JPS6328933Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車両用シートに関し、特に発泡ウレタ
ン等のパツト材表面にラミネート層でラミネート
された発熱線を設けシート表面を温かくするよう
にした車両用シートに関するものである。

従来この種の車両用シートは第１図に示すよう
に、支持弾性材１によつてフレーム２に支持され
る発泡ウレタン３の表面にラミネート層４でラミ
ネートされた発熱線５が装着され、発熱線５は発
泡ウレタン３の端部に配設されるサーモスタツト
６に接続され、当該発熱線５の温度を感知してそ
の入力が制御される。そして、前記発熱線５は発
泡ウレタン３の表面を被覆する表層材７によつて
覆われる構成である。

しかし、前述した従来の車両用シートでは、着
座者が座つた際に、サーモスタツト６が当たり、
異物感を与えるのを防止するために、着座面より
離れた、当該シートの端部にサーモスタツト６が
設られている。したがつて、着座者の臀部の温度
を正確に感知できず、発熱線５の温度管理が的確
に行なわれないという問題があつた。

本考案は以上に述べた事情に鑑みなされたもの
で、その目的は、サーモスタツトがラミネート層
より分離され、当該サーモスタツトが、発泡ウレ
タン表面に設けられた凹部またはこの凹部に充て
んされた軟質材上に、当該発泡ウレタンとの間に
弾性手段を介して配設されるとともに、前記サー
モスタツトが発熱線に導電手段によつて電気的に
連結されることにより、サーモスタツトを当該シ
ートの表面中央部の着座面に設けた場合において
も、着座者の臀部の押圧力によつて、サーモスタ
ツトが凹部または軟質材に入り込み、着座者に異
物感を与えることがなく、また、サーモスタツト
は弾性手段によつて常に着座者の臀部近傍に接触
されているため、発熱線を的確に温度管理するこ
とができる車両用シートを提供することにある。

以下添付図面に基づいてこの考案を詳細に説明
する。

第２図及び第３図は本考案によるシートの斜視
図及び要部断面図で、図面中１０は車両の内部に
固着されるフレームで、フレーム１０には支持弾
性材１１を介して発泡ウレタン１２が支持され
る。発泡ウレタン１２には着座面からその裏面に
貫通する凹部であるところの貫通孔１３が穿設さ
れる。また、発泡ウレタン１２の表面には、発熱
線１４をラミネート層１５でラミネートされたヒ
ータユニツトが装着される。また、前記貫通孔１
３の表面上には、弾性手段であるコイルスプリン
グ１６，１７によつてそれぞれ両端部がヒータユ
ニツトに架設されるサーモスタツト１８が配設さ
れる。サーモスタツト１８は、コイル状に収縮可
能にされた導電手段であるコイル電線１９，２０
によつて前記発熱線１４に直列に接続され、そし
て、当該サーモスタツト１８によつて着座者の臀
部の温度を感知し、発熱線１４の入力が制御され
る。発熱線１４の両端部はコネクタ１４Ａに接続
され、車両電源に接続可能とされる。また、前記
サーモスタツト１８及び貫通孔１３は、発泡ウレ
タン１２の表面を被覆し得る表層材２１によつて
覆われる。

なお、前記凹部である貫通孔１３は第４図に示
すように溝１３Ａとすることも可能で、また、弾
勢手段であるコイルスプリング１６，１７の代わ
りに、導電手段であるコイル電線１９，２０にリ
ン青銅等の弾性に富む導電材を使用することによ
り、この場合には、コイルスプリングを使用せず
にコイル電線のみでサーモスタツトを凹部に架設
することが可能である。また、第５図に示すよう
に貫通孔１３に軟質材１３ｆを充てんし、この軟
質材１３ｆ上にサーモスタツト１８を配設しても
よい。

以上述べたように、本考案の車両用シートによ
れば、サーモスタツトをラミネート層より分離
し、該サーモスタツトをシート着座面の臀部近傍
においてラミネート層とほぼ同一平面上にくるよ
うに弾性材を介してこのラミネート層あるいは発
熱線に架設するとともに、当該サーモスタツトを
パツト材表面に設けられた凹部または当該凹部に
充てんされた軟質材上に配置したので、当該シー
トに着座者が座つた際には、サーモスタツト１８
がコイルスプリング１６，１７に坑して貫通孔１
３、溝１３Ａである凹部内または軟質材１３ｆ上
に沈み込み、着座者はサーモスタツト８を異物感
として感じることがなく、したがつてサーモスタ
ツト８を当該シート表面の着座面に配設すること
が可能で、また、コイルスプリング１６，１７ま
たはコイル電線１９，２０を構成する弾性材によ
つて常に着座者の臀部近傍に表層材を介して接触
されているため、同臀部のより正確な温度を感知
して、発熱線１４の温度管理をより的確なものと
することができる効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の車両用シートを示す要部断面
図、第２図及び第３図は本考案による車両用シー
トを示す斜視図及び要部断面図、第４図、第５図
は本考案による車両用シートの他の実施例を示す
要部断面図である。 １２……発泡ウレタン、１３……凹部（貫通
孔）、１３′……凹部（溝）、１４……発熱線、１
５……ラミネート層、１６，１７……弾勢手段
（コイルスプリング）、１８……サーモスタツト、
１９，２０……導電手段（コイル電線）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 平面状ラミネート層でラミネートされる発熱線
   及びこの発熱線の温度を感知して発熱線の入力を
   制御するサーモスタツトとを有するヒータユニツ
   トが内蔵される車両用シートであつて、前記サー
   モスタツトをラミネート層より分離し、該サーモ
   スタツトをシート着座面の臀部近傍においてラミ
   ネート層とほぼ同一平面上にくるように弾性材を
   介してこのラミネート層あるいは発熱線に架設す
   るとともに、当該サーモスタツトをパツト材表面
   に設けられた凹部または当該凹部に充てんされた
   軟質材上に配置して成ることを特徴とする車両用
   シート。