JPS6327107B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はエンジンのカムシヤフトの砂型製造装
置に関するものである。

第１図に示すように、カムシヤフト２は細長い
軸５に軸方向に所定の間隔を存し、かつ互いに所
定の位相（回転角）をもつて複数個のカム３およ
びジヤーナル部４を配設したものである。このよ
うなカムシヤフト２は鍛造または鋳造によつて製
作される。鋳造の場合にはカムシヤフト２の中心
軸線を通る面で２分割した砂型を用いて鋳造する
のが一般的であるが、これは鋳造工場の単位床面
積に対する生産効率が低い。

本発明者はカムシヤフトを軸部とカム部とに分
割して砂型を形成し、この砂型を重ね合わせるだ
けでカム相互の位相を所定の値に設定し得るよう
にした分割鋳造方法を案出した。

第２図は上述の方法により８本のカムシヤフト
２を同時に鋳造するための重合せ型砂型を示す。
すなわち、最下段に湯道だけを備えた砂型１６を
配置し、この上に軸部５およびジヤーナル部４の
砂型１５とカム３の砂型１３を交互に積み重ねた
ものである。砂型１３は円筒状の湯道２２を中心
とする円周上に、所定の間隔を存してカム３の外
形と同じ空部２３を形成したものである。砂型１
５は第３図に示すように、円筒状の湯道２２を中
心とする円周上に、軸部５に相当する円筒状空部
２５およびジヤーナル部４に相当する円筒状空部
２４を設けるとともに、湯道２２から放射状に湯
道２６を延長し、空部２５と接続してなる。実際
には湯道２６を構成するために、砂型２５は上下
２個の対称な砂型１５ａ，１５ｂを組み合わせて
構成する。

このような砂型１３，１５を重ね合わせたと
き、各砂型１３，１５の湯道２２が互いに一致し
て連通され、また空部２３、空部２５および空部
２４が互いに連通されるもので、湯道２２の上端
から注湯すると、湯道２６を経て各空部２５，２
３へ湯が流れ、８本のカムシヤフトを同時に鋳造
することができる。ここで砂型１５はカム３に相
当する空部２３を所定の回転位相だけずらして成
形しなければならない。

本発明はこのようなカムの形状を所定の位相だ
けずらした砂型を得るための砂型製造装置を得る
ことを目的とするものである。

上記目的を達成するために、本発明の構成は型
枠を載置するためのテーブルの下面中心に大歯車
を回転可能に支持し、該大歯車に噛み合う小歯車
を円周方向に所定の間隔を存して配置し、各小歯
車の軸を前記テーブルを貫通して回転可能に支持
するとともに上端部に前記テーブルの上面に一側
面が摺接するカムを備え、前記大歯車の回転によ
り複数個のカムが基準の配列状態から所定の位相
角だけ回転変位されるようにしたものである。

本発明を実施例に基づいて説明すると、第４，
５図に示すように、テーブル３７の中心に軸３６
が軸受をもつて回転可能に支持され、この上端に
湯道型３２が一体に構成され、テーブル３７の上
面に配置される。また、軸３６を中心とする円周
上に所定の間隔を存して８個の軸３５がテーブル
３７に回転可能に支持され、この上端にカムシヤ
フトのカム３および軸部５にそれぞれ相当するカ
ム型３３および軸型３５ａが一体に形成され、テ
ーブル３７の上面に配置される。

第５，６図に示すように、軸３６の下端はテー
ブル３７の下側へ突出され、大歯車３９が結合さ
れる。同様に、各軸３５にも小歯車３８が結合さ
れ、前記大歯車３９と互いに噛み合わされる。こ
のようにして、手動または電動機により大歯車３
９を所定の角度だけ回転すれば、各小歯車３８が
回転され、カム型３３が所定の位相だけ回転され
る。そして、ストツパ４０を係合することによつ
て、その位置に固定することができる。

次に、本発明装置の作動について説明する。い
ま、第４図に示すように、カム型３３は所定の位
置でカムの突出部が径外方へ突出状態に整列され
る。この状態でテーブル３７の上に型枠を載置
し、かつ砂を投入して第２図に示すような砂型１
３を作ることができる。すなわち、中央に湯道２
２が、周囲に８個のカム３のための空部２３がそ
れぞれ形成される。

次に、こうして作られた砂型１３に対して、カ
ムが所定の位相だけ回転された第２の砂型１３を
作る場合には、ストツパ４０を解除して大歯車３
９を所定の角度（小歯車３８を90゜または120゜）
だけ回転すれば、各カム型３３は第４図に鎖線で
示すような配列となる。以下、同様に第３の型枠
をテーブル３７の上に載せ、砂を投入して砂型１
３を成形する。

このようにして得られた第１、第２、第３、…
…の砂型１３をそれぞれ型枠の基準辺を互いに揃
えて積み重ねれば、第１図に示すようなカム３の
位相が所定の角度だけ、４気筒エンジンの場合点
火順序が―――であれば、それに合せて
90゜・90゜・180゜・90゜と順次位相が変わるカム配置
が得られる。

本発明は上述のように構成したので、各型枠な
いし砂型１３に対するカム型２３の位相配列を自
由に設定変更することができるから、このように
して得られた砂型１３の組み合わせを選択するこ
とによつて、４気筒あるいは６気筒などのエンジ
ンに適した点火順序をもつカムシヤフトを得るこ
とができるばかりでなく、さらに吸気カムと排気
カムとの相互の関係位相の配列をも簡単に変更す
ることができるので、試作用エンジンのカムシヤ
フトの製造などに好都合である。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般的なカムシヤフトの斜視図、第２
図は同カムシヤフトを鋳造するのに用いる重合せ
型砂型の斜視図、第３図は同重合せ型砂型の共通
する分割砂型についての平面図、第４図は本発明
に係る互いに配列が異なる分割砂型を製造するた
めの製造装置の平面図、第５図は同正面断面図、
第６図は同装置の歯車の組合せを示す平面図であ
る。 ２：カムシヤフト、３：カム、５：軸部、１
３：砂型、３２：湯道、３３：カム型、３５，３
６：軸部、３７：テーブル、３８：小歯車、３
９：大歯車、４０：ストツパ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 型枠を載置するためのテーブルの下面中心に
   大歯車を回転可能に支持し、該大歯車に噛み合う
   小歯車を円周方向に所定の間隔を存して配置し、
   各小歯車の軸を前記テーブルを貫通して回転可能
   に支持するとともに上端部に前記テーブルの上面
   に一側面が摺接するカムを備え、前記大歯車の回
   転により複数個のカムが基準の配列状態から所定
   の位相角だけ回転変位されるようにしたことを特
   徴とするカムシヤフトの分割式砂型製造装置。