JPS6328638Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、排出口を有するピン収納部材内に並
列させて収納される多数のピンを、排出口から、
該排出口に接してピン並列方向と垂直方向に移動
可能なピン移動機構に１本ずつ確実に排出するこ
とのできるピン供給装置に関するものである。

従来、プリント基板にピンを圧入するような場
合には、パーツフイーダによりピン打ち込み装置
にピンを１本ずつ供給する方式がしばしば採用さ
れているが、この方式の場合、装置が大がかりに
なりかつコスト高になるという欠点がある。

そこで、これに代るものとして、第１，２図に
示す構成のものが従来使用されている。図中、１
は装置に取り外し可能にセツトされたマガジン
（ピン収納部材）、２はピン移動機構である。マガ
ジン１は、多数のピン３を並列させて収納すると
ともに該ピン３を押圧するための押し板４を矢印
Ａ，A′方向（ピン並列方向）に移動可能に支持
している。押し板４は、図示しない一定出力ばね
によりワイヤ５を介し付勢されてピン３を矢印Ａ
方向に押圧している。ピン移動機構２は、ハンマ
支持部材６と該ハンマ支持部材６に支持されるハ
ンマ７とよりなる。ピン移動機構２は、図示しな
い駆動源により駆動されマガジン１の排出口８に
接して矢印Ｂ，B′方向（矢印Ａ，A′方向と垂直
方向）に移動可能で、ハンマ７はハンマ支持部材
６に対し矢印Ｂ，B′方向に相対移動可能である。

このような構成のピン供給装置の作用は次の通
りである。

第３図ａはハンマ７がプリント基板２０にピン
３を打ち込んだ後ハンマ支持部材６とともに上昇
中の状態を示しており、ハンマ７の下端はマガジ
ン１内に収納されているピン３の下端よりａだけ
上方に位置している。この状態では、押し板４に
より押圧されているピン３が傾斜し、最先端のピ
ン３の下端がハンマ支持部材６に設けられたハン
マ７相対移動用のガイド溝９内に入り込む。この
場合マガジン１内に収納されているピン３の数が
比較的少ないときは、ピン３の傾斜は図示の状態
より少なく、ピン３の下端がガイド溝９に食い込
むまでには至らず、その後ピン移動機構２が上限
位置まで上昇してハンマ７がピン３から外れる
と、ピン３の上端もガイド溝９内に入り、引続き
ピン移動機構２が下降動作に入つたときに、該ピ
ン３はハンマ７と係合してハンマ７とともに下降
する。そして、ハンヤ支持部材６の下部に設けら
れたハンマガイド１０がプリント基板２０に当接
した後はハンマ７のみが下降を続けてピン３をプ
リント基板３０に打ち込む。

しかしながら、マガジン１内に収納されている
ピン３の数が多い場合には、第３図ａの状態にお
けるピン３の傾斜は図示のように大きくなつてそ
の下端がガイド溝９内に完全に入つて食いこんだ
状態となり、その後ピン移動機構が第３図ｂに示
すように上限位置まで上昇してハンマ７がピン３
から外れてもピン３は傾斜したままで動くことが
できない。従つて、次の段階でピン移動機構２が
第３図ｃに示すように下降する際に、ハンマ７が
この傾斜したままのピン３に引つ掛かつてピン３
を傷つけ稿働率が低下する。

このように、従来の装置においてはマガジン１
内に収納されるピン３の数が多くなると円滑な作
動が行われなくなるため、ピン３の収納数は200
本程度が限界であり、長時間作業を続ける場合マ
ガジン交換をひん繁に行わねばならず作業能率の
面で問題があつた。

本考案は上述の問題を解決するためのもので、
マガジン内に多数のピンを収納しても作業を支障
なく行うことのできるピン供給装置を提供するこ
とを目的としている。

次に第４図および第５図に関連して本考案の実
施例を説明する。

本例は第１，２図の従来のピン供給装置に本考
案を適用したもので、第４図にその要部の側面図
を示す。図中、１１はワイヤロツク機構で、その
他従来と同一構成の部材は同一記号で示してい
る。

ワイヤロツク機構１１は、マガジン１と図示し
ない一定圧力ばねの間に設けられ、ワイヤ５をは
さんんで対向する受け具１２、押圧具１３と、押
圧具１３に向つて矢印Ｃ，C′方向に進退可能能な
プツシヤ１４と、該プツシヤ１４を駆動するシリ
ンダ１５とよりなる。受け具１２と押圧具１３の
間には、詳細図示を省略したがスプリングが設け
られており、押圧具１３はこのスプリングにより
受け具１２から退避する矢印C′方向に付勢されて
いる。シリンダ１５は、詳細を後述するように、
第１図に示すピン移動機構２が最下端の位置（ハ
ンマ支持部材６のハンマガイド１０がプリント基
板２０に圧接してハンマ７がピン３の打ち込みを
完了した状態で、以下これをピン供給装置と称す
る）から最上端の位置までで上昇するとき以外は
作動しない。シリンダ１５非作動時には、プツシ
ヤ１４は押圧具１３から図示のように離れてお
り、この状態では、押圧具１３は受け具１２から
退避しており、ワイヤ５はロツクされない。

いま、ピン移動機構２をピン供給装置から最上
端位置に向つて上昇させる際に、ハンマ７の下端
が第５図ａに示すようにマガジン１に収納されて
いるピン３の下端よりａだけ上方の位置（第３図
ａと同様の位置）に来た場合を考えると、本考案
の場合はこのピン移動機構２の上昇時にはシリン
ダ１５が作動してプツシヤ１４が第４図の位置か
ら矢印Ｃ方向に移動し押圧具１３を受け具１２に
向け押圧してワイヤ５を受け具１２、押圧具１３
によりロツクしているので、ピン３には押し板４
による押圧力は作用しない。しかしながらマガジ
ン１内に収納されている多数のピン３はばね作用
をもつており、このばね作用によりピン３は第５
図ａに示すように傾斜し、最前端のピン３の下端
がガイド溝９の中に入り込むが、ピン３の傾斜量
は押し板４の押圧力が作用しないため第３図ａの
場合より少なく、ピン３の下端がガイド溝９内に
食い込むまでには至らない。このことはピン３の
数が600本程度と多くなつても変らない。従つて、
その後ピン移動機構２が第５図ｂに示すように上
限位置まで上昇してハンマ７がピン３から外れる
と、ピン３はばね作用により傾斜を修正されて最
前端のピン３が完全にガイド溝９内に排出され
る。そこで、次の段階でピン移動機構２が第５図
ｃに示すように下降する際に、ガイド溝９内のピ
ン３はハンマ７により押圧され下降してプリント
基板２０に打ち込まれる。

このように、本考案では、ピン移動機構２が上
昇する間は、シリンダ１５が作動してワイヤ５を
ロツクして押し板４による押圧がマガジン１内の
ピン３に作用しないようになつており、ピン３の
数の如何に拘らずピン３の下端がガイド溝９内に
食い込むのを防止するため、ピン３の数を多くし
てもピン３を１本ずつ円滑に供給位置に供給する
ことが可能である。

以上述べたように、本考案によれば、マガジン
等のピン収納部材内に多数のピンを収納してもピ
ン供給作業を円滑に連続して行うことができ、ピ
ンの損傷を防止するとともに作業能率を向上させ
ることが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のピン供給装置の正面図、第２図
は同側面図、第３図ａ，ｂ，ｃは同ピン排出移送
工程における不具合発生状況説明図、第４図およ
び第５図は本考案に係るピン供給装置の実施例を
示すもので、第４図は要部側面図、第５図ａ，
ｂ，ｃはピン排出移送工程説明図である。 図中、１はマガジン（ピン収納部材）、２はピ
ン移動機構、３はピン、４は押し板、５はワイ
ヤ、６はハンマ支持部材、７はハンマ、８は排出
口、９はガイド溝、１１はワイヤロツク機構、１
２は受け具、１３は押圧具、１４はプツシヤ、１
５はシリンダである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多数のピンを第１の方向に並列させて収納し該
   ピンを前記第１の方向に排出するための排出口を
   有するピン収納部材、前記ピン収納部材内に前記
   ピン並列方向に移動可能に設けられ一定出力ばね
   によりワイヤを介し付勢されて並列する前記ピン
   を前記排出口に向けて押圧する押し板、前記ピン
   収納部材の排出口に接して設けられ前記排出口よ
   り排出される１本の前記ピンを保持し前記第１の
   方向と垂直な第２の方向に移動して前記ピンを供
   給位置に供給するピン移動機構、よりなるピン供
   給装置において、前記ピン移動機構が前記供給位
   置からもとの位置に復帰して次の前記ピンを保持
   する期間中前記ワイヤをロツクするロツク機構を
   設けたことを特徴とするピン供給装置。