JPS6328159Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、液体を収容した容器の注出口にねじ
込みによつて取付け、コツクの開閉で任意に容器
内の液体を取出せる様にする液体取出装置に関す
る。

この種液体取出装置として注出口に螺合する蓋
体にコツクを一体固着して設けると共にコツの栓
と蓋体との間に液面計を接続したものが提案され
ている。しかし、この様な構成の場合蓋体を注出
口にねじ込んで密閉したときに、栓及び液面計が
垂直になるとは限らず、これらを垂直にするため
さらにねじ込むか緩めるかにしなければならず、
密閉を保持しながら垂直姿勢にするために面倒な
作業をしなければならなかつた。

本考案は、かかる問題点に鑑み、蓋体のねじ込
みによつて密閉を保持すると共にコツクや液面表
示手段を簡単に垂直姿勢にすることができる液体
取出装置を提供することを目的とする。

本考案はこのため、容器の注出口に螺合して該
注出口を密閉する蓋体と、一端口部をこの蓋体の
中央部に穿設した貫通穴に回転自在に挿通し、他
端部に容器の注出口に連通するコツク本体内の流
出路の開閉用栓を配設したコツクと、このコツク
の前記一端口部の口端外周に螺合して前記蓋体を
コツク本体の外周に設けた段部との対向面で蓋体
を回転可能に保持する取付ナツトと、透明可撓管
の上端部に容器外壁に取付ける吸盤などの取付手
段を設けると共に該透明可撓管の下端部をコツク
本体の前記流出路に連結、連通させてなる液面表
示手段とを備えていることを特徴とする液体取出
装置を提供する。

蓋体とコツクの間のシール構造としては、取付
ナツトと蓋体との当接面にＯリングを介装するの
が好適である。この場合、コツクの一端外周と取
付ナツトとの間のシールは適宜なされるが、取付
ナツトの緩み止めを兼ねて両者の螺合部の端面に
接着剤を付与するのが好ましい。なお、コツクの
一端部外周と蓋体のコツク貫通穴との嵌合部にＯ
リングを介装してシールすることも考えられる
が、Ｏリングを介装するためには嵌合部に比較的
大きな隙間をあける必要があり、コツクががたつ
くばかりでなくそれに伴なつてシールが不完全に
なる等の問題がある。この問題を回避するには、
蓋体のコツク貫通穴のＯリング溝の部分だけ径を
大きくすれば良いが、加工が多少面倒になる。

前記液面表示手段としては、従来公知の液面計
でも良いが、透明ビニールホースなどの透明可撓
管で構成し、その遊端近傍に吸盤を配置したもの
が、構成が簡単で安価であり、しかも十分機能す
るので好ましい。

以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明す
ると、１は液体２を収容した一斗缶などの容器
で、注出口３が下端近傍に位置する様に横倒しに
して配置されている。４はこの注出口３に螺合さ
れてこれを密閉する蓋体で、その内底面外周部に
シール用の平パツキン５が配置され、中央部の内
側に突設したボス部６の軸心位置にコツク貫通穴
７が穿設されている。８は、容器１内の液体２を
外部に流出させる流出路９を備えたコツクで、そ
のコツク本体１０の一端口部１０ａは前記コツク
貫通穴７に回転可能に嵌合して貫通しており、他
端部１０ｂには流出路９を開閉する栓１１が配置
されている。１１ａはこの栓１１とコツク本体１
０との嵌合部のシールを確保すべく栓１１を付勢
するばねである。前記コツク本体一端部１０ａの
コツク貫通穴７を貫通した部分の外周にはねじが
形成され、これに取付ナツト１２が螺合され、こ
の取付ナツト１２の端面が前記ボス部６の端面に
当接している。コツク本体１０の一端部１０ａは
小径に形成されて中間部との間に段部１０ｃが形
成され、この段部１０ｃと前記取付ナツト１２の
間で蓋体４を挾持することによつてコツク８が回
転可能に取付けられている。前記ボス部６の端面
にはＯリング溝が凹設されて、このボス部６端面
と取付ナツト１２との当接面をシールＯリング１
３が嵌装されている。１４は取付ナツト１２とコ
ツク本体一端部１０ａの螺合部端面に付与された
接着剤で、取付ナツト１２の緩み止めとねじ部の
シールを行なつている。１５は蓋体４と取付ナツ
ト１２との間に介装された圧縮ばねで、コツク８
に適度の回転抵抗を与えて設定姿勢を保持する様
にしている。この圧縮ばね１５は、一端部が取付
ナツト１２外周部の環状溝１２ａに嵌入保持され
ており、ボス部６を取り囲むと共に他端が蓋体４
内底面に係合している。１６はコツク本体１０の
中間部に、前記栓１１と軸心が平行となる様に固
着されたホースニツプルで、前記流出路９に連通
している。１７は透明ビニールホース等の透明可
撓管で、その一端は前記ホースニツプル１６に嵌
着され、他端は空気逃し口１９を有する栓体１８
で閉鎖されており、かつ吸盤２０が位置変更自在
に外嵌されている。これらホースニツプル１６、
透明可撓管１７、栓体１８、吸盤２０で液面表示
手段２１が構成されている。

以上の構成の液体取出装置を容器１にセツトす
るには、容器１の注出口３の栓蓋をあけた後、蓋
体４を注出口３にねじ込み、次いで容器１を所定
の姿勢に横倒させたときにコツク８の栓１１及び
液面表示装置２１が垂直姿勢となる様にコツク８
を容器１の注出口３に取付けた蓋体４に対して回
転させ吸盤２０を透明可撓管１７の遊端近傍に位
置させると共に容器１外壁に押し付けて吸着固定
する。そうして、容器１を横倒させれば、液面表
示装置２１で容器１内の液体２の量を確認できる
と共に、栓１１を回わすことによつて任意に液体
２を取出すことができる。又、蓋体４のコツク貫
通穴７とコツク８との間からの液体の漏洩は、ボ
ス部６端面と取付ナツト１２間に介装したＯリン
グ１３及びコツク本体１０一端部１０ａと取付ナ
ツト１２の螺合部の端面に付与した接着剤１４に
よつて完全に防止される。なお、透明可撓管１７
を容器１の外壁に取付ける手段としては、上記吸
盤に限定されることなく、例えば、粘着テープを
貼着することによつて行つてもよい。

本考案の液体取出装置によれば、以上の説明か
ら明らかな様に、容器の注出口に螺合して該注出
口を密閉する蓋体と、一端口部をこの蓋体の中央
部に穿設した貫通穴に回転自在に挿通し、他端部
に容器の注出口に連通するコツク本体内の流出路
の開閉用栓を配設したコツクと、このコツクの前
記一端口部の口端外周に螺合して前記蓋体をコツ
ク本体の外周に設けた段部との対向面で蓋体を回
転可能に保持する取付ナツトと、透明可撓管の上
端部に容器外壁に取付ける吸盤などの取付手段を
設けると共に該透明可撓管の下端部をコツク本体
の前記流出路に連結、連通させてなる液面表示手
段とから構成しているので、蓋体を容器の注出口
に螺合させることによつてコツクをその流出口が
容器の注出口に連通した状態にして容易に取付け
が行われると共に蓋体とコツクとが相対的に回転
可能であるから、容器の注出口に蓋体を取付けた
後、コツクを回転させて透明可撓管を簡単に垂直
姿勢にすることができ、従つて、従来の様に蓋体
による密閉保持とコツク及び液面表示装置の姿勢
設定とが柔盾して調整するのに手間取るというこ
とがない。また、液面表示手段の透明管は可撓管
より形成されているので、容器の外壁に対するこ
の透明可撓管の取付位置が多少異なつても、その
可撓性によつて順応して確実に取付けることがで
きると共にガラス管のように破損する虞れもな
く、さらに、この透明可撓管内の液面を確認しな
がら従来と同様にコツクの開閉により任意に液体
を取り出すことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示す縦断面図であ
る。 １は容器、２は液体、３は注出口、４は蓋体、
６はボス部、７はコツク貫通穴、８はコツク、９
は流出路、１０はコツク本体、１１は栓、１２は
取付ナツト、１３はＯリング、１４は接着剤、１
５は圧縮ばね、１６はホースニツプル、１７は透
明可撓管、１８は栓体、２０は吸盤。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器の注出口に螺合して該注出口を密閉する蓋
   体と、一端口部をこの蓋体の中央部に穿設した貫
   通穴に回転自在に挿通し、他端部に容器の注出口
   に連通するコツク本体内の流出路の開閉用栓を配
   設したコツクと、このコツクの前記一端口部の口
   端外周に螺合して前記蓋体をコツク本体の外周に
   設けた段部との対向面で蓋体を回転可能に保持す
   る取付ナツトと、透明可撓管の上端部に容器外壁
   に取付ける吸盤などの取付手段を設けると共に該
   透明可撓管の下端部をコツク本体の前記流出路に
   連結、連通させてなる液面表示手段とを備えてい
   ることを特徴とする液体取出装置。