JPS63303055A - 基材とコバルト又はコバルト合金薄膜との付着力向上方法 - Google Patents

基材とコバルト又はコバルト合金薄膜との付着力向上方法

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JPS63303055A
JPS63303055A JP13944587A JP13944587A JPS63303055A JP S63303055 A JPS63303055 A JP S63303055A JP 13944587 A JP13944587 A JP 13944587A JP 13944587 A JP13944587 A JP 13944587A JP S63303055 A JPS63303055 A JP S63303055A
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秋山 節夫
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草野 行弘
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内藤 壽夫
Toshio Honda
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 i束上件机肛九夏 本発明は基材とコバルト又はコバルト合金薄膜との付着
力を向上させる方法に関し、特に該コバルト又はコバル
ト合金薄膜にゴム組成物を接着複合化した場合に基材と
コバルト又はコバルト合金薄膜との間で剥離が生じるこ
とを防止するなどの目的に好適に採用される付着力向上
方法に関する。
従米立艮亙 従来、スチールコードなどの金属基材にゴム組成物を加
硫接着するような場合、金属基材とゴム組成物との密着
を改善するため、金属基村上にドライメッキ法によって
コバルト等の金属薄膜を形成し、該金属薄膜にゴム組成
物を接着複合化する方法が知られている(特開昭62−
87311号公報)。
この場合、金属基材にドライメッキを施すに当っては、
金属基材とドライメッキ膜との密着性を良好にするため
、金属基材を前処理して表面をクリーニングする必要が
あり、かかる前処理法としては、パフ研摩、溶剤洗浄、
超音波洗浄、酸・アルカリ洗浄等の方法を単独で又は適
宜組み合わせて採用し、基材表面をクリーニングする方
法が有効である。また、ドライ法として真空中で行なう
プラズマクリーニング(ボニバード)、逆スパツタ法な
どの手法を用いて基材表面をクリーニングし、基材とド
ライメッキ膜との密着性を向上させることも効果がある
。更に、ドライメッキ法としてスパッタリング法を採用
した場合は、真空蒸着法に比べ、叩き出された金属原子
がより高い運動エネルギーを有するため、メッキ膜と基
材との付着性が向上し、またイオンブレーティング法に
おいては、蒸発金属原子の一部がイオン化されるため、
基材にバイヤス電位を印加すると、イオン化された金属
原子が電気的に加速され、高いエネルギーで基材に叩き
つけられるので基材とメッキ膜の付着力が向上し、従っ
てドライメッキ法を適宜選択採用することにより、基材
に対するドライメッキ膜の密着性を向上させることも可
能である。
また更に、ドライメッキを行なう過程で基材の温度を上
げてメッキ膜と基材との密着性を向上させることも効果
的な手段である。
口が  しようとする間 しかしながら、このようにスチールコード等の金属基材
にドライメッキ法により金属薄膜を形成し、この金属薄
膜にゴム組成物を加硫接着した場合、特に金属薄膜とし
てコバルト又はコバルト合金薄膜を形成した場合、金属
基材に上述した前処理法など適宜な密着性向上手段を講
じてもなお金属基材とコバルト又はコバルト合金薄膜と
の付着力が十分でない場合があり、金属基材とコバルト
又はコバルト合金薄膜との間で剥離が生じることがある
即ち1本発明者らは、上述した公報、更には特願昭61
−.246278号において、金属基材に対しコバルト
又はコバルト合金薄膜を形成し、この薄膜にイオウによ
って加硫するゴム組成物を加熱、加圧下で接着すること
により、耐熱性、耐湿熱劣化性等に優れたゴムと金属と
の複合材料を製造することを提案したが、金属基材とし
て特にスチールコード等を使用すると、スチールコード
等は伸線加工性及びゴムとの接着性の点から表面にプラ
スメッキを施すことが行なわれる場合があるが、このよ
うに表面にプラスメッキが施されたスチールコード等に
そのままコバルト又はコバルト合金薄膜を形成し、ゴム
組成物を加硫接着した場合、プラスメッキ膜とコバルト
又はコバルト合金薄膜との密着性が十分でなく、得られ
たゴムと金属との複合材料を破壊試験に供すると、金属
基材のプラスメッキ膜とコバルト又はコバルト合金薄膜
との界面破壊に至ることがあることを知見した。
このため、基材とコバルト又はコバルト合金薄膜との付
着をより強固にすることが要望された。
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、基材とコバル
ト又はコバルト合金薄膜との付着力を改善し、コバルト
又はコバルト合金薄膜にゴム組成物を加硫接着した場合
においても基材と薄膜との間の界面破壊が生じることを
確実に防止し得る付着力向上方法を提供することを目的
とする。
Ij  貞を  するための   び 本発明者らは、上記目的を達成することについて鋭意検
討を行なった結果、基材にコバルト又はコバルト合金薄
膜を形成するに当り、基材上に金属中間層を形成し、そ
の少なくとも表面側(コバルト又はコバルト薄膜形成側
)を亜鉛富有層とし、この亜鉛富有層にコバルト又はコ
バルト合金薄膜を形成することにより、コバルト又はコ
バルト合金薄膜と基材との付着力が顕著に向上し、コバ
ルト又はコバルト合金薄膜に対しゴム組成物を接着複合
化したような場合でも、破壊試験で基材とコバルト又は
コバルト合金薄膜との間で界面破壊が起こることがなく
、良好な付着力を保持していること、またコバルト又は
コバルト合金薄膜を形成した後に熱処理を施すことによ
り上記付着力がより向上することを知見し、本発明をな
すに至った。
従って、本発明は基材にコバルト又はコバルト合金薄膜
を形成するに際し、基材とコバルト又はコバルト合金薄
膜との間に亜鉛富有層が該薄膜側に接する金属中間層を
介在させることを特徴とする基材とコバルト又はコバル
ト合金薄膜との付着力向上方法を提供するものである。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明は、まず基材上に少なくとも表面側に亜鉛富有層
を有する金属中間層を形成するものであるが、基材とし
ては鉄鋼、ステンレススチール、チタン、チタン合金、
アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、アモル
ファス合金などの金属により形成することができる。こ
の場合、基材の形状、サイズなどは目的に応じて適宜選
定されるが1本発明は特にスチールワイヤー、スチール
コード、スチールタイヤコード、スチールケーブル、ス
チールストランド、スチールロッド、スチールプレート
、スチールフィラメント或いは金属板や金属金具などの
ゴム組成物と接着複合化される金属基材が好適に採用さ
れ、これらスチールコードなどの金属基材をゴム組成物
と複合化することにより、金属とゴムとの接着性に優れ
たタイヤ類、動力伝達ベルト類、コンベアベルト類、ホ
ース類等の繊維状金属を芯材に用いたゴム系複合材料や
防振ゴム、免震材、ゴムクローラ、ラバースクリーン、
ゴムロールなどの広範囲に亘る各種ゴム製品や部品類を
製造することができる。
更に、基材としては、プラスチック、セラミック、ガラ
スなどであってもよい。
本発明は、上述した基材上に金属中間層を形成するもの
であるが、金属中間層としては亜鉛やプラス、青銅等の
亜鉛合金が好ましく、その膜厚は50Å以上とすること
が好ましい、この金属中間層の形成はメッキ法、その他
適宜な方法によって行なうことができ、メッキ法として
はドライメッキ法を採用しても電気メッキ、無電解メッ
キといった湿式メッキ法を採用してもよい。
ここで、本発明においては、この金属中間層の少なくと
も表面側(コバルト又はコバルト合金薄膜形成側)を亜
鉛富有層とするものであるが、金属中間層全体を亜鉛に
より形成した場合は、亜鉛富有層はそのまま亜鉛として
形成される。一方、金属中間層全体を亜鉛合金、特に亜
鉛量が5〜50重量%の亜鉛合金により形成した場合は
、その表面に亜鉛金属薄層或いは亜鉛量が50%以上の
亜鉛合金薄層をメッキ等の手段により形成することによ
りこの薄層を亜鉛富有層とすることもできるが、亜鉛合
金よりなる金属中間層を低温プラズマ処理及び/又は熱
処理することにより、該中間層の表面部を改質し、この
表面部に該中間層の亜鉛合金中の亜鉛量よりも高亜鉛量
の亜鉛合金よりなる亜鉛富有層を形成する方法が好適で
あり、特にこの方法は金属中間層を亜鉛量が5〜50重
量%の亜鉛合金、とりわけ20〜50重量%のプラス(
銅・亜鉛合金)にて形成した場合に有効に採用される。
なお、金属中間層を亜鉛、亜鉛合金以外の金属により形
成した場合は、その表面に亜鉛又は亜鉛合金薄層を形成
し、亜鉛合金薄層(特に亜鉛量5〜50重量%のもの)
に対しては上述した低温プラズマ処理や熱処理によって
表面改質を行なうことにより、亜鉛富有層を形成できる
なおまた、基材をプラスチック、セラミック、ガラスな
どにより形成した場合は、その上にドライメッキ法等に
より亜鉛又は亜鉛合金中間層を形成し、亜鉛合金に対し
ては上記のように改質処理を施すことができる。
この場合、上記表面改質処理として行なう低温プラズマ
処理の条件に制限はないが、−例としてアルゴンプラズ
マ処理の条件を挙げるとRF法でパワーが20〜200
W、圧力が1mTorr〜10Torr、処理時間が1
〜30分の範囲とすることがよく、特にI Q OW、
 I Torr、 5分程度の条件が望ましい。
また、熱処理条件としては、例えば空気中で150〜3
00℃、1〜60分の熱処理とすることができ、特に2
00℃、2分以内の条件がよい。
次に、以上のようにして基材に亜鉛富有層を有する金属
中間層を形成した後、この亜鉛富有層上にコバルト又は
Go −Ni、 Co −P 、 Co −Cr。
Co−Zn等のコバルト合金薄膜を形成する。
この場合、コバルト又はコバルト合金薄膜の形成は、ド
ライメッキ法によっても電気メッキ、無電解メッキ等の
湿式メッキ法によってもよいが、特にドライメッキ法に
よる膜形成が有効に採用し得、本発明によれば付着性の
優れたドライメッキ法によるコバルト又はコバルト合金
薄膜を形成することができる。ドライメッキ法としては
、真′空蒸着法、イオンブレーティング法、DCマグネ
トロンスパッタリング法、2極スパツタリング法、高周
波スパッタリング法、アーク放電式スパッタリング法、
イオンビームスパッタリング法、ECR(電子サイクロ
トロン共鳴)プラズマ法を併用したスパッタリング法等
の各種ドライメッキ法が採用されるが、これらドライメ
ッキを行なう場合は、常法に従って到達真空度、アルゴ
ン、酸素等のガスの注入の有無、基体温度などが適宜選
定される。なお、真空蒸着法、イオンブレーティング法
においては蒸発源として抵抗加熱、誘導加熱、電子ビー
ム加熱等の蒸発方法のいずれかが用いられ、イオンブレ
ーティング法においては、高周波プラズマ、アークプラ
ズマ、直流電圧印加、クラスターイオンビーム、熱陰極
方式等の方式を用いて蒸発物のイオン化並びにイオン化
した蒸発物の加速が行なわれる。更に、スパッタリング
法においてはDCマグネトロン、2極直流、高周波及び
ホロカソード、ボストカソード等の各種スパッタリング
方式を選定して行なうことができる。
なお、コバルト又はコバルト合金薄膜の膜厚は目的に応
じ適宜選定されるが1通常10人〜100%であり、特
にゴムとの複合材料を得る場合には50人〜1−とする
ことが好ましい。
本発明は、以上のようにして基材にコバルト又はコバル
ト合金薄膜を形成するものであるが、コバルト又はコバ
ルト合金薄膜の形成後、熱処理を行なうことが好ましく
、これによりコバルト又はコバルト合金薄膜の金属中間
層に対する付着力が更に増大する。
ここで、熱処理条件は適宜選定されるが、熱処理温度は
50〜500℃、好ましくはヴO〜350℃、最も好ま
しくは150〜300℃とし。
熱処理時間は5秒〜24時間、特に1〜60分間とする
ことができるが、一般に熱処理時間は熱処理温度により
決定され、処理温度が低ければ長時間、処理温度が高け
れば短時間が選定される1例えば処理温度が100℃の
場合は10時間以上、200℃では30秒以上の処理時
間とすることができる。この場合、基材の温度による物
性変化を防ぐために、また経済性の見地から低温で短時
間の熱処理とすることが望ましく、特に、ベルト、タイ
ヤ用スチールコード等に関しては300℃以上の高温に
曝すと機械的物性の変化がみられるので、300℃以下
の温度で熱処理することが好ましい。
なお、熱処理法としては、抵抗加熱、オーブン加熱、赤
外線加熱、誘導加熱等の適宜な方法を採用し得、また熱
処理雰囲気も空気中、真空中、不活性ガス雰囲気中など
を選定することができる。
以上のように基材とコバルト又はコバルト合金薄膜との
付着力を向上させた後は、適宜な用途に供することがで
きるが、上述したように本発明法はその後ゴム組成物と
接合して複合化する場合に有効である・。
即ち、本発明法に従ってゴムと金属との複合材料を製造
する場合は、上述した処理を施した後、ゴム組成物をコ
バルト又はコバルト合金薄膜に加硫接着するもので、こ
れにより破壊試験を実施した場合に基材(金属中間層)
とコバルト又はコバルト合金薄膜との間に界面破壊の生
じ難い複合材料が得られる。
ここで、ゴムと金属との複合材料を得る場合に用いられ
るゴム組成物中のゴム成分は、天然ゴム(NR)、およ
び構造式中に炭素−炭素二重結合を有する合成ゴムを単
独あるいは2種以上ブレンドしたものが使用できる。上
記合成ゴムにはイソプレン、ブタジェン、クロロプレン
等の共役ジエン化合物の単独重合体であるポリイソプレ
ンゴム(IR)、ポリブタジェンゴム(BR)、ポリク
ロロプレンゴム等、前記共役ジエン化合物とスチレン、
アクリロニトリル、ビニルピリジン、アクリル酸、メタ
クリル酸、アルキルアクリレート類、アルキルメタクリ
レート類等のビニル化合物との共重合体であるスチレン
ブタジェン共重合ゴム(SBR)、ビニルピリジンブタ
ジェンスチレン共重合ゴム、アクリロニトリルブタジェ
ン共重合ゴム、アクリル酸ブタジェン共重合ゴム、メタ
アクリル酸ブタジェン共重合ゴム、メチルアクリレート
ブタジェン共重合ゴム、メチルメタクリレートブタジェ
ン共重合ゴム等、エチレン、プロピレン、イソブチレン
等のオレフィン類とジエン化合物との共重合体〔例えば
イソブチレンイソプレン共重合ゴム(IIR))、オレ
フィン類と非共役ジエンとの共重合体(EPDM)(例
えばエチレン−プロピレン−シクロペンタジェン三元共
重合体、エチレンプロピレン−5−エチリデン−2−ノ
ルボルネン三元共重合体、エチレンプロピレン−1,4
−へキサジエン三元共重合体〕、シクロオレフィンを開
環重合させて得られるポリアルケナマー〔例えばポリペ
ンテナマー〕、オキシラン環の開環重合によって得られ
るゴム〔例えば硫黄加硫が可能なポリエビクロロヒドリ
ンゴム〕、ポリプロピレンオキシドゴム等が含まれる。
また、前記各種ゴムのハロゲン化物、例えば塩素化イソ
ブチレンイソプレン共重合ゴム(CQ−IIR)、臭素
化イソブチレンイソプレン共重合ゴム(Br−IIR)
等も含まれる。更に、ノルボルネンの開環重合体も用い
得る。また更に、ブレンドゴムとしては上述のゴムにエ
ピクロルヒドリンゴム。
ポリプロピレンオキシドゴム、クロルスルフォン化ポリ
エチレン等の飽和弾性体をブレンドして用いることもで
きる。
また、ゴム組成物は、上記ゴム成分以外に複合材料の用
途などに応じてカーボンブラック、シリカ、炭酸カルシ
ウム、硫酸カルシウム、クレイ、ケイソウ土、マイカ等
の充填剤、鉱物油、植物油、合成可塑剤等の軟化剤、及
びステアリン酸等の加硫促進助剤、老化防止剤、硫黄そ
の他の架橋剤などを添加することができ、更に必要によ
りナフテン塩コバルト等の有機コバルト塩を添加するこ
ともできる。この場合、有機コバルト塩の添加量はゴム
成分100部(重量部、以下同じ)に対し通常の使用量
である1〜3部もしくはそれ以上とすることもできる。
しかし、基材上に本発明のようにコバルト又はコバルト
合金を形成した場合は有機コバルト塩の添加を少なくす
ることができ、有機コバルト塩の添加をなくすこともで
きるもので、コバルト又はコバルト合金薄膜の形成によ
り、このようにゴム組成物中の有機コバルト塩の使用量
を従来より少なくしたり、有機コバルト塩を全く使用し
ない組成にしても、ゴム組成物と基材の接合力を損なう
ことがなく、優れた接着力を与えることができるので、
有機コバルト塩の添加に基づく接着力の経時劣化、破断
強度、伸度等の熱老化を抑制し得、耐久性に優れたゴム
系複合材料を得ることができる。
上記ゴム組成物とコバルト又はコバルト合金薄膜を形成
した基材との接合はコバルト又はコバルト合金薄膜上に
ゴム組成物を加熱圧着して加硫接着するものである。加
硫法としては、一般的でがつ最も重要な硫黄加硫のほか
に、例えばジチオジモルフォリン、チラウム加硫等の有
機硫黄化合物による有機硫黄加硫などが挙げられるが、
特に硫黄加硫による方法が好ましい、ここで、硫黄加硫
や有機硫黄加硫法を採用する場合には、硫黄や有機硫黄
化合物中の硫黄分をゴム組成物中のゴム成分100部に
対して0.5〜4部使用することが未加硫ゴム組成物の
保存安定性や加硫ゴム組成物の耐熱老化性の点で好適で
ある。即ち、従来のゴムと基材との接合には、安定な接
着力を保持するために硫黄成分の量を4〜8部の割合で
使用していたものであるが、本発明のようにコバルト又
はコバルト合金薄膜をゴム組成物と基材との間に介在さ
せた場合には、これらの接合力が向上し、硫黄分を4部
より少なくしても優れた接着力を示し、従って硫黄の過
剰使用による加硫後のゴムの熱老化を避けることができ
、引張強度、破断強度、伸度等のゴム物性を良好に維持
し得、耐久性に優れたゴム系複合材料を得ることができ
る。
なお、加硫を行なうに際し、加熱及び圧着は通常の方法
及び条件に従って行なうことができる。
λ匪免処米 以上説明したように1本発明によれば基材とコバルト又
はコバルト合金薄膜との付着力を増大向上させることが
でき、このためコバルト又はコバルト合金薄膜を形成し
た基材にゴム組成物を加硫接着して複合材料を得る場合
のプロセスとして好適に採用することができる。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明す
るが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない
〔実施例1〕 基材として亜鉛、銅、プラス(Z n / Cu =4
0/60)を使用し、この上にコバルト膜を形成したと
きの基材とコバルト膜との間の付着力を下記方法によっ
て調べた。
まず、上記基材の平板状サンプル(25rrm X60
+mX2.3m5)をそれぞれ4組(a、b、Q。
d)用意し、各サンプル表面をアセトン脱脂した後、そ
のうち2組(a、b)はそのままにし、残りの2組(c
、d)についてはアルゴンプラズマ処理を行なった。こ
こで、アルゴンプラズマ処理は100φのパイレックス
ガラス管中にサンプルを入れ、外部対向電極に高周波1
3.56MHzで100Wを印加し、アルゴンガス圧I
Torr。
5分の条件で行なった。
以上の如くクリーニングした各サンプルは、次にDCマ
グネトロンスパッタ法によりサンプルの長さ方向一端か
ら20mの長さに厚さ500人のコバルト膜を形成した
。この場合、スパッタ条件は7/L/ゴンガス圧5mT
orr、パワー0.5AX400V (約2.5W/a
J)、時間30秒とした。
次いで、上記のコバルト膜を形成したサンプルのうち、
アルゴンプラズマ処理を施したもの及び施さなかったも
のをそれぞれ1組ずつ取り出しくa、c)、この2組を
200℃のオーブン中で5分間加熱処理した。なお、残
りの2組(b、d)については加熱処理は施さなかった
このようにして処理されたサンプルのコバルト膜上にエ
ポキシ系構造用接着剤(スコッチウェルド#2214.
住友3M社製)を塗り、スペーサーとして0.3msφ
の針金を2本置き、その上からサンプルと同サイズのプ
ラス板を1 / 21nchラツプするように貼り付け
、クリップで軽く圧着したまま120℃のオーブン中に
30分間入れ、接着剤を硬化させた。硬化後、3点曲げ
試験法で接着の破壊強度を測定すると共に、破壊面の観
察を行ない、基材とコバルト膜との付着力を評価した。
結果を第1表に示す。
第1表の結果より、基材として亜鉛を用いたもの及びプ
ラスをアルゴンプラズマ処理したものはコバルト膜との
付着力が良好であり、特にアルゴンプラズマ処理したプ
ラスにコバルト膜を形成した後、熱処理を施したものは
より優れた付着力を有することが認められる。
ここで、アルゴンプラズマ処理したプラスは表面に亜鉛
富有層が形成されているものである。即ち、第1,2図
はこのことを示すもので、第1図はアルゴンプラズマ処
理前のプラス、第2図はアルゴンプラズマ処理後のオー
ジェスペクトルを示すもので、動力的エネルギー(KI
NETICENERGY)が約1000eV付近の亜鉛
のピークがアルゴンプラズマ処理によって大きく成長し
ていることから、アルゴンプラズマ処理によりプラス表
面に亜鉛富有層が形成され、この亜鉛富有層によりコバ
ルト膜との付着性が増大したことが知見される。
〔実施例2〕 プラスメッキ(Z n / Cu = 30 / 70
 )スチールコード及び亜鉛メツキスチールコードをそ
れぞれ2組(e、f)用意し、そのうち1組(f)につ
いてのみアルゴンプラズマ処理を実施例1と同様にして
施した。
更に、実施例1と同様にして各コードにコバルト膜を形
成し、次いで200℃のオーブン中で5分間加熱処理を
施した。
次に、下記に示す天然ゴム系配合ゴム組成物を145℃
、40分の条件で加硫接着した。
並人監双隻笈左 天然ゴム      75 重量部 ポリイソプレン      25  〃カーボンブラッ
ク     60  〃亜鉛華    7.5〃 老化防止剤(注l )       Q   n加硫促
進剤(注2)     1  〃硫    黄    
         3   〃植物油又は鉱油    
   2  〃(注1)老化防止剤; N−フェニル−N’ −イソプロピル−p−フェニレン
ジアミン(大内新興社fl!1i)(注2)加硫促進剤
; N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルファ
ミド(入内新興社製) 次いで、上記ゴム組成物を加硫接着して得られた複合材
料につき、引張り試験機により50m/ll1inの引
張り速度で180°剥離試験を行ない、破断面の観察か
らコードのメッキ層とコバルト膜との付着力を評価した
。結果を第2表に示す。
第   2   表 (注)破壊状況 0:ゴム破壊 Δ:ゴム破壊だが、ごく一部に金属が露出している ×:メッキ/コバルト膜界面破壊 マ 第2表の結果より、亜鉛メッキしたスチールコード
及びアルゴンプラズマ処理が施されたプラスメツキスチ
ールコードはコバルト膜との密着性が良好であることが
認められる。
【図面の簡単な説明】
第1図はプラス(Z n / Cu = 40 / 6
0 )のオージェスペクトル、第2図は同プラスをアル
ゴンプラズマ処理した後のオージェスペクトルを示す。 出願人  株式会社ブリデストン 代理人  弁理士 小 島 隆 司 第1図 動的エネルギー (ev) 第2図 動的エネルギー (ev) 手続補正書(自発) 昭和62年7月13日 1、事件の表示 昭和62年特許願第139445号 2、発明の名称 基材とコバルト又はコバルト合金薄膜との付着力向上方
法3、補正をする者 事件との関係    特許出願人 住  所  東京都中央区京橋−丁目10番1号氏  
名  (527)株式会社  ブリデストン代表者  
家 入  昭 4、代理人 〒104 住  所  東京都中央区銀座3丁目11番14号ダパ
クリエートビル5階 電話(545)6454明細書の
「発明の詳細な説明」の欄。 6、補正の内容 (1)明細書第4頁第1行目に「ボニバード」とあるの
を「ボンバード」と訂正する。 (2)同第4頁第8行目[イオンブレーティング法」の
次に「及びスパッタ法」を挿入する。 (3)同第4頁第10行目に「バイヤス電位」とあるの
を「バイアス電位」と訂正する。 以上

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、基材にコバルト又はコバルト合金薄膜を形成するに
    際し、基材とコバルト又はコバルト合金薄膜との間に亜
    鉛富有層が該薄膜側に接する金属中間層を介在させるこ
    とを特徴とする基材とコバルト又はコバルト合金薄膜と
    の付着力向上方法。 2、金属中間層全体を亜鉛で形成することにより、亜鉛
    富有層を亜鉛により形成した特許請求の範囲第1項記載
    の方法。 3、金属中間層全体を亜鉛合金で形成し、かつ亜鉛富有
    層をこの亜鉛合金中の亜鉛量よりも高亜鉛量の亜鉛合金
    により形成した特許請求の範囲第1項記載の方法。 4、金属中間層全体を亜鉛合金で形成すると共に、この
    金属中間層を低温プラズマ処理又は熱処理することによ
    り、該中間層の表面部に該中間層の亜鉛合金中の亜鉛量
    よりも高亜鉛量の亜鉛合金よりなる亜鉛富有層を形成し
    た特許請求の範囲第3項記載の方法。 5、金属中間層を構成する亜鉛合金が亜鉛量5〜50重
    量%の亜鉛合金である特許請求の範囲第3項又は第4項
    記載の方法。 6、コバルト又はコバルト合金薄膜をドライメッキ法に
    より形成した特許請求の範囲第1項乃至第5項のいずれ
    か1項に記載の方法。 7、コバルト又はコバルト合金薄膜を形成した後、全体
    を熱処理するようにした特許請求の範囲第1項乃至第6
    項のいずれか1項に記載の方法。 8、熱処理を150〜300℃で1〜60分間行なうよ
    うにした特許請求の範囲第7項記載の方法。
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