JPS63293172A - 耐蝕性，耐摩耗性および潤滑特性等に優れた鋼製チエンの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本発明は、鋼製のリンクチエン（以下単にチェンという
）の表面にある種の表面処理を施して耐蝕性、耐摩耗性
、および潤滑特性等を付与する耐蝕性、耐摩耗性および
潤滑特性等に優れたｍ製チェンの製造方法に関するもの
である。

（ロ）従来の技術とその問題点 鋼製のチェンは丈夫、かつ、安価であることがら２種々
の用途に用いられている。そして、この場合、錆びては
ならない個所に使用される場合にはなんらかの耐蝕処理
が施されなければならないが、チェン特有の形状、構造
等に起因して性能。

コストの双方を充足する適当な耐蝕処理がなかなか見当
たらなかった。

例えば１表面に無電解ニッケルメッキを施して加熱し、
その表面をニッケルと鉄の合金層にする処理があるが、
この処理をすれば、耐蝕性および耐摩耗性（表面硬化）
の点ではある程度達成できるが、潤滑特性という点では
十分ではない。したがって、潤滑性については別途：ａ
滑油を塗布したりしなければならなかったが、それがで
きない個所（例えば２食品関係の機器に使用する場合）
に使用する場合、この方法も採用できなかった。さらに
、ニッケルを使用することから、コストも高くついてい
た。

（ハ）問題点を解決するための手段 そこで１本発明者らは、ｌｌ製チェンの表面に以下の（
ａ）〜（ｂ）処理、あるいは（ａ）〜（Ｃ）処理を施す
ことで、耐蝕性や耐摩耗性はもちろんのこと、十分な潤
滑特性も付与することを見出し、ここに提案するに至っ
たのである。

すなわち、　（ａ）鉄または鉄合金を核とし、この核の
周囲に鉄亜鉛合金層を介して亜鉛または亜鉛合金を被着
したブラスト材を投射してＭＥ状状多孔亜鉛合金被膜を
形成せしめる処理 （ｂ）クロメート処理を施して亜鉛合金およびクロム酸
化合物の複合被膜を形成せしめる処理（ａ）鉄または鉄
合金を核とし、この核の周囲に鉄亜鉛合金層を介して亜
鉛または亜鉛合金を被着したブラスト材を投射して積層
状多孔性亜鉛合金被膜を形成せしめる処理 （ｂ）クロメート処理を施して亜鉛合金およびクロム酸
化合物の複合被膜を形成せしめる処理（Ｃ）有機樹脂結
合剤を分散相とするポリテトラフルオロエチレンの分散
液の乾燥被膜を形成せしめる処理 本発明に共通する最初の処理は、鉄または鉄合金を核と
し、この核の周囲に鉄亜鉛合金層を介して亜鉛または亜
鉛合金を被着してなる独立した複層粒子の集合体からな
るブラスト材料を投射して複雑なチェンの屈曲部内部ま
でも亜鉛合金被膜を形成せしめる処理（以下Ｚ処理とい
う）である。

このＺ処理に使用されるブラスト材料は、集合体におけ
る鉄と亜鉛の重量割合が鉄１０〜９５％、亜鉛５〜９０
％の範囲のもので、熔融亜鉛中に鉄粉を投入する方法あ
るいは亜鉛粉と鉄粉の混合体を加熱処理する方法によっ
て製造される。そして、その大きさも、１６メツシユの
篩を通す程度のものであり、これをブラスト機械を用い
て被投射物、すなわち、鋼製チェンの表面に投射するの
である。

なお、このブラスト材料に関しての詳細は、特公昭５９
−９３１２号に詳しく記載されている。

本発明に共通する次の処理は２以上のＺ処理をした上に
クロメート処理を施して亜鉛合金およびクロム酸化合物
の複合被膜を形成せしめる処理（以下Ｃ処理という）で
ある。

このＣ処理には、約２１Ｍ％程度のクロム酸をトリクロ
ロフルオロエタン等のハロゲン系溶剤とアルコール類に
有機酸の混合物で溶解させた処理液を用い、この処理液
を前記したＺ処理を施したチェンの表面に浸漬によって
塗着させる非水系の処理と溶剤に水を用いる水系の処理
がある。

以上の処理を施せば、必要十分であるが、場合によって
はさらに以下の処理を施すこともある。

すなわち１以上のＺ処理、Ｃ処理を施した上に有機樹脂
結合剤を分散相とするポリテトラフルオロエチレンの分
散液を塗着させて加熱硬化させ、この分散液の乾燥被膜
を形成せしめる処理（以下Ｆ処理という）である。

このＦ処理は、０．１〜５ミクロンぐらいの粒径を有す
る粉末状のポリテトラフルオロエチレンを調整し、これ
をポリアミドイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂等の有機樹脂中に
２０〜７５重量％の含量で分散させた分散溶液を作り、
この分散溶液を吹付け、浸漬、刷毛塗り等によって塗着
させる。

゛　また、加熱乾燥は、電気炉、熱風炉、赤外線加熱炉
等の中で１２０〜１８０℃、　１５〜６０分ぐらいの条
件で行えばよい。なお、ここで、この有機樹脂結合剤の
種類を変えることで、加熱硬化のための温度と時間を調
整することができ、また、ポリテトラフルオロエチレン
の全固形分に対する配合比を変えることで、乾燥被膜の
摩擦係数等を任意に調整できる。なお、Ｆ処理によって
形成される被膜厚さは、　５〜１５ミクロン程度である
。

（ニ）作用 本発明は、鋼製のチェンの表面にまずＺ処理が施される
が、この処理の特質上、複雑な形状をしているチェンの
屈曲部内部までもプラスト材は一様に入り込み、その表
面に均一な亜鉛合金被膜を形成する他、このようにして
形成された被膜は非常にポーラスに構成される。

次に、Ｃ処理が施されるが、この処理に基づくクロムが
そのポーラスな部分に入り込み、亜鉛合金被膜に対して
架橋化し、非常に強力な付着力を付与されると同時に、
生成されたクロム化合物複合被膜表面も凹凸に富んで大
きな表面積を有しているのである。

さらに、Ｆ処理を施せば、その生成被膜は、下層のＣ処
理被膜等に対して非常に強い密着性を発揮して固着する
のである。

このように、これら各処理を施して被膜を生成すれば、
被膜物質の材質的特徴と相まって、各被膜が非常にポー
ラスであるということ、そして。

その密着性が僚固であるという物理的要因が加わって耐
蝕性、耐摩耗性および潤滑特性が付与されるのであると
推察される。

（ホ）発明の効果 本発明によると、前記したように、被処理物体である金
属の表面に対して下、中層被膜を構成する亜鉛合金被膜
、クロム被膜が非常に強い被覆性、密着性をもって固着
するので、これらの処理を施された素材の表面強度およ
び耐蝕性は増進するのである。

さらに、外層被膜中にポリテトラフルオロエチレンの微
粒子を含む連続相が非常に強い密着性を伴って、しかも
、安定して存在することにより。

この耐蝕性を一層増大させるとともに、潤滑特性ならび
に耐摩耗性を著しく向上させるのである。

（へ）実施例 熱処理を行った鋼製チェンにそれぞれ下記の条件でＺ処
理、Ｃ処理を施したサンプルをＡＩ、Ａ２とし、さらに
、このＡＩ、Ａ２にＦ処理を施したサンプルをＢ１．Ｂ
２とする。

〔Ｚ処理〕 ・投射方法□高速回転（遠心力）方式 ・投射スピード□５４０１　／ｓｅｃ ・投射量□６０ｋｇ／ｗｉｎ ・投射時間□３０ｍ１ｎ 〔Ｃ処理〕・・非水系：Ａ１ ・処理方法□バレル方式 ・処理時間□浸漬３公、クロム安定化６分、処理物表面
の安定化６ 分合計１５分 ・クロム付着量□１Ｏ００μｇ／ａｉ 〔Ｃ処理〕・・水系ｉＡ２ ・処理方法□浸漬、振切、乾燥゛ ・処理時間□浸漬３沙、振切１分、乾燥（自然乾燥）ｒ
ｔ２０℃ ・クロム付着量□９．３μｓ／ｃａｌ 〔Ｆ処理〕・・Ｂｌ、Ｂ２ ・処理方法□浸漬、振切、加熱 ・処理時間□浸漬１０秒、振切２０秒、加熱１８０℃×
１５分 以上の各サンプルと従来からある種々の表面処理をした
比較試料の５％塩水噴霧試験（ＪＩＳ−Ｚ−２３７１）
を行った結果を表１に示す。

表１ 以上より１本発明品によれば、５００時間経過しても錆
の発生は見られず、非常に耐蝕性に優れていることが判
る。

次に、ニッケルメッキをした従来品と本発明品のうちの
Ｂｌ、Ｂ２のサンプルをＪＩＳ−Ｂ−１１８６に準する
摩擦試験を行い、その摩擦係数を比較したのが表２であ
る。

表２ 以上より、摩擦係数においても従来品を大幅に下廻るこ
とが確認された。特に、無潤滑の時にその傾向が著しい
点が注目される。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、鋼製チェンの表面に次の（ａ）〜（ｂ）の処理を順
   次施したことを特徴とする耐蝕性、耐摩耗性および潤滑
   特性等に優れた鋼製チェンの製造方法。 （ａ）鉄または鉄合金を核とし、この核の周囲に鉄亜鉛
   合金層を介して亜鉛または亜鉛合金を被着したブラスト
   材を投射して積層状多孔性亜鉛合金被膜を形成せしめる
   処理 （ｂ）クロメート処理を施して亜鉛合金およびクロム酸
   化合物の複合被膜を形成せしめる処理２、鋼製チェンの
   表面に次の（ａ）〜（ｃ）の処理を順次施したことを特
   徴とする耐蝕性、耐摩耗性および潤滑特性等に優れた鋼
   製チェンの製造方法。 （ａ）鉄または鉄合金を核とし、この核の周囲に鉄亜鉛
   合金層を介して亜鉛または亜鉛合金を被着したブラスト
   材を投射して積層状多孔性亜鉛合金被膜を形成せしめる
   処理 （ｂ）クロメート処理を施して亜鉛合金およびクロム酸
   化合物の複合被膜を形成せしめる処理（ｃ）有機樹脂結
   合剤を分散相とするポリテトラフルオロエチレンの分散
   液の乾燥被膜を形成せしめる処理