JPS6327639Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、抽出したコーヒー液を貯えるストツ
クタンクを内装し、このストツクタンク内でコー
ヒー液を保温する形式のコーヒー抽出装置に関す
るものである。

コーヒー抽出装置には種々の形式があるが、そ
の１つに抽出したコーヒー液を貯えるストツクタ
ンクを内装し、コツク操作によりコーヒー注出を
行う形式のものがある。これは、従来一般に、第
１図に示すような構造になつている。すなわち、
コーヒーをたてるための湯を沸かす湯沸タンク２
内にコーヒー液Ｃを貯えるストツクタンク４が垂
設されており、湯沸タンク２内の湯Ｗの水位を水
位検知器１１と給水電磁弁１４により一定に保
ち、該湯Ｗを湯沸ヒータ１３と湯温サーモスタツ
ト１２により一定温度に加熱制御するようになつ
ている。コーヒーを抽出する時は、抽出器５の中
に適量のコーヒー粉末６を入れてポンプ９を運転
することにより湯Ｗが出湯管８を通つて散水器７
からコーヒー粉末６の上に散布され、コーヒー液
となつて抽出器５の下の穴からストツクタンク４
内に滴下して貯えられる。該ストツクタンク４内
に貯えられたコーヒー液Ｃは外周を取巻く湯Ｗに
よつて保温され、必要に応じて注出コツク１を操
作することにより図示しないカツプ等に注出され
るようになつている。ところで、湯沸タンク２内
の湯Ｗは、コーヒーを抽出するための適温と言わ
れる93〜97℃に保たれているので、ストツクタン
ク４内のコーヒー液Ｃもほぼこのような高温とな
り、このため香りの散逸や酸化による味の低下等
の品質の劣化が速く、保存時間が短い欠点があ
り、提供されるコーヒーも熱つ過ぎて火傷の恐れ
があつた。逆に、湯温サーモスタツトを調整して
湯温を85℃位に下げると、コーヒーの保温温度は
適温になるが、これでは抽出湯温が低く、コーヒ
ー成分の溶出が不足し美味なコーヒーが抽出でき
ないという問題が生ずる。また、コーヒーを抽出
すると、湯沸タンク２には給水電磁弁１４から冷
水が補給され、この冷水は湯沸タンク２の底部に
溜るため、これがストツクタンク４内の底部のコ
ーヒー液Ｃを冷やすことのないようにストツクタ
ンク４の底と湯沸タンク２の底との間に十分な寸
法を設ける必要があり、また、ストツクタンク４
を収容するため湯沸タンク２はどうしても寸法的
に大きくなり、給湯能力上必要な容積以上の湯Ｗ
を貯えることになり、初期に水から所要温度に沸
き上げるまでの時間が掛る欠点および余分な水ま
で沸かすのでエネルギーの無駄が大きい欠点があ
るほか、湯沸タンク２は上述のように寸法が大き
く、一般にはコーヒー抽出装置の外形に近い角形
のタンクとなり、かつ水漏れがあつてはならない
ので、溶接線の長い連続溶接構造となるため製作
コストが高い欠点があつた。

本考案は、前述したような欠点を解決するため
ストツクタンク内のコーヒー液の保温を湯沸タン
ク内の湯によらず、これとは独立して温度制御さ
れる加熱空気により行なうようにしたコーヒー抽
出装置を提供するものである。

以下本考案の一実施例を第２図により説明する
と、湯沸タンク２２は給湯能力上必要な容積を有
する好ましくは円筒状の水密タンクである。この
湯沸タンク２２には、底部に湯沸ヒータ１３が設
けられると共にこの湯沸ヒータ１３への通電を制
御して湯温をコントロールする湯温サーモスタツ
ト１２が設けられている。また、湯沸タンク２２
の底部には給水電磁弁１４が接続され、図示しな
い水道などの水源から水を導入するようになつて
いる。

湯沸タンク２２の頂部には出湯管８の元端側が
適当な長さ挿入され、この出湯管８の先端には散
水器７が設けられている。この散水器７は出湯管
８の元端開口位置より低位に設けられている。ま
た、湯沸タンク２２の頂部には空気抜管１０と湯
筒１８が立設され、空気抜管１０は湯筒１８の上
部と連通すると共に前記散水器７の横付近まで伸
びて開口している。前記湯筒１８内には水位検知
器１１が設けられ、前記出湯管８の最頂部の水位
Ａを検知すると前記給水電磁弁１４を閉じるよう
に作用する。

前記散水器７の下には抽出器５が着脱自在に設
置され、該抽出器５の下にはストツクタンク４が
設けられている。該ストツクタンク４は保温材３
で断熱された保温箱１７内に垂設されると共に該
ストツクタンク４の底部には注出コツク１が接続
されている。前記保温箱１７とストツクタンク４
との間には空間１９が形成され、この空間１９内
に保温ヒータ１５が設けられ、該空間１９すなわ
ち保温箱１７内の空気温度を検知する保温サーモ
スタツト１６により保温ヒータ１５への通電が制
御されるようになつている。

次いで本装置の作用について説明する。湯沸タ
ンク２２内の湯面は通常出湯管８の元端に一致す
る水位にあり、湯沸ヒータ１３と湯温サーモスタ
ツト１２の作用によりコーヒー抽出適温の93〜97
℃に制御されている。今、コーヒーを抽出するた
めに抽出器５内に適量のコーヒー粉末６をセツト
し、出湯操作をすると、給水電磁弁１４が開き湯
沸タンク２２内へ給水する。給水された水はすで
に沸き上つている湯Ｗを上へ押し上げ、この湯面
が湯沸タンク２２を満たし、さらに上昇して出湯
管８の最頂部のレベルＡに達すると水位検知器１
１がこれを検知して給水電磁弁１４を閉じるが、
出湯管８内の湯は最頂部を越えて散水器７側へ流
れ出し、出湯管８内にサイホン現象が生じ、湯は
散水器７からコーヒー粉末６の上に散布され、抽
出器５の下の穴からコーヒー液となつてストツク
タンク４の中へ流下する。散水器７からの湯は湯
沸タンク２２内の水位が出湯管８の元端レベルま
で降下すると停止する。ストツクタンク４と保温
箱１７との間の空気は予め保温ヒータ１５と保温
サーモスタツト１６の作用により適当な温度に加
温されているので、ストツクタンク４内に貯えら
れたコーヒー液Ｃは所望の適温に保温され、必要
に応じて注出コツク１からカツプ等に注出され
る。このようにコーヒー液はコーヒー抽出に最適
な温度の湯でコーヒー粉末から抽出できる一方、
この湯温とは全く無関係に保温箱１７内の空気温
度の調節が可能であるので、コーヒーの飲用適温
とコーヒー液の品質の劣化速度とのかね合いか
ら、コーヒー液を85℃前後で保温すれば従来の装
置に比してコーヒー液の味覚上からの飲用可能な
保存時間を大幅に延ばすことができ、また、コー
ヒー液が熱すぎて口を火傷する恐れもなくなるほ
か、好みに応じてコーヒー液の保温温度を調整す
ることもできる。

また、前述のように湯沸タンク２２は給湯能力
上必要とする程度の寸法、容積でよく、余分な水
量を含んでいないから、初期に水から適温に沸か
し上げるのに要する時間は短かくて済み、また、
空気は比熱が小さいのでストツクタンク４の周囲
の空気温度は速かに上昇し、短時間で保温体勢が
でき上るので、営業開始時の待ち時間が大幅に短
縮できる。

コーヒー液Ｃの保温に要するエネルギーは本装
置でも従来装置でも変らないが、本装置では湯沸
タンク２２が小形化されるので、余分な水を沸か
し上げないこと、および外表面からの放熱量が小
さいことなどから省エネルギー効果も有するもの
である。

さらにまた本装置においては湯沸タンク２２は
小形で済み、プレス成形などによる円筒タンクと
することもできるので、製作時の溶接組立工数が
大幅に低減でき、従来機に比して追加的に必要と
なる保温箱１７も水密性を要しないため製作法も
点溶接組立などの極めて生産性の高い方法を適用
でき、結果として製作コストを大幅に低減でき
る。

本考案の特長を要約すると、 コーヒー抽出に最適な温度の湯で美味なコーヒ
ー液が抽出できるとともに、この湯温とは無関係
にコーヒー液の保温温度を飲用および保存に適し
た温度に調整できるので、コーヒー液の品質劣化
を抑え保存時間を延ばすことができる。

２ 湯の沸し上げ時間が短縮でき営業開始時の待
ち時間が大幅に短縮できる。

３ 湯沸タンクが小形にできるので沸かし上げ湯
量および放熱面積が小さくなり、省エネルギー
効果を有する。

４ 湯沸タンク等の溶接組立工数を大幅に低減で
き、製作コストを低減できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のコーヒー抽出装置の一例を示す
概略構成図、第２図は本考案の一実施例の概略構
成図である。 １……注出コツク、２，２２……湯沸タンク、
３……保温材、４……ストツクタンク、５……抽
出器、６……コーヒー粉、７……散水器、８……
出湯管、９……ポンプ、１０……空気抜管、１１
……水位検知器、１２……湯温サーモスタツト、
１３……湯沸ヒータ、１４……給水電磁弁、１５
……保温ヒータ、１６……保温サーモスタツト、
１７……保温箱、１８……湯筒。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ヒーターと湯温制御サーモスタツトとを備えた
   湯沸タンクと、同湯沸タンクから延出された出湯
   管と、同出湯管の先端に設けられた散水器と、同
   散水器の下に着脱自在に設置された抽出器と、同
   抽出器の下に設けられたストツクタンクと、同ス
   トツクタンクの底部に接続された注出コツクと、
   前記ストツクタンクの側面及び底面を覆う保温箱
   と、同保温箱内に設けられた保温ヒーターとサー
   モスタツトから成り、同保温ヒーターとサーモス
   タツトにより温度制御される前記保温箱内の空気
   を介して前記ストツクタンク内のコーヒー液を保
   温するようにし、コーヒー抽出用の湯温とコーヒ
   ー液の保温温度を独立に調整可能にしたことを特
   徴とするコーヒー抽出装置。