JPS6327077B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、たとえばし尿など汚濁水に空気を
吹き込んでこれを浄化するいわゆる好気性消化法
による好気性消化槽装置の改良に関するものであ
る。

第１図は、従来のこの種好気性消化槽装置を示
すもので、１は供給管Ａから前処理で、砂や夾雑
物を除去したし尿や、浄化槽汚泥等の汚濁水４を
間欠的、または連続的に供給するようになされた
好気性消化槽で、この消化槽１内の汚濁水４内に
は曝気用ブロワ２から送気管２ａを介して送気さ
れた空気を散気させる散気管３が収められてい
る。

従来の好気性消化槽装置は上記のように構成さ
れているので、好気性消化槽１内の汚濁水４内に
散気管３から小さい気泡の空気が連続的に吹き込
まれると、汚濁水４内の汚濁物質は、空気中の好
気性微生物によつて浄化され、通常10日間〜15日
間の滞留日数後、排出管Ｂから次段の沈殿槽（図
示せず）に送り出すように構成されている。な
お、好気性消化槽１内の上部空間に充満する臭気
は排気管Ｃを介して脱臭装置（図示せず）に吸引
されるように構成されている。また、上記従来の
好気性消化槽装置は、第１図に示すように消化槽
１が１槽のものについて述べたが、この消化槽は
通常２〜４槽を直列に分割、または分離して用い
ることが多いばかりでなく、浄化作用が進行する
につれて消化槽内に発泡現象が発生し易い。

したがつて、上述した従来の好気性消化槽装置
によれば種々処理条件下において消化槽内に発泡
現象が発生したときに、その泡沫が排気管Ｃを経
て脱臭装置に送り込まれて脱臭効果に悪影響を及
ぼしたり、あるいは上記泡沫が消化槽１の上部か
ら吹きこぼれるトラブルに対する対策がきわめて
むづかしく、好気性消化槽装置の運転管理が著し
く困難な欠点があるばかりでなく、上記発泡現象
が発生しない程度まで曝気強度を落すことによつ
て上述した発泡トラブルに対処していたため、消
化槽内における消化に必要な空気量が確保できな
い欠点もある。

この発明は、かかる点に着目してなされたもの
で、消化槽内の汚濁水に対する曝気強度と泡沫高
さとの関係が第３図に示すものであることに着眼
し、わずかな空気量の減少であつても泡沫高さを
大巾に下げることができること、および汚濁水の
発泡性が時々刻々と変化しているため、手動によ
る空気量の低減は安全サイドにしか設定できない
こと等が判明したので、この発明は曝気用ブロワ
により汚濁水に曝気する消化槽内の上部空間に泡
沫レベルセンサを設けるとともに、この泡沫レベ
ルセンサの検出信号により曝気用ブロワの送気管
に設けた排気用電動バルブの開度を自動的に制御
して汚濁水への曝気強度を調整して発泡現象を抑
え、この発泡現象に起因する各種トラブルを解消
するようにした消化槽装置を提供しようとするも
のである。

すなわち、第２図はこの発明の一実施例を示す
ものであるが、上述した従来のもの（第１図）と
同一符号は同一構成部材につきその説明を省略す
る。

５は上記好気性消化槽１内の上部空間に組み込
まれた泡沫レベルセンサで、この泡沫レベルセン
サ５は、たとえばフロートのないスイツチ形のも
のを用いている。６は上記曝気用ブロワの送気管
２ａの途中に接続された排気管で、この排気管６
にはたとえば開度を調整することができる電動ボ
ール弁などからなる排気用電動バルブ７と、手動
バルブ８とが直列に接続されている。なお、上記
排気用電動バルブ７は上記泡沫レベルセンサ５の
検出信号によりその開度が自動的に加減され、汚
濁水４への曝気強度を調整して発泡現象を抑える
ために設けられたものである。

この発明の好気性消化槽装置は上記のように構
成されているので、好気性消化槽１内の汚濁水４
内に散気管３から小さい気泡の空気が連続的に吸
き込まれると、汚濁水４内の汚濁物質は、好気性
微生物によつて浄化されるわけであるが、このと
き、種々処理条件下において発泡現象が発生し、
この泡沫９のレベルが第２図に示すように「Ｈ」
レベルまで達したときに、泡沫レベルセンサ６に
よつてこれを検出し、その信号により、あらかじ
め設定している開度に排気用電動バルブ７を自動
的に調整して排気管６から外気への排気量を加減
し、汚濁水４に対する曝気強度を調整して発泡現
象を抑えることができるものである。

この発明の好気性消化槽装置は、上述したよう
に、好気性消化槽１内の上部空間に泡沫しレベル
センサ５を設けるとともに、この泡沫レベルセン
サの検出信号により、排気管６に設けた排気用電
動バルブ７の開度を自動的に調整して、汚濁水４
への曝気強度を加減し発泡現象を抑えるようにし
たので、従来のように泡沫９が脱臭装置の送り込
まれて脱臭効果に悪影響を与えたり、あるいは泡
沫９が消化槽１の上部から吹きこぼれてその運転
管理が困難になるようなことのない優れた実用的
効果を有するものである。

なお、上記一実施例においては、消化槽内に単
一の泡沫レベルセンサ６を設けたものについて述
べたが、複数の泡沫レベルセンサを設けるように
すれば、曝気強度を微細にコントロールすること
ができることはいうまでもない。また、排気用電
動バルブ７としては上述した電動ボール弁のほ
か、電動バタフライ弁、あるいは電磁弁でもよ
い。さらに、排気用電動バルブ７と直列に排気管
６に設けられた手動バルブ８は、これに代えてオ
リフイス等でもよい。さらにまた、上記泡沫レベ
ルセンサ５としては上述したフロートのないスイ
ツチ形のものはもちろん、静電容量式、あるいは
フロート式スイツチ形のものなど、要は泡沫レベ
ルを検知してこれを電気信号に変換できるもので
あれば、どのような形のものでもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の好気性消化槽装置を示す断面
図、第２図はこの発明の一実施例を示す断面図、
第３図は曝気強度と泡沫高さの関係を示す特性図
である。 図面中、１は好気性消化槽、２は曝気用ブロ
ワ、２ａは送気管、３は散気管、４は汚濁水、５
は泡沫レベルセンサ、６は排気管、７は排気用電
動バリブ、８は手動バルブ、９は泡沫である。な
お、図中同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 曝気用ブロワにより汚濁水に曝気する消化槽
   内の上部空間に泡沫レベルセンサを設けるととも
   に、この泡沫レベルセンサの検出信号により曝気
   強度を調節する調節手段を設けたことを特徴とす
   る好気性消化槽装置。 ２ 前記調整手段は、前記泡沫レベルセンサの検
   出信号によつて開度を制御される排気用の電動バ
   ルブであることを特徴とする特許請求の範囲第１
   項記載の好気性消化槽装置。 ３ 前記排気用の電動バルブは、曝気用ブロワの
   排気管に設けられていることを特徴とする特許請
   求の範囲第２項記載の好気性消化槽装置。 ４ 前記調節手段は、曝気用ブロワの排気管に設
   けられた開度制御が可能な排気用の電動バルブ
   と、手動バルブとで構成されていることを特徴と
   する特許請求の範囲第１項記載の好気性消化槽装
   置。 ５ 前記泡沫レベルセンサは、複数であることを
   特徴とする特許請求の範囲第１項，第２項，第３
   項又は第４項記載の好気性消化槽装置。