JPS6328695B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は新規なカーリング形成方法に関する。
さらに詳しくは、筒状体の開口端にカーリング加
工を容易に行ないうるカーリング形成方法に関す
る。

従来より、インパクト成形または深絞り成形な
どで製造される筒状体の容器などは、その開口端
にカーリング加工が施されている。これらのカー
リング加工は開口端に現われている切断面を巻き
込み、外観をよくし、安全性を向上させ、または
開口端の強度を向上させるという利点を有する反
面、工具が素材の片側の面にのみ当接した状態で
加工が行なわれ、塑性変形の程度も大きいもので
あるため加工が容易でないという欠点がある。と
くに開口端の内径やカーリングの巻き径に対して
板厚が厚いばあいには美しい一様なカーリング形
状をうることが困難であるという欠点がある。

これに対し、容器の開口端付近を薄肉に形成し
ておき、しかるのちカーリング加工を施す方法が
特開昭50−139060号公報により提案されている。
この方法によれば容器開口端のカーリング部とな
るべき部位とそれに連続する肩部となるべき部位
とが薄肉に加工される。カーリング部となるべき
部位でけでなく肩部をも薄肉するのは、肩部を挟
縮するためのプレス力を軽減するためである。

この方法によるとカーリング加工が容易となる
が、反面肩部も肉厚が薄くなつているので強度が
低下するという問題がある。

そこで本発明は、容器の強度を低下させること
なく、美しい一様なカーリング形状をうることが
できるカーリング形成方法を提供することを目的
とする。

叙上の目的を達成するため本発明のカーリング
形成方法は、塑性材料からなる筒状体にパンチを
内挿し、該筒状体の開口端であつてカーリング部
となるべき部位を外部よりダイズでしごき伸ばす
か、あるいは筒状体の開口端周辺に外部よりダイ
スを配置し、筒状体の開口端であつてカーリング
部となるべき部位を内部よりパンチで押し伸ばし
て前記開口端のカーリング部となるべき部位のみ
を薄肉状に加工する工程と、しごき伸ばされ、ま
たは押し伸ばされた前記薄肉部にカーリング加工
を施す工程とからなることを特徴とする。

以下図面を用いて本発明のカーリング形成方法
を説明する。

第１〜３図はそれぞれ本発明の方法の一実施例
を説明するための断面図、第４〜５図はそれぞれ
本発明の方法により製造された筒状体の要部断面
図、第６図は本発明の方法の他の実施例を示す断
面図である。

第１〜３図において、１は筒状体、２は該筒状
体の底部、３は筒状体１が挿通されるダイス、４
は筒状体１に嵌入されるパンチである。パンチ４
の外周面上には、滑らかな段部４ａが形成されて
おり、第２図に示されるごとく、該段部４ａが筒
状体の開口端１ａに嵌入するようにされている。
５は筒状体内部の空気を逃がすためにパンチ４に
穿孔されたエアー抜き孔である。

しごき工程の手順としては、パンチ２を筒状体
の内部に嵌入せしめ、筒状体の開口端１ａが段部
４ａに押し拡げられるようにする（第２図）。さ
らに筒状体１に嵌入せしめたパンチ４をダイス３
に挿通し、段部４ａとダイスの入口端縁３ａとで
筒状体の開口端１ａをしごき伸ばす（第３図）。
このようにして筒状体の開口端１ａは薄肉状とさ
れ、開口端１ａの内周面に段部１ｃが形成され
る。

つぎに叙上のごとく薄肉状に形成された開口端
１ａをカーリング用金型あるいはカーリングマシ
ンなどで巻き込みカーリング加工を施す（第４〜
５図）。このように段部１ｃを内側に形成したと
きは、内側に巻き込めば、段部１ｃを隠すことが
できるため外観上好ましいが、開口端１ａを外側
に巻き込むようにカーリング加工を施してもよ
い。

前記実施例においては底部２を有する筒状体１
の開口端１ａにカーリング形成を行なう方法を説
明したが、本発明の方法は底部を有しない筒状体
の開口端にも採用されうるものであり、たとえば
第６図に示すごとく、肩部１０を有する筒状体な
どにも適宜採用されるものである。第６図の押し
出し工程においては、パンチ４１には段部がなく
ダイス２１側に段部２１ａが設けられており、筒
状体１１の開口端１１ａの外周面上に段部１１ｄ
が形成される。

叙上のごとく本発明のカーリング形成方法は、
容器開口端のカーリング部となるべき部位のみを
薄肉にしてカーリング加工を施すものであるた
め、カーリングが容易に行える、そのため仕上り
が一様で美しい形状のカーリング部をうることが
できる、カーリング部の巻き径を小さくすること
ができる、カーリング部の外径精度を高くするこ
とができる、内面塗膜が破壊されないなどの多く
の利点を奏しうる。さらにカーリング部の先端部
１ｄに割れが発生することがなく、かつ容易の強
度も低下することがない。という効果も奏しうる
ものであり、その実用的価値はきわめて大なるも
のがある。

【図面の簡単な説明】

第１〜３図はそれぞれ本発明の方法の一実施例
を説明するための工具と筒状体の断面図、第４〜
５図はそれぞれ本発明の方法により製造された筒
状体の要部断面図、第６図は本発明の方法の他の
実施例を示す工具と筒状体の断面図である。 図面の主要符号、１，１１：筒状体、１ａ，１
１ａ：開口端、２：筒状体の底部、３：ダイス、
４：パンチ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 塑性材料からなる筒状体にパンチを内挿し、
   筒状体の開口端であつてカーリング部となるべき
   部位を外部よりダイスでしごき伸ばすか、あるい
   は筒状体の開口端周辺に外部よりダイスを配置
   し、筒状体の開口端であつてカーリング部となる
   べき部位を内部よりパンチで押し伸ばして前記開
   口端のカーリング部となるべき部位のみを薄肉状
   に加工する工程と、しごき伸ばされ、または押し
   伸ばされた前記薄肉部にカーリング加工を施す工
   程とからなるカーリング形成方法。