JPH0642715A - 間欠噴射燃焼装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 間欠的な着火音を防止すること。 【構成】 燃焼室１０に配され間欠的に燃料を噴射する
ノズル５に円錐形の隔壁１４を設けて、空気１２を遮る
と共に、この隔壁１４に不燃性気体としての排気ガス２
１を噴射するための導入口２０を設ける。 【効果】 隔壁の内側に噴射された燃料には着火しない
ので、定在的な炎１３のみとなり、着火音が軽減され
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、燃料をノズルから間
欠的に噴出するようにしたボイラ、給湯器等に用いられ
る間欠噴射燃焼装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図４はオイルを燃料とする従来の燃焼装
置を示すもので、燃料タンク１の燃料は、燃料供給管２
を通り開閉弁３で供給量を制御された後、ポンプ４によ
り圧力を加えられ、燃料供給管２をさらに圧送される。
圧送された燃料は、燃料供給管２の先端に設けられたノ
ズル５から霧状に噴射され、ノズル５の前方に配された
点火装置（図示せず）により着火される。

【０００３】上記のようにオイルを噴霧させる燃焼装置
においては、燃料の供給圧力を下げると、噴霧したとき
のオイルの粒子が大きくなり、このため着火しにくくな
り、また、炎が大きくなったり、煤が出たりする。この
対策として、ノズル５から圧力の高い噴射を間欠的に行
う方法が採られている。

【０００４】図５は本出願人が先に提案した燃料の間欠
噴射を行うノズル５部分の構造を示すもので燃料供給管
２の先端部分内部には、スピンドル６が軸方向に移動可
能にかつバネ（図示せず）により図の左方に付勢されて
設けられ、その先端のニードル部６ａがノズル５の開口
に嵌挿されている。また、このスピンドル６には磁性体
７が設けられ、燃料供給管２の磁性体７と対応する部分
にはコイル８が設けられている。９は燃料供給管２内の
燃料を示し、１０は燃焼室、１１は燃焼ゾーンを示す。

【０００５】上記構成によれば、コイル８に例えばパル
ス幅が５ｍｓ程度のパルス電圧を例えば５０Ｈｚで加え
ることにより、スピンドル６が上記バネに抗して図の右
方に移動し、ノズル５が開口して、燃料９がノズル５か
ら噴射される。霧状に噴出した燃料は前方に配された点
火装置（図示せず）により着火されて燃焼ゾーン１１で
定常的に燃焼する。

【０００６】このようなノズル５の構造によれば、噴霧
されるオイルの粒子が微細なものとなり、このため、ノ
ズル５の近傍でも着火しやすくなり、従って、燃焼室１
１を小形化することができる。また、コイル８に加える
パルス電圧Ｐの周波数、デューティ比等を制御すること
により、容易に燃焼状態の制御を行うことができる。

【０００７】次に、燃焼室１０における燃焼動作につい
て説明する。図６は上記コイル８に加えられるパルス電
圧Ｐを示し、図７は上記パルス電圧Ｐの各期間ａ，ｂ，
ｃ，ｄと対応する燃焼室１０における燃焼状態を示す。
１２は燃焼室１０にファン（図示せず）から送風される
燃焼用の空気を示し、１３は炎を示す。図６、図７にお
いて、ａの期間はパルス電圧Ｐのパルス幅の期間であ
り、このａの略全期間にわたってノズル５から燃料が噴
射されるため、炎１３は燃焼ゾーン１１を越えてノズル
５まで達する。次に、ｂ，ｃの期間では炎１３はノズル
５から離れていき、ｄの期間で炎１３は燃焼ゾーン１１
に入り、次のパルス電圧Ｐにより再びａの状態となる。
従って、燃焼ゾーン１１において炎１３が定在し、連続
的に燃焼が行われる。

【０００８】従来の間欠噴射燃焼装置は、上述のような
燃焼動作が行われるので、上記ｄの期間からａの期間に
移行する際に、炎１３の燃焼範囲が急速に広がり、この
とき着火音が発生し、これが間欠的に発生して騒音にな
るという問題があった。

【０００９】この発明は上記のような問題を解決するた
めになされたもので、間欠的な着火音による騒音を有効
に消音することのできる間欠噴射燃焼装置を提供するこ
とを目的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】この発明においては、ノ
ズルから燃焼ゾーンまでの間のノズル寄りの所定範囲内
に不燃性気体を導入するようにしたものである。

【００１１】

【作用】上記不燃性気体を導入することにより、ノズル
近傍の所定距離の範囲では燃料の噴射中においても燃焼
が生じることがなく、これによって、炎は常に燃焼ゾー
ンのみに存在するので、着火音が発生することがない。

【００１２】

【実施例】図１においては、図４と同一部分には同一符
号を付して説明を省略する。図１において、燃料供給管
２の先端には傾斜角が略４５°を成す円錘状の隔壁１４
が設けられている。この隔壁１４はノズル５を円錘の頂
点とし、このノズル５から距離ｌの範囲を外部と隔絶す
るように成されている。また、隔壁１４には複数個の不
燃性気体の導入口２０が設けられている。不燃性気体と
しては例えば後述する燃焼室１０の排気ガスが利用され
る他、低酸素気体または無酸素気体あるいは不活性ガス
を利用する。また、ノズル５の燃料噴射口から所定範囲
を均等にガスリッチ状態（燃焼ガス濃度を高くして燃焼
しにくい状態）としてもよい。この場合はガスリッチ状
態が隔壁１４の役目を兼ねることにより該隔壁を不要と
することもできる。

【００１３】図２は燃焼室１０における燃焼状態を示
す。図２において、燃焼室１０に送風される空気１２が
隔壁１４により遮られると共に、隔壁１４の内側には、
導入口２０より不燃性気体２１が噴射される。このた
め、ノズル５から燃料が噴射されても隔壁１４の内側の
霧状の燃料には燃焼ゾーン１１の炎１３は着火しない。
従って、燃焼は常に燃焼ゾーン１１のみにおいて連続的
に行われ、燃料噴射の際に着火音が発生することが防止
される。

【００１４】図３は燃焼制御装置を含む間欠噴射燃焼装
置全体の構成を示す。図３において、燃焼室１０内には
導入口２０を有する隔壁１４を設けたノズル５が設けら
れ、ノズル５から噴射された燃料が燃焼する炎１３によ
り、熱交換器１５を加熱するように成されている。ノズ
ル５は制御装置１６からパルス電圧Ｐが加えられること
により、燃料の間欠噴射を行う。また、燃焼室１０内に
はファン１７により燃焼用の空気１２が絞り弁１８を介
して送風され、燃焼後の空気は排気口１９より排気ガス
２１として排気される。制御装置１６は加熱温度センサ
２２の検出温度等に基づいてパルス電圧Ｐの周波数、デ
ューティ比等を制御すると共に、ポンプ４、絞り弁１８
等を制御することにより、燃焼を制御している。

【００１５】また、排気ガス２１の一部が排気口１９に
設けられたパイプ２３から取り出され、ポンプ２４で圧
力を加えられて導入口２０から隔壁１４の内側に噴射さ
れるように成されている。以上説明した実施例はオイル
を燃焼とする間欠噴射燃焼装置であるが、この発明はガ
スを燃料とする間欠噴射燃焼装置に適用しても、着火音
の消音効果を得ることができる。

【００１６】

【発明の効果】この発明によれば、ノズル近傍の所定範
囲内に不燃性気体を導入する手段を設けたので、燃料の
間欠噴射による着火音を有効に消音することができる効
果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例を示す構成図である。

【図２】燃焼状態を示す側面図である。

【図３】間欠噴射燃焼装置を全体的に示す構成図であ
る。

【図４】従来の燃焼装置の構成図である。

【図５】従来の間欠噴射燃焼装置のノズル部を示す側面
断面図である。

【図６】パルス電圧の波形図である。

【図７】燃焼動作を示す側面図である。

【符号の説明】

５ ノズル １０ 燃焼室 ２０ 導入口 ２１ 排気ガス（不燃性気体）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ノズルから燃焼室に燃料を間欠的に噴射
   するようにした間欠噴射燃焼装置において、上記ノズル
   近傍の所定範囲内に不燃性気体を導入する導入手段を設
   けたことを特徴とする間欠噴射燃焼装置。