JPS6330012Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は燃焼量可変の輻射熱発生装置に関する
ものである。

従来良く知られた輻射熱発生装置は第１図に示
すように燃焼室２１前面をパンチングメタルや金
網等の透孔部材３１にて被い、内壁をセラミツク
フアイバー等の耐熱性断熱材４１で構成した輻射
熱発生ケース１１の側方に開口５１を設け、該開
口５１を通じてガンタイプバーナ６のドラフトチ
ユーブ７１を燃焼室２１に臨ませたものである。

またこの装置はガンタイプバーナ６の運転によ
りドラフトチユーブ７１先端に火炎を形成して耐
熱性断熱材４１を赤熱し、この輻射熱を火炎から
直接出る輻射熱とともに、透孔部材３１の孔から
燃焼室２１前方に伝播することで暖房を行なうも
のである。

しかしこの装置はドラフトチユーブ７１を横方
向から輻射熱発生ケース１１の燃焼室２１に挿入
しているため、火炎が浮力の影響を受けて弓形に
なり、結果として火炎を耐熱性断熱材４１に当て
ないようにするため燃焼室２１容積が大きくなる
という問題があつた。このことは火炎が断熱材４
１に当たるとカーボン等の付着・不完全燃焼とい
う問題が生ずることに起因している。

さらに従来装置は燃焼量を可変するため、１つ
のドラフトチユーブ７１内に２つの燃料噴射ノズ
ル８１，８２を設けているため高価な空気量制御
装置１３が必要であり、またドラフトチユーブ７
１内の風量分布が前記ノズル８１，８２に影響さ
れ風の偏流を起こし片燃えが発生しやすいという
問題もあつた。

その上１つの燃焼室２１で燃焼量を切替えるの
で高燃焼に比べ低燃焼になると耐熱性断熱材４１
の赤熱度合が低くなり、十分な輻射熱の照射が行
なえないという問題があつた。

それ故本考案の目的とするところは縦長の輻射
熱発生ケースを複数並列に設け、火炎を上方向に
噴出形成すると同時に各ケース毎に独立して燃焼
制御することにある。

またこのことにより燃焼室をコンパクトにし、
燃焼量を変えても耐熱性断熱材の赤熱度合いを変
わらないようにしたものである。

以下実施例を示す第２図により本考案を説明す
る。

まず１１，１２は燃焼室２１，２２を形成した
縦長の輻射熱発生ケースであり、このケース１
１，１２には燃焼室２１，２２の前面側にパンチ
ングメタルや金網等の透孔部材３１，３２が被せ
られ、内壁はセラミツクフアイバー等の耐熱性断
熱材４１，４２で構成されている。またこのケー
ス１１，１２は左右に並べられ、各々の下部に形
成した開口５１，５２を通じてガンタイプバーナ
６のドラフトチユーブ７１，７２が挿入され、燃
焼室２１，２２に臨んでいる。

さてガンタイプバーナ６は公知の如くドラフト
チユーブ７１，７２内に燃料噴射ノズル８１，８
２と点火プラグ９１，９２とスタビライザ１０
１，１０２を配置したものであるが、実施例では
２つのノズル８１，８２に対し１つの電磁ポンプ
２を接続し、一方のノズル８２と電磁ポンプ２と
の間に電磁弁３を設けている。

このため電磁弁３を閉じれば片方のケース１１
の燃焼室２１で燃焼が行なわれ、開けば両方のケ
ース１１，１２の燃焼室２１，２２で燃焼が行な
われる。そして輻射熱発生ケース１１，１２の下
部にはガンタイプバーナ６のドラフトチユーブ７
１，７２内に連通するように空気ダクト４が配置
されていて、また該空気ダクト４内部には送風フ
アン５が配置されている。このため送風フアン５
に連結された送風モータ７を駆動すると空気ダク
ト４を通じて燃焼用空気がドラフトチユーブ７
１，７２に供給される。

ところで供給空気量は空気ダクト４内の空気通
過孔１１１，１１２の大きさ等により設定される
が該空気通過孔１１１，１１２に空気量制御板を
備え、微調整できるようにしてもよい。

なお図中符号８はイグナイタであり、９はスト
レーナである。

以上のような構成から実施例は電磁ポンプ２を
駆動した状態で電磁弁３を開くとポンプ２から一
方のノズル８１には直接、他方のノズル８２には
電磁弁３を介して燃料が圧送されドラフトチユー
ブ７１，７２内に噴霧される。他方電磁ポンプ２
の駆動と同時に送風モータ７を駆動すると、燃焼
用空気は空気ダクト４を通じて各ドラフトチユー
ブ７１，７２内に噴送され、噴霧燃料と混合され
る。

このため上記した状態にてイグナイタ８を作用
させると点火プラグ９１，９２から火花が飛び、
スタビライザ１０１，１０２の前方で燃焼が開始
される。また燃焼が進むと耐熱性断熱材４１，４
２が赤熱し、輻射熱が透孔部材３１，３２の孔か
ら燃焼室２１，２２前方に伝播する。勿論火炎か
ら直接出る輻射熱も燃焼室２１，２２前方に至
る。このため２つの燃焼室２１，２２における燃
焼によりワイドな輻射暖房ができる。

また上記した燃焼状態において、電磁弁３を閉
じると片方のノズル８２への燃料供給は停止する
ため一方の燃焼室２２における燃焼は停止する。
したがつてこのとき片方の燃焼室２１のみで燃焼
が行なわれるためいわゆるスポツト暖房ができ
る。

勿論、両室における燃焼を停止するには電磁ポ
ンプ２を停止すればよい。

以上のような実施例によると輻射熱発生ケース
１１，１２の下端部に形成した開口５１，５２を
通じてガンタイプバーナ６のドラフトチユーブ７
１，７２を燃焼室２１，２２に臨ませているた
め、該ケース１１，１２の上方向へ火炎を形成で
き、結果として火炎を直線的にできると同時に火
炎と耐熱性断熱材４１，４２との隙間を狭くする
ことができ、いわゆる燃焼室２１，２２のコンパ
クト化および火炎とその雰囲気温度を速やかに上
昇させ、すすやCOの発生を防止することができ
る。

また各燃焼室２１，２２に独立のドラフトチユ
ーブ７１，７２と燃料噴射ノズル８１，８２を配
置しているため、複雑な空気量制御装置は不要で
あり、しかも電磁弁３を閉じ燃焼量を減らしても
輻射面積は減るものの耐熱性断熱材４１，４２の
赤熱度合いは変わらず、したがつて輻射効率の良
いスポツト暖房とワイド暖房を選択することがで
きる。

以上実施例では輻射熱発生ケース１１，１２を
２つ並べ、燃焼量を２段階に調節できるものを示
したが、該ケースを３つ以上並べ燃焼量を３段階
以上に調節してもよい。なおこの場合には燃焼量
を可変させるための電磁弁を２つ以上設ける必要
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の輻射熱発生装置を示す横断面
図、第２図は本考案実施例の輻射熱発生装置を示
す縦断面図である。 １１，１２……輻射熱発生ケース、２１，２２
……燃焼室、３１，３２……透孔部材、４１，４
２……耐熱性断熱材、５１，５２……開口、６…
…ガンタイプバーナ、７１，７２……ドラフトチ
ユーブ、８１，８２……燃料噴射ノズル、９１，
９２……点火プラグ、１０１，１０２……スタビ
ライザ、２……電磁ポンプ、３……電磁弁、４…
…空気ダクト、５……送風フアン、７……送風モ
ータ、８……イグナイタ、９……ストレーナ、１
１１，１１２……空気通過孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 燃焼室前面をパンチングメタルや金網等の透
   孔部材にて被い、内壁を耐熱性断熱材で構成し
   た縦長の輻射熱発生ケースを複数並列に設ける
   とともに、該各々のケースの下端部に形成した
   開口を通じてガンタイプバーナのドラフトチユ
   ーブを燃焼室に臨ませ、さらに該ドラフトチユ
   ーブに電磁ポンプと接続した燃料噴射ノズルを
   配置し、前記ケースの上方向へ火炎を噴出形成
   するようにしたことを特徴とする輻射熱発生装
   置。 (2) 前記した燃料噴射ノズルと電磁ポンプとの間
   に電磁弁を設け、燃焼量可変するようにした実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の輻射熱発生
   装置。