JPS63288759A - プリンタ用記録ヘツド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はプリンタ装置に係り、特に感熱記録方式の高速
・省電力に好適な構造を備えたプリンタ用記録ヘッドに
関する。

〔従来の技術〕

従来、家庭用ビデオプリンタ、ファクシミリプリンタ等
の記録方式として感熱記録法が用いられている。この原
理には、昇華性インク層を持つインクシートにサーマル
ヘッドから熱エネルギーを印加し、インクを記録紙に転
写する方法（熱転写法）と、加熱により発色反応をおこ
す感熱材を記録紙の表面に塗布しておき、サーマルヘッ
ドから熱エネルギーを印加し記録する方法（感熱紙法）
とがある。サーマルヘッドは、多数個の微小薄膜抵抗体
を集積化して必要な解像度を確保し、かつ家庭用として
低価格なプリンタ装置を実現させてきた。なお、この種
の装置に関連するものとして、日経エレクトロニクス、
１９８２年１２月６日号、ｐｐ１２６−１４７を挙げる
ことができる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上記従来技術による感熱記録法では、記録速度と消費電
力に関して以下のような問題があった。

例えばカラービデオプリンタの場合、Ａ４判紙面の記録
に１〜２分要し、消費電力は数百ワットを必要としてい
た。

記録速度、消費電力、解像度の３つの性能パラメータは
熱設計上相反関係にあり、例えば高速化をはかろうとし
て加熱速度を上げると消費電力が増大し、また尾引き発
生のため解像度が悪化するように、他の性能パラメータ
を犠牲にせざるを得なかった。

一方、サーマルヘッドに関して、抵抗体・基板等の材料
と形状の最適化によりインク紙の熱特性に合致した熱設
計が行なわれており、その改善も限界にきている。

本発明は、上記従来技術の欠点をなくし、記録速度、消
費電力、解像度の各性能を、互いの性能を損うことな（
大幅に改善できるプリンタ用記録ヘッドを提供すること
を目的とする。

ｃ問題点を解決するための手段〕 上記目的は、サーマルヘッドの抵抗体に近接して形状記
憶合金薄板を配設することにより達成される。

形状記憶合金は常温では弾性係数が小さく外力により容
易に塑性領域にまで変形できる。転移温度以上では前も
って記憶している形状を瞬時に復元し、その後常温に戻
しても復元形状を保持する。

本発明では、サーマルヘッドの表面に沿って薄板状の形
状記憶合金を配設した。この薄板には各抵抗体の位置に
対応させて凸形状の突起を前もって記憶させである。転
移温度は合金組成を選択し、インク紙の発色動作温度と
した。サーマルヘッドとインク紙の間には、通常は空隙
を設け、形状記憶合金薄板が凸形隆起した際に互に接触
する構成とした。

プリンタの通常の使用法は入力信号に対して即時記録す
るオンライン処理が望ましい。この場合のヘッド構造は
、上記形状記憶合金薄板に対し復帰用薄板バネを貼合せ
た複合構造とし、温度に対し可逆的変形を可能にした。

〔作用〕

形状記憶合金薄板は初期時は平坦状であり、サーマルヘ
ッドとインク紙は非接触である。すなわちサーマルヘッ
ドの温度が多少上昇しても転移温度以下であればインク
紙は加熱されず記録しない（オフ状態）、転移温度を越
えると形状記憶合金薄板は凸形に隆起変形し、サーマル
ヘッドはインク紙に接触しインク紙を加熱し記録する（
オン状態）。

形状記憶合金の形状復元現象は相転移に基づくもので狭
い温度範囲で急激に生じ、しかも変形範囲が塑性領域に
まで及ぶので実用上十分な変位が得られる。従来の常時
接触形記録法だとインク紙の発色温度特性の勾配のため
、オンオフ記録を明瞭に区別するためにサーマルヘッド
の温度制御幅を大きく　（約１００　”　Ｃ）設定して
いた。一方、形状記憶合金薄板の凸形反転に要する温度
制御幅は、その１１５〜１／１０である。この温度制御
幅の大幅縮小により記録速度、消費電力の改善がはから
れる。

形状記憶合金は、一般には相転移後に温度を常温に下げ
ても外力を受けない限り復元形状を保存している（不可
逆素子）。すなわち復帰用薄板バネのない記録ヘッドは
、抵抗体への通電なしで情報を保存し、任意の時間に高
速プリント（複製）ができる（オフライン処理）。プリ
ント後の情報を全面消去するには硬質ローラー等で加圧
することにより平坦化処理できる。

これに対し復帰用薄板バネを貼合わせた複合形構造は、
転移温度以下における形状記憶合金の弾性係数の減少に
より復帰用薄板バネの回復力が打勝って平坦化する。こ
の復帰現象も急峻に生じる。

これにより、転移温度近傍の狭い温度幅を制御すること
により、凸形状と平坦形状の可逆的変形が可能となり、
オンライン処理の可能なプリンタ用記録ヘッドを提供で
きる。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。

第１図は本発明によるプリンタ用記録ヘッドの一実施例
の構成図で、（ａ）はその平面図、（ｂ）は断面図であ
る。その構成は、基板１、抵抗体２、電極３、絶縁体４
から成るサーマルヘッド５と、この上面に配設した形状
記憶合金薄板６からなる。１０はインク紙で、形状記憶
合金薄板６との間には空隙１１を設けた。各部を詳細に
説明すると、基板１はアルミナ系セラミクス材、抵抗体
２はチタンの蒸着膜で厚み０．０５μｍ、電極３はアル
ミニウム蒸着膜、絶縁体４は二酸化ケイ素スパッタリン
グ膜で厚み１〜２μｍからなる。抵抗体２はピッチｐ＝
ｉｏｏμｍで一次元状に多数個配置した。

形状記憶合金薄板６は、ニッケル・チタン合金材で、そ
の相転移温度は約１００”Ｃの材料組成を選んだ。厚み
は１０μｍで、蒸着で別途形成、抵抗体２と同一ピッチ
で凸形状の変形を熱処理記憶させたものを前記サーマル
ヘッド５の上面に所定位置を接合しである。

第２図は第１図に示した記録ヘッドの動作説明図で、１
２は凸形部、１３は接触部、１４は空隙、１５は接合部
、また第１図と同一符号は同一部分に対応する。同図に
おいて、各電極３から各抵抗体２に通電すると形状記憶
合金薄板６は加熱され、その転移温度（約１００”Ｃ）
に達すると、図のように隆起して凸形部１２を形成して
インク紙６と接触する０図では全素子を通電加熱した場
合を示す。インク紙１０との接触部１３では抵抗体２か
らの熱が形状記憶合金薄板６を通してインク紙１０に伝
達され、発色記録される。この場合の通電量は１素子当
り約０．ＩＷ、応答時間は約１０ｍ５ｅｃであったが、
前もってサーマルヘッド５を約８０６０に予熱保温して
おいた場合には通電量は０．０２Ｗ、応答時間は２ｍ５
ｅｃに低減した。形状記憶合金薄板６の変形量αは最大
３０μｍ得られ、インク紙１０との接触圧を得るのには
十分であった。また形状記憶合金薄板６は１０μｍと薄
いので、熱容量や機械的応答速度は支障にならなかった
。本実施例では変形動作を容易に行なわせるために、形
状記憶合金薄板６とサーマルヘッド５の接触面（接合部
１５）は、変形部分では空隙１４をもたせ、非変形部分
でのみ接合させた。このように構成した記録ヘッドによ
れば、通電と同時に記録できるのはもちろんであるが、
通電を切っても形状記憶合金薄板６の形状はそのまま保
存される。従って再度通電することなく、任意の時間に
プリントすることも可能である。

第３図は記録ヘッドに残された情報の消去法、すなわち
凸形状の平坦化方法の一例の説明図であって、第１図、
第２図と同一符号は同一部分に対応し、１６は硬質ロー
ラーである。同図において、超硬材からなる硬質ローラ
ー１６により形状記憶合金薄板６の凸形部１２を押圧す
ることにより、容易にこれを平坦化し、第１図（ｂ）に
示した初期状態に戻すことができる。

第４図は本発明によるプリンタ用記録ヘッドの他の実施
例の構成図で、（ａ）はその平面図、（ｂｌは断面図で
あって、７は復帰用薄板バネ、第１図、第２図と同一符
号は同一部分に対応する。その構成は前記第１図に示し
た実施例中の形状記憶合金薄板６の上面に復帰用薄板バ
ネ７を設けた点に特徴がある。復帰用薄板バネ７は炭素
鋼の蒸着膜からなり、厚さ５〜１０μｍである。平板状
に焼入処理後、形状記憶合金薄板６と接合したものであ
る。

他の部分は前記第１図の実施例と同様で、インク紙１０
に対して空隙１１を設けである。

第５図は第４図に示した記録ヘッドの動作説明図であっ
て、第２図、第４図と同一符号は同一部分に対応する。

同図において、各抵抗体２に通電すると形状記憶合金薄
板６が加熱され、転移温度以上に達すると図示凸形部１
２のように凸形状に変形する。この際、形状記憶合金薄
板６の上面に接合した復帰用薄板バネ７も同様に変形す
る。変形点（接触部１３）においてインク祇１０に接触
し、発色記録する。次に抵抗体２への通電を切ると形状
記憶合金薄板６の温度が下がり、復帰用薄板バネ７の回
復力により凸形部１２が平坦状に戻る。その結果第４図
（ｂ）の状態に戻り、記録は停止する。この可逆的な変
形動作を行うための条件は、復帰用薄板バネ７の厚さを
５〜１０μｍとするのが適当であり、これ以外の範囲だ
と図示構成例においては誤動作の生じることがあった。

また繰返し動作のために必要な温度制御幅は、復帰用薄
板バネ７の厚さに依存し、本実施例ではｌＯ〜２０’Ｃ
であった。このために必要な通電量は、電力が０．０１
〜０．０２　Ｗ、時間は１〜２ｍ５ｅｃであり、これら
は従来技術に比較して１７５〜ｌ／１０に低減されたも
のとなり、大幅な消電力と高速化を図ることができた。

第６図は本発明のプリンタ用記録ヘッドに用いる形状記
憶合金薄板６の斜視図で、転移温度以上での凸形部１２
を形成するための各種実施例を示し、（ａ）は球面状の
隆起、（ｂｌは円筒状の隆起、（Ｃ）は各素子を連結し
た円筒状の隆起により、それぞれ凸形状１２を形成する
ものである。これらのいずれも、レプリカ用基板等を用
いて高精度に作製することができる。

第７図は凸形部のさらに他の構成例を示す斜視図であっ
て、形状記憶合金薄板６自身に電極３を設け、これに通
電加熱する構成である。同図における電気抵抗値の調整
は形状記４１合金薄板６にスリット等（図示せず）を設
けることで可能であり、また隣接間の電流漏洩も防止で
きる。この自己加熱法によれば、従来の抵抗体をなくし
構造が簡単になるだけでなく、加熱効率と応答速度がさ
らに改善できる。

第８図（ａｌ、　（ｂ）は、本発明によるプリンタ用記
録ヘッドのさらに他の実施例を示す平面図であって、ｌ
は基板、６は形状記憶合金薄板、１２は凸形部、２１．
２２は抵抗体、３１．３２は電極である。

この実施例の場合はサーマルヘッドを二次元配列して二
次元記録を行なうようにしたものである。

基板ｌ上に帯状の抵抗体２１と２２をほぼ直交させるよ
うに配列し、各交叉点には形状記憶合金薄板６の凸形部
１２が位置するように構成している。

同図（ａ）は直線状の抵抗体２１．２２を用いたもので
あり、同図（ｂｌは一方の抵抗体２１をジグザグ状に形
成、配置したものである。同図１ａｌ、　（ｂ）におい
て、各電極３１．３２を選択して通電し、電流の交叉位
置にて記録するもので、各抵抗への所要電流値は単一素
子の場合の１／２となる。また同図（ｂ）の構成は、記
録位置を補間した配列なので、同図（ａｌと同一密度な
がら視覚的に高品質のプリントを提供できる利点がある
。

第９図は本発明のプリンタ用記録ヘッドの製造方法の一
例番説明する工程図であって、第４図に示した可逆的構
造の記録ヘッドの製造方法を示したものである。

工程（ａ）〜（幻の順に説明すると、記録ヘッドの基板
ｌを用意しｔｅｌ、この表面に、抵抗体２．電極３（図
示せず）、絶縁体４をこの順に蒸着またはスパッタリン
グで形成する（ｂ）。抵抗体２と電極３は、エツチング
により所望形状にパターニングする。

これでサーマルヘッド５の部分が完成する。次に、表面
に凸形部９を有する金属またはセラミックス材などから
成るレプリカ用基板８を用意しくＣ）、この上に形状記
憶合金薄板６を蒸着又はスパッタリングで形成する（ｄ
）。その後、形状記憶合金薄板６を熱処理（約５００”
Ｃ）して凸形状を記憶させ、かつ剥離させるｔｅｌ。こ
の剥離法としては、機械的方法が簡便だが、補助手段と
してレプリカ基板８との熱膨張の差を利用したり、ある
いは剥離剤を使用すると良い。このようにして凸形状の
凸形部９を記憶した形状記憶合金薄板６が得られる。（
ｆ）はサーマルヘッド５の上面に形状記憶合金薄板６と
、復帰用薄板バネ７を接合する工程であり、互に位置合
せをし加圧状態で接合させる。接合法としては、図中点
線位置の局所溶接（電子ビーム。

レーザ法）が適している。こうして、一体化構造のプリ
ンタ用記録ヘッドを完成させるｆｇｌ。

以上説明したサーマルヘッドの抵抗体と形状記憶合金薄
板及び復帰用薄板バネを積層する順序は、上記実施例に
限定されるものでなく、他の順序でも全く同様の動作が
行なえる。また、上記実施例ではインク紙として感熱昇
華形を例にしたが、非怒熱インクや感圧記録の場合にも
本発明記録ヘッドの機械的動作を利用することができる
。

第１０図は本発明による記録ヘッドの効果を説明するた
めの特性図であって、（ａ）は記録ヘッドの機械的変形
の温度依存性で、狭い温度幅ＡＢ間の制御により平坦と
凸形を繰返す。ＡＢ間は１０〜２０”Ｃである。（ｂｌ
はインク紙の発色濃度で、従来の常時接触形は、ＯＣＤ
間を繰返し、すなわち温度幅ＯＡＢ間は約１００°Ｃ要
していた。これが点線のごと＜ＡＢ間の温度幅で十分と
なる。また、（Ｃ）は記録電流の比較で、従来は実線の
ようにパルス電流値ＩＰ′Ｘ時間ＴＰ′の熱エネルギー
を要していたが、本発明では点線のように■、”×ＴＰ
”に大幅に低減する。ＩＰ、ＴＰは温度幅にほぼ比例し
、各々１１５〜１／１０になり、その結果記録速度と消
去電力が大幅に改善できる。これらの改善のために他の
性能を損うことはない。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明によれば、上記従来技術の
欠点を除いて、高速記録と低消費電力を兼ね備え、解像
度の高い優れな機能のプリンタ用記録ヘッドを提供する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるプリンタ用記録ヘッドの一実施例
の構成図で（ａ）は平面図（ｂｌは断面図、第２図は第
１図に示した記録ヘッドの動作説明図、第３図は消去方
法の説明図、第４図は本発明によるプリンタ用記録ヘッ
ドの他の実施例の構成図でＴａ）は平面図（ｂ）は断面
図、第５図は第４図に示した記録ヘッドの動作説明図、
第６図（ａ）〜ｆｃ）は本発明で用いる形状記憶合金薄
板の各種の形状を示す斜視図、第７図は凸形部のさらに
他の構成例を示す斜視図、第８図（ａ）　（ｂ）は本発
明によるプリンタ用記録ヘッドのさらに他の実施例を示
す平面図、第９図（ａ）〜（ｇ）は本発明によるプリン
タ用記録ヘッドの製造方法を説明する工程図、第１０図
（ａ）〜（Ｃ１は本発明の詳細な説明するための特性図
である。 １−・・・・・−基板、２，２１．２２・−・−抵抗体
、３゜３１．３２−・・−・電極、４−・・・・・・絶
縁体、５−・−サーマルヘッド、６−・−・形状記憶合
金薄板、７・−・−復帰用薄板バネ、１２−−−−−−
一凸形部、１６−−−−−−一硬質ローラー、１０−・
−インク紙。 １１１Ｊ　　　、”； １２図 Ｉ３ＦＩＩ 竿４ｖＪ 第５図 第６！ｉ１ １１７図 第８図 （ａ）（ｂ） 第９１１ｇ１ 第ｇｏ　ｉｉｌ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、発熱用抵抗体からなるサーマルヘッドによつてイン
   ク紙を加熱して記録を行うプリンタ用記録ヘッドにおい
   て、前記発熱用抵抗体に近接配置した形状記憶合金薄板
   を設け、該形状記憶合金薄板にはその転移温度以上で凸
   形状に変形することを記憶させ、該凸形状に変形した凸
   形部で、前記インク紙を加熱することにより記録を行な
   うように構成したことを特徴とするプリンタ用記録ヘッ
   ド。 ２、特許請求の範囲第１項記載のプリンタ用記録ヘッド
   において、前記形状記憶合金薄板に接合して復帰用薄板
   バネを設けたことを特徴とするプリンタ用記録ヘッド。 ３、特許請求の範囲第２項記載のプリンタ用記録ヘッド
   において、前記サーマルヘッドは基板面上に形成した薄
   膜状の抵抗体を有し、この上に絶縁体を介して形状記憶
   合金薄板、復帰用薄板バネの順に積層接合して成ること
   を特徴とするプリンタ用記録ヘッド。 ４、特許請求の範囲第１項、第２項、第３項のいずれか
   に記載のプリンタ用記録ヘッドにおいて、前記形状記憶
   合金薄板に通電用の電極を取付け、発熱用抵抗体を兼用
   させたことを特徴とするプリンタ用記録ヘッド。 ５、特許請求の範囲第１項、第２項、第３項のいずれか
   に記載のプリンタ用記録ヘッドにおいて、前記サーマル
   ヘッドとして基板上に互いにほぼ直交する複数の帯状の
   抵抗体を配置し、その交叉位置において凸形状を記憶さ
   せた形状記憶合金薄板を配設したことを特徴とするプリ
   ンタ用記録ヘッド。