JP2000127466A - 記録ヘッドおよび記録装置 - Google Patents
記録ヘッドおよび記録装置Info
- Publication number
- JP2000127466A JP2000127466A JP30137998A JP30137998A JP2000127466A JP 2000127466 A JP2000127466 A JP 2000127466A JP 30137998 A JP30137998 A JP 30137998A JP 30137998 A JP30137998 A JP 30137998A JP 2000127466 A JP2000127466 A JP 2000127466A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- heat
- switching element
- recording
- thermistor
- resistance switching
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
- Electronic Switches (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 各発熱部に個別の電極や複雑な配線を必要と
しない光熱記録方式で、トータル的なエネルギー効率が
高く、耐久性も高い記録ヘッドおよび記録装置を提供す
る。 【解決手段】 透明基材10上に、透明電極11、光熱
変換層14、熱−抵抗スイッチング素子15、発熱抵抗
体16、電極17および保護層18を、この順序で積層
して、円筒状のヘッド積層体を形成し、電極11,17
間にバイアス電圧を印加する。ヘッド積層体を一方向に
回転させて、保護層18上にインク薄膜9を形成する。
画像情報に応じてレーザ光LBを、透明基材10および
透明電極11を介して光熱変換層14に照射して、光熱
変換層14を発熱させ、その熱を熱−抵抗スイッチング
素子15に印加して、熱−抵抗スイッチング素子15を
高抵抗値から低抵抗値に変化させ、発熱抵抗体16を通
電発熱させる。その通電発熱によるジュール熱によっ
て、インク薄膜9を膜沸騰させて、記録紙3上にインク
滴を吐出させる。
しない光熱記録方式で、トータル的なエネルギー効率が
高く、耐久性も高い記録ヘッドおよび記録装置を提供す
る。 【解決手段】 透明基材10上に、透明電極11、光熱
変換層14、熱−抵抗スイッチング素子15、発熱抵抗
体16、電極17および保護層18を、この順序で積層
して、円筒状のヘッド積層体を形成し、電極11,17
間にバイアス電圧を印加する。ヘッド積層体を一方向に
回転させて、保護層18上にインク薄膜9を形成する。
画像情報に応じてレーザ光LBを、透明基材10および
透明電極11を介して光熱変換層14に照射して、光熱
変換層14を発熱させ、その熱を熱−抵抗スイッチング
素子15に印加して、熱−抵抗スイッチング素子15を
高抵抗値から低抵抗値に変化させ、発熱抵抗体16を通
電発熱させる。その通電発熱によるジュール熱によっ
て、インク薄膜9を膜沸騰させて、記録紙3上にインク
滴を吐出させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、プリンタ、ファ
クシミリ、複写機などに用いる、通電発熱方式による記
録ヘッドおよび記録装置に関する。
クシミリ、複写機などに用いる、通電発熱方式による記
録ヘッドおよび記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】通電発熱によるジュール熱を利用した代
表的な記録方式としては、サーマルヘッドを用いた熱転
写記録方式や電気熱変換型のインクジェット記録方式が
ある。サーマルヘッドを用いた熱転写記録方式は、文献
「井上信弘『高解像度熱転写印字ヘッド』Japan
Hardcopy ’88論文集P250」などに示さ
れるように種々のものが提案されているが、代表的なも
のを図12に示す。
表的な記録方式としては、サーマルヘッドを用いた熱転
写記録方式や電気熱変換型のインクジェット記録方式が
ある。サーマルヘッドを用いた熱転写記録方式は、文献
「井上信弘『高解像度熱転写印字ヘッド』Japan
Hardcopy ’88論文集P250」などに示さ
れるように種々のものが提案されているが、代表的なも
のを図12に示す。
【0003】図12の方式では、紙幅対応サイズのサー
マルヘッド30内に、1ドットに対応する発熱部を連続
的または離散的に、1ラインに対応する複数ドット分形
成し、各発熱部に個別の電極を配線する。そして、サー
マルヘッド30とプラテンロール34との間に熱溶融性
のインクフィルム32および記録紙33を圧接し、駆動
電源31および図では省略した駆動ICによってサーマ
ルヘッド30の各発熱部を選択的に通電させて、1ライ
ンずつ印字を行うものである。
マルヘッド30内に、1ドットに対応する発熱部を連続
的または離散的に、1ラインに対応する複数ドット分形
成し、各発熱部に個別の電極を配線する。そして、サー
マルヘッド30とプラテンロール34との間に熱溶融性
のインクフィルム32および記録紙33を圧接し、駆動
電源31および図では省略した駆動ICによってサーマ
ルヘッド30の各発熱部を選択的に通電させて、1ライ
ンずつ印字を行うものである。
【0004】したがって、各発熱部および配線間隔を微
細化すれば、解像度を上げることが可能であるが、各発
熱部に個別の電極と駆動用ICとはボンディングワイヤ
で接続されるため、正確な接続を行うためには、配線間
にある程度の間隔が必要である。近年、ICの実装技術
が進歩し、600DPI程度相当の解像度は実現される
ようになったが、より高解像度化への対応には、依然と
して実装技術的、コスト的に困難である。
細化すれば、解像度を上げることが可能であるが、各発
熱部に個別の電極と駆動用ICとはボンディングワイヤ
で接続されるため、正確な接続を行うためには、配線間
にある程度の間隔が必要である。近年、ICの実装技術
が進歩し、600DPI程度相当の解像度は実現される
ようになったが、より高解像度化への対応には、依然と
して実装技術的、コスト的に困難である。
【0005】一方、電気熱変換型のインクジェット記録
方式は、インクをヒータで加熱することによって発生す
るバブルの圧力をインク吐出エネルギーに利用する方式
で、電気機械変換型のインクジェット記録方式と並ん
で、プリンターなどに実用化され、広く普及している。
各ヒータと対応する各ノズルの構成により、エッジシュ
ーター型やルーフシューター型と呼ばれるものがある
が、いずれも、そのインク吐出原理には膜沸騰現象が利
用されている。実際には、ヒータに印加する信号のパル
ス幅の制御によって、膜気泡の発生消滅過程が制御さ
れ、記録に利用されている。したがって、サーマルヘッ
ドを用いた熱転写記録方式と同様に、より高解像度化へ
の対応には、ノズル、ヒータおよび駆動用ICの高集積
化が必要となるが、製造技術と信頼性の点で課題が残さ
れている。
方式は、インクをヒータで加熱することによって発生す
るバブルの圧力をインク吐出エネルギーに利用する方式
で、電気機械変換型のインクジェット記録方式と並ん
で、プリンターなどに実用化され、広く普及している。
各ヒータと対応する各ノズルの構成により、エッジシュ
ーター型やルーフシューター型と呼ばれるものがある
が、いずれも、そのインク吐出原理には膜沸騰現象が利
用されている。実際には、ヒータに印加する信号のパル
ス幅の制御によって、膜気泡の発生消滅過程が制御さ
れ、記録に利用されている。したがって、サーマルヘッ
ドを用いた熱転写記録方式と同様に、より高解像度化へ
の対応には、ノズル、ヒータおよび駆動用ICの高集積
化が必要となるが、製造技術と信頼性の点で課題が残さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、各発熱部に個
別の電極や複雑な配線を必要としない、光で印字のオン
オフをスイッチングし、光による熱を利用する記録方式
として、レーザヒートモード熱記録方式、光熱変換型の
インクジェット記録方式、および光熱記録方式が提案さ
れている。
別の電極や複雑な配線を必要としない、光で印字のオン
オフをスイッチングし、光による熱を利用する記録方式
として、レーザヒートモード熱記録方式、光熱変換型の
インクジェット記録方式、および光熱記録方式が提案さ
れている。
【0007】レーザヒートモード熱記録方式は、文献
「入江満他『レーザ熱転写の記録特性(III)−カラー記
録特性−』Japan Hardcopy ’91論文
集P237」などに示されているが、この方式による印
字方法を図13に示す。
「入江満他『レーザ熱転写の記録特性(III)−カラー記
録特性−』Japan Hardcopy ’91論文
集P237」などに示されているが、この方式による印
字方法を図13に示す。
【0008】この方法では、レーザ光源35から1ドッ
ト相当のレーザ光を透明圧接板36を介して熱溶融性の
インクフィルム37に直接照射して、インクフィルム3
7自身が光エネルギーを吸収して発熱することによって
インクを溶融し、その溶融したインクを記録紙38上に
転写して、画像を記録する。
ト相当のレーザ光を透明圧接板36を介して熱溶融性の
インクフィルム37に直接照射して、インクフィルム3
7自身が光エネルギーを吸収して発熱することによって
インクを溶融し、その溶融したインクを記録紙38上に
転写して、画像を記録する。
【0009】この方法によれば、レーザ光のビーム径を
絞ることによって600DPIをはるかに越える高解像
度を実現できるが、インクフィルム37の表面層を溶融
するまでに、ある程度の時間を要するため、印字速度が
非常に遅くなる。さらに、この方法では、与えられた光
エネルギーがすべて吸収されて熱エネルギーに変換され
るわけではなく、また、レーザそのものの電気光変換効
率も悪いため、所望の熱量を得るために出力の非常に大
きなレーザが必要となって、莫大な消費エネルギーを必
要とし、実用的な印字技術として採用するのは困難であ
る。
絞ることによって600DPIをはるかに越える高解像
度を実現できるが、インクフィルム37の表面層を溶融
するまでに、ある程度の時間を要するため、印字速度が
非常に遅くなる。さらに、この方法では、与えられた光
エネルギーがすべて吸収されて熱エネルギーに変換され
るわけではなく、また、レーザそのものの電気光変換効
率も悪いため、所望の熱量を得るために出力の非常に大
きなレーザが必要となって、莫大な消費エネルギーを必
要とし、実用的な印字技術として採用するのは困難であ
る。
【0010】一方、光熱変換型のインクジェット記録方
式は、特開昭62−184860号公報などに示されて
いる。この方式を図14に示す。
式は、特開昭62−184860号公報などに示されて
いる。この方式を図14に示す。
【0011】この方式では、一面に光吸収材41が設け
られた透明基体40の光吸収材41上にインク42を塗
布し、他面側から画像信号に応じて変調されたレーザ光
43を光吸収材41に照射して、インク42内の気泡の
破裂によってインク42を記録材44上に転移させ、画
像を形成する。しかし、この方式では、光吸収材41や
図では省略した光反射防止材を設けることによって、消
費電力が少なくてすむようにしているが、それでも、光
エネルギーの熱エネルギーへの変換効率を十分高くする
ことは難しく、また、レーザそのものの電気光変換効率
も低いため、大きなトータルエネルギーを必要とし、実
用上、依然として問題がある。
られた透明基体40の光吸収材41上にインク42を塗
布し、他面側から画像信号に応じて変調されたレーザ光
43を光吸収材41に照射して、インク42内の気泡の
破裂によってインク42を記録材44上に転移させ、画
像を形成する。しかし、この方式では、光吸収材41や
図では省略した光反射防止材を設けることによって、消
費電力が少なくてすむようにしているが、それでも、光
エネルギーの熱エネルギーへの変換効率を十分高くする
ことは難しく、また、レーザそのものの電気光変換効率
も低いため、大きなトータルエネルギーを必要とし、実
用上、依然として問題がある。
【0012】これらの光を直接、熱に変換する方式に対
して、特開平7−314744号公報などに示された光
熱記録方式は、光の照射によって光導電部材の導電性、
すなわち電気抵抗値をスイッチングし、発熱部材の通電
発熱によってインクを溶融し、転写するものである。
して、特開平7−314744号公報などに示された光
熱記録方式は、光の照射によって光導電部材の導電性、
すなわち電気抵抗値をスイッチングし、発熱部材の通電
発熱によってインクを溶融し、転写するものである。
【0013】図15に、この光熱記録方式を示す。この
方式では、画像信号に応じて照射されるレーザ光50を
受光して発熱する受光発熱素子として、透明基板51上
の透明電極52と電極55との間に、レーザ光50が照
射された領域の電気抵抗値が低下する光導電層53と発
熱層54とを積層し、電気抵抗値が低下した光導電層5
3を介して発熱層54に通電することによって発熱層5
4を発熱させ、電極55上に積層した保護層56に圧接
させた熱溶融性のインクフィルム57を溶融して、記録
材58上にインクを転写する。
方式では、画像信号に応じて照射されるレーザ光50を
受光して発熱する受光発熱素子として、透明基板51上
の透明電極52と電極55との間に、レーザ光50が照
射された領域の電気抵抗値が低下する光導電層53と発
熱層54とを積層し、電気抵抗値が低下した光導電層5
3を介して発熱層54に通電することによって発熱層5
4を発熱させ、電極55上に積層した保護層56に圧接
させた熱溶融性のインクフィルム57を溶融して、記録
材58上にインクを転写する。
【0014】この方式によれば、光エネルギーは、光導
電層53の電気抵抗値のスイッチングだけに用いられる
ため、小さな光エネルギーでよく、発熱は発熱部材の通
電によるので変換効率が高く、上述した光エネルギーを
発熱部材に吸収させて直接、熱エネルギーに変換して記
録を行う方式と比べて、効率が良く、より少ないエネル
ギーで記録を行うことが可能である。しかしながら、受
光発熱素子を構成する光導電層53が常に加熱冷却サイ
クルの影響を受けるため、素子の繰り返し耐久性が低く
なり、実際的な利用は困難である。
電層53の電気抵抗値のスイッチングだけに用いられる
ため、小さな光エネルギーでよく、発熱は発熱部材の通
電によるので変換効率が高く、上述した光エネルギーを
発熱部材に吸収させて直接、熱エネルギーに変換して記
録を行う方式と比べて、効率が良く、より少ないエネル
ギーで記録を行うことが可能である。しかしながら、受
光発熱素子を構成する光導電層53が常に加熱冷却サイ
クルの影響を受けるため、素子の繰り返し耐久性が低く
なり、実際的な利用は困難である。
【0015】以上のように、従来の熱記録方式ないし光
熱記録方式では、エネルギー効率の低さ、またはスイッ
チング素子の耐久性が非常に大きな問題である。
熱記録方式では、エネルギー効率の低さ、またはスイッ
チング素子の耐久性が非常に大きな問題である。
【0016】そこで、この発明は、各発熱部に個別の電
極や複雑な配線を必要としない光熱記録方式であって、
トータル的なエネルギー効率が高く、耐久性も高い記録
ヘッドおよび記録装置を提供するものである。
極や複雑な配線を必要としない光熱記録方式であって、
トータル的なエネルギー効率が高く、耐久性も高い記録
ヘッドおよび記録装置を提供するものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の記録ヘ
ッドは、少なくとも熱−抵抗スイッチング素子からなる
発熱部材と、この発熱部材にバイアス電圧を印加する電
圧印加手段と、画像情報に応じて前記熱−抵抗スイッチ
ング素子の領域に選択的に熱を印加する熱印加手段とを
備え、前記電圧印加手段により前記発熱部材にバイアス
電圧を印加した状態で、前記熱印加手段により前記熱−
抵抗スイッチング素子の領域に選択的に熱を印加するこ
とによって、その領域の前記熱−抵抗スイッチング素子
を高電気抵抗値から低電気抵抗値に変化させて、その領
域の前記発熱部材を通電させ、これにより前記発熱部材
で発生するジュール熱を画像の記録に用いるものであ
る。
ッドは、少なくとも熱−抵抗スイッチング素子からなる
発熱部材と、この発熱部材にバイアス電圧を印加する電
圧印加手段と、画像情報に応じて前記熱−抵抗スイッチ
ング素子の領域に選択的に熱を印加する熱印加手段とを
備え、前記電圧印加手段により前記発熱部材にバイアス
電圧を印加した状態で、前記熱印加手段により前記熱−
抵抗スイッチング素子の領域に選択的に熱を印加するこ
とによって、その領域の前記熱−抵抗スイッチング素子
を高電気抵抗値から低電気抵抗値に変化させて、その領
域の前記発熱部材を通電させ、これにより前記発熱部材
で発生するジュール熱を画像の記録に用いるものであ
る。
【0018】請求項2の発明では、請求項1の発明の記
録ヘッドにおいて、前記熱−抵抗スイッチング素子とし
て、非線形的な負の温度抵抗特性を示すCTRサーミス
タと非線形的な正の温度抵抗特性を示すPTCサーミス
タとの積層複合体を用い、前記発熱部材は、前記熱−抵
抗スイッチング素子と発熱抵抗体との積層複合体で構成
する。
録ヘッドにおいて、前記熱−抵抗スイッチング素子とし
て、非線形的な負の温度抵抗特性を示すCTRサーミス
タと非線形的な正の温度抵抗特性を示すPTCサーミス
タとの積層複合体を用い、前記発熱部材は、前記熱−抵
抗スイッチング素子と発熱抵抗体との積層複合体で構成
する。
【0019】請求項3の発明では、請求項1の発明の記
録ヘッドにおいて、前記熱−抵抗スイッチング素子とし
て、非線形的な負の温度抵抗特性を示すCTRサーミス
タと非線形的な正の温度抵抗特性を示すPTCサーミス
タとの積層複合体を用い、前記発熱部材は、前記熱−抵
抗スイッチング素子で構成する。
録ヘッドにおいて、前記熱−抵抗スイッチング素子とし
て、非線形的な負の温度抵抗特性を示すCTRサーミス
タと非線形的な正の温度抵抗特性を示すPTCサーミス
タとの積層複合体を用い、前記発熱部材は、前記熱−抵
抗スイッチング素子で構成する。
【0020】請求項4の発明では、請求項1の発明の記
録ヘッドにおいて、前記熱−抵抗スイッチング素子とし
て、線形的な負の温度抵抗特性を示すNTCサーミスタ
と非線形的な正の温度抵抗特性を示すPTCサーミスタ
との積層複合体を用い、前記発熱部材は、前記熱−抵抗
スイッチング素子と発熱抵抗体との積層複合体で構成す
る。
録ヘッドにおいて、前記熱−抵抗スイッチング素子とし
て、線形的な負の温度抵抗特性を示すNTCサーミスタ
と非線形的な正の温度抵抗特性を示すPTCサーミスタ
との積層複合体を用い、前記発熱部材は、前記熱−抵抗
スイッチング素子と発熱抵抗体との積層複合体で構成す
る。
【0021】請求項5の発明では、請求項1の発明の記
録ヘッドにおいて、前記熱−抵抗スイッチング素子とし
て、線形的な負の温度抵抗特性を示すNTCサーミスタ
と非線形的な正の温度抵抗特性を示すPTCサーミスタ
との積層複合体を用い、前記発熱部材は、前記熱−抵抗
スイッチング素子で構成する。
録ヘッドにおいて、前記熱−抵抗スイッチング素子とし
て、線形的な負の温度抵抗特性を示すNTCサーミスタ
と非線形的な正の温度抵抗特性を示すPTCサーミスタ
との積層複合体を用い、前記発熱部材は、前記熱−抵抗
スイッチング素子で構成する。
【0022】請求項6の発明では、請求項1〜5のいず
れかの発明の記録ヘッドにおいて、前記熱印加手段をレ
ーザ加熱によるものとする。
れかの発明の記録ヘッドにおいて、前記熱印加手段をレ
ーザ加熱によるものとする。
【0023】請求項7の発明の熱転写記録装置は、請求
項1〜5のいずれかの発明の記録ヘッドとして、透明基
材上に、透明電極、光熱変換層、前記発熱部材、電極お
よび保護層を、この順序で、かつ前記発熱部材の前記熱
−抵抗スイッチング素子が前記光熱変換層と接するよう
に積層して、ライン状または回転可能な円筒状のヘッド
積層体を形成し、前記電圧印加手段は、前記透明電極と
前記電極との間にバイアス電圧を印加するものとし、前
記熱印加手段は、前記透明基材および前記透明電極を介
して前記光熱変換層にレーザ光を照射して前記光熱変換
層を発熱させ、その熱を前記熱−抵抗スイッチング素子
に印加するものとし、前記発熱部材で発生するジュール
熱によって、前記保護層と接するインクリボンフィルム
のインクを溶融し、前記インクリボンフィルムと接する
記録媒体上に転写するものである。
項1〜5のいずれかの発明の記録ヘッドとして、透明基
材上に、透明電極、光熱変換層、前記発熱部材、電極お
よび保護層を、この順序で、かつ前記発熱部材の前記熱
−抵抗スイッチング素子が前記光熱変換層と接するよう
に積層して、ライン状または回転可能な円筒状のヘッド
積層体を形成し、前記電圧印加手段は、前記透明電極と
前記電極との間にバイアス電圧を印加するものとし、前
記熱印加手段は、前記透明基材および前記透明電極を介
して前記光熱変換層にレーザ光を照射して前記光熱変換
層を発熱させ、その熱を前記熱−抵抗スイッチング素子
に印加するものとし、前記発熱部材で発生するジュール
熱によって、前記保護層と接するインクリボンフィルム
のインクを溶融し、前記インクリボンフィルムと接する
記録媒体上に転写するものである。
【0024】請求項8の発明のインクジェット記録装置
は、請求項1〜5のいずれかの発明の記録ヘッドとし
て、透明基材上に、透明電極、光熱変換層、前記発熱部
材、電極および保護層を、この順序で、かつ前記発熱部
材の前記熱−抵抗スイッチング素子が前記光熱変換層と
接するように積層して、回転可能な円筒状のヘッド積層
体を形成し、前記電圧印加手段は、前記透明電極と前記
電極との間にバイアス電圧を印加するものとし、前記熱
印加手段は、前記透明基材および前記透明電極を介して
前記光熱変換層にレーザ光を照射して前記光熱変換層を
発熱させ、その熱を前記熱−抵抗スイッチング素子に印
加するものとし、前記保護層上にインク薄膜を形成し
て、前記発熱部材で発生するジュール熱によって、その
インク薄膜を膜沸騰させ、前記保護層と対向する記録媒
体上にインク滴を吐出させるものである。
は、請求項1〜5のいずれかの発明の記録ヘッドとし
て、透明基材上に、透明電極、光熱変換層、前記発熱部
材、電極および保護層を、この順序で、かつ前記発熱部
材の前記熱−抵抗スイッチング素子が前記光熱変換層と
接するように積層して、回転可能な円筒状のヘッド積層
体を形成し、前記電圧印加手段は、前記透明電極と前記
電極との間にバイアス電圧を印加するものとし、前記熱
印加手段は、前記透明基材および前記透明電極を介して
前記光熱変換層にレーザ光を照射して前記光熱変換層を
発熱させ、その熱を前記熱−抵抗スイッチング素子に印
加するものとし、前記保護層上にインク薄膜を形成し
て、前記発熱部材で発生するジュール熱によって、その
インク薄膜を膜沸騰させ、前記保護層と対向する記録媒
体上にインク滴を吐出させるものである。
【0025】
【作用】上記のように構成した請求項1の発明の記録ヘ
ッドでは、熱印加手段により熱−抵抗スイッチング素子
の領域に選択的に印加される熱は、熱−抵抗スイッチン
グ素子の領域の電気抵抗値のスイッチングだけに用いら
れ、記録には用いられない。記録に用いられる熱は、電
気抵抗値のスイッチングにより低電気抵抗値化された熱
−抵抗スイッチング素子の領域、ないし熱−抵抗スイッ
チング素子と隣接する発熱抵抗体の領域への、電圧印加
手段による通電によって、熱−抵抗スイッチング素子な
いし発熱抵抗体の領域が発熱して、これからジュール熱
として取り出される熱である。
ッドでは、熱印加手段により熱−抵抗スイッチング素子
の領域に選択的に印加される熱は、熱−抵抗スイッチン
グ素子の領域の電気抵抗値のスイッチングだけに用いら
れ、記録には用いられない。記録に用いられる熱は、電
気抵抗値のスイッチングにより低電気抵抗値化された熱
−抵抗スイッチング素子の領域、ないし熱−抵抗スイッ
チング素子と隣接する発熱抵抗体の領域への、電圧印加
手段による通電によって、熱−抵抗スイッチング素子な
いし発熱抵抗体の領域が発熱して、これからジュール熱
として取り出される熱である。
【0026】したがって、比較的低温の熱で発熱素子の
電気抵抗値をスイッチングし、効率の良い通電発熱によ
り発生する比較的高温のジュール熱で画像を記録する、
トータル的なエネルギー効率の高い記録ヘッドを実現す
ることができる。
電気抵抗値をスイッチングし、効率の良い通電発熱によ
り発生する比較的高温のジュール熱で画像を記録する、
トータル的なエネルギー効率の高い記録ヘッドを実現す
ることができる。
【0027】しかも、熱−抵抗スイッチング素子の材料
としてセラミックス系のサーミスタ材料を用いることが
できるので、従来の光熱記録方式のように受光発熱素子
の光導電層のスイッチングに対する繰り返し耐久性が低
いというようなこともなく、スイッチング素子の寿命の
長い、耐久性の高い記録ヘッドを実現することができ
る。
としてセラミックス系のサーミスタ材料を用いることが
できるので、従来の光熱記録方式のように受光発熱素子
の光導電層のスイッチングに対する繰り返し耐久性が低
いというようなこともなく、スイッチング素子の寿命の
長い、耐久性の高い記録ヘッドを実現することができ
る。
【0028】具体的に、熱−抵抗スイッチング素子を低
電気抵抗値化する温度は、熱溶融性インクフィルムの溶
融によるインク転写や、水性インクの膜沸騰によるイン
ク吐出などの、画像の記録に必要な温度より、十分に低
い温度、例えば50℃前後となるように、設定される。
これに対して、熱−抵抗スイッチング素子ないし発熱部
材の通電による発熱温度、すなわち画像の記録に必要な
温度は、例えば、熱溶融性インクフィルムを溶融する場
合には約70℃となるように、水性インクを膜沸騰させ
る場合には約300℃となるように、設定される。
電気抵抗値化する温度は、熱溶融性インクフィルムの溶
融によるインク転写や、水性インクの膜沸騰によるイン
ク吐出などの、画像の記録に必要な温度より、十分に低
い温度、例えば50℃前後となるように、設定される。
これに対して、熱−抵抗スイッチング素子ないし発熱部
材の通電による発熱温度、すなわち画像の記録に必要な
温度は、例えば、熱溶融性インクフィルムを溶融する場
合には約70℃となるように、水性インクを膜沸騰させ
る場合には約300℃となるように、設定される。
【0029】熱−抵抗スイッチング素子の温度抵抗特性
は、発熱部材の通電による発熱温度が所定温度に達する
と、熱−抵抗スイッチング素子の電気抵抗値が絶縁性を
示す程度に高くなって発熱部材への通電が阻止されるよ
うに、調整される。
は、発熱部材の通電による発熱温度が所定温度に達する
と、熱−抵抗スイッチング素子の電気抵抗値が絶縁性を
示す程度に高くなって発熱部材への通電が阻止されるよ
うに、調整される。
【0030】請求項2の発明の記録ヘッドでは、熱−抵
抗スイッチング素子は、CTR(Critical T
emperature Resister)サーミスタ
とPTC(Positive Temperature
Coefficient)サーミスタとの積層複合体
で構成され、発熱部材は、その熱−抵抗スイッチング素
子と発熱抵抗体との積層複合体で構成される。
抗スイッチング素子は、CTR(Critical T
emperature Resister)サーミスタ
とPTC(Positive Temperature
Coefficient)サーミスタとの積層複合体
で構成され、発熱部材は、その熱−抵抗スイッチング素
子と発熱抵抗体との積層複合体で構成される。
【0031】CTRサーミスタは、VO2系材料などの
相転移に伴う半導体から金属への転移によるスイッチン
グ作用を有し、相転移に対応した温度(キューリー点、
以下では「Tc」と略する)を越える温度で、電気抵抗
値が高電気抵抗値から低電気抵抗値に非直線的に著しく
急変する。CTRサーミスタのTcは、Ge,Ni,M
o,Wなどの酸化物のドープによって、30〜80℃の
間で調整される。
相転移に伴う半導体から金属への転移によるスイッチン
グ作用を有し、相転移に対応した温度(キューリー点、
以下では「Tc」と略する)を越える温度で、電気抵抗
値が高電気抵抗値から低電気抵抗値に非直線的に著しく
急変する。CTRサーミスタのTcは、Ge,Ni,M
o,Wなどの酸化物のドープによって、30〜80℃の
間で調整される。
【0032】PTCサーミスタは、BaTiO3系材料
の相転移に伴うスイッチング作用を有し、Tcを越える
温度で、電気抵抗値が低電気抵抗値から高電気抵抗値に
非直線的に著しく急変する。PTCサーミスタのTc
は、Baの一部をSrまたはPbで置き換えることによ
って、−100〜400℃の間で調整される。
の相転移に伴うスイッチング作用を有し、Tcを越える
温度で、電気抵抗値が低電気抵抗値から高電気抵抗値に
非直線的に著しく急変する。PTCサーミスタのTc
は、Baの一部をSrまたはPbで置き換えることによ
って、−100〜400℃の間で調整される。
【0033】この請求項2の発明の記録ヘッドでは、ま
ず、熱印加手段により選択的に熱が印加されることによ
って、CTRサーミスタの電気抵抗値が高電気抵抗値か
ら低電気抵抗値に変化して、電圧印加手段により、選択
された領域の発熱抵抗体が通電され、発熱する。このと
き、選択された領域のCTRサーミスタおよびPTCサ
ーミスタは、それぞれの電気抵抗値が十分低くなってい
るので、ほとんど発熱しない。そして、通電発熱により
発熱抵抗体の温度が所定温度に達し、発熱抵抗体からの
熱伝導によりPTCサーミスタの温度が所定温度、ここ
では、そのTcに達すると、PTCサーミスタの電気抵
抗値が低電気抵抗値から高電気抵抗値に急変して、発熱
抵抗体への通電が阻止され、発熱抵抗体の発熱が停止す
る。
ず、熱印加手段により選択的に熱が印加されることによ
って、CTRサーミスタの電気抵抗値が高電気抵抗値か
ら低電気抵抗値に変化して、電圧印加手段により、選択
された領域の発熱抵抗体が通電され、発熱する。このと
き、選択された領域のCTRサーミスタおよびPTCサ
ーミスタは、それぞれの電気抵抗値が十分低くなってい
るので、ほとんど発熱しない。そして、通電発熱により
発熱抵抗体の温度が所定温度に達し、発熱抵抗体からの
熱伝導によりPTCサーミスタの温度が所定温度、ここ
では、そのTcに達すると、PTCサーミスタの電気抵
抗値が低電気抵抗値から高電気抵抗値に急変して、発熱
抵抗体への通電が阻止され、発熱抵抗体の発熱が停止す
る。
【0034】これに対して、請求項3の発明の記録ヘッ
ドでは、熱−抵抗スイッチング素子がCTRサーミスタ
とPTCサーミスタとから構成される点は請求項2の発
明の記録ヘッドと同じであるが、その熱−抵抗スイッチ
ング素子そのものが発熱抵抗体を構成する。
ドでは、熱−抵抗スイッチング素子がCTRサーミスタ
とPTCサーミスタとから構成される点は請求項2の発
明の記録ヘッドと同じであるが、その熱−抵抗スイッチ
ング素子そのものが発熱抵抗体を構成する。
【0035】この請求項3の発明の記録ヘッドでは、ま
ず、熱印加手段により選択的に熱が印加されることによ
って、CTRサーミスタの電気抵抗値が高電気抵抗値か
ら低電気抵抗値に変化して、電圧印加手段により、選択
された領域のPTCサーミスタが通電され、発熱する。
このとき、選択された領域のCTRサーミスタは、その
電気抵抗値が十分低くなっているので、ほとんど発熱し
ない。また、このときPTCサーミスタが発熱抵抗体と
なるように、その電気抵抗値が調整され、材料が選定さ
れる。そして、通電発熱によりPTCサーミスタの温度
が所定温度、ここでは、そのTcに達すると、PTCサ
ーミスタの電気抵抗値が低電気抵抗値から高電気抵抗値
に急変して、PTCサーミスタへの通電が阻止され、P
TCサーミスタの発熱が停止する。
ず、熱印加手段により選択的に熱が印加されることによ
って、CTRサーミスタの電気抵抗値が高電気抵抗値か
ら低電気抵抗値に変化して、電圧印加手段により、選択
された領域のPTCサーミスタが通電され、発熱する。
このとき、選択された領域のCTRサーミスタは、その
電気抵抗値が十分低くなっているので、ほとんど発熱し
ない。また、このときPTCサーミスタが発熱抵抗体と
なるように、その電気抵抗値が調整され、材料が選定さ
れる。そして、通電発熱によりPTCサーミスタの温度
が所定温度、ここでは、そのTcに達すると、PTCサ
ーミスタの電気抵抗値が低電気抵抗値から高電気抵抗値
に急変して、PTCサーミスタへの通電が阻止され、P
TCサーミスタの発熱が停止する。
【0036】または、まず、熱印加手段により選択的に
熱が印加されることによって、CTRサーミスタの電気
抵抗値が高電気抵抗値から低電気抵抗値に変化して、電
圧印加手段により、選択された領域のCTRサーミスタ
自身が通電され、発熱する。このとき、選択された領域
のPTCサーミスタは、その電気抵抗値が十分低くなっ
ているので、ほとんど発熱しない。また、このときCT
Rサーミスタが発熱抵抗体となるように、その電気抵抗
値が調整され、材料が選定される。そして、CTRサー
ミスタからの熱伝導によりPTCサーミスタの温度が所
定温度、ここでは、そのTcに達すると、PTCサーミ
スタの電気抵抗値が低電気抵抗値から高電気抵抗値に急
変して、CTRサーミスタへの通電が阻止され、CTR
サーミスタの発熱が停止する。
熱が印加されることによって、CTRサーミスタの電気
抵抗値が高電気抵抗値から低電気抵抗値に変化して、電
圧印加手段により、選択された領域のCTRサーミスタ
自身が通電され、発熱する。このとき、選択された領域
のPTCサーミスタは、その電気抵抗値が十分低くなっ
ているので、ほとんど発熱しない。また、このときCT
Rサーミスタが発熱抵抗体となるように、その電気抵抗
値が調整され、材料が選定される。そして、CTRサー
ミスタからの熱伝導によりPTCサーミスタの温度が所
定温度、ここでは、そのTcに達すると、PTCサーミ
スタの電気抵抗値が低電気抵抗値から高電気抵抗値に急
変して、CTRサーミスタへの通電が阻止され、CTR
サーミスタの発熱が停止する。
【0037】両者を比較すると、熱応答性の観点から
は、前者のPTCサーミスタを通電発熱させる方が好ま
しい。
は、前者のPTCサーミスタを通電発熱させる方が好ま
しい。
【0038】請求項4の発明の記録ヘッドでは、熱−抵
抗スイッチング素子は、NTC(Negative T
emperature Coefficient)サー
ミスタとPTCサーミスタとの積層複合体で構成され、
発熱部材は、その熱−抵抗スイッチング素子と発熱抵抗
体との積層複合体で構成され、NTCサーミスタの温度
上昇に伴う電気抵抗値の連続的(指数関数的)減少特性
と、上述したPTCサーミスタのスイッチング作用とが
利用される。NTCサーミスタの電気抵抗値と温度との
関係は、 R=Ro〔expB{(1/T)−(1/To)}〕…(1) で表される。ここで、R,Roは、それぞれ温度T,T
oにおける電気抵抗値であり、Bは、B定数と呼ばれ、
特性曲線の傾斜を示す。
抗スイッチング素子は、NTC(Negative T
emperature Coefficient)サー
ミスタとPTCサーミスタとの積層複合体で構成され、
発熱部材は、その熱−抵抗スイッチング素子と発熱抵抗
体との積層複合体で構成され、NTCサーミスタの温度
上昇に伴う電気抵抗値の連続的(指数関数的)減少特性
と、上述したPTCサーミスタのスイッチング作用とが
利用される。NTCサーミスタの電気抵抗値と温度との
関係は、 R=Ro〔expB{(1/T)−(1/To)}〕…(1) で表される。ここで、R,Roは、それぞれ温度T,T
oにおける電気抵抗値であり、Bは、B定数と呼ばれ、
特性曲線の傾斜を示す。
【0039】この請求項4の発明の記録ヘッドでは、ま
ず、熱印加手段により選択的に熱が印加されることによ
って、NTCサーミスタの電気抵抗値が高電気抵抗値か
ら低電気抵抗値に変化して、電圧印加手段により、選択
された領域の発熱抵抗体が通電され、発熱する。このと
き、選択された領域のNTCサーミスタおよびPTCサ
ーミスタは、それぞれの電気抵抗値が十分低くなってい
るので、ほとんど発熱しない。そして、通電発熱により
発熱抵抗体の温度が所定温度に達し、発熱抵抗体からの
熱伝導によりPTCサーミスタの温度が所定温度、ここ
では、そのTcに達すると、PTCサーミスタの電気抵
抗値が低電気抵抗値から高電気抵抗値に急変して、発熱
抵抗体への通電が阻止され、発熱抵抗体の発熱が停止す
る。
ず、熱印加手段により選択的に熱が印加されることによ
って、NTCサーミスタの電気抵抗値が高電気抵抗値か
ら低電気抵抗値に変化して、電圧印加手段により、選択
された領域の発熱抵抗体が通電され、発熱する。このと
き、選択された領域のNTCサーミスタおよびPTCサ
ーミスタは、それぞれの電気抵抗値が十分低くなってい
るので、ほとんど発熱しない。そして、通電発熱により
発熱抵抗体の温度が所定温度に達し、発熱抵抗体からの
熱伝導によりPTCサーミスタの温度が所定温度、ここ
では、そのTcに達すると、PTCサーミスタの電気抵
抗値が低電気抵抗値から高電気抵抗値に急変して、発熱
抵抗体への通電が阻止され、発熱抵抗体の発熱が停止す
る。
【0040】これに対して、請求項5の発明の記録ヘッ
ドでは、熱−抵抗スイッチング素子がNTCサーミスタ
とPTCサーミスタとから構成される点は請求項4の発
明の記録ヘッドと同じであるが、その熱−抵抗スイッチ
ング素子そのものが発熱抵抗体を構成する。
ドでは、熱−抵抗スイッチング素子がNTCサーミスタ
とPTCサーミスタとから構成される点は請求項4の発
明の記録ヘッドと同じであるが、その熱−抵抗スイッチ
ング素子そのものが発熱抵抗体を構成する。
【0041】この請求項5の発明の記録ヘッドでは、ま
ず、熱印加手段により選択的に熱が印加されることによ
って、NTCサーミスタの電気抵抗値が高電気抵抗値か
ら低電気抵抗値に変化して、電圧印加手段により、選択
された領域のPTCサーミスタが通電され、発熱する。
このとき、選択された領域のNTCサーミスタは、その
電気抵抗値が十分低くなっているので、ほとんど発熱し
ない。また、このときPTCサーミスタが発熱抵抗体と
なるように、その電気抵抗値が調整され、材料が選定さ
れる。そして、通電発熱によりPTCサーミスタの温度
が所定温度、ここでは、そのTcに達すると、PTCサ
ーミスタの電気抵抗値が低電気抵抗値から高電気抵抗値
に急変して、PTCサーミスタへの通電が阻止され、P
TCサーミスタの発熱が停止する。
ず、熱印加手段により選択的に熱が印加されることによ
って、NTCサーミスタの電気抵抗値が高電気抵抗値か
ら低電気抵抗値に変化して、電圧印加手段により、選択
された領域のPTCサーミスタが通電され、発熱する。
このとき、選択された領域のNTCサーミスタは、その
電気抵抗値が十分低くなっているので、ほとんど発熱し
ない。また、このときPTCサーミスタが発熱抵抗体と
なるように、その電気抵抗値が調整され、材料が選定さ
れる。そして、通電発熱によりPTCサーミスタの温度
が所定温度、ここでは、そのTcに達すると、PTCサ
ーミスタの電気抵抗値が低電気抵抗値から高電気抵抗値
に急変して、PTCサーミスタへの通電が阻止され、P
TCサーミスタの発熱が停止する。
【0042】または、まず、熱印加手段により選択的に
熱が印加されることによって、NTCサーミスタの電気
抵抗値が高電気抵抗値から低電気抵抗値に変化して、電
圧印加手段により、選択された領域のNTCサーミスタ
自身が通電され、発熱する。このとき、選択された領域
のPTCサーミスタは、その電気抵抗値が十分低くなっ
ているので、ほとんど発熱しない。また、このときNT
Cサーミスタが発熱抵抗体となるように、その電気抵抗
値が調整され、材料が選定される。そして、NTCサー
ミスタからの熱伝導によりPTCサーミスタの温度が所
定温度、ここでは、そのTcに達すると、PTCサーミ
スタの電気抵抗値が低電気抵抗値から高電気抵抗値に急
変して、NTCサーミスタへの通電が阻止され、NTC
サーミスタの発熱が停止する。
熱が印加されることによって、NTCサーミスタの電気
抵抗値が高電気抵抗値から低電気抵抗値に変化して、電
圧印加手段により、選択された領域のNTCサーミスタ
自身が通電され、発熱する。このとき、選択された領域
のPTCサーミスタは、その電気抵抗値が十分低くなっ
ているので、ほとんど発熱しない。また、このときNT
Cサーミスタが発熱抵抗体となるように、その電気抵抗
値が調整され、材料が選定される。そして、NTCサー
ミスタからの熱伝導によりPTCサーミスタの温度が所
定温度、ここでは、そのTcに達すると、PTCサーミ
スタの電気抵抗値が低電気抵抗値から高電気抵抗値に急
変して、NTCサーミスタへの通電が阻止され、NTC
サーミスタの発熱が停止する。
【0043】両者を比較すると、熱応答性の観点から
は、前者のPTCサーミスタを通電発熱させる方が好ま
しい。後者のNTCサーミスタを通電発熱させる方法
は、実施可能であるが、温度上昇とともに電気抵抗値が
十分に下がって発熱しなくなるので、記録に利用できる
温度が低い範囲に限定される。
は、前者のPTCサーミスタを通電発熱させる方が好ま
しい。後者のNTCサーミスタを通電発熱させる方法
は、実施可能であるが、温度上昇とともに電気抵抗値が
十分に下がって発熱しなくなるので、記録に利用できる
温度が低い範囲に限定される。
【0044】請求項6の発明の記録ヘッドでは、熱印加
手段をレーザ加熱によるものとするので、レーザ光のビ
ームスポット径を40μm程度以下に絞ることによっ
て、熱−抵抗スイッチング素子の選択的に熱が印加され
る領域を600DPI以上相当にすることができ、高解
像度化を実現することができる。
手段をレーザ加熱によるものとするので、レーザ光のビ
ームスポット径を40μm程度以下に絞ることによっ
て、熱−抵抗スイッチング素子の選択的に熱が印加され
る領域を600DPI以上相当にすることができ、高解
像度化を実現することができる。
【0045】請求項7の発明の熱転写記録装置では、ト
ータル的なエネルギー効率が高く、耐久性も高い熱転写
記録装置を実現することができる。
ータル的なエネルギー効率が高く、耐久性も高い熱転写
記録装置を実現することができる。
【0046】請求項8の発明のインクジェット記録装置
では、トータル的なエネルギー効率が高く、耐久性も高
い電気熱変換型のインクジェット記録装置を実現するこ
とができる。
では、トータル的なエネルギー効率が高く、耐久性も高
い電気熱変換型のインクジェット記録装置を実現するこ
とができる。
【0047】
【発明の実施の形態】〔記録ヘッドの実施形態〕 (第1の実施形態…図1〜図3)図1は、この発明の記
録ヘッドの第1の実施形態を示す。
録ヘッドの第1の実施形態を示す。
【0048】この実施形態の記録ヘッドは、基材10上
に、電極11、熱−抵抗スイッチング素子(サーミスタ
素子)15、発熱抵抗体16、電極17および保護層1
8を、この順序で積層して、ヘッド積層体を形成し、駆
動電源19によって電極11,17間にバイアス電圧を
印加し、熱印加手段20によって熱−抵抗スイッチング
素子15の領域15aに選択的に熱Hを印加するもので
ある。熱−抵抗スイッチング素子15は、2つの層15
bおよび15cによって構成する。
に、電極11、熱−抵抗スイッチング素子(サーミスタ
素子)15、発熱抵抗体16、電極17および保護層1
8を、この順序で積層して、ヘッド積層体を形成し、駆
動電源19によって電極11,17間にバイアス電圧を
印加し、熱印加手段20によって熱−抵抗スイッチング
素子15の領域15aに選択的に熱Hを印加するもので
ある。熱−抵抗スイッチング素子15は、2つの層15
bおよび15cによって構成する。
【0049】第1の例として、基材10側の層15bを
CTRサーミスタ、発熱抵抗体16側の層15cをPT
Cサーミスタとし、それぞれの温度抵抗特性を図2
(A)に示すようなものとする。
CTRサーミスタ、発熱抵抗体16側の層15cをPT
Cサーミスタとし、それぞれの温度抵抗特性を図2
(A)に示すようなものとする。
【0050】CTRサーミスタ15bのTcは、Wの酸
化物のドープによって、50℃に調整し、Tc前後の電
気抵抗値は、Tcを下回る温度では105Ω程度である
ものが、Tcの50℃に達すると急激に低下して、Tc
を越える温度では101Ω程度となるようにする。
化物のドープによって、50℃に調整し、Tc前後の電
気抵抗値は、Tcを下回る温度では105Ω程度である
ものが、Tcの50℃に達すると急激に低下して、Tc
を越える温度では101Ω程度となるようにする。
【0051】PTCサーミスタ15cは、強誘電体とし
て知られるBaTiO3(チタン酸バリウム)にY,L
aなどの希土類の酸化物を微量添加するか、BaTiO
3を還元雰囲気中で焼成することによって、半導体化し
たセラミックスとして形成する。PTCサーミスタ15
cのTcは、Baの一部をSrまたはPbで置き換える
ことによって、−100〜400℃の間で可変できる
が、この例では、BaTiO3で、その組成比を変える
ことによって、70℃に調整する。Tc前後の電気抵抗
値は、Tcを下回る温度では101Ω程度であるもの
が、Tcの70℃に達すると急激に上昇して、Tcを越
える温度では106Ω程度に達するようにする。
て知られるBaTiO3(チタン酸バリウム)にY,L
aなどの希土類の酸化物を微量添加するか、BaTiO
3を還元雰囲気中で焼成することによって、半導体化し
たセラミックスとして形成する。PTCサーミスタ15
cのTcは、Baの一部をSrまたはPbで置き換える
ことによって、−100〜400℃の間で可変できる
が、この例では、BaTiO3で、その組成比を変える
ことによって、70℃に調整する。Tc前後の電気抵抗
値は、Tcを下回る温度では101Ω程度であるもの
が、Tcの70℃に達すると急激に上昇して、Tcを越
える温度では106Ω程度に達するようにする。
【0052】発熱抵抗体16としては、図2(A)に示
すように、加熱領域16aの電気抵抗値が100Ω程度
から2.5kΩ程度であるような材料を用いる。
すように、加熱領域16aの電気抵抗値が100Ω程度
から2.5kΩ程度であるような材料を用いる。
【0053】この例では、熱Hの印加によってCTRサ
ーミスタ15bの温度が50℃を越えると、CTRサー
ミスタ15bが低電気抵抗値に変化することによって、
発熱抵抗体16が通電され、発熱する。そして、その発
熱抵抗体16からの熱伝導によりPTCサーミスタ15
cの温度が70℃に達すると、PTCサーミスタ15c
が高電気抵抗値に変化することによって、発熱抵抗体1
6への通電が阻止され、発熱抵抗体16の発熱が停止す
る。
ーミスタ15bの温度が50℃を越えると、CTRサー
ミスタ15bが低電気抵抗値に変化することによって、
発熱抵抗体16が通電され、発熱する。そして、その発
熱抵抗体16からの熱伝導によりPTCサーミスタ15
cの温度が70℃に達すると、PTCサーミスタ15c
が高電気抵抗値に変化することによって、発熱抵抗体1
6への通電が阻止され、発熱抵抗体16の発熱が停止す
る。
【0054】したがって、この例の記録ヘッドは、記録
に必要な温度が70℃程度の比較的低温の熱転写記録な
どの記録方式に用いることができる。
に必要な温度が70℃程度の比較的低温の熱転写記録な
どの記録方式に用いることができる。
【0055】第2の例として、第1の例と同様に、層1
5bをCTRサーミスタ、層15cをPTCサーミスタ
とするが、それぞれの温度抵抗特性を図2(B)に示す
ようなものとする。
5bをCTRサーミスタ、層15cをPTCサーミスタ
とするが、それぞれの温度抵抗特性を図2(B)に示す
ようなものとする。
【0056】具体的に、CTRサーミスタ15bのTc
は、第1の例と同様に、Wの酸化物のドープによって、
50℃に調整し、PTCサーミスタ15cのTcは、B
aの一部をPbで置き換え、その組成比を変えることに
よって、280℃に調整する。Tc前後の特性は、それ
ぞれ図2(A)と同様である。
は、第1の例と同様に、Wの酸化物のドープによって、
50℃に調整し、PTCサーミスタ15cのTcは、B
aの一部をPbで置き換え、その組成比を変えることに
よって、280℃に調整する。Tc前後の特性は、それ
ぞれ図2(A)と同様である。
【0057】発熱抵抗体16としては、図2(A)と同
様に、加熱領域16aの電気抵抗値が100Ω程度から
2.5kΩ程度であるような材料を用いる。
様に、加熱領域16aの電気抵抗値が100Ω程度から
2.5kΩ程度であるような材料を用いる。
【0058】この例では、熱Hの印加によってCTRサ
ーミスタ15bの温度が50℃を越えると、CTRサー
ミスタ15bが低電気抵抗値に変化することによって、
発熱抵抗体16が通電され、発熱する。そして、その発
熱抵抗体16からの熱伝導によりPTCサーミスタ15
cの温度が280℃に達すると、PTCサーミスタ15
cが高電気抵抗値に変化することによって、発熱抵抗体
16への通電が阻止され、発熱抵抗体16の発熱が停止
する。
ーミスタ15bの温度が50℃を越えると、CTRサー
ミスタ15bが低電気抵抗値に変化することによって、
発熱抵抗体16が通電され、発熱する。そして、その発
熱抵抗体16からの熱伝導によりPTCサーミスタ15
cの温度が280℃に達すると、PTCサーミスタ15
cが高電気抵抗値に変化することによって、発熱抵抗体
16への通電が阻止され、発熱抵抗体16の発熱が停止
する。
【0059】したがって、この例の記録ヘッドは、記録
に必要な温度が280℃程度の高温の電気熱変換型のイ
ンクジェット記録などの記録方式に用いることができ
る。
に必要な温度が280℃程度の高温の電気熱変換型のイ
ンクジェット記録などの記録方式に用いることができ
る。
【0060】第3の例として、層15bをNTCサーミ
スタ、層15cをPTCサーミスタとし、それぞれの温
度抵抗特性を図3(A)に示すようなものとする。
スタ、層15cをPTCサーミスタとし、それぞれの温
度抵抗特性を図3(A)に示すようなものとする。
【0061】NTCサーミスタは、Mn,Fe,Co,
Ni,Cuなどの遷移金属酸化物の複合焼結体からなる
が、基本的にはFe3O4スピネル相を主成分としたも
のである。その他、還元型TiO2焼結体、SiC焼結
体を用いたものや、V2O5またはFe2O3をベース
としたガラス半導体系サーミスタがある。200℃以上
では還元性雰囲気によって還元劣化するので、ガラス被
覆される。NTCサーミスタのB定数は2000〜50
00Kの範囲が一般的であるが、この例のNTCサーミ
スタ15bとしては、B定数が3000K以上のもの
で、電気抵抗値を図3(A)のように調整したものを用
いる。
Ni,Cuなどの遷移金属酸化物の複合焼結体からなる
が、基本的にはFe3O4スピネル相を主成分としたも
のである。その他、還元型TiO2焼結体、SiC焼結
体を用いたものや、V2O5またはFe2O3をベース
としたガラス半導体系サーミスタがある。200℃以上
では還元性雰囲気によって還元劣化するので、ガラス被
覆される。NTCサーミスタのB定数は2000〜50
00Kの範囲が一般的であるが、この例のNTCサーミ
スタ15bとしては、B定数が3000K以上のもの
で、電気抵抗値を図3(A)のように調整したものを用
いる。
【0062】PTCサーミスタ15cのTcは、BaT
iO3で、その組成比を変えることによって、130℃
に調整する。Tc前後の特性は、図2(A)と同様であ
る。発熱抵抗体16としては、図2(A)と同様に、加
熱領域16aの電気抵抗値が100Ω程度から2.5k
Ω程度であるような材料を用いる。
iO3で、その組成比を変えることによって、130℃
に調整する。Tc前後の特性は、図2(A)と同様であ
る。発熱抵抗体16としては、図2(A)と同様に、加
熱領域16aの電気抵抗値が100Ω程度から2.5k
Ω程度であるような材料を用いる。
【0063】この例では、熱Hの印加によってNTCサ
ーミスタ15bの温度が約50℃を越えると、NTCサ
ーミスタ15bの自己発熱と、発熱抵抗体16の通電発
熱が進むが、温度の上昇につれて、NTCサーミスタ1
5bの発熱は停止し、発熱抵抗体16からの熱伝導によ
りPTCサーミスタ15cの温度が130℃に達する
と、PTCサーミスタ15cが高電気抵抗値に変化する
ことによって、発熱抵抗体16への通電が阻止され、発
熱抵抗体16の発熱が停止する。
ーミスタ15bの温度が約50℃を越えると、NTCサ
ーミスタ15bの自己発熱と、発熱抵抗体16の通電発
熱が進むが、温度の上昇につれて、NTCサーミスタ1
5bの発熱は停止し、発熱抵抗体16からの熱伝導によ
りPTCサーミスタ15cの温度が130℃に達する
と、PTCサーミスタ15cが高電気抵抗値に変化する
ことによって、発熱抵抗体16への通電が阻止され、発
熱抵抗体16の発熱が停止する。
【0064】したがって、この例の記録ヘッドは、記録
に必要な温度が130℃程度の比較的高温の記録方式に
用いることができる。
に必要な温度が130℃程度の比較的高温の記録方式に
用いることができる。
【0065】第4の例として、第3の例と同様に、層1
5bをNTCサーミスタ、層15cをPTCサーミスタ
とするが、それぞれの温度抵抗特性を図3(B)に示す
ようなものとする。
5bをNTCサーミスタ、層15cをPTCサーミスタ
とするが、それぞれの温度抵抗特性を図3(B)に示す
ようなものとする。
【0066】具体的に、NTCサーミスタ15bは、図
3(A)と同じ特性にし、PTCサーミスタ15cは、
図2(B)と同じ特性にする。
3(A)と同じ特性にし、PTCサーミスタ15cは、
図2(B)と同じ特性にする。
【0067】発熱抵抗体16としては、図2(A)と同
様に、加熱領域16aの電気抵抗値が100Ω程度から
2.5kΩ程度であるような材料を用いる。
様に、加熱領域16aの電気抵抗値が100Ω程度から
2.5kΩ程度であるような材料を用いる。
【0068】この例では、熱Hの印加によってNTCサ
ーミスタ15bの温度が約50℃を越えると、NTCサ
ーミスタ15bの自己発熱と、発熱抵抗体16の通電発
熱が進むが、温度の上昇につれて、NTCサーミスタ1
5bの発熱は停止し、発熱抵抗体16からの熱伝導によ
りPTCサーミスタ15cの温度が280℃に達する
と、PTCサーミスタ15cが高電気抵抗値に変化する
ことによって、発熱抵抗体16への通電が阻止され、発
熱抵抗体16の発熱が停止する。
ーミスタ15bの温度が約50℃を越えると、NTCサ
ーミスタ15bの自己発熱と、発熱抵抗体16の通電発
熱が進むが、温度の上昇につれて、NTCサーミスタ1
5bの発熱は停止し、発熱抵抗体16からの熱伝導によ
りPTCサーミスタ15cの温度が280℃に達する
と、PTCサーミスタ15cが高電気抵抗値に変化する
ことによって、発熱抵抗体16への通電が阻止され、発
熱抵抗体16の発熱が停止する。
【0069】したがって、この例の記録ヘッドは、記録
に必要な温度が280℃程度の高温の電気熱変換型のイ
ンクジェット記録などの記録方式に用いることができ
る。
に必要な温度が280℃程度の高温の電気熱変換型のイ
ンクジェット記録などの記録方式に用いることができ
る。
【0070】なお、層15bを形成するCTRサーミス
タまたはNTCサーミスタ、および層15cを形成する
PTCサーミスタは、図2(A)(B)または図3
(A)(B)に示した特性以外の特性とすることもでき
る。
タまたはNTCサーミスタ、および層15cを形成する
PTCサーミスタは、図2(A)(B)または図3
(A)(B)に示した特性以外の特性とすることもでき
る。
【0071】(第2の実施形態…図4〜図6)図4は、
この発明の記録ヘッドの第2の実施形態を示す。この実
施形態は、熱−抵抗スイッチング素子15と別に発熱抵
抗体を設けず、熱−抵抗スイッチング素子15そのもの
を発熱抵抗体とする場合で、熱−抵抗スイッチング素子
15を2つの層15bおよび15cによって構成する点
を含めて、その他は図1に示した第1の実施形態と同じ
である。
この発明の記録ヘッドの第2の実施形態を示す。この実
施形態は、熱−抵抗スイッチング素子15と別に発熱抵
抗体を設けず、熱−抵抗スイッチング素子15そのもの
を発熱抵抗体とする場合で、熱−抵抗スイッチング素子
15を2つの層15bおよび15cによって構成する点
を含めて、その他は図1に示した第1の実施形態と同じ
である。
【0072】第1の例として、層15bをCTRサーミ
スタ、層15cをPTCサーミスタとし、それぞれの温
度抵抗特性を図5(A)に示すようなものとする。
スタ、層15cをPTCサーミスタとし、それぞれの温
度抵抗特性を図5(A)に示すようなものとする。
【0073】具体的に、図2(A)の例と同様に、CT
Rサーミスタ15bのTcは、Wの酸化物のドープによ
って、50℃に調整し、Tc前後の電気抵抗値は、Tc
を下回る温度では105Ω程度であるものが、Tcの5
0℃に達すると急激に低下して、Tcを越える温度では
101Ω程度となるようにする。
Rサーミスタ15bのTcは、Wの酸化物のドープによ
って、50℃に調整し、Tc前後の電気抵抗値は、Tc
を下回る温度では105Ω程度であるものが、Tcの5
0℃に達すると急激に低下して、Tcを越える温度では
101Ω程度となるようにする。
【0074】PTCサーミスタ15cのTcは、BaT
iO3で、その組成比を変えることによって、70℃に
調整し、Tc前後の電気抵抗値は、Tcを下回る温度で
は102Ω程度であるものが、Tcの70℃に達すると
急激に上昇して、Tcを越える温度では106Ω程度に
達するようにする。
iO3で、その組成比を変えることによって、70℃に
調整し、Tc前後の電気抵抗値は、Tcを下回る温度で
は102Ω程度であるものが、Tcの70℃に達すると
急激に上昇して、Tcを越える温度では106Ω程度に
達するようにする。
【0075】この例では、熱Hの印加によってCTRサ
ーミスタ15bの温度が50℃を越えると、CTRサー
ミスタ15bが低電気抵抗値に変化することによって、
PTCサーミスタ15cが通電され、発熱する。そし
て、その通電発熱によりPTCサーミスタ15cの温度
が70℃に達すると、PTCサーミスタ15cが高電気
抵抗値に変化することによって、PTCサーミスタ15
cへの通電が阻止され、PTCサーミスタ15cの発熱
が停止する。
ーミスタ15bの温度が50℃を越えると、CTRサー
ミスタ15bが低電気抵抗値に変化することによって、
PTCサーミスタ15cが通電され、発熱する。そし
て、その通電発熱によりPTCサーミスタ15cの温度
が70℃に達すると、PTCサーミスタ15cが高電気
抵抗値に変化することによって、PTCサーミスタ15
cへの通電が阻止され、PTCサーミスタ15cの発熱
が停止する。
【0076】したがって、この例の記録ヘッドは、記録
に必要な温度が70℃程度の比較的低温の熱転写記録な
どの記録方式に用いることができる。
に必要な温度が70℃程度の比較的低温の熱転写記録な
どの記録方式に用いることができる。
【0077】第2の例として、第1の例と同様に、層1
5bをCTRサーミスタ、層15cをPTCサーミスタ
とするが、それぞれの温度抵抗特性を図5(B)に示す
ようなものとする。
5bをCTRサーミスタ、層15cをPTCサーミスタ
とするが、それぞれの温度抵抗特性を図5(B)に示す
ようなものとする。
【0078】具体的に、CTRサーミスタ15bのTc
は、Wの酸化物のドープによって、50℃に調整し、T
c前後の電気抵抗値は、Tcを下回る温度では105Ω
程度であるものが、Tcの50℃に達すると急激に低下
して、Tcを越える温度では102Ω程度となるように
する。
は、Wの酸化物のドープによって、50℃に調整し、T
c前後の電気抵抗値は、Tcを下回る温度では105Ω
程度であるものが、Tcの50℃に達すると急激に低下
して、Tcを越える温度では102Ω程度となるように
する。
【0079】また、PTCサーミスタ15cのTcは、
Baの一部をPbで置き換え、その組成比を変えること
によって、70℃に調整し、Tc前後の電気抵抗値は、
Tcを下回る温度では101Ω程度であるものが、Tc
の70℃に達すると急激に上昇して、Tcを越える温度
では106Ω程度に達するようにする。
Baの一部をPbで置き換え、その組成比を変えること
によって、70℃に調整し、Tc前後の電気抵抗値は、
Tcを下回る温度では101Ω程度であるものが、Tc
の70℃に達すると急激に上昇して、Tcを越える温度
では106Ω程度に達するようにする。
【0080】すなわち、この例では、CTRサーミスタ
15bのTcを越える温度での電気抵抗値と、PTCサ
ーミスタ15cのTcを下回る温度での電気抵抗値と
を、図5(A)の第1の例に対して入れ替える。
15bのTcを越える温度での電気抵抗値と、PTCサ
ーミスタ15cのTcを下回る温度での電気抵抗値と
を、図5(A)の第1の例に対して入れ替える。
【0081】この例では、熱Hの印加によってCTRサ
ーミスタ15bの温度が50℃を越えると、CTRサー
ミスタ15bが低電気抵抗値に変化することによって、
CTRサーミスタ15b自身が通電され、発熱する。そ
して、このCTRサーミスタ15bからの熱伝導により
PTCサーミスタ15cの温度が70℃に達すると、P
TCサーミスタ15cが高電気抵抗値に変化することに
よって、CTRサーミスタ15bへの通電が阻止され、
CTRサーミスタ15bの発熱が停止する。
ーミスタ15bの温度が50℃を越えると、CTRサー
ミスタ15bが低電気抵抗値に変化することによって、
CTRサーミスタ15b自身が通電され、発熱する。そ
して、このCTRサーミスタ15bからの熱伝導により
PTCサーミスタ15cの温度が70℃に達すると、P
TCサーミスタ15cが高電気抵抗値に変化することに
よって、CTRサーミスタ15bへの通電が阻止され、
CTRサーミスタ15bの発熱が停止する。
【0082】したがって、この例の記録ヘッドは、記録
に必要な温度が70℃程度の比較的低温の熱転写記録な
どの記録方式に用いることができる。
に必要な温度が70℃程度の比較的低温の熱転写記録な
どの記録方式に用いることができる。
【0083】第3の例として、第1および第2の例と同
様に、層15bをCTRサーミスタ、層15cをPTC
サーミスタとするが、それぞれの温度抵抗特性を図5
(C)に示すようなものとする。
様に、層15bをCTRサーミスタ、層15cをPTC
サーミスタとするが、それぞれの温度抵抗特性を図5
(C)に示すようなものとする。
【0084】具体的に、CTRサーミスタ15bのTc
は、第1の例と同様に、Wの酸化物のドープによって、
50℃に調整し、Tc前後の電気抵抗値は、図5(A)
と同様にする。
は、第1の例と同様に、Wの酸化物のドープによって、
50℃に調整し、Tc前後の電気抵抗値は、図5(A)
と同様にする。
【0085】PTCサーミスタ15cのTcは、Baの
一部をPbで置き換え、その組成比を変えることによっ
て、300℃に調整し、Tc前後の電気抵抗値は、Tc
を下回る温度では102Ω程度であるものが、Tcの3
00℃に達すると急激に上昇して、Tcを越える温度で
は106Ω程度に達するようにする。
一部をPbで置き換え、その組成比を変えることによっ
て、300℃に調整し、Tc前後の電気抵抗値は、Tc
を下回る温度では102Ω程度であるものが、Tcの3
00℃に達すると急激に上昇して、Tcを越える温度で
は106Ω程度に達するようにする。
【0086】この例では、熱Hの印加によってCTRサ
ーミスタ15bの温度が50℃を越えると、CTRサー
ミスタ15bが低電気抵抗値に変化することによって、
PTCサーミスタ15cが通電され、発熱する。そし
て、その通電発熱によりPTCサーミスタ15cの温度
が300℃に達すると、PTCサーミスタ15cが高電
気抵抗値に変化することによって、PTCサーミスタ1
5cへの通電が阻止され、PTCサーミスタ15cの発
熱が停止する。
ーミスタ15bの温度が50℃を越えると、CTRサー
ミスタ15bが低電気抵抗値に変化することによって、
PTCサーミスタ15cが通電され、発熱する。そし
て、その通電発熱によりPTCサーミスタ15cの温度
が300℃に達すると、PTCサーミスタ15cが高電
気抵抗値に変化することによって、PTCサーミスタ1
5cへの通電が阻止され、PTCサーミスタ15cの発
熱が停止する。
【0087】したがって、この例の記録ヘッドは、記録
に必要な温度が300℃程度の高温の電気熱変換型のイ
ンクジェット記録などの記録方式に用いることができ
る。
に必要な温度が300℃程度の高温の電気熱変換型のイ
ンクジェット記録などの記録方式に用いることができ
る。
【0088】第4の例として、第1〜第3の例と同様
に、層15bをCTRサーミスタ、層15cをPTCサ
ーミスタとするが、それぞれの温度抵抗特性を図5
(D)に示すようなものとする。
に、層15bをCTRサーミスタ、層15cをPTCサ
ーミスタとするが、それぞれの温度抵抗特性を図5
(D)に示すようなものとする。
【0089】具体的に、CTRサーミスタ15bのTc
は、Wの酸化物のドープによって、50℃に調整し、T
c前後の電気抵抗値は、Tcを下回る温度では105Ω
程度であるものが、Tcの50℃に達すると急激に低下
して、Tcを越える温度では102Ω程度となるように
する。
は、Wの酸化物のドープによって、50℃に調整し、T
c前後の電気抵抗値は、Tcを下回る温度では105Ω
程度であるものが、Tcの50℃に達すると急激に低下
して、Tcを越える温度では102Ω程度となるように
する。
【0090】また、PTCサーミスタ15cのTcは、
Baの一部をPbで置き換え、その組成比を変えること
によって、280℃に調整し、Tc前後の電気抵抗値
は、Tcを下回る温度では101Ω程度であるものが、
Tcの280℃に達すると急激に上昇して、Tcを越え
る温度では106Ω程度に達するようにする。
Baの一部をPbで置き換え、その組成比を変えること
によって、280℃に調整し、Tc前後の電気抵抗値
は、Tcを下回る温度では101Ω程度であるものが、
Tcの280℃に達すると急激に上昇して、Tcを越え
る温度では106Ω程度に達するようにする。
【0091】すなわち、この例では、CTRサーミスタ
15bのTcを越える温度での電気抵抗値と、PTCサ
ーミスタ15cのTcを下回る温度での電気抵抗値と
を、図5(C)の第3の例に対して入れ替える。
15bのTcを越える温度での電気抵抗値と、PTCサ
ーミスタ15cのTcを下回る温度での電気抵抗値と
を、図5(C)の第3の例に対して入れ替える。
【0092】この例では、熱Hの印加によってCTRサ
ーミスタ15bの温度が50℃を越えると、CTRサー
ミスタ15bが低電気抵抗値に変化することによって、
CTRサーミスタ15b自身が通電され、発熱する。そ
して、このCTRサーミスタ15bからの熱伝導により
PTCサーミスタ15cの温度が280℃に達すると、
PTCサーミスタ15cが高電気抵抗値に変化すること
によって、CTRサーミスタ15bへの通電が阻止さ
れ、CTRサーミスタ15bの発熱が停止する。したが
って、この例の記録ヘッドは、記録に必要な温度が28
0℃程度の高温の電気熱変換型のインクジェット記録な
どの記録方式に用いることができる。
ーミスタ15bの温度が50℃を越えると、CTRサー
ミスタ15bが低電気抵抗値に変化することによって、
CTRサーミスタ15b自身が通電され、発熱する。そ
して、このCTRサーミスタ15bからの熱伝導により
PTCサーミスタ15cの温度が280℃に達すると、
PTCサーミスタ15cが高電気抵抗値に変化すること
によって、CTRサーミスタ15bへの通電が阻止さ
れ、CTRサーミスタ15bの発熱が停止する。したが
って、この例の記録ヘッドは、記録に必要な温度が28
0℃程度の高温の電気熱変換型のインクジェット記録な
どの記録方式に用いることができる。
【0093】第5の例として、層15bをNTCサーミ
スタ、層15cをPTCサーミスタとし、それぞれの温
度抵抗特性を図6(A)に示すようなものとする。
スタ、層15cをPTCサーミスタとし、それぞれの温
度抵抗特性を図6(A)に示すようなものとする。
【0094】具体的に、NTCサーミスタ15bは、図
3(A)(B)と同じ特性にし、PTCサーミスタ15
cのTcは、BaTiO3で、その組成比を変えること
によって、150℃に調整し、Tc前後の電気抵抗値
は、図5(A)と同様にする。この例では、熱Hの印加
によってNTCサーミスタ15bの温度が約50℃を越
えると、NTCサーミスタ15bの自己発熱と、PTC
サーミスタ15cの通電発熱が進むが、温度の上昇につ
れて、NTCサーミスタ15bの発熱は停止し、PTC
サーミスタ15cの温度が150℃に達すると、PTC
サーミスタ15cが高電気抵抗値に変化することによっ
て、PTCサーミスタ15cへの通電が阻止され、PT
Cサーミスタ15cの発熱が停止する。
3(A)(B)と同じ特性にし、PTCサーミスタ15
cのTcは、BaTiO3で、その組成比を変えること
によって、150℃に調整し、Tc前後の電気抵抗値
は、図5(A)と同様にする。この例では、熱Hの印加
によってNTCサーミスタ15bの温度が約50℃を越
えると、NTCサーミスタ15bの自己発熱と、PTC
サーミスタ15cの通電発熱が進むが、温度の上昇につ
れて、NTCサーミスタ15bの発熱は停止し、PTC
サーミスタ15cの温度が150℃に達すると、PTC
サーミスタ15cが高電気抵抗値に変化することによっ
て、PTCサーミスタ15cへの通電が阻止され、PT
Cサーミスタ15cの発熱が停止する。
【0095】したがって、この例の記録ヘッドは、記録
に必要な温度が150℃程度の比較的高温の記録方式に
用いることができる。
に必要な温度が150℃程度の比較的高温の記録方式に
用いることができる。
【0096】第6の例として、第5の例と同様に、層1
5bをNTCサーミスタ、層15cをPTCサーミスタ
とするが、それぞれの温度抵抗特性を図6(B)に示す
ようなものとする。
5bをNTCサーミスタ、層15cをPTCサーミスタ
とするが、それぞれの温度抵抗特性を図6(B)に示す
ようなものとする。
【0097】具体的に、NTCサーミスタ15bは、図
6(A)と同じ特性にし、PTCサーミスタ15cのT
cは、BaTiO3で、その組成比を変えることによっ
て、75℃に調整し、Tc前後の電気抵抗値は、Tcを
下回る温度では101Ω程度であるものが、Tcの75
℃に達すると急激に上昇して、Tcを越える温度では1
06Ω程度に達するようにする。
6(A)と同じ特性にし、PTCサーミスタ15cのT
cは、BaTiO3で、その組成比を変えることによっ
て、75℃に調整し、Tc前後の電気抵抗値は、Tcを
下回る温度では101Ω程度であるものが、Tcの75
℃に達すると急激に上昇して、Tcを越える温度では1
06Ω程度に達するようにする。
【0098】この例では、熱Hの印加によってNTCサ
ーミスタ15bの温度が約50℃を越えると、NTCサ
ーミスタ15bの自己発熱が進むが(PTCサーミスタ
15cは通電するが、電気抵抗値が低いので発熱しな
い)、そのNTCサーミスタ15bからの熱伝導により
PTCサーミスタ15cの温度が75℃に達すると、P
TCサーミスタ15cが高電気抵抗値に変化することに
よって、PTCサーミスタ15cへの通電が阻止され、
NTCサーミスタ15bの通電発熱が停止する。したが
って、この例の記録ヘッドは、記録に必要な温度が75
℃程度の比較的低温の熱転写記録などの記録方式に用い
ることができる。
ーミスタ15bの温度が約50℃を越えると、NTCサ
ーミスタ15bの自己発熱が進むが(PTCサーミスタ
15cは通電するが、電気抵抗値が低いので発熱しな
い)、そのNTCサーミスタ15bからの熱伝導により
PTCサーミスタ15cの温度が75℃に達すると、P
TCサーミスタ15cが高電気抵抗値に変化することに
よって、PTCサーミスタ15cへの通電が阻止され、
NTCサーミスタ15bの通電発熱が停止する。したが
って、この例の記録ヘッドは、記録に必要な温度が75
℃程度の比較的低温の熱転写記録などの記録方式に用い
ることができる。
【0099】第7の例として、第5および第6の例と同
様に、層15bをNTCサーミスタ、層15cをPTC
サーミスタとするが、それぞれの温度抵抗特性を図6
(C)に示すようなものとする。
様に、層15bをNTCサーミスタ、層15cをPTC
サーミスタとするが、それぞれの温度抵抗特性を図6
(C)に示すようなものとする。
【0100】具体的に、NTCサーミスタ15bは、図
6(A)(B)と同じ特性にし、PTCサーミスタ15
cは、図5(C)と同じ特性にする。
6(A)(B)と同じ特性にし、PTCサーミスタ15
cは、図5(C)と同じ特性にする。
【0101】この例では、熱Hの印加によってNTCサ
ーミスタ15bの温度が約50℃を越えると、NTCサ
ーミスタ15bの自己発熱と、PTCサーミスタ15c
の通電発熱が進むが、温度の上昇につれて、NTCサー
ミスタ15bの発熱は停止し、PTCサーミスタ15c
の温度が300℃に達すると、PTCサーミスタ15c
が高電気抵抗値に変化することによって、PTCサーミ
スタ15cへの通電が阻止され、PTCサーミスタ15
cの発熱が停止する。
ーミスタ15bの温度が約50℃を越えると、NTCサ
ーミスタ15bの自己発熱と、PTCサーミスタ15c
の通電発熱が進むが、温度の上昇につれて、NTCサー
ミスタ15bの発熱は停止し、PTCサーミスタ15c
の温度が300℃に達すると、PTCサーミスタ15c
が高電気抵抗値に変化することによって、PTCサーミ
スタ15cへの通電が阻止され、PTCサーミスタ15
cの発熱が停止する。
【0102】したがって、この例の記録ヘッドは、記録
に必要な温度が300℃程度の高温の電気熱変換型のイ
ンクジェット記録などの記録方式に用いることができ
る。
に必要な温度が300℃程度の高温の電気熱変換型のイ
ンクジェット記録などの記録方式に用いることができ
る。
【0103】なお、層15bを形成するCTRサーミス
タまたはNTCサーミスタ、および層15cを形成する
PTCサーミスタは、図5(A)〜(D)または図6
(A)〜(C)に示した特性以外の特性とすることもで
きる。
タまたはNTCサーミスタ、および層15cを形成する
PTCサーミスタは、図5(A)〜(D)または図6
(A)〜(C)に示した特性以外の特性とすることもで
きる。
【0104】〔記録装置の実施形態〕 (記録ヘッドの一例…図7)図7は、この発明の記録装
置に用いる記録ヘッドの一例を示す。
置に用いる記録ヘッドの一例を示す。
【0105】この例の記録ヘッドは、図1の記録ヘッド
において、特に熱印加手段20をレーザ加熱によるもの
とし、そのため、基材10を透明基材とし、電極11を
透明電極とするとともに、透明電極11と熱−抵抗スイ
ッチング素子15との間に光熱変換層14を形成し、レ
ーザ光照射手段21から透明基材10および透明電極1
1を介して光熱変換層14に、画像情報に応じて選択的
にレーザ光LBを照射するものである。
において、特に熱印加手段20をレーザ加熱によるもの
とし、そのため、基材10を透明基材とし、電極11を
透明電極とするとともに、透明電極11と熱−抵抗スイ
ッチング素子15との間に光熱変換層14を形成し、レ
ーザ光照射手段21から透明基材10および透明電極1
1を介して光熱変換層14に、画像情報に応じて選択的
にレーザ光LBを照射するものである。
【0106】この例の記録ヘッドでは、レーザ光LBが
光熱変換層14の領域に照射されることにより、その領
域でレーザ光LBの光エネルギーが熱エネルギーに変換
されて、隣接する熱−抵抗スイッチング素子15の領域
15aに熱が印加され、これにより、隣接する発熱抵抗
体16の領域16aが通電発熱する。
光熱変換層14の領域に照射されることにより、その領
域でレーザ光LBの光エネルギーが熱エネルギーに変換
されて、隣接する熱−抵抗スイッチング素子15の領域
15aに熱が印加され、これにより、隣接する発熱抵抗
体16の領域16aが通電発熱する。
【0107】透明基材10の材料としては、レーザ光L
Bに対して高い透過率を示し、特に光熱変換層14の有
効吸収波長域での透過率が30%以上となるものが好ま
しい。その耐熱温度は、120℃以上が好ましい。具体
的に、透明基材10の材料としては、各種珪素系ガラス
材、フッ素系化合物材、ポリイミド材、ポリアラミド
材、ポリエステル材、アクリル樹脂材、シリコン樹脂材
などが好ましい。特に、高い耐熱性を必要とする場合に
は、ビス(ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロ
パン無水物系ポリイミド材や、ビス(トリフルオロメチ
ル)ジアミノビフェニル系ポリイミド材などを用いれば
よい。
Bに対して高い透過率を示し、特に光熱変換層14の有
効吸収波長域での透過率が30%以上となるものが好ま
しい。その耐熱温度は、120℃以上が好ましい。具体
的に、透明基材10の材料としては、各種珪素系ガラス
材、フッ素系化合物材、ポリイミド材、ポリアラミド
材、ポリエステル材、アクリル樹脂材、シリコン樹脂材
などが好ましい。特に、高い耐熱性を必要とする場合に
は、ビス(ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロ
パン無水物系ポリイミド材や、ビス(トリフルオロメチ
ル)ジアミノビフェニル系ポリイミド材などを用いれば
よい。
【0108】透明基材10の厚みは、剛性を生じる厚み
であればよいが、後述するように記録ヘッド1をライン
状に構成する場合には1mm程度、回転可能な円筒状に
構成する場合には5mm程度が好ましい。また、回転可
能な円筒状にして他の支持体で補強する場合には、透明
基材10を無端ベルト状にして75μm程度の厚みにし
てもよい。
であればよいが、後述するように記録ヘッド1をライン
状に構成する場合には1mm程度、回転可能な円筒状に
構成する場合には5mm程度が好ましい。また、回転可
能な円筒状にして他の支持体で補強する場合には、透明
基材10を無端ベルト状にして75μm程度の厚みにし
てもよい。
【0109】透明電極11の材料としては、抵抗率が1
03Ω・cm以下の光透過性のものであればよく、例え
ば、ITO,SnO2またはそのドープ系材料、In2
O3,ZnOまたはそのドープ系材料、CdIn
2O4,Cd2SnO4またはそれらの混合材料などが
好ましい。その成膜方法としては、スプレー塗布法、真
空蒸着法、RFスパッタ法、DCスパッタ法、CVD
法、ARE法などを用いる。
03Ω・cm以下の光透過性のものであればよく、例え
ば、ITO,SnO2またはそのドープ系材料、In2
O3,ZnOまたはそのドープ系材料、CdIn
2O4,Cd2SnO4またはそれらの混合材料などが
好ましい。その成膜方法としては、スプレー塗布法、真
空蒸着法、RFスパッタ法、DCスパッタ法、CVD
法、ARE法などを用いる。
【0110】透明電極11の厚みは、0.2〜1μm程
度の範囲が好ましい。透明電極11の耐熱温度は、繰り
返して記録する場合の安定性のためには、200℃以上
が好ましく、より高温の記録のためには、400℃以上
が好ましい。
度の範囲が好ましい。透明電極11の耐熱温度は、繰り
返して記録する場合の安定性のためには、200℃以上
が好ましく、より高温の記録のためには、400℃以上
が好ましい。
【0111】光熱変換層14の材料としては、抵抗率が
103Ω・cm以下の導電性を有するもので、レーザ光
LBを吸収するものであればよい。その厚みは、1μm
以下で、光がほとんど透過しない範囲であればよい。レ
ーザ光照射手段21として発振波長が近赤外域の一般的
なレーザを用いる場合には、光熱変換層14としてはグ
ラファイトなどの材料を用いることができる。
103Ω・cm以下の導電性を有するもので、レーザ光
LBを吸収するものであればよい。その厚みは、1μm
以下で、光がほとんど透過しない範囲であればよい。レ
ーザ光照射手段21として発振波長が近赤外域の一般的
なレーザを用いる場合には、光熱変換層14としてはグ
ラファイトなどの材料を用いることができる。
【0112】熱−抵抗スイッチング素子15は、図1〜
図3または図4〜図6に示したような、CTRサーミス
タまたはNTCサーミスタとPTCサーミスタとの積層
複合体に限らず、CTRサーミスタの層単体でもよい。
図3または図4〜図6に示したような、CTRサーミス
タまたはNTCサーミスタとPTCサーミスタとの積層
複合体に限らず、CTRサーミスタの層単体でもよい。
【0113】発熱抵抗体16は、層内への通電によりジ
ュール熱が発生する電熱現象を生じる材料によって形成
し、その材料は、耐熱温度が150℃以上、より好まし
くは300℃を越えるものがよい。発熱抵抗体16の抵
抗率は、102Ω・cm〜104Ω・cmの範囲内に設
定する。発熱抵抗体16の厚みは、0.2〜1μm程度
の範囲が好ましい。
ュール熱が発生する電熱現象を生じる材料によって形成
し、その材料は、耐熱温度が150℃以上、より好まし
くは300℃を越えるものがよい。発熱抵抗体16の抵
抗率は、102Ω・cm〜104Ω・cmの範囲内に設
定する。発熱抵抗体16の厚みは、0.2〜1μm程度
の範囲が好ましい。
【0114】具体的に、発熱抵抗体16の材料として
は、各種セラミックス材や耐熱性樹脂と導電性または絶
縁性フィラーの1種または複数種からなる混合/複合材
料や、各種セラミックス材料と導電材との混合/複合材
料などを用いる。各種セラミックス材としては、アルミ
ナ、ジルコニア、珪素化合物、マグネシウム化合物など
を用いる。耐熱性樹脂としては、ポリイミド樹脂、ポリ
アラミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミドアミド樹
脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、
ポリ−P−キシリレン樹脂など、またはそれらの誘導体
を含む材料を用いる。導電性フィラーおよび導電材とし
ては、C,Ni,Au,Ag,Fe,Al,Ti,P
d,Ta,Cu,Co,Cr,Pt,Mo,Ru,W,
Inなどの無機系材料や、VO2,Ru2O,TaN,
SiC,ZrO2,InO,Ta2N,ZrN,Nb
N,VN,TiB2,ZrB2,HfB2,TaB2,
MoB2,CrB2,B2C,MoB,ZrC,VC,
TiCなどの1種またはそれらの化合物や混合物からな
る材料を用いる。絶縁材料は、電気抵抗値制御や結着の
ために用いるもので、上記の各種セラミックス材と耐熱
性樹脂とにより構成されているものが好ましい。
は、各種セラミックス材や耐熱性樹脂と導電性または絶
縁性フィラーの1種または複数種からなる混合/複合材
料や、各種セラミックス材料と導電材との混合/複合材
料などを用いる。各種セラミックス材としては、アルミ
ナ、ジルコニア、珪素化合物、マグネシウム化合物など
を用いる。耐熱性樹脂としては、ポリイミド樹脂、ポリ
アラミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミドアミド樹
脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、
ポリ−P−キシリレン樹脂など、またはそれらの誘導体
を含む材料を用いる。導電性フィラーおよび導電材とし
ては、C,Ni,Au,Ag,Fe,Al,Ti,P
d,Ta,Cu,Co,Cr,Pt,Mo,Ru,W,
Inなどの無機系材料や、VO2,Ru2O,TaN,
SiC,ZrO2,InO,Ta2N,ZrN,Nb
N,VN,TiB2,ZrB2,HfB2,TaB2,
MoB2,CrB2,B2C,MoB,ZrC,VC,
TiCなどの1種またはそれらの化合物や混合物からな
る材料を用いる。絶縁材料は、電気抵抗値制御や結着の
ために用いるもので、上記の各種セラミックス材と耐熱
性樹脂とにより構成されているものが好ましい。
【0115】電極17としては、抵抗率が102Ω・c
m以下の導電性を有するもので、一般的には金属材料の
薄膜が好適である。その厚みは、0.2〜1μm程度の
範囲が好ましい。具体的に、電極17の材料としては、
C,Ni,Au,Ag,Fe,Al,Ti,Pd,T
a,Cu,Co,Cr,Pt,Mo,Ru,W,Inな
どの無機系材料や、VO2,Ru2O,TaN,Si
C,ZrO2,InO,Ta2N,ZrN,NbN,V
N,TiB2,ZrB2,HfB2,TaB2,MoB
2,CrB2,B2C,MoB,ZrC,VC,TiC
などを用いる。
m以下の導電性を有するもので、一般的には金属材料の
薄膜が好適である。その厚みは、0.2〜1μm程度の
範囲が好ましい。具体的に、電極17の材料としては、
C,Ni,Au,Ag,Fe,Al,Ti,Pd,T
a,Cu,Co,Cr,Pt,Mo,Ru,W,Inな
どの無機系材料や、VO2,Ru2O,TaN,Si
C,ZrO2,InO,Ta2N,ZrN,NbN,V
N,TiB2,ZrB2,HfB2,TaB2,MoB
2,CrB2,B2C,MoB,ZrC,VC,TiC
などを用いる。
【0116】保護層18の材料としては、記録用途に応
じて、耐熱温度が150℃以上、または300℃を越え
るものが好ましく、シリコン樹脂、含フッ素樹脂または
それらの樹脂の変性樹脂、酸化珪素またはその化合物、
窒化珪素、炭化珪素またはそれらの化合物、酸化チタ
ン、窒化チタン、炭化チタンまたはそれらの化合物、タ
ンタルセラミックスまたはその化合物、その他のセラミ
ックスまたはその化合物などを用いる。保護層18の厚
みは、5μm以下が好ましい。熱伝導の観点からは、よ
り薄い方がよく、1μm程度が好ましい。
じて、耐熱温度が150℃以上、または300℃を越え
るものが好ましく、シリコン樹脂、含フッ素樹脂または
それらの樹脂の変性樹脂、酸化珪素またはその化合物、
窒化珪素、炭化珪素またはそれらの化合物、酸化チタ
ン、窒化チタン、炭化チタンまたはそれらの化合物、タ
ンタルセラミックスまたはその化合物、その他のセラミ
ックスまたはその化合物などを用いる。保護層18の厚
みは、5μm以下が好ましい。熱伝導の観点からは、よ
り薄い方がよく、1μm程度が好ましい。
【0117】駆動電源19は、透明電極11と電極17
との間に電圧を印加できる装置であればよいが、好まし
くは直流電源を用いる。印加電圧は、記録用途に応じ
て、10〜30Vの範囲で設定する。駆動電源19は、
熱−抵抗スイッチング素子15が光熱変換層14により
加熱されないときには、電極11,17間に大きな電流
を流さず、電位を保つ程度の電流を流し、熱−抵抗スイ
ッチング素子15が光熱変換層14により加熱される
と、領域15aにおいて熱−抵抗スイッチング素子15
の電気抵抗値が大幅に低下することによって、電極1
1,17間に大電流を流すという機能を持つものであ
る。これによって、印加された熱に応じたエネルギー
の、SN比の高い熱像を作成することができる。
との間に電圧を印加できる装置であればよいが、好まし
くは直流電源を用いる。印加電圧は、記録用途に応じ
て、10〜30Vの範囲で設定する。駆動電源19は、
熱−抵抗スイッチング素子15が光熱変換層14により
加熱されないときには、電極11,17間に大きな電流
を流さず、電位を保つ程度の電流を流し、熱−抵抗スイ
ッチング素子15が光熱変換層14により加熱される
と、領域15aにおいて熱−抵抗スイッチング素子15
の電気抵抗値が大幅に低下することによって、電極1
1,17間に大電流を流すという機能を持つものであ
る。これによって、印加された熱に応じたエネルギー
の、SN比の高い熱像を作成することができる。
【0118】レーザ光LBは、600DPI以上相当の
解像度を得るために、スポット直径を20〜40μmの
範囲に絞って用いる。レーザ光照射手段21としては、
例えば、発振波長780nm、最大出力50mWの半導
体レーザを用いる。
解像度を得るために、スポット直径を20〜40μmの
範囲に絞って用いる。レーザ光照射手段21としては、
例えば、発振波長780nm、最大出力50mWの半導
体レーザを用いる。
【0119】(レーザ光照射手段の一例…図8)図8
は、この発明の記録装置に用いるレーザ光照射手段の一
例を示す。この例のレーザ光照射手段では、画像情報に
応じて半導体レーザ22を駆動し、半導体レーザ22か
らのレーザ光LBを、駆動モータ23によって回転駆動
されるポリゴンミラー24で反射させ、図では省略した
結像レンズを介して、記録ヘッド1の図7に示した透明
基板10および透明電極11を介して光熱変換層14に
照射する。
は、この発明の記録装置に用いるレーザ光照射手段の一
例を示す。この例のレーザ光照射手段では、画像情報に
応じて半導体レーザ22を駆動し、半導体レーザ22か
らのレーザ光LBを、駆動モータ23によって回転駆動
されるポリゴンミラー24で反射させ、図では省略した
結像レンズを介して、記録ヘッド1の図7に示した透明
基板10および透明電極11を介して光熱変換層14に
照射する。
【0120】(記録装置の第1の例…図9)図9は、こ
の発明の記録装置の第1の例を示し、熱転写記録方式に
よる場合である。
の発明の記録装置の第1の例を示し、熱転写記録方式に
よる場合である。
【0121】この例の記録装置では、記録ヘッド1のヘ
ッド積層体をライン状に形成して、その図7に示した保
護層18とプラテンロール4cとの間にインクリボンフ
ィルム2および記録紙3を圧接し、インクリボンフィル
ム2をロール4a,4b間に搬送する。そして、画像情
報に応じてレーザ光LBを、図7に示したように透明基
材10および透明電極11を介して光熱変換層14に照
射して、上述したように発熱抵抗体16の領域16aを
通電発熱させ、その熱によってインクリボンフィルム2
のインクを溶融して記録紙3上に転写し、記録紙3上に
画像を記録する。
ッド積層体をライン状に形成して、その図7に示した保
護層18とプラテンロール4cとの間にインクリボンフ
ィルム2および記録紙3を圧接し、インクリボンフィル
ム2をロール4a,4b間に搬送する。そして、画像情
報に応じてレーザ光LBを、図7に示したように透明基
材10および透明電極11を介して光熱変換層14に照
射して、上述したように発熱抵抗体16の領域16aを
通電発熱させ、その熱によってインクリボンフィルム2
のインクを溶融して記録紙3上に転写し、記録紙3上に
画像を記録する。
【0122】この場合、図9の紙面に垂直な方向の主走
査は、図7に示したレーザ光照射手段21を図8のよう
に構成してポリゴンミラー24を回転させることによっ
て、またはレーザ光源を図9の紙面に垂直な方向にアレ
イ状に形成することによって行い、図9の左右方向の副
走査は、記録紙3を図9の左右方向に搬送して行う。記
録ヘッド1の図7に示した熱−抵抗スイッチング素子1
5は、インクリボンフィルム2のインク溶融温度に応じ
た温度抵抗特性のものとし、例えば、インク溶融温度が
70℃であれば、図2(A)に示した特性のCTRサー
ミスタ15bとPTCサーミスタ15cとの積層複合体
とする。
査は、図7に示したレーザ光照射手段21を図8のよう
に構成してポリゴンミラー24を回転させることによっ
て、またはレーザ光源を図9の紙面に垂直な方向にアレ
イ状に形成することによって行い、図9の左右方向の副
走査は、記録紙3を図9の左右方向に搬送して行う。記
録ヘッド1の図7に示した熱−抵抗スイッチング素子1
5は、インクリボンフィルム2のインク溶融温度に応じ
た温度抵抗特性のものとし、例えば、インク溶融温度が
70℃であれば、図2(A)に示した特性のCTRサー
ミスタ15bとPTCサーミスタ15cとの積層複合体
とする。
【0123】(記録装置の第2の例…図10)図10
は、この発明の記録装置の第2の例を示し、図9の例と
同様に熱転写記録方式による場合である。
は、この発明の記録装置の第2の例を示し、図9の例と
同様に熱転写記録方式による場合である。
【0124】この例の記録装置では、記録ヘッド1のヘ
ッド積層体を円筒状に形成して一方向に回転させ、その
円筒状のヘッド積層体の内側からレーザ光LBを、透明
基材10および透明電極11を介して光熱変換層14に
照射する。その他は、図9の例と同じである。
ッド積層体を円筒状に形成して一方向に回転させ、その
円筒状のヘッド積層体の内側からレーザ光LBを、透明
基材10および透明電極11を介して光熱変換層14に
照射する。その他は、図9の例と同じである。
【0125】この例によれば、ヘッド積層体の回転に伴
って、レーザ光LBにより熱が印加され、通電により発
熱する領域が移動して、ヘッド積層体が一周する間に同
一領域が冷えるので、蓄熱の影響がなくなり、図9の例
より高速の記録が可能となる。
って、レーザ光LBにより熱が印加され、通電により発
熱する領域が移動して、ヘッド積層体が一周する間に同
一領域が冷えるので、蓄熱の影響がなくなり、図9の例
より高速の記録が可能となる。
【0126】(記録装置の第3の例…図11)図11
は、この発明の記録装置の第3の例を示し、電気熱変換
型のインクジェット記録方式による場合である。
は、この発明の記録装置の第3の例を示し、電気熱変換
型のインクジェット記録方式による場合である。
【0127】この例の記録装置では、図10の例と同様
に、記録ヘッド1のヘッド積層体を円筒状に形成して一
方向に回転させ、その円筒状のヘッド積層体の内側から
レーザ光LBを、透明基材10および透明電極11を介
して光熱変換層14に照射するが、ヘッド積層体の下側
にインク室6を配置して、ヘッド積層体の回転に伴って
インク塗布ロール5により、インク室6内のインク8を
ヘッド積層体の保護層18上に塗布し、ブレード7によ
り余分なインクを除去して、保護層18上にインク薄膜
9を形成する。
に、記録ヘッド1のヘッド積層体を円筒状に形成して一
方向に回転させ、その円筒状のヘッド積層体の内側から
レーザ光LBを、透明基材10および透明電極11を介
して光熱変換層14に照射するが、ヘッド積層体の下側
にインク室6を配置して、ヘッド積層体の回転に伴って
インク塗布ロール5により、インク室6内のインク8を
ヘッド積層体の保護層18上に塗布し、ブレード7によ
り余分なインクを除去して、保護層18上にインク薄膜
9を形成する。
【0128】そして、光熱変換層14へのレーザ光LB
の照射によって、上述したように発熱抵抗体16の領域
を通電発熱させ、その熱によってインク薄膜9の領域を
膜沸騰させて、ヘッド積層体と対向させて図11の左右
方向に搬送する記録紙3上に微小インク滴を吐出させ、
記録紙3上に画像を記録する。
の照射によって、上述したように発熱抵抗体16の領域
を通電発熱させ、その熱によってインク薄膜9の領域を
膜沸騰させて、ヘッド積層体と対向させて図11の左右
方向に搬送する記録紙3上に微小インク滴を吐出させ、
記録紙3上に画像を記録する。
【0129】この例の熱−抵抗スイッチング素子15
は、インク薄膜9が膜沸騰する温度に応じた温度抵抗特
性のものとし、例えば、膜沸騰する温度が280℃であ
れば、図2(B)に示した特性のCTRサーミスタ15
bとPTCサーミスタ15cとの積層複合体とする。
は、インク薄膜9が膜沸騰する温度に応じた温度抵抗特
性のものとし、例えば、膜沸騰する温度が280℃であ
れば、図2(B)に示した特性のCTRサーミスタ15
bとPTCサーミスタ15cとの積層複合体とする。
【0130】この例においても、図10の例と同様に、
蓄熱の影響を除去することができ、高速の記録が可能と
なる。
蓄熱の影響を除去することができ、高速の記録が可能と
なる。
【0131】
【発明の効果】上述したように、請求項1の発明によれ
ば、熱印加手段により熱−抵抗スイッチング素子の領域
に選択的に印加される熱は、熱−抵抗スイッチング素子
の領域の電気抵抗値のスイッチングだけに用いられ、記
録には用いられず、記録に用いられる熱は、電気抵抗値
のスイッチングにより低電気抵抗値化された熱−抵抗ス
イッチング素子の領域、ないし熱−抵抗スイッチング素
子と隣接する発熱抵抗体の領域への、電圧印加手段によ
る通電によって、熱−抵抗スイッチング素子ないし発熱
抵抗体の領域が発熱して、これからジュール熱として取
り出される熱であるので、従来のサーマルヘッドのよう
に各発熱部に個別の電極や複雑な配線を必要とせず、し
かも従来のレーザヒートモード熱記録方式のように大き
な光エネルギーを発熱部材に吸収させて熱エネルギーに
変換する必要もなく、より効率良く、より少ないトータ
ルエネルギーで記録を行うことができる。
ば、熱印加手段により熱−抵抗スイッチング素子の領域
に選択的に印加される熱は、熱−抵抗スイッチング素子
の領域の電気抵抗値のスイッチングだけに用いられ、記
録には用いられず、記録に用いられる熱は、電気抵抗値
のスイッチングにより低電気抵抗値化された熱−抵抗ス
イッチング素子の領域、ないし熱−抵抗スイッチング素
子と隣接する発熱抵抗体の領域への、電圧印加手段によ
る通電によって、熱−抵抗スイッチング素子ないし発熱
抵抗体の領域が発熱して、これからジュール熱として取
り出される熱であるので、従来のサーマルヘッドのよう
に各発熱部に個別の電極や複雑な配線を必要とせず、し
かも従来のレーザヒートモード熱記録方式のように大き
な光エネルギーを発熱部材に吸収させて熱エネルギーに
変換する必要もなく、より効率良く、より少ないトータ
ルエネルギーで記録を行うことができる。
【0132】しかも、熱−抵抗スイッチング素子の材料
としてセラミックス系のサーミスタ材料を用いることが
できるので、従来の光熱記録方式のように受光発熱素子
の光導電層のスイッチングに対する繰り返し耐久性が低
いというようなこともなく、スイッチング素子の寿命の
長い、耐久性の高い記録ヘッドを実現することができ
る。
としてセラミックス系のサーミスタ材料を用いることが
できるので、従来の光熱記録方式のように受光発熱素子
の光導電層のスイッチングに対する繰り返し耐久性が低
いというようなこともなく、スイッチング素子の寿命の
長い、耐久性の高い記録ヘッドを実現することができ
る。
【0133】請求項2の発明によれば、熱−抵抗スイッ
チング素子としてCTRサーミスタとPTCサーミスタ
との積層複合体を用いるので、CTRサーミスタのキュ
ーリー点の50℃前後の比較的低温で、熱−抵抗スイッ
チング素子を高電気抵抗値から低電気抵抗値に急変させ
ることができる。また、PTCサーミスタのキューリー
点を記録に必要な温度付近に調整することによって、記
録に必要な温度付近で熱−抵抗スイッチング素子を低電
気抵抗値から高電気抵抗値に急変させることができる。
さらに、発熱部材として熱−抵抗スイッチング素子と発
熱抵抗体との積層複合体を用いるので、発熱抵抗体の通
電発熱をCTRサーミスタとPTCサーミスタのスイッ
チングで制御することによって、通電発熱記録のオンオ
フを行うことができる。
チング素子としてCTRサーミスタとPTCサーミスタ
との積層複合体を用いるので、CTRサーミスタのキュ
ーリー点の50℃前後の比較的低温で、熱−抵抗スイッ
チング素子を高電気抵抗値から低電気抵抗値に急変させ
ることができる。また、PTCサーミスタのキューリー
点を記録に必要な温度付近に調整することによって、記
録に必要な温度付近で熱−抵抗スイッチング素子を低電
気抵抗値から高電気抵抗値に急変させることができる。
さらに、発熱部材として熱−抵抗スイッチング素子と発
熱抵抗体との積層複合体を用いるので、発熱抵抗体の通
電発熱をCTRサーミスタとPTCサーミスタのスイッ
チングで制御することによって、通電発熱記録のオンオ
フを行うことができる。
【0134】請求項3の発明によれば、CTRサーミス
タとPTCサーミスタとの積層複合体からなる熱−抵抗
スイッチング素子のPTCサーミスタ自身を発熱抵抗体
とするので、PTCサーミスタの通電発熱をCTRサー
ミスタとPTCサーミスタのスイッチングで制御するこ
とによって、通電発熱記録のオンオフを行うことができ
る。
タとPTCサーミスタとの積層複合体からなる熱−抵抗
スイッチング素子のPTCサーミスタ自身を発熱抵抗体
とするので、PTCサーミスタの通電発熱をCTRサー
ミスタとPTCサーミスタのスイッチングで制御するこ
とによって、通電発熱記録のオンオフを行うことができ
る。
【0135】請求項4の発明によれば、熱−抵抗スイッ
チング素子としてNTCサーミスタとPTCサーミスタ
との積層複合体を用いるので、特にB定数が3000K
以上のNTCサーミスタを用いることによって、熱−抵
抗スイッチング素子を高電気抵抗値から低電気抵抗値に
連続的に急激に変化させることができる。また、発熱部
材として熱−抵抗スイッチング素子と発熱抵抗体との積
層複合体を用いるので、発熱抵抗体の通電発熱をNTC
サーミスタの温度抵抗特性とPTCサーミスタのスイッ
チングで制御することによって、通電発熱記録のオンオ
フを行うことができる。
チング素子としてNTCサーミスタとPTCサーミスタ
との積層複合体を用いるので、特にB定数が3000K
以上のNTCサーミスタを用いることによって、熱−抵
抗スイッチング素子を高電気抵抗値から低電気抵抗値に
連続的に急激に変化させることができる。また、発熱部
材として熱−抵抗スイッチング素子と発熱抵抗体との積
層複合体を用いるので、発熱抵抗体の通電発熱をNTC
サーミスタの温度抵抗特性とPTCサーミスタのスイッ
チングで制御することによって、通電発熱記録のオンオ
フを行うことができる。
【0136】請求項5の発明によれば、NTCサーミス
タとPTCサーミスタとの積層複合体からなる熱−抵抗
スイッチング素子のPTCサーミスタ自身を発熱抵抗体
とするので、PTCサーミスタの通電発熱をNTCサー
ミスタの温度抵抗特性とPTCサーミスタのスイッチン
グで制御することによって、通電発熱記録のオンオフを
行うことができる。
タとPTCサーミスタとの積層複合体からなる熱−抵抗
スイッチング素子のPTCサーミスタ自身を発熱抵抗体
とするので、PTCサーミスタの通電発熱をNTCサー
ミスタの温度抵抗特性とPTCサーミスタのスイッチン
グで制御することによって、通電発熱記録のオンオフを
行うことができる。
【0137】請求項6の発明によれば、熱印加手段をレ
ーザ加熱によるものとするので、レーザ光のビームスポ
ット径を絞ることによって、熱−抵抗スイッチング素子
の選択的に熱が印加される領域を600DPI以上相当
にすることができ、高解像度化を実現することができ
る。また、熱−抵抗スイッチング素子は50℃前後の比
較的低温で高電気抵抗値から低電気抵抗値に変化させる
ことができるので、レーザ光源は出力の小さいものでよ
く、低エネルギーで記録を行うことができる。
ーザ加熱によるものとするので、レーザ光のビームスポ
ット径を絞ることによって、熱−抵抗スイッチング素子
の選択的に熱が印加される領域を600DPI以上相当
にすることができ、高解像度化を実現することができ
る。また、熱−抵抗スイッチング素子は50℃前後の比
較的低温で高電気抵抗値から低電気抵抗値に変化させる
ことができるので、レーザ光源は出力の小さいものでよ
く、低エネルギーで記録を行うことができる。
【0138】請求項7の発明によれば、トータル的なエ
ネルギー効率が高く、耐久性も高い熱転写記録装置を実
現することができる。
ネルギー効率が高く、耐久性も高い熱転写記録装置を実
現することができる。
【0139】請求項8の発明によれば、トータル的なエ
ネルギー効率が高く、耐久性も高い電気熱変換型のイン
クジェット記録装置を実現することができる。
ネルギー効率が高く、耐久性も高い電気熱変換型のイン
クジェット記録装置を実現することができる。
【図1】この発明の記録ヘッドの第1の実施形態を示す
図である。
図である。
【図2】図1の熱−抵抗スイッチング素子をCTRサー
ミスタとPTCサーミスタとの積層複合体とする場合の
それぞれの温度抵抗特性の例を示す図である。
ミスタとPTCサーミスタとの積層複合体とする場合の
それぞれの温度抵抗特性の例を示す図である。
【図3】図1の熱−抵抗スイッチング素子をNTCサー
ミスタとPTCサーミスタとの積層複合体とする場合の
それぞれの温度抵抗特性の例を示す図である。
ミスタとPTCサーミスタとの積層複合体とする場合の
それぞれの温度抵抗特性の例を示す図である。
【図4】この発明の記録ヘッドの第2の実施形態を示す
図である。
図である。
【図5】図4の熱−抵抗スイッチング素子をCTRサー
ミスタとPTCサーミスタとの積層複合体とする場合の
それぞれの温度抵抗特性の例を示す図である。
ミスタとPTCサーミスタとの積層複合体とする場合の
それぞれの温度抵抗特性の例を示す図である。
【図6】図4の熱−抵抗スイッチング素子をNTCサー
ミスタとPTCサーミスタとの積層複合体とする場合の
それぞれの温度抵抗特性の例を示す図である。
ミスタとPTCサーミスタとの積層複合体とする場合の
それぞれの温度抵抗特性の例を示す図である。
【図7】この発明の記録装置に用いる記録ヘッドの一例
を示す図である。
を示す図である。
【図8】この発明の記録装置に用いるレーザ光照射手段
の一例を示す図である。
の一例を示す図である。
【図9】この発明の記録装置の第1の例を示す図であ
る。
る。
【図10】この発明の記録装置の第2の例を示す図であ
る。
る。
【図11】この発明の記録装置の第3の例を示す図であ
る。
る。
【図12】従来のサーマルヘッドを用いた熱転写記録装
置を示す図である。
置を示す図である。
【図13】従来のレーザヒートモード熱記録装置を示す
図である。
図である。
【図14】従来の光熱変換型のインクジェット記録装置
を示す図である。
を示す図である。
【図15】従来の光熱記録装置を示す図である。
1…記録ヘッド 2…インクリボンフィルム 3…記録紙 8…インク 9…インク薄膜 10…基材(透明基材) 11…電極(透明電極) 14…光熱変換層 15…熱−抵抗スイッチング素子 16…発熱抵抗体 17…電極 18…保護層 19…駆動電源 20…熱印加手段 21…レーザ光照射手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C057 AF01 AF51 AG21 AG50 AG51 AG97 AG98 AK01 AK13 AN05 AN06 AP02 AR12 AR14 BA13 2C065 AA01 AB02 AB03 AD05 AD06 AE05 CA03 CA09 CA10 CA11 CA13
Claims (8)
- 【請求項1】少なくとも熱−抵抗スイッチング素子から
なる発熱部材と、この発熱部材にバイアス電圧を印加す
る電圧印加手段と、画像情報に応じて前記熱−抵抗スイ
ッチング素子の領域に選択的に熱を印加する熱印加手段
とを備え、 前記電圧印加手段により前記発熱部材にバイアス電圧を
印加した状態で、前記熱印加手段により前記熱−抵抗ス
イッチング素子の領域に選択的に熱を印加することによ
って、その領域の前記熱−抵抗スイッチング素子を高電
気抵抗値から低電気抵抗値に変化させて、その領域の前
記発熱部材を通電させ、これにより前記発熱部材で発生
するジュール熱を画像の記録に用いることを特徴とする
記録ヘッド。 - 【請求項2】請求項1の記録ヘッドにおいて、 前記熱−抵抗スイッチング素子が、非線形的な負の温度
抵抗特性を示すCTRサーミスタと非線形的な正の温度
抵抗特性を示すPTCサーミスタとの積層複合体で構成
され、前記発熱部材が、前記熱−抵抗スイッチング素子
と発熱抵抗体との積層複合体で構成されたことを特徴と
する記録ヘッド。 - 【請求項3】請求項1の記録ヘッドにおいて、 前記熱−抵抗スイッチング素子が、非線形的な負の温度
抵抗特性を示すCTRサーミスタと非線形的な正の温度
抵抗特性を示すPTCサーミスタとの積層複合体で構成
され、前記発熱部材が、前記熱−抵抗スイッチング素子
で構成されたことを特徴とする記録ヘッド。 - 【請求項4】請求項1の記録ヘッドにおいて、 前記熱−抵抗スイッチング素子が、線形的な負の温度抵
抗特性を示すNTCサーミスタと非線形的な正の温度抵
抗特性を示すPTCサーミスタとの積層複合体で構成さ
れ、前記発熱部材が、前記熱−抵抗スイッチング素子と
発熱抵抗体との積層複合体で構成されたことを特徴とす
る記録ヘッド。 - 【請求項5】請求項1の記録ヘッドにおいて、 前記熱−抵抗スイッチング素子が、線形的な負の温度抵
抗特性を示すNTCサーミスタと非線形的な正の温度抵
抗特性を示すPTCサーミスタとの積層複合体で構成さ
れ、前記発熱部材が、前記熱−抵抗スイッチング素子で
構成されたことを特徴とする記録ヘッド。 - 【請求項6】請求項1〜5のいずれかの記録ヘッドにお
いて、 前記熱印加手段がレーザ加熱によることを特徴とする記
録ヘッド。 - 【請求項7】請求項1〜5のいずれかの記録ヘッドとし
て、透明基材上に、透明電極、光熱変換層、前記発熱部
材、電極および保護層を、この順序で、かつ前記発熱部
材の前記熱−抵抗スイッチング素子が前記光熱変換層と
接するように積層して、ライン状または回転可能な円筒
状のヘッド積層体を形成し、 前記電圧印加手段は、前記透明電極と前記電極との間に
バイアス電圧を印加するものとし、 前記熱印加手段は、前記透明基材および前記透明電極を
介して前記光熱変換層にレーザ光を照射して前記光熱変
換層を発熱させ、その熱を前記熱−抵抗スイッチング素
子に印加するものとし、 前記発熱部材で発生するジュール熱によって、前記保護
層と接するインクリボンフィルムのインクを溶融し、前
記インクリボンフィルムと接する記録媒体上に転写する
ことを特徴とする熱転写記録装置。 - 【請求項8】請求項1〜5のいずれかの記録ヘッドとし
て、透明基材上に、透明電極、光熱変換層、前記発熱部
材、電極および保護層を、この順序で、かつ前記発熱部
材の前記熱−抵抗スイッチング素子が前記光熱変換層と
接するように積層して、回転可能な円筒状のヘッド積層
体を形成し、 前記電圧印加手段は、前記透明電極と前記電極との間に
バイアス電圧を印加するものとし、 前記熱印加手段は、前記透明基材および前記透明電極を
介して前記光熱変換層にレーザ光を照射して前記光熱変
換層を発熱させ、その熱を前記熱−抵抗スイッチング素
子に印加するものとし、 前記保護層上にインク薄膜を形成して、前記発熱部材で
発生するジュール熱によって、そのインク薄膜を膜沸騰
させ、前記保護層と対向する記録媒体上にインク滴を吐
出させることを特徴とするインクジェット記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30137998A JP2000127466A (ja) | 1998-10-22 | 1998-10-22 | 記録ヘッドおよび記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30137998A JP2000127466A (ja) | 1998-10-22 | 1998-10-22 | 記録ヘッドおよび記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000127466A true JP2000127466A (ja) | 2000-05-09 |
Family
ID=17896175
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30137998A Pending JP2000127466A (ja) | 1998-10-22 | 1998-10-22 | 記録ヘッドおよび記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000127466A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019054259A1 (ja) * | 2017-09-15 | 2019-03-21 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 制御装置、二次電池システム、及び車両 |
JP2022506089A (ja) * | 2018-11-08 | 2022-01-17 | オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | ダイオードレーザ及びダイオードレーザの動作方法 |
-
1998
- 1998-10-22 JP JP30137998A patent/JP2000127466A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019054259A1 (ja) * | 2017-09-15 | 2019-03-21 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 制御装置、二次電池システム、及び車両 |
JP2022506089A (ja) * | 2018-11-08 | 2022-01-17 | オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | ダイオードレーザ及びダイオードレーザの動作方法 |
JP7258134B2 (ja) | 2018-11-08 | 2023-04-14 | エイエムエス-オスラム インターナショナル ゲーエムベーハー | ダイオードレーザ及びダイオードレーザの動作方法 |
US12021351B2 (en) | 2018-11-08 | 2024-06-25 | Osram Opto Semiconductors Gmbh | Diode laser and method for operating a diode laser |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0934829B1 (en) | Ink jet recording method | |
EP0435565B1 (en) | Ink jet printer | |
JP2832576B2 (ja) | 温度保持装置及び方法 | |
US7547084B2 (en) | Wide array fluid ejection device | |
JP2007245667A (ja) | サーマルヘッド及びプリンタ装置 | |
US6676246B1 (en) | Heater construction for minimum pulse time | |
JP2000127466A (ja) | 記録ヘッドおよび記録装置 | |
US6328407B1 (en) | Method and apparatus of prewarming a printhead using prepulses | |
JP3421255B2 (ja) | 感熱記録システム | |
JP3862587B2 (ja) | インクジェット記録ヘッド | |
JP2005231175A (ja) | インクジェット記録ヘッド | |
JP3325787B2 (ja) | サ−マルヘッド及びその製造方法 | |
JP2003291349A (ja) | インクジェット記録ヘッド | |
JP2907956B2 (ja) | 液体噴射記録ヘッド用基体、該基体を用いた液体噴射記録ヘッド及び該液体噴射記録ヘッドを備えた液体噴射記録装置 | |
JPH1029335A (ja) | サーマルヘッド | |
JP3029650B2 (ja) | サーマルプリンタ | |
JPH04173152A (ja) | インクジェット記録装置の温度制御装置 | |
JPS60244563A (ja) | サ−マルヘツド | |
JPS6342577B2 (ja) | ||
JP2827544B2 (ja) | インクジェットヘッド | |
JPH07323577A (ja) | 記録ヘッドおよびこれを搭載する液体噴射記録装置 | |
JPS5856865A (ja) | 温度制御機能付インクジエツトヘツド | |
JP2001096789A (ja) | サーマルラインプリンタ | |
JP2003291350A (ja) | インクジェット記録ヘッド | |
JPH05201047A (ja) | サーマルヘッド |