JPS6328140Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動車等に用いられる燃料タンク用
キヤツプに関し、特にキヤツプ本体と蓋体とを結
合状態に保持するリングの改良に関する。

〔従来の技術〕

自動車等に用いられる燃料タンク用キヤツプ
は、第１図に示すように大別して、燃料タンク１
のフイラネツク２に螺合されるキヤツプ本体３
と、このキヤツプ本体３の上端に設けたフランジ
部４に回転可能にかつ同心的に結合された蓋体５
及び上記キヤツプ本体３内に装着した負圧バルブ
６とから構成され、そしてキヤツプ本体３と蓋体
５との分離脱落を防止するために、蓋体５のフラ
ンジ部４との結合部５ａの開口にリング７を嵌着
した構造になつている。

従来、このようなリング７を蓋体５に取り付け
る場合、リング７の外周にその厚さより十分小さ
い幅の突条８をリング状に形成し、この突条８を
蓋体５の結合部５ａの内部に形成したリング状の
凹溝９に係合することで蓋体５に保持し、さらに
リング７の外周複数個所に突起１０を突設し、こ
の突起１０を結合部５ａの内周開口縁に形成した
凹溝１１に係合することでリング７の回り止めを
行なうようにしていた。

なお、１２，１３は上記フランジ部４とリング
７の相対向する面に形成した互いに係脱されるラ
チエツト歯及びラチエツト爪であり、このラチエ
ツト歯１２とラチエツト爪１３は蓋体５の回転を
キヤツプ本体３に伝達するものである。また、１
４は蓋体５の内部中央に突設され、かつキヤツプ
本体３の内周ねじ部３ａに螺合する締付けトルク
限定用の螺合部である。

〔考案が解決しようとする問題点〕

このような従来のリング７にあつては、リング
回り止め用の突起１０及び凹部１１が外表面に露
出しているため、この部分に先端の尖つた工具等
を差し込んで故意にリング７を取り外したり、あ
るいはいたずらされる危険性があつた。

本考案は上記従来の問題点を解決したもので、
その目的は、リングの回り止め機構を外部から見
えないようにした燃料タンク用キヤツプを提供す
ることにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案にかかる燃料タンク用キヤツプは、上部
に設けたフランジ部にラチエツト歯を備え、燃料
タンクのフイラネツクに気密に螺合されるキヤツ
プ本体と、このキヤツプ本体の上端に設けたフラ
ンジ部に回転可能にかつ同心的にラチエツト歯を
介して結合される蓋体と、この蓋体の上記フラン
ジ部との結合部開口に嵌着され、蓋体とキヤツプ
本体との分離脱落を防止するリングとを有し、上
記蓋体のキヤツプ本体との結合部内周に上記リン
グの厚さに相当する凹溝をリング状に形成し、こ
の凹溝に上記リングの外周縁部を係合することで
リングを蓋体に結合した燃料タンク用キヤツプに
おいて、上記リングの外周縁部に上記結合部の内
方に向けて突出する複数個の回り止め用の突起を
設け、かつこの突起と係合する凹部を上記結合部
の内周面に形成したものである。

〔作用〕

本考案においては、回り止め用の突起が蓋体の
フランジ部との結合部の内方に向かつて設けられ
ているから、上記結合部とリングとの境目からド
ライバ等の先端が尖つた工具等を差し込むことが
できず、リングを容易に取り外すことができづら
い。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面について詳述す
る。

第２図〜第４図は本考案にかかる燃料タンク用
キヤツプの一例を示すもので、燃料タンク１のフ
イラネツク２に螺合される負圧バルブ６付きのキ
ヤツプ本体３と蓋体５とは、第１図の場合と同様
にキヤツプ本体３の上端に設けたフランジ部４に
蓋体５の結合部５ａを回転可能にかつ同心的に嵌
合することにより結合され、そして上記結合部５
ａの開口内にはキヤツプ本体３と蓋体５の分離脱
落を防止するためのリング１５が嵌着されてい
る。

上記リング１５を蓋体５に嵌着保持させる手段
としては、蓋体５の結合部５ａの内周にリング１
５の厚さｄに相当する凹溝１６をリング状に形成
し、この凹溝１６にリング１５の外周縁部１５ａ
を直接結合することでリング１５を結合部５ａに
嵌着する。また、このようにしたリング１５の係
合縁部１５ａの上面には、結合部５ａ内に向けて
リング１５と直角に突出する複数個の回り止め用
突起１７が所定位相角度（90゜）で設けられてお
り、この各突起１７に対向する上記結合部５ａの
内周にはそれぞれ凹部１８を形成し、この各凹部
１８に上記各突起１７を係合することによりリン
グ１５の回り止めを行なうようになつている。

また、上記リング１５の上面には第１図の場合
と同様にラチエツト歯１２がリング１５の円周方
向に所望のピツチで形成され、さらにリング１５
と対向する上記キヤツプ本体３のフランジ部４に
は上記ラチエツト歯１２と係脱されるラチエツト
爪１３が形成されている。また、上記蓋体５の内
部中央には、キヤツプ本体３の内周面に形成した
雌ねじ部３ａに螺合するキヤツプ本体３の締付け
トルク限定用の螺合部１４が同心に突設されてい
る。

上記構成の燃料タンク用キヤツプにおいて、キ
ヤツプ本体３をフイラネツク２内に差し込んだ状
態で蓋体５を時計回り方向に回転操作すれば、キ
ヤツプ本体３はフイラネツク２内に螺入され、キ
ヤツプ本体３の上部外周に装着したＯ−リング１
９をフイラネツク２の開口縁に密着することで燃
料タンク１を密封する。この状態からさらに蓋体
５を時計回り方向に回転して、フイラネツク２に
対するキヤツプ本体３の締付けトルクが所定値以
上になると、キヤツプ本体３の雌ねじ部３ａに螺
合した螺合部１４が縮径変形して空転し、その結
果、蓋体５も空転して蓋体５の回転力はキヤツプ
本体３に伝達されなくなる。このとき、ラチエツ
ト歯１２とラチエツト爪１３は非噛合状態に保持
される。

また、締付け状態にあるキヤツプを緩めあるい
はフイラネツク２から取り外す場合は、蓋体５を
反時計回り方向に回転する。すると、蓋体５がキ
ヤツプ本体３のねじ部３ａに螺合している螺合部
１４のねじ送り作用により第２図の矢印Ａ方向に
移動し、ラチエツト歯１２がラチエツト爪１３に
噛合する。この状態で蓋体５をさらに反時計回り
方向に回転操作すれば、これにつれてキヤツプ本
体３も同一方向、即ち緩め方向に回転され、フイ
ラネツク２を大気に開放し、もしくはフイラネツ
ク２から取り外されることになる。

〔考案の効果〕

以上要するに本考案によれば、リングの回り止
めを行なう突起及び凹部をリングの内側に位置し
て設けるようにしたので、その突起及び凹部が外
部から見えず、したがつてリングを故意に取り外
すなどのいたずらがしにくくなるなどの利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来における燃料タンク用キヤツプの
断面図である。第２図は本考案にかかる燃料タン
ク用キヤツプの断面図である。第３図は本考案に
おけるリングの平面図である。第４図は第３図の
側面図である。 主要な部分の符号の説明、１……燃料タンク、
２……フイラネツク、３……キヤツプ本体、４…
…フランジ部、５……蓋体、５ａ……結合部、６
……負圧バルブ、１２……ラチエツト歯、１３…
…ラチエツト爪、１４……締付けトルク限定用螺
合部、１５……リング、１５ａ……外周縁部、１
６……凹溝、１７……突起、１８……凹部、１９
……Ｏ−リング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部に設けたフランジ部にラチエツト歯を備
   え、燃料タンクのフイラネツクに気密に螺合され
   るキヤツプ本体と、このキヤツプ本体の上端に設
   けたフランジ部に回転可能にかつ同心的にラチエ
   ツト歯を介して結合される蓋体と、この蓋体の上
   記フランジ部との結合部開口に嵌着され、蓋体と
   キヤツプ本体との分離脱落を防止するリングとを
   有し、上記蓋体のキヤツプ本体との結合部内周に
   上記リングの厚さに相当する凹溝をリング状に形
   成し、この凹溝に上記リングの外周縁部を係合す
   ることでリングを蓋体に結合した燃料タンク用キ
   ヤツプにおいて、上記リングの外周縁部に上記結
   合部の内方に向けて突出する複数個の回り止め用
   の突起を設け、かつこの突起の係合する凹部を上
   記結合部の内周面に形成したことを特徴とする燃
   料タンク用キヤツプ。