JPS632991Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はVTR（磁気記録再生装置）ドラムのヘ
ツドデイスクに関し、特にビデオヘツドの位置決
め調整機構を改善したものである。

従来のVTRドラムでは、ビデオヘツドをヘツ
ドベースに実装したのち、このヘツドベースをネ
ジでヘツドデイスクに取り付けるようにしてい
た。ところで、このような構成では、ヘツドベー
スおよびヘツドデイスクの平面度ならびに締め付
けネジのトルク等のばらつきによつてビデオヘツ
ドの高さ位置の精度を出しにくかつた。また、ヘ
ツドベースを介してビデオヘツドをヘツドデイス
クに取り付けるため、ビデオヘツドをヘツドベー
スに取り付ける作業とヘツドベースをヘツドデイ
スクに取り付ける作業との２つの作業が必要で作
業性が悪く、また、ヘツドベースの分だけ部品点
数が増加してしまつていた。さらに、この構成で
は、ビデオヘツドの高さ位置調整（以降ペアリン
グ調整という）を行うために、押しネジでヘツド
ベースを押し上げているが、このペアリング調整
機構では、押しネジの先端にストレスが集中する
ため経時変化を受けやすいという欠点があつた。

本考案は斯る点に鑑みてなされたもので、ビデ
オヘツドのベアリング調整の精度を出しやすく、
作業性や部品点数の上でも有利で、しかもビデオ
ヘツドの高さ位置が経時変化を受けることの少な
いVTRドラムのヘツドデイスクを提供すること
を目的とする。

以下、図面を参照しながら本考案VTRドラム
のヘツドデイスクの一実施例につき説明しよう。

第１図および第２図において、１はVTRドラ
ムのヘツドデイスクであり、このヘツドデイスク
１はアルミ合金製でほぼ円盤形状をしている。こ
のヘツドデイスク１の外周の対称位置にたとえば
２個のビデオヘツド２，３を直接に実装する。そ
して、ビデオヘツド２の両脇から切欠き４，５を
形成し、ビデオヘツド２の一帯を舌片の如くな
す。さらに、ビデオヘツド２からややヘツドデイ
スク１の中心寄りの位置に、一方の切欠き４から
他方の切欠き５にわたる溝６を形成し、この溝６
の中央位置に座面６ｂ（第３図参照）をテーパ状
としたネジ穴６ａを形成する。同様に、他方のビ
デオヘツド３の近傍に切欠き７，８、溝９および
ネジ穴９ａを形成する。

斯る構成において、ビデオヘツド２，３のペア
リング調整を行うには、楔をなす頭部を有するネ
ジ部材たとえば皿小ネジ１０，１１を用いる。こ
れら皿小ネジ１０，１１はちようどヘツドデイス
ク１の溝６，９の各ネジ穴６ａ，９ａにそれぞれ
ネジ込んで固定できるものとする。これら皿小ネ
ジ１０，１１は予めネジ穴６ａ，９ａにそれぞれ
螺合させておく。

たとえば、ビデオヘツド２が他方のビデオヘツ
ド３に対し第２図で上寄りにあるときには、ビデ
オヘツド３の変位置を測定しながら溝６のネジ穴
６ａに皿小ネジ１０をネジ込んでいく。この際、
ビデオヘツド２の近傍には切欠き４，５が形成さ
れ、ビデオヘツド２の一帯が全体として舌片をな
しているため、撓みやすくなつている。したがつ
て、皿小ネジ１０をネジ穴６ａにネジ込んでい
き、第３図に示すように皿小ネジ１０の頭部のテ
ーパ面１０ａがネジ穴６ａの周囲の座面６ｂを押
圧するにいたると、ビデオヘツド２の位置が第２
図に矢印で示す方向に変位していき、この結果、
ビデオヘツド２のペアリング調整を行えるのであ
る。しかも、このペアリング調整の際には皿小ネ
ジ１０の頭部のテーパ面１０ａとネジ穴６ａの周
囲の座面６ｂとが広面積で当接するため、局部的
にストレスがかかることがなく、この結果、ペア
リング調整が経時変化によつて狂つてくることが
少ない。

ビデオヘツド２が他方のビデオヘツド３に対し
第２図で下寄りにあるときには、他方の溝９のネ
ジ穴９ａに皿小ネジ１１をネジ込めば、上記と同
様にペアリング調整を行える。

なお、この構成によればビデオヘツド２，３を
直接にヘツドデイスク１に実装しているため、従
前用いていたヘツドベースの分だけ部品点数が減
り、作業性も向上する。さらに、ヘツドベースの
平面度等のばらつきがペアリング調整の精度に与
える影響を解消できるという利点もある。

上述せる如く本考案によれば、ビデオヘツドを
ヘツドデイスク本体に直接に実装するとともに、
ビデオヘツドの近傍位置でヘツドデイスク本体に
溝を形成している。そして、この溝に楔をなす頭
部を有するネジ部材たとえば皿小ネジをネジ込ん
で行く際に皿小ネジの頭部テーパ面を楔として溝
にネジ込ませ、これによつて、ビデオヘツドのペ
アリング調整を行えるようにしている。したがつ
て、皿小ネジの頭部テーパ面が所定凹部に、たと
えば皿小ネジを螺合するネジ穴の周囲のテーパの
付された座面に、広面積で当接することになり、
ストレスが分散され、この結果、ペアリング調整
が経時変化を受けることが少ない。さらに、従前
のヘツドベースを用いないため、部品点数や作業
性の上で有利であり、しかもペアリング調整の精
度を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案ヘツドデイスクの一実施例を示
す平面図、第２図は第１図の−線に沿つて断
面した断面図、第３図は上記一実施例の説明に供
する拡大断面図である。 １，１ａはヘツドデイスク、２，３はビデオヘ
ツド、６，９は溝、１０，１１は皿小ネジであ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ヘツドデイスク本体に直接に取り付けられたビ
   デオヘツドと、該ビデオヘツドを囲む如く上記ヘ
   ツドデイスク本体に設けられた一対の切欠き溝
   と、該切欠き溝間に亘つて上記ヘツドデイスク本
   体に設けられた凹溝とを有し、該凹溝に楔をなす
   頭部を備えるネジ部材をネジ込ませて上記ヘツド
   デイスク本体を撓ませ上記ビデオヘツドの高さ位
   置を調整できるようにしたことを特徴とする
   VTRドラムのヘツドデイスク。