JPS6329507Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の目的 （産業上の利用分野） この考案は果物ナイフ等の鞘に係り、詳しくは
刀身の抜け止め構造に関するものである。

（従来の技術） 従来、ナイフの刀身を鞘に収容した状態におい
て、刀身が鞘から容易に抜け落ちないように係止
部材を設けた鞘（例えば実公昭36−28793号公報
参照）があつた。

（考案を解決しようとする問題点） ところが、この係止構造では、部品点数が多く
なつて鞘の構造が非常に複雑なものとなり、製作
上手間を要するとともにコストの面で問題があつ
た。

この考案の目的は上記問題点を解決するため
に、前記従来の構成とは全く異なつた簡単な構成
を採用して、製作が非常に簡単でかつコストを低
く押えることができ、しかも鞘にナイフの刀身を
収めたとき確実に同刀身を鞘内に保持することが
できるナイフの鞘を提供するにある。

考案の構成 （問題点を解決するための手段） この考案は上記目的を達成するために、鞘本体
の側壁にはその収容孔に貫通する貫通孔を設け、
同貫通孔を覆うように鞘本体の外周には環状の嵌
着部材を嵌着し、その嵌着部材の内側面に形成し
た刀身押圧片を前記貫通孔を通して鞘本体の収容
孔に突出させたナイフの鞘をその要旨としたもの
である。

（作用） このように構成された鞘に収容されたナイフの
刀身の側面は嵌着部材の刀身押圧片により押圧さ
れ、刀身が鞘から抜けるのを防止する。一方、ナ
イフを引けば、刀身押圧片の弾性力に抗して刀身
を鞘から簡単に抜くことができる。

（実施例） 以下、この考案を具体化した一実施例を図面に
従つて説明する。

鞘本体１の収容孔２にはナイフの刀身３が収め
られるようになつている。鞘本体１の基端部の外
周全体には一定幅の嵌合凹部４が周方向へ環状に
形成され、その嵌合凹部４内において鞘本体１の
両側壁には貫通孔５が相対向して設けられてい
る。

前記鞘本体１の嵌合凹部４には環状のゴム製嵌
着部材６が嵌着され、その両内側面には刀身押圧
片７が相対向して一体的に突設されている。この
両刀身押圧片７は前記貫通孔５を通して収容孔２
に突出している。両刀身押圧片７の間隔はナイフ
の刀身３の肉厚よりやや狭くなつている。

さて、上記のように構成された鞘に刀身３を挿
入すると、刀身３の両側面は第２図に示すように
両刀身押圧片７により押圧される。従つて、刀身
３は簡単に抜けることなく収納状態を保持する。

一方、ナイフの柄８を引けば、前記両刀身押圧
片７の弾性力に抗して刀身３を鞘から簡単に抜く
ことができる。

この鞘においては、鞘本体１の嵌合凹部４に環
状の嵌着部材６を嵌着させるだけの簡単な組立て
方法で製作できるとともに、収容孔２に刀身押圧
片７を突出させただけの簡単な構造で収容孔２に
刀身３をガタ付くことなく確実に収納保持するこ
とができる。また、嵌着部材６をゴムで形成した
ので、刀身３の着脱時に滑ることなく確実に鞘を
握ることができる。

そのほか、例えば一対の鞘部材を重合させてで
きた鞘の場合には、鞘に嵌着された嵌着部材６の
弾性力により両鞘部材のガタ付き及び離間を防止
することができる。

なお、この考案は前記実施例に限定されるもの
ではなく、例えば前記実施例では刀身押圧片７を
２個設けたが、これを１個だけ設け、この刀身押
圧片７と収容孔２の内面との間で刀身３を押圧す
る構造としてもよい。また、上記実施例では刀身
押圧片７及び嵌着部材６に弾性を持たせた構造と
したが、刀身押圧片７のみに弾性を持たせたり、
嵌着部材６のみに弾性を持たせた構造としてもよ
い。

考案の効果 以上詳述したように、この考案によれば、刀身
の抜け止め構造を非常に簡単にすることができる
とともに、鞘の製作が非常に簡単でかつコストも
低く押えることができ、確実に刀身を鞘内に保持
することができる優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を具体化した鞘にナイフを収
容した状態を示す側面図、第２図は同じく要部断
面図、第３図は同じくナイフと鞘を示す斜視図で
ある。 図中、１は鞘本体、２は収容孔、３は刀身、４
は嵌合凹部、５は貫通孔、６は嵌着部材、７は刀
身押圧片、８は柄である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鞘本体１の側壁にはその収容孔２に貫通する貫
   通孔５を設け、同貫通孔５を覆うように鞘本体１
   の外周には環状の嵌着部材６を嵌着し、その嵌着
   部材６の内側面に形成した刀身押圧片７を前記貫
   通孔５を通して鞘本体１の収容孔２に突出させた
   ことを特徴とするナイフの鞘。