JPS6327618B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、温風により暖房を行なう暖房装置に
関する。

従来例の構成とその問題 従来、この種の暖房装置は、時間的に一定の吹
出風量、吹出風向であつたため、吹出空気が低風
量で高温である場合には、室内の上下温度分布が
悪化しやすく、また、風量と風向の組合わせによ
つては、吹出風が直接居住者に当たり、不快を呈
するという欠点があつた。また、この低風量高温
吹出しは騒音の小さいことが大きな長所であり、
単に風量を増大させて温度分布を改善することは
騒音を増大させるという問題点を有していた。

発明の目的 本発明はかかる従来の問題を解消するもので、
温風暖房時の室内温度分布を改善し、快適性の高
い暖房を実現することを目的とする。

発明の構成 この目的を達成するために本発明は、室内に暖
房空気を供給する送風手段と、吹出風向変更手段
と、室内の複数個の点を空気温度を検知する複数
の温度センサと、前記複数の温度センサの出力差
を演算する出力差演算手段と、あらかじめ設定値
が記憶され、前記出力差演算手段により演算され
た出力差と前記設定値とを比較する比較手段と、
時間を計測するクロツクと、前記比較手段により
前記出力差が前記設定値以上であるとき、前記送
風機に対して吹出風量を増大させる信号と、前記
吹出風向変更手段に対して吹出風向を室内の居住
域外の方向に切り換える信号とを前記クロツクの
出力を用いて一定時間供給する信号発生手段とを
設けたものである。

この構成によつて、運転中、室内の温度分布が
悪化して前記センサの出力差がある値に達する
と、自動的に吹出風が居住者に直接当たらない方
向に切り換えられるとともに、吹出風量が増大し
て室内空気を一定時間撹拌し、温度分布を良好に
するという作用を有する。

実施例の説明 以下、本発明の一実施例を第１図〜第２図を用
いて説明する。第１図において１は本発明の壁掛
型暖房装置本体で内部に熱交換器２、送風手段と
しての送風機３等を有する。また、室内上方の空
気温度を検出する第１の温度センサ４、本体外部
に制御器５及び室内下方の空気温度を検出する第
２の温度センサ６が設けられている。７は吹出風
向変定手段としての風向制御翼である。

第２図は制御装置８のブロツク図を示し、前記
第１及び第２の温度センサ４，６の出力差演算ブ
ロツク９、前記出力差がある一定値以上になつた
かどうかを比較する比較ブロツク１０、風向制御
翼７の駆動モータ１１及び送風機モータ１２に信
号を送る信号発生ブロツク１３及び風向制御翼７
の駆動モータ１１、送風機モータ１２で構成され
ている。

上記構成において、低風量高温吹出しで暖房が
行なわれ、前記第１のセンサ４と第２のセンサ６
が室内上下の空気温度を検出し、出力差演算ブロ
ツク９によつて上下温度差が求められた後、それ
がある一定値以上かどうかが比較ブロツク１０で
比較される。この出力差が前記一定値以上であれ
ば信号発生ブロツク１３が送風機モータ１２の回
転数を上げることによつて送風量を増大させかつ
駆動モータ１２を回動させて、風向制御翼７を居
住者のいない方向、すなわち居住域外の水平方向
に吹出風が向くように信号を送る。そして、ある
一定時間、この状態が続けられ、風量増大の効果
により温度分布が改善される。なお、この時間は
信号発生ブロツク１３中のクロツク１４でカウン
トされている。

したがつて、低風量高温吹出して悪化しようと
する室内温度分布を検知して風量を増大させ、室
内空気を撹拌するので、温度分布を良好に保つこ
とができる。また、風量を増大する際の風向は、
居住者に直接吹出風の当たらない居住域外の方向
である水平方向を向いているため、冷風感を与え
ることもない。

次に図示しないが本発明の他の実施例について
簡単に説明する。第１の実施例では風量増大中の
風向を居住域外に向けて冷風感の発生を防いだ
が、第２の実施例では本体内に赤外線センサを設
けることにより居住者の位置を検知し、居住者の
いない方向に吹出風を向けることによつて、同様
の効果を得るものである。構成は多少複雑になる
が、居住者のいないところへの下吹きも可能とな
り、撹拌効果が大きいため、風量を増大させる時
間が少なくなつて、騒音を軽減できる。

発明の効果 (1) 室内の複数個の点の空気温度を温度センサで
検知して、その出力差がある一定値以上になつ
たときに一定時間、吹出風向を切り換えるとと
もに吹出風量を増大させる制御装置を有する構
成としているため、間欠的に室内空気を撹拌
し、低風量高温吹出し時の室内温度分布の悪化
を防ぐとともに、吹出風が直接居住者に当たら
ないので、冷風感も生じず、快適な暖房効果が
得られる。

(2) 間欠的な風量増大であるため、低風量高温吹
出しの長所のひとつである騒音低減を損うこと
が少ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の暖房装置の断面図、第２図は
同制御装置のブロツク図である。 １……暖房装置本体、２……熱交換器、３……
送風機、４……第１の温度センサ、６……第２の
温度センサ、７……風向制御翼、８……制御装
置、９……出力差演算ブロツク、１０……比較ブ
ロツク、１１……風向制御翼の駆動モータ、１２
……送風機モータ、１３……信号発生ブロツク、
１４……クロツク。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 室内に暖房空気を供給する送風手段と、この
   送風手段からの吹出風向を変える吹出風向変更手
   段と、室内の複数個の点の空気温度を検知する複
   数の温度センサと、この複数の温度センサの出力
   差を演算する出力差演算手段と、あらかじめ設定
   値が記憶され前記出力差演算手段により演算され
   た出力差と前記設定値とを比較する比較手段と、
   時間を計測するクロツクを有し、前記比較手段に
   より前記出力差が前記設定値以上であるとき、前
   記送風機に対して吹出風量を増大させる信号と、
   前記吹出風向変更手段に対して吹出風向を室内の
   居住域外の方向に切り換える信号とを前記クロツ
   クの出力を用いて一定時間供給する信号発生手段
   とからなる暖房装置。