JPH06260Y2

JPH06260Y2 - 燃料タンクのフイラチューブ

Info

Publication number: JPH06260Y2
Application number: JP14658788U
Authority: JP
Inventors: 勝次降矢
Original assignee: 株式会社土屋製作所
Priority date: 1988-11-29
Filing date: 1988-11-29
Publication date: 1994-01-05
Anticipated expiration: 2003-11-29
Also published as: JPH0274223U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）この考案は車両等の燃料タンクにおける給油用のフィラ
チューブに関する。

（従来の技術）車両等の燃料タンクに給油するためのこれまでのフィラ
チューブ１は、第４図、第５図のようにタンクＴの一側
部に貫通状態に斜設され、その中央部が前通路ｌ_１によ
ってタンクＴの上部空間中に配設された液面感知バルブ
ｖ_１に連結され、上方側部には後通路ｌ_２によってカー
ボンキャニスタＣに接続された開閉バルブ２が設けられ
ると共にこのバルブ２より上端側に隣接する位置のチュ
ーブ内には給油ノズルｎの支持孔３ａを偏心して形成し
た肉厚部３が設けられ、開閉バルブ２のケース２ａ中に
はＴ字状の弁体２ｂが杆部をチューブ１に穿設された通
孔１ａを貫通する状態に収容され、通常にはばね２ｃと
ダイヤフラム２ｄによりチューブ側に付勢されて横通孔
１ａの出口端を閉じている。一方、肉厚部３の下側（５
図で左側には、弁体作動杆４ａを備えたドア板４が開閉
バルブ２の内側（５図で下側）に穿設されたアーム４ｂ
に回動可能に軸支され、通常には軸杆に巻付けられたば
ね４ｃによって肉厚部３側に付勢され、支持孔３ａの下
端開口を閉じており、また、肉厚部３には給油時にタン
ク内の圧力が急上昇したとき開くようにばね付勢したリ
リーフバルブ５を有する逃がし通路３ｂが設けられ、チ
ューブ上端にはキャップ６が軸部６ａを螺合して気密に
装着されている。

そして、給油時にはキャップ６を取外し、上端から給油
ノズルｎを差し入れ、先端部を肉厚部３の支持孔３ａに
シール材７を介し気密に嵌合しつつドア板４に開けると
同時に作動杆４ａによって弁体２ｂを上昇させ、その状
態で給油を行い、その際タンクＴ中に生じる燃料蒸気を
前後の通路ｌ_１，ｌ_２を介してカーボンキャニスタＣに
送り込むようにしている。

一方、車両の停止時や走行時にタンクＴ内に生じる燃料
蒸気は途中にタンク内を一定圧（大気圧より若干高い）
に維持するチェックバルブｖ_２と二方向弁ｖ_３を備えた
ベンチレーション通路ｌ_３によってカーボンキャニスタ
Ｃに送るようにしている。

（考案が解決しようとする問題点）ところで、上記従来のフィラチューブでは、キャップの
装着部および肉厚部に当たる上端部はカーボンキャニス
タとは何ら連結関係を持たず、単にキャップでおおわれ
ているだけなので、燃料の補給などのためにキャップを
取外した際には、チューブの上端部分に溜まっている燃
料蒸気やドア板周縁の隙間から出てくる燃料蒸気がその
まま大気中に放出されてしまい、大気を汚染することに
なる。

そこで、この考案はキャップの取外しに当たり内部の燃
料蒸気を放出しないようにしたフィラチューブを提供す
るものである。

（問題点を解決するための手段ならびに作用）上記目的のもとにこの考案は、燃料タンクの一側部に斜
設され、燃料蒸気処理用の通路を連結した開閉バルブを
上方側部に設けると共にこれに隣接する部位に給油ノズ
ルの支持孔を設け、支持孔の開口端をドア板で閉じるよ
うにしたフィラチューブとして、チューブ上端に軸部先
端にシール材を取付けたキャップを装着し、チューブの
上端部内にキャップ装着部空室を形成し、この装着空室
を連通管により燃料蒸気処理用の通路に連通させたこと
を特徴としている。

そして、燃料の補給に当たり、チューブ上端からキャッ
プを取外していけば、支持孔内に溜まっている燃料蒸気
およびドア板周囲の隙間から出てくるタンク内の燃料蒸
気は直ちに装着部空室内に入り、そこから連通管を通っ
て蒸気処理用の通路の側に流れていく。

（実施例）第１図および第２図はこの考案に係るフィラチューブ１
１の上方部分の断面および平面を示すが、フィラチュー
ブ１１は前記のものと同じく燃料タンクの一側部に貫通
状態に斜設されていて、中央部が前通路によってタンク
の上部空間中に配設された液面感知バルブに連結され、
その上方側部（１図では上部）には後通路ｌ_２によって
カーボンキャニスタに連結された開閉バルブ１２が設け
られ、チューブ内の上記バルブ１２より上端側に隣接す
る位置には、内周面の一部にシールリング１７を取付け
た給油ノズルの支持孔１３ａを偏心させて形成した肉厚
部１３が設けられ、開閉バルブ１２のケース１２ａ中に
はＴ字形の弁体１２ｂが杆部をチューブ１１に穿設され
た通孔１１ａを貫通する状態に収容され、同じくケース
１２ａ中に収容されたばね１２ｃとダイヤフラム１２ｄ
によってチューブ側（内側）に向って付勢され通常には
通孔１１ａの出口端を閉じており、また、肉厚部１３の
下側（１図で左側）には弁体作動杆１４ａを備えたドア
板１４がバルブ１２の内側（１図で下側）に突設された
アーム１４ｂに回動可能に軸支され、その軸杆に巻回さ
れたばね１４ｃによって肉厚部１３側に付勢され、通常
には支持孔１３ａの下側開口を閉じており、そして、肉
厚部１３には支持孔１３ａに平行して逃がし通路１３ｂ
が設けられ、そこには給油時にタンク内の圧力が急上昇
した際に開くようにばね付勢したリリーフバルブ１５が
収容されている。

ところで、この考案ではフィラチューブ１１の上端には
軸部１６ａの先端にシール材１８を取付けたキャップ１
６が、ねじ込んで、そのシール材１８を肉厚部１３の上
側面（１図で右側面）に圧接させて装着され、そのキャ
ップ１６の装着時には、フィラチューブ１１の上端部内
がキャップ１６の装着部の空室Ａと肉厚部１３の空室Ｂ
（支持孔１３ａと逃がし通路１３ｂの部分）とに区画さ
れ、互いに連通し合わないようになされており、そし
て、キャップ１６の装着部の空室Ａには内側途中に一方
向弁１９ａを設けた連通管１９によって後通路ｌ_２に通
じるように開閉バルブ１２のケース１２ａに連結されて
いる。（若し、空室ＡとＢとが連通していると、タンク
内の燃料がどんどん蒸発し、これがキャニスタ側に流
れ、キャニスタの吸着性能が飽和してしまう。）フィラチューブ１１の上端にキャップ１６を装着した通
常の状態では、燃料タンク内に生じた大気圧より若干高
めの燃料蒸気が直接または前通路を介してチューブ１１
内に入ったにしても、その蒸気はせいぜい肉厚部１３の
空室Ｂ内に止まり、キャップ装着部の空室Ａおよび連通
管１９内には入り込まないが、タンクへの燃料の補給に
当たり、チューブ上端からキャップ１６をねじ戻してい
くと、軸部先端のシール材１８が肉厚部１３の上側面か
ら離れるので、肉厚部１３の空室Ｂ中に溜まっていた燃
料蒸気およびドア板１４の周囲面の隙間を通じて出てく
る燃料蒸気が装着部空室Ａに入り、そこから連通管１９
を通ってバルブケース１２ａ内に入り、更に後通路ｌ_２
を介して燃料蒸気処理用のカーボンキャニスタ側に流れ
ていく。

そのため、チューブ上端からキャップ１６を取外したに
しても、これまでのようにタンク内の燃料蒸気がそのま
ま外部に流出することはない。

第３図はキャップ１６の軸部１６ａの中心部にプッシュ
ボタン２０とＴ字形弁体２１をそれぞればね２４ａ，２
４ｂにより上方（図で右方）に付勢して二段に配設する
と共に中央の弁室２２を放射通孔２３を介して、空室Ａ
および連通管１９に通じるようにした変更例を示したも
のであり、この場合には、キャップ１６の取外しに先立
って、プッシュボタン２０を押圧し弁体２１を下降させ
て、弁通路を開き、肉厚部１３側の空室Ｂに溜まってい
る燃料蒸気を放射通孔２３、連通孔１９を介してキャニ
スタ側に流出させることができ、より確実に燃料蒸気の
放出が防止される。

なお、上述の例では開閉バルブ１２をチューブ１１の上
方側部において外側に突出させ、連通管１９をバルブケ
ース１２ａを介して燃料蒸気処理用の通路ｌ_２に通じる
ようにしたものを示したが、これはバルブケース１２ａ
をチューブの内側に突出させ、連通管１９を直接通路l₂
に連通させるようにしてもよい。

（考案の効果）以上のようにこの考案では、燃料蒸気処理用の通路を連
結した開閉バルブを上方側部に備えると共にこれに隣接
する部位に給油ノズルの支持孔を設け、その開口端をド
ア板で閉じるようにした燃料タンクのフィラチューブと
して、その上端に軸部先端にシール材を取付けたキャッ
プを装着して、チューブの上端部内にキャップの装着部
空室を形成し、この装着部空室を連通管により燃料蒸気
処理用の通路に連通させたので、キャップの取外す過程
において支持孔内に溜まっている燃料蒸気やドア板の周
囲の隙間から出てくる燃料蒸気をカーボンキャニスタ側
に確実に流出させることができ、これまでのように蒸気
を大気中に放出する恐れがない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の上方部分の断面図。第２図はその平面図。第３図は変更例の上方部分の断面図。第４図は燃料蒸気処理システムの一部の説明図。第５図は従来のフィラチューブの上方部分の断面図。図中、１，１１…フィラチューブ 1a，11a…通孔２，１２…開閉バルブ 2a，12a…ケース 2b，12b…弁体３，１３…肉厚部 3a，13a…支持孔 3b，13b…逃がし通路４，１４…ドア板５，１５…リリーフバルブ６，１６…キャップ 6a，16a…軸部１８………シール材１９………連通管Ａ…………装着部空室Ｂ…………肉厚部空室

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】燃料タンクの一側部に斜設され、燃料蒸気
処理用の通路を連結した開閉バルブを上方側部に設ける
と共にこれに隣接する部位に、給油ノズルの支持孔を設
け、支持孔の開口端をドア板で閉じるようにしたフィラ
チューブにおいて、チューブ上端に軸部先端にシール材
を取付けたキャップを装着してチューブの上端部内にキ
ャップ装着部空室を形成し、該装着部空室を連通管によ
り上記燃料蒸気処理用の通路に連通させたことを特徴と
する燃料タンクのフィラチューブ。