを生じた場合、例えば
高保磁力の磁化パターンに合わせたギャップ方向の再生
ヘッド３４で再生すると、マクロ的には第５図（Ｃ）に
示す磁化パターンを再生するのに等しく、本来の単独の
磁化パターンと比較して＋△　　　　　　　△ ｂｌ４、−ｂｌ４だけ低保磁力磁性材料の磁化パターン
の影響を受けている。各磁性材料の磁化パターンからの
再生電圧が同程度になるように磁性材料などを選定して
おくと、他の磁化パターンからのクロス・トークは±１
／４（勿論、磁化方向の交差角度に依存する。）であり
、再生信号処理において問題となることはない。これは
、低保磁力の磁性材料の磁化パターンを再生する場合で
も同じである。

また、各磁化パターンの間の交差角度が９０°に近づく
程、他の磁化パターンの影響を受は難くなるが、この交
差角度を大きくすると、マグネット・ビューア等による
磁化パターンの解読が容易になるので、秘匿性の点では
交差角度は成る程度小さいのが好ましい、ＦＭ記録方式
を採用する場合には十磁化と一磁化が必ず交互するので
、記録密度を高めることにより、他の磁化パターンから
の影響を少なくできる。

上記磁気記録媒体に磁気記録する方法としては、異なる
方向の磁化が重畳しないように多少の間隔をあけて信号
（真データ及び必要な偽データ）を磁気記録する方法も
考えられる。その磁化パターンを第６図に示す。

−ａに入手できる磁性材料とその保磁力の関係を表１に
示した。本発明では、それらを組み合わせて磁性層１６
のために利用できる。

約３０００　（Ｏｅ）弱のバリウム・フェライトと、約
３００　　（Ｏｅ）のガンマ・フェライトを使い、前者
を磁気ストライブの長手方向に垂直な方向に磁化し、後
者をそれに対して１〜６°の交差角度で磁化した例では
、再生可能であり、また、フランス国、トムソン社製マ
グネット・ビューアで観察したところ、交差角度が５″
の場合には網点状になり、３°でモアレとなり、実質的
にマグネット・ビューアによる解読は不可能であった。

上記磁気記録媒体を用い、１つの磁化パターンによる記
録を真データとし、他の磁化パターンによる記録を偽デ
ータとする場合には、上記特開昭５４−８５００７号の
場合と同様の作用効果を奏しうるが、本発明の方が製造
が容易であり、且つ組成分析はより困難である。

また、仮に磁気転写により記録データが転写されても、
各磁性材料の保磁力の相違を利用する再生方法をとる場
合には、偽造カードが真正カードと同じ組成の磁性材料
を用いているのでない限り、偽造カードであることを容
易に識別でき、偽造防止機能が高い。複数の磁化パター
ンが角度を持って記録される場合には、上記磁気転写法
により転写すべく、真正記録媒体に偽造記録媒体を天地
を逆にして密着させても、磁化パターンの交差角度が左
右反転したものになり、同一データの転写は不可能であ
る。

変更実施例として、磁気記録領域の各部又は１部におい
て混合する磁性材料を部分的に変えてもよい、即ち、印
加磁界を変えることにより、各部の磁性材料（の保磁力
）を知ることができるから、磁気記録データ以外に、適
当な部分の保磁力又はその分布により、カードの真正を
確認できる。この構成の場合、磁気記録領域の各部に存
在する磁性材料を細かく分析し、それを模造しない限り
偽造は不可能である。正当に製造する場合には製造コス
トはさほど上昇せず、また、記録再生処理も複雑化しな
い。

結局、本発明による磁気記録媒体を偽造するためには、
第１に、多重記録されている磁化パターンのそれぞれを
解読することが必要である。第２に、解読できた記録パ
ターンと同じ記録パターンを磁気記録するためには、真
正記録媒体の磁気記録領域を構成する保磁力の異なる複
数の磁性材料を分析し、生の真正記録媒体と同じになる
ように当該磁性材料をベースに塗布することになる。こ
れは、生の真正記録媒体を入手するのと同程度或いはそ
れ以上に困難である。以上のためには、かなり高級な装
置が必要になり、実質的に、偽造・変造などの不正使用
の可能性を大幅に減することができる。

［発明の効果〕 以上の説明から容易に理解出来るように、本発明によれ
ば、記録データの秘匿性及び、偽造防止機能の高い磁気
記録媒体が提供される。

表１ 第２図は第１図のＡ−Ａ線の断面図、第３図は記録ヘッ
ド及び再生ヘッドと磁気ストライブとの関係を示す図、
第４図は高保磁力磁性材料の磁化コード例と、低保磁力
磁性材料の磁化コード例、第５図は磁化パターン間のク
ロス・トークの説明図、第６図は別の磁化パターンを示
す図である。

１０−・磁気カード　１２・・−ベース　１４・・−磁
気ストライブ　１６−・−磁性層　１８・−保護膜　３
０゜３２−　　記録用磁気ヘッド　３４．３６−再生へ
ラド 第１図 第２図 第３図 （ａ）（ｂ） 第４図 （ａ）（ｂ） （０）　　　第５図 第６図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 保磁力の異なる複数の磁性材料を混合してなる磁気記録
   部を有することを特徴とする磁気記録媒体。