JPS5846937Y2 - 車両用マスタシリンダのリザ−バ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車両用マスクシリンダのリザーバに関するもの
である。

車両用マスクシリンダはその取付位置によって、リザー
バのキャップの開閉が困難な場合があるために、リザー
バの側壁に作動液の充填むよび補給を行なう供給口を設
け、ここから作動液を注入している。

この作動液の注入において、メーカーレベルでは供給口
から圧送によって充填および補給を行なうので不具合が
生じることはないが、ユーザーレベルでは、作動液の液
面の降下に伴い、作動液室内が負圧となってダイヤフラ
ムが下降して蛇腹部が反転してしまうので、供給口の栓
体を取外して作動液室を大気と連通させてもダイヤフラ
ムが常態に復帰せず、作動液の供給が十分にできないと
いう不具合が生じていた。

本考案はかかる事情を背景にしてなされたもので、リザ
ーバの上端開口端にキャップを脱着自在に取付け、蛇腹
部を有するダイヤフラムの外縁部を前記リザーバの上端
とキャップとの間に気密的に挾着して作動液室を大気か
ら隔離し、かつ前記ダイヤフラムの上面とキャップとの
間に大気と連通した大気室を形成し、更に前記ダイヤフ
ラムの蛇腹部にひも部材を連結し、前記キャップに形成
した支持孔にこのひも部材の先端部を挿通し、キャップ
固着状態で該先端部を引き上げ可能に係止し、前記リザ
ーバには作動液室に連通ずる作動液供給口を設けたこと
を特徴とし、その目的とするトコろは、作動液の供給が
スムーズでかつ確実に行なうことができる車両用マスク
シリンダのリザーバを提供するにある。

以下、本考案の一実施例を図面に基いて説明する。

１はシリンダボディ、２はリザーバで、連結口２ａをシ
リンダボディ１のリザーバ連結部１ａにグロメット３を
介して連結し、リザーバ２のフランジ部２ｂをシリンダ
ボディ１にボルト４により締付けることによって固定さ
れている。

５はシリンダボディ１のシリンダ６内に摺動可能に設け
られたピストンで、リターンスプリング７によって下方
へ押されており、操作杆８を矢印方向に回動することに
より押動する。

９はシリンダ６の液圧室で、リリーフポート１０および
サプライポート１１とによりリザーバ２の作動液室１２
と連通している。

１３はシリンダボディ１に取付けられたダストブーツ、
１４，１５は同じくシリンダボティ１に形成されたボデ
ィ取付孔、１６は液圧室９に通じる吐出口である。

１７はリザーバ２の上端開口部に脱着自在に取付けられ
たキャップで、ボルト１８にて固定されている。

１９は蛇腹部１９ａを有するダイヤフラムで、外縁部１
９ｂをリザーバ２の上縁とキャップ１７との間に気密的
に挟着し、作動液室１２を大気から隔離している。

２０はキャップ１７に形成した大気連通孔で、キャップ
１７とダイヤフラム１９との間に画成される大気室２１
を大気と連通している。

２２は端部２２ａをダイヤフラム１９の中央部１９ｃに
一体に連結されたひも部材で、先端部２２ｂがボール状
になっている。

そして、この先端部２２ｂはキャップ１７の中央部に、
上部を大径に下部を小径に形成した支持孔２３にキャッ
プ１７の下面からすぼめて押し込むようにして挿通され
、常態ではこの支持孔２３に密合して係止されている。

２４はリザーバ２の底部に作動液室１２内へ突出して設
けたスイッチケースで筒状部２４ａの外周にはフロート
２５が遊間されており、このフロート２５はストッパー
２６によって上限位置が規制され、かつ作動液面が使用
上の最低位まで低下したときにフロート２５の磁石２５
ａにより電気スイッチが閉じ、警報を発するようになっ
ている。

２７はリザーバ２の側壁２ｃに作動液室１２に連通して
形成された作動液供給口で栓体２８により密閉されてい
る。

２９は作動液供給口２７から作動液室１２上部に連通し
て形成されたエア抜き孔で、作動液室１２内の残留エア
を作動液供給口２７かも排出する。

なお、リザーバ２の底部にリリーフポート１０とサプラ
イポート１１が形成されている場合には、ひも部材２２
はダイヤフラム１９が降下して両ポー）１０．１１が塞
がない程度の長さに形成される。

次に作用について説明すると、リザーバ２の作動液室１
２に作動液が十分貯蔵されている第１図の状態に訃いて
は、ダイヤフラム１９は正規位置にあり、ひも部材２２
の先端部２２ｂはキャップ１７の支持孔２３に密合し、
シールしている。

作動液室１２内の作動液が長期間の使用等により減少し
、液面が降下すると、作動液室１２はダイヤフラム１９
および栓体２８によって密閉されているから負圧となる
。

一方ダイヤフラム１９上面の大気圧室２１は大気連通孔
２０を介して大気と連通しているため大気圧である。

したがって、作動液の減少に伴いダイヤフラム１９はそ
の中央部から降下し、それに連れて蛇腹部１９ａが次第
に伸びていき、第３図に示す状態となって、蛇腹部１９
ａが反転する。

そして、作動液が減少した状態を、目視するかあるいは
レベルインジケータからの警報によって作動液を補給す
る作業を行なうために作動液供給口２７０栓体２８を外
すと、該供給口２７お−よびエア抜き孔２９より大気が
作動液室１２内に導入されるが、ダイヤフラム１９は蛇
腹部１９ａが反転していて、正規位置に復帰しないため
、作動液を十分に注入することができないから、ひも部
材２２の先端部２２ｂをキャップ固着状態で支持孔２３
かも取出して上方へ引っ張り、蛇腹部１９ａの反転を戻
すと、ダイヤフラム１９は正規位置に確実に復帰する。

これにより、作動液は作動液供給口から十分に供給する
ことができる。

このように本考案は取付位置によって、リザーハノキャ
ップの開閉が困難であるために、リザーバの側壁の供給
口から作動液の充填釦よび補給を行なう車両用マスクシ
リンダにあっても、作動液の供給はダイヤフラムにより
防害されることなくスムーズでかつ確実に行なうことが
できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図は断面正
面図、第２図は側面図、第３図は要部の一部断面正面図
である。 １はシリンダボディ、２はリザーバ、１２は作動液室、
１７はキャップ、１９はダイヤフラムで、１９ａはその
蛇腹部、１９ｂはその外縁部、２１は大気室、２２はひ
も部材で、２２ｂはその先端部、２３は支持孔、２７は
作動液供給口である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リザーバの上端開口端にキャップを脱着自在に取付け、
   蛇腹部を有するダイヤフラムの外縁部を前記リザーバの
   上端とキャンプとの間に気密的に挾着して作動液室を大
   気から隔離し、かつ前記ダイヤフラムの上面とキャップ
   との間に大気と連通した大気室を形成し、更に前記ダイ
   ヤフラムの蛇腹部にひも部材を連結し、前記キャップに
   形成した支持孔にこのひも部材の先端部を挿通し、キャ
   ップ固着状態で該先端部を引き上げ可能に係止し、前記
   リザーバには作動液室に連通する作動液供給口を設けた
   ことを特徴とする車両用マスクシリンダのリザーバ。