JPS6329620Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は車輌用灯具を車体に取付ける機能を備
えたハウジングに関するものである。

〔従来の技術〕

従来の車輌用灯具取付ハウジングは、第１図に
示すように、車体に設けた開口部に当接する板バ
ネ体ａを備えている。この板バネ体ａはリベツト
ｂによつてハウジングｃに加締めつけられる。

上記板バネ体ａの単品斜視図を第７図にす。図
示のｆ部はハウジングに対する取付部であつて、
リベツト孔ｇを１個備えている。ｅは前述の開口
部に係合する部分で、該開口部の縁に向けて凹な
るくの字状に成形されている。

第２図は、前記板バネ体ａの係合部ｅを車体９
の開口部に係合せしめた状態を示す断面図であ
る。

〔考案が解決しようとする課題〕

このような従来技術では、板バネ体ａをハウジ
ングｃに１本のリベツトｂにて加締め固着する場
合には、該板バネ体ａが曲がつて取付けられる虞
れがあり、また取付け後に於ても板バネ体ａに図
示矢印Ｐ方向の力が加わると該板バネ体ａが回動
して曲がつた状態となる。このようにして、板バ
ネ体ａが曲がつた状態のまま車体９の取付用開口
部に押圧して装着されると、第２図に示すように
該板バネ体ａが捻れた状態で押圧されるため、か
なりの押圧力を要するので装着しにくくなる、ま
た、取付用開口部の周縁に当接する係合部ｅが不
安定であるため、振動等によつて取付用開口部か
ら浮き出し、最悪の場合にはハウジングｃが脱落
するおそれがあつた。このような点を改善するた
め、リベツトｂを２本使用することも考えられる
が、そのようにすると部品点数および組付工数が
増加してコスト高になるという欠点がある。

本考案はかかる欠点を除去するために為された
ものであつて、板バネ体を１本のリベツトでハウ
ジングに取りつけただけで、該板バネ体がハウジ
ングに対して正確に位置決めされ、上記リベツト
の加締め作業が容易であつて、しかも加締めた後
にも板バネ体の取付位置が変らないように改良し
た車輌用灯具取付ハウジングを提供することを目
的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために創作した本考案の
灯具取付ハウジングについて、第７図（従来例）
を参照しつつ、その概要を次に述べる。

図示のｈは、板バネ体ａの取付部ｆ側の端縁で
ある。本考案の板バネ体は、この取付部側の端縁
に半円状の切欠を設ける。

本考案の一実施例を相当する第６図において、
図面参照番号１３は上記の半円状切欠である。本
考案を実施する際、この半円状切欠は幾何学的に
厳密な半円であることを要せず、半円に類似した
形状であれば足りる。

本考案の実施例に相当する第４図において、板
バネ体１はハウジング２に対して正しい位置に取
り付けられている。１３は前記の半円状切欠であ
る。

この状態において、上記半円状切欠に係合する
突起２１を、ハウジング２に設ける。即ち、半円
状切欠１３に係合する形状の突起を、半円状切欠
１３に係合するように位置せしめて、ハウジング
２を設ける。

上記半円状切欠は、幾何学的に厳密な半円であ
ることを要せず、半円に類似した形状であれば足
りる。

〔作用〕

上記の手段によれば、板バネ体を１本のリベツ
トでハウジングに加締め付ける際、前記の半円状
切欠が突起に係合して、自動的に位置決めされ、
別体の熟練を要せずに板バネ体は正しい姿勢で取
り付けられる。

更に、上記の半円状切欠と突起とが係合して回
り止めの役を果たすので、加締めた後も取付姿勢
がずれる虞れが無い。

〔実施例〕

以下本考案の一実施例を第３図乃至第６図によ
り具体的に説明する。

第３図は本考案を適用した車輌用灯具の平面図
で、４は前面レンズ、５はバルブである。

第４図は第３図の裏面図である。第５図は第４
図の−断面図で、車体側の取付用開口部に装
着した状態を示す。図中に於て、前面レンズ４の
内面に一体に突設した取付脚部４１にハウジング
２をネジ７にて２カ所で取付けると共に、バルブ
５を装着したソケツト６をハウジング２に取り付
けている。さらに、ハウジング２の周縁にはパツ
キング８をはめ込んで車体９に装着した際の緩衝
および灯体内への防水を図つている。ハウジング
２の裏面には、リベツト挿入孔２２が設けられ、
リベツト３によつてハウジング２と板バネ体１と
が加締め付けられている。

上記バネ体１の単品斜視図を第６図に示す。そ
の一端は取付部１１であつて、リベツト孔１２が
穿たれている。更に、この取付部側の端縁には半
円状切欠１３が設けられている。１５はくの字状
に形成した係合部、１４はＵ字状折曲部である。
この折曲部１４は、係合部１５を開口部の内縁に
向けて当接せしめる為の弾力を得るように設けた
構成部分である。

第４図は本実施例における背面図である。本例
の板バネ体１には前述の半円状切欠１３が形成さ
れている。

第４図に示す如く、板バネ体１をハウジング２
に対して正しく位置せしめたとき、前記半円状切
欠１３に係合する如く位置せしめて、ハウジング
２に突起２１を設ける。

以上のように構成した本例の板バネ体１、及び
ハウジング２を用いて、第４図及び第５図に示す
如く、リベツト３によつて双方の部材を加締め付
けると、突起２１と半円状切欠１３とが係合し
て、迅速かつ容易に板バネ体１が正しく位置決め
される。

なお、第４図に示す如く、本例においては２個
の板バネ体１を設けてあるが、本考案を実施する
際、この板バネ体の設置個所は任意に設定し得
る。

〔考案の効果〕

上記のように、本考案においては、半円形の切
欠１３をハウジング２の突起２１に係合せしめた
状態で板バネ体１をリベツト加締めするため、リ
ベツト３の加締めは１本であつても、板バネ体１
は所定の位置からずれることなく確実にハウジン
グ２に固着されると共に、固着後も板バネ体１が
回動することがない。従つて、車体９の取付用開
口部に装着する際に於て、所期の押圧力にて装着
できると共に、装着状態に於ても板バネ体１が捻
れることなく、係合部１５が確実な弾発力により
取付用開口の周縁部に圧着され、振動等によつて
脱落することがない。さらに、板バネ体の位置決
めは突起と半円状切欠とによつて為されるため、
組付の際に位置決めしやすく、かつ、その位置決
めの精度を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の車輌用灯具取付ハウジングの一
例を示す灯具裏面図、第２図は第１図の−線
断面図で車体の取付用開口部に装着した状態を示
すものである。第３図乃至第６図は本考案に係る
車輌用灯具取付ハウジングの一実施例であり、第
３図は灯具平面図、第４図は第３図の裏面図であ
る。第５図は第４図の−線断面図で、車体の
取付用開口部に装着した状態を示すものである。
第６図は板バネ体の全体斜視図である。第７図は
従来例の板バネ体の斜視図である。 １……板バネ体、１２……リベツト孔、１３…
…半円状切欠、１５……係止部、２……ハウジン
グ、２２……リベツト孔、２１……突起。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (a) 車体に設けられた開口部に嵌合されるハウジ
   ングに板バネを取り付け、 (b) 上記の板バネの一端は、これをハウジングに
   対する取付部として、１個のリベツト孔を設
   け、 (c) 該板バネの他端は、これを前記開口部の縁に
   係合せしめるようにくの字状に成形し、 (d) 該板バネに設けた１個のリベツト孔に挿通し
   た１本のリベツトによつて、この板バネを前記
   ハウジングに加締め付けた構造の車輌用灯具取
   付用ハウジングにおいて、 (e) 前記板バネの取付部側の端縁に半円状の切欠
   を設け、かつ、 (f) 該板バネを前記ハウジングに装着した状態に
   おいて、前記半円状の切欠に係合するように位
   置せしめて、該半円状切欠に係合する突起を、
   上記ハウジングに設けたことを特徴とする、車
   輌用灯具取付ハウジング。