JPS6330767Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は紙葉類処理機における紙葉類区分集積
装置にかゝり、特に搬送路から順次搬送される紙
葉類を回転する羽根車の羽根間に受入れ、その羽
根車の回転により紙葉類を順次集積部へ案内し、
集積部の側壁に紙葉類の先端を当接させることに
より羽根間からしごき落して集積部内に紙葉類を
堆積する紙葉類処理機において、所定枚数集積時
に後続紙葉類と集積紙葉類とを区分する紙葉類区
分集積装置に関する。

（従来の技術） 紙葉類を一活して収納部内に整列収納し、この
収納部から繰出し手段により１枚ずつ繰出して搬
送し、搬送途中で紙葉枚数の計数あるいは識別を
行ない、計数済あるいは識別済の紙葉類を一括ま
たは種類別に集積する、例えば紙幣、各種カード
類、伝票類の計数機、識別分類機等の紙葉類処理
機においては、紙葉類を所定枚数ずつ集積させる
必要がある場合が多い。

例えば紙葉類計数機においては、所定枚数ずつ
計数して集積するオートストツプモードが設けら
れており、また紙葉類識別分類機においては、所
定枚数の紙葉類集積毎に帯封する帯封モードが設
けられている。

このような紙葉類処理機におけるオートストツ
プモードまたは帯封モード時には、所定枚数の紙
葉類が繰出された時点で繰出し手段を急停止させ
ることにより所定枚数より余分の紙葉類が集積さ
れないように考慮されている。

（考案が解決しようとする課題） しかるに上記従来技術によると、繰出し手段を
急停止させるため、繰出し手段に急激な衝撃や摩
擦ブレーキ等が加わり、その結果当該部分が損傷
しやすく、また繰出し紙葉類自体にも損傷を与え
やすいという問題がある。さらに所定枚数の紙葉
類が繰出し終るたびに紙葉類の繰出しが停止され
るので、紙葉類の処理能率の向上を図ることがで
きないなどの欠点があつた。

本考案はこれに鑑み、紙葉類の繰出し搬送を中
断することなく続行させながら所定枚数ずつの区
分集積を行なうことができ、機構および紙葉類の
損傷がなく、かつ処理能率の大幅な向上を図るこ
とができる紙葉類処理機における紙葉類区分集積
装置を提供することを目的としてなされたもので
ある。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するため、本考案による区分集
積装置は、搬送路から順次放出される紙葉類を搬
送路に臨むように搬送幅方向に複数設けられた羽
根車の羽根間に受入れ、その羽根車の回転により
紙葉類を順次集積部へ案内し、集積部の側壁に紙
葉類の先端を当接させることにより羽根車からし
ごき落して集積部内に紙葉類を堆積する紙葉類処
理機において、羽根車の中心軸と軸心が等しい支
軸を中心に回転され、羽根の外端より外側でかつ
羽根間に受入れられた紙葉類の外端縁より内側に
位置する所定半径の円周上を移動し得る区分部位
を有し、その区分部位は複数の羽根車に対し搬送
幅方向外方側に位置されるとともにその区分部位
の円周方向幅が隣接する羽根の外端間の間隔より
小さく形成された区分部材と、所定枚数の紙葉類
が放出されて羽根間に受入れられた際に前記区分
部材の前記区分部位を羽根車による紙葉類の搬送
移動領域内の進出位置に移動させて停止させる駆
動手段とを具備してなり、所定枚数目の紙葉類に
対する次位以降の紙葉類が前記側壁に当つて羽根
間から取出され搬送幅方向一側部が集積部に集積
される姿勢におかれる紙葉類の搬送幅方向他側部
下面を区分部材の区分部位で支えることにより所
定枚数の集積紙葉類とそれ以降の集積紙葉類を区
分部材の区分部位で区分するようにしたことを特
徴とするものである。

（作用） １枚ずつ繰出されて集積部内に放出された紙葉
類は、羽根車の羽根間に受入れられ、その紙葉類
が下方に至つたのち側壁の内面に当接して羽根だ
けが集積部外に退出し、紙葉類は羽根間からしご
かれるようにして集積部内に取り残され、水平姿
勢に集積される。

予じめ設定された所定枚数目の紙葉類が羽根間
に受渡されると、区分部材が回動してその区分部
位が進出し、所定枚数目以降の紙葉類は、継続し
て集積部内に放出されて羽根車の羽根間に受入れ
られるが、その紙葉類が側壁の内面に当つてしご
き落されるとき区分部材の区分部位により搬送幅
方向一側部が集積部内に集積される姿勢におかれ
る紙葉類の搬送幅方向他側部下面が支えられ、先
きに集積された所定枚数の集積紙葉類と区分され
ておかれる。

この集積紙葉類が集積部外に取出されると、区
分部材は再び元の位置に回動され、このとき区分
部位上にのつていた所定枚数以降の紙葉類が一括
して側壁によりしごき落されて集積部内へまとま
つて集積され、以後送入される紙葉類は羽根車に
より前述の場合と同様に１枚ずつその上に集積さ
れて行く。

（実施例） 以下、本考案を図面に示す実施例を参照して説
明する。

図に示す実施例は、紙葉類Ｐを立位姿勢で紙葉
類収納部１に整列収納し、その最前位の紙葉類Ｐ
を繰出しローラ２により１枚ずつ下方の繰出し口
３から繰出して搬送機構４を通じ斜め下方に搬送
し、集積部５内に集積する形態とした場合を示し
ており、その搬送途中で光電管と受光管とからな
る計数手段６により通過枚数を計数するようにな
されている。そして前記繰出し口３には搬送ロー
ラ７とゲートローラ８とが対置され、これらの間
で紙葉類を１枚のみ通過させ、２枚重ねで送出さ
れないようにするゲート間隙を形成している。な
お、符号９，１０は紙葉類ガイド板、１１は収納
部１内の紙葉類Ｐ群に背圧を与える押圧板であ
る。

前記集積部４は上面が開放された箱状を有し、
その上方一側に前記搬送機構４の末端が隣ませら
れ、他側には羽根車１２がその半部を集積部５内
に臨んで回転自在に設けられている。

この羽根車１２は、本実施例においては第２図
に示すように搬送機構４の搬送路に臨んで搬送幅
方向に左右一対設けられるもので、機枠１３，１
３間に軸架された支軸１４に外嵌され他の機枠１
５，１５に軸承される中空軸１６に固定されてい
る。そしてこの羽根車１２，１２は軸部１７の外
周切線方向に柔軟で弾性に富む材料からなる多数
の羽根１８，１８…が植設され、これら羽根１
８，１８…の先端部１８ａ間の間隙が前記搬送機
構４の末端に正対しておかれるように配設されて
いる。また上記羽根１８，１８…は、集積部５の
側壁１９に形成された切欠部から集積部５内に進
入しておかれ、羽根１８，１８間に受入れられた
紙葉類Ｐは羽根車１２の第１図矢印方向への回転
により側壁１９の内面に当接し、こゝでしごき落
されて集積部５内に平面状に集積されるようにな
されている。

前記支軸１４の一端部には区分部材２０が固着
されている。この区分部材２０は、正面形状がコ
字状を有し、前記支軸１４に固着される基部２１
の両端に直角に折曲した形状に形成された区分部
位２２，２２が一方の羽根車１２に対し搬送幅方
向外方一側にあつて羽根車１２の近傍に延びてい
る。この区分部位２２，２２は羽根車１２，１２
の羽根１８，１８…間に受入れられた紙葉類Ｐの
外端縁より内側で、かつその幅は羽根１８，１８
…の先端部１８ａ，１８ａ…間の間隙Ｌよりも小
さい寸法に形成されている。

前記羽根車１２，１２の軸１６にはギヤ２３，
２４を介して回転駆動力が伝達され、前記支軸１
４にはモータ２４からギヤ２５，２６を介して回
転駆動力が伝達され、その回転量はモータ軸２７
上の検出部材２８とセンサ２９とによつて行なわ
れる駆動部３０を構成している。

つぎに上記実施例の作用を説明する。

多数の紙葉類Ｐを収納部１内の立位姿勢で整列
収納し、その背後を押圧板１１で押圧して最前紙
葉類を繰出しローラ２に圧接させる。投出指令に
より繰出しローラ２が矢印方向に回転されると、
最前位の紙葉類Ｐが順次１枚ずつ繰出され、ゲー
ト間隙を通つた紙葉類Ｐは搬送機構４により送ら
れてその末端から集積部５内に放出される。その
間に計数手段６により枚数が計数される。

集積部５内に放出された紙葉類Ｐは、矢印方向
に回転する羽根車１２，１２の羽根１８，１８間
に受入れられ、その紙葉類Ｐが下方に至つたのち
側壁１９の内面に当接して羽根１８，１８…だけ
が集積部５外に退出し、そのため紙葉類Ｐは羽根
１８，１８…間からしごかれるようにして集積部
５内に取り残され、水平姿勢に集積される。

こうして順次１枚ずつ集積が進み、あらかじめ
設定された所定枚数目の紙葉類Ｐが羽根１８，１
８間に受渡されると、計数手段６からの信号によ
り区分部材２０が矢印方向に回動し、その区分部
位２２が第１図鎖線図示の位置に移動される。

したがつて前記所定枚数目以降の紙葉類Ｐは、
継続して繰出されて集積部５内に放出され、羽根
車１２，１２の羽根１８，１８間に受入れられる
が、その紙葉類Ｐが側壁１９の内面に当つてしご
き落されるとき区分部材２０の区分部位２２によ
り搬送幅方向一側が集積部５内に集積される姿勢
におかれる紙葉類Ｐの搬送幅方向他側の下面が支
えられ、先きに集積された所定枚数の集積紙葉類
Ｐと区分されておかれる。

この集積紙葉類Ｐが集積部５外に第１図鎖線図
示のように取出されると、区分部材２０は再び第
１図実線図示の位置に回動され、このとき区分部
位２２上に支えられていた所定枚数以降の紙葉類
Ｐが一括して側壁１９によりしごき落されて集積
部５内へまとまつて集積され、以後の搬送機構４
から送入される紙葉類Ｐは羽根車１２，１２によ
り前述の場合と同様に１枚ずつその上に集積され
て行く。

なお、図示実施例では、羽根車１２，１２の軸
１６を支軸１４に外嵌した別軸構成の場合を示し
たが、これは両者共用の軸とし、羽根車１２，１
２の軸１６に区分部材２０を回転自在に取付け、
この区分部材２０をラチエツト機構とソレノイド
により歩進させるようにしてもよく、また区分部
材２０の区分部位２２は１つのみであつても実施
することができ、この場合には区分部材２０を
270゜回転させて区分位置と退避位置とをとるよう
にすればよい。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によれば、所定枚
数ずつで集積量を区切るのに繰出し手段を急停止
させる必要がなく、その機構部に急激な衝撃や摩
擦ブレーキを加えることがないため機構部および
紙葉類に損傷を与えることがないにもかゝわら
ず、継続繰出しを行ないながら所定枚数の集積紙
葉類の区分が確実にでき、紙葉類の処理能率の大
幅な向上を図ることができる。

また本考案は、区分部材の区分部位の円周方向
幅が、隣接する羽根の外端間の間隔より小さく形
成されているので、搬送路出口（紙葉類送出域）
を区分部材の区分部位がさえ切る期間が非常に短
かく、したがつて所定枚数の紙葉類が搬送路から
搬出されて区分部位が搬送路面の一方側から他方
側へ横切るときその期間が短かいことになり、そ
のため次の紙葉類（所定枚数目の次の紙葉類）が
次位の羽根間へ受入れられるときこれを区分部位
が邪魔することが生ず、その結果、羽根間に入つ
ている紙葉類を折り曲げてしまうような不都合が
生じないなどの効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による区分集積装置の一実施例
を示す縦断側面図、第２図は第１図−線斜視
図である。 １……紙葉類収納部、２……繰出しローラ、４
……搬送機構、５……集積部、６……計数手段、
１２……羽根車、１４……支軸、１８……羽根、
１９……側壁、２０……区分部材、２２……区分
部位、２４……モータ、３０……駆動部、Ｐ……
紙葉類。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 搬送路から順次放出される紙葉類を搬送路に臨
   むように搬送幅方向に複数設けられた羽根車の羽
   根間に受入れ、その羽根車の回転により紙葉類を
   順次集積部へ案内し、集積部の側壁に紙葉類の先
   端を当接させることにより羽根間からしごき落し
   て集積部内に紙葉類を堆積する紙葉類処理機にお
   いて、羽根車の中心軸と軸心が等しい支軸を中心
   に回転され、羽根の外端より外側でかつ羽根間に
   受入れられた紙葉類の外端縁より内側に位置する
   所定半径の円周上を移動し得る区分部位を有し、
   その区分部位は複数の羽根車に対し搬送幅方向外
   方側に位置されるとともにその区分部位の円周方
   向幅が隣接する羽根の外端間の間隔より小さく形
   成された区分部材と、所定枚数の紙葉類が放出さ
   れて羽根間に受入れられた際に前記区分部材の前
   記区分部位を羽根車による紙葉類の搬送移動領域
   内の進出位置に移動させて停止させる駆動手段と
   を具備してなり、所定枚数目の紙葉類に対する次
   位以降の紙葉類が前記側壁に当つて羽根間から取
   出され搬送幅方向一側部が集積部に集積される姿
   勢におかれる紙葉類の搬送幅方向一側部下面を区
   分部材の区分部位で支えることにより所定枚数の
   集積紙葉類とそれ以降の集積紙葉類を区分部材の
   区分部位で区分するようにしたことを特徴とする
   紙葉類処理機における紙葉類区分集積装置。