JPS588391Y2 - 小型合併式汚水処理装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、一般家庭や事務所等の比較的小規模な生活
設備を通して流出する汚水の浄化に適した合併式汚水処
理システムの改良に係るものである。

より具体的に述べると、この考案による処理装置は、貯
留槽、流量調整槽、曝気槽、沈澱槽等を適宜組み合せて
成る処理システムに関して、それらの各処理槽の最も効
率のよい配列を実現し、該システム中の汚水の流通効率
の向上とともに、装置全体の小型化を図ることを目的と
するもので、前記貯留槽又は前記曝気槽の中の少なくて
も一方の処理槽の上方に所望の大きさの処理空間を設け
るべく、その処理槽の外周壁を縦方向に延長するととも
に、このような外周壁の内周面に外接させた環状隔壁部
分と、この隔壁部分の内側周縁部に対して下端部を接続
した筒状隔壁部分とを内装することにより、前記外周壁
の内側上部に設定した前記処理空間を以って、前記流量
調整槽を形成したことを特徴としている。

以下、その実施例を図面について説明するに、図中、Ａ
は貯留槽、Ｂ及びＢ′は２段階に（上流側と下流側に）
分割した流量調整槽、Ｃは曝気槽、Ｄは沈澱槽で、これ
らの各処理槽は、この実施例では、略円形又は楕円形を
なす縦長の外周壁１０゜２０．３０を以って区隔した状
態において、その順に種々の汚水供給源から流出した汚
水を流動させることができるようになっている。

すなわち、図示する処理装置においては、上記の各処理
槽の中の、主として貯留槽Ａ及び曝気槽Ｃの内側上部に
所望の処理空間を設けて、それらを独立した流量調整槽
Ｂ、Ｂ’とするために、各外周壁１０．２０の内周面の
適当な高さ位置（前記貯留槽又は前記曝気槽に必要な内
容積を設定し得る位置）に、溶接等により外側周縁部を
水密的に外接させた環状隔壁部分１１．２１を配する一
方、適当な高さの（前記流量調整槽に必要な内容積を設
定し得る高さの）筒状隔壁部分１２，２２を用いて、こ
れらの各下端部を溶接等により環状隔壁部分の内側周縁
部に接続し、こｆｌ−によって、例えば家庭用浄化槽に
収容した汚水を符号１で示す汚水供給管を通し、好まし
くはその先端部に取り付けた整流筒２を介して貯留槽Ａ
に供給したならば、図中、矢印で示すように、この貯留
槽内で一定の水面レベルＬまで保有した後、そのレベル
を越えることとなった余剰分の汚水をまず、貯留槽Ａの
上方にある流量調整槽Ｂへ導びくとともに、これに連通
しているもう１つの流量調整槽Ｂ′へ導びき、この２つ
の流量調整槽で望ましい流量を調整した上で次の曝気槽
Ｃ内に落下させ、引き続いて所定の時間に亘って曝気処
理をしてから、沈澱槽りへ送給することができるような
構成としである。

尚、図中、３は２つの筒状隔壁部分１０及び旬に共通の
排気管、４は第２段目の（下流側の）流量調整槽Ｂ′を
仕切っている隔壁、５は散気管を示す。

このような構成の実施には、前述したごとく、貯留槽Ａ
内の汚水を流量調整槽Ｂへ揚げる操作がまず以って必要
となるが、この点は例えば、下達する汚水採集管４０、
エアーリフトパイプ機構４１゜汚水導入管４２及び溢流
連通管４３によって行なンうことができる。

詳述すると、上記の貯留槽Ａと第１段目の流量調整槽Ｂ
との間には、第１図〜第３図に示すごとく、両者が上下
に重なった個所において、好ましくは長寸の有底筒かも
成る汚水採集管４０を環状隔壁部分１１中に通して樹立
し、このようにした汚水採集管４０の一方の開放してい
る上端部４０ａを流量調整槽Ｂの水面レベルＬ （通常
、このレベルを最大値とする）よりも上方に突出させ、
かつその他方の封閉した状態の下端部４０ｂを貯留槽Ａ
の底部に向かって適当な長さ、好ましくは該底部に近接
する位置に対するように延長するとともに、その内部に
おいて、流量調整槽Ｂの水面レベルＬ よりも高い位置
に好ましくは直角Ｌバイブから成る放出口４１ａを有す
るエアーリフトパイプ４１ｂ及び、このパイプに対し外
部からエアーを供給すべく接続したエアー供給ライン４
１ｃにより構成したエアーリフトパイプ機構４１（この
ようなエアーリフト機構自体は周知に属する）を装設し
であるため、貯留槽Ａの水面レベルＬを越える汚水を上
述の汚水採集管４０に導びくことかできるようにするこ
とによって、上述のエアーリフトパイプ機構４１の働き
の下で、余剰分の汚水を継続的に放出口４１ａかも放出
することができるようになる。

符号４２で示す汚水導入管並びに符号４３で示す溢流用
連通管はそうするためのもので、前者については、貯留
槽Ａ内における上槽部のスカムや下層部の沈澱物を除く
、中間の分離水のみを４尺することが可能なように、水
平方向側方に開口している導入口４２ａを有し、しかも
頂端が遮蔽部４２ｂとなっているパイプ材によって形威
し、又後者については、予め規定した貯留槽Ａの水面レ
ベルＬを越えて溢流する汚水を流すことができるように
、そのレベルに合わせて実質上水平に配置した比較的短
かいパイプ材によって形成して、汚水導入管４２と汚水
採集管４０との連絡を図っている。

又、前述によって、貯留槽Ａ内の余剰分の汚水が流量調
整槽Ｂ内に入るようになった場合は、これを直ちに次の
流量調整槽Ｂ′ 内に流入させないで、その流量を調整
した上で流入させるようにするのがよいが、それには符
号５０を付した流量調節管を使用する。

この流量調節管５０は、第２図から明らかなごとく、下
端部に小孔５１ａを有する実質上垂直に配置した流入用
筒部材５１とこの筒部材の一側中途部分に接続した実質
上水平な放出用筒部材５２とから成るもので、前者の上
端の開口部５１ｂの位置が水面レベルこと同じ高さ位置
にあり、かつ後者の水平高さがそのレベルよりも下方に
位置するように付置性げしであることによって、平常時
（例えば、一般家庭から流出する汚水の量が比較的少な
い午前中ないしは正午より３時頃までの間）には、汚水
を流入用筒部部材５１の／ＮＬ５１ ａからその内部に
流入させて放出用筒部材５２の放出口５２ａを介し放出
させるという比較的流量が小である流通系路に従がって
流動させ、又ピーク時に、かなり多量の汚水が流量調整
槽Ｂ内に尺って、その水平レベルＬ□まテ上昇すること
となったときには、流入用筒部材５１の小孔５１ａに加
えて、その上端の開口部５１ｂからも多量の汚水を取り
入れて、放出用筒部甘党より第２段目の流量調整槽Ｂ′
内に放出するように働く。

これと同様な流量調節管５０′（その構成部分にもダッ
シュの記号を付しである）は、第２段目の流量調整槽Ｂ
′とこの調整槽の下方にある曝気槽Ｃとの間にも設置し
である。

このため、前述したような装置の構ｅ、ｖｃおいては、
貯留槽Ａを通った汚水が流量調整槽Ｂ及びＢ′内に僅か
ずつ継続的に入る場合でも、その余剰分の汚水を常に曝
気槽Ｃへ導びくことかできるようになり、一度に貯留槽
Ａないし流量調整槽Ｂ、Ｂ’内の増量分を通過させて、
曝気槽Ｃへ流すことが起らない。

勿論、上記の第２段目の流量調整槽Ｂ′ を設けないの
で、第１段目の流量調整槽Ｂのみを通した汚水を直接曝
気槽Ｃ内に導入しようとするときは、第１段目の流量調
整槽Ｂ′とともに第２の流量調節管５０′も不要となり
、曝気槽Ｃ上の空間には、第１の流量調節管５０の放出
用筒部材５２の延長端部な突出させることとなる。

この後、曝気槽Ｃへんった汚水は、そこで所望時間に亘
って曝気処理に与り、続いて連通管６を介し沈澱槽りを
経て、必要に応じ、貯水槽或は消毒槽等の他の処理槽に
入る。

以上のような特徴を有するこの考案を実施するときは、
貯留槽等の上方の空間を利用して、所望の内容積を有す
る流量調整槽を形成することができ、従って同種の汚水
処理装置ないしは施設を全体的にコンパクトに纏めるこ
とが可能となるとともに、曝気槽で分解し難い物質が混
入している汚水を一旦、貯留槽内に収容した後、流量調
整槽を通して望ましい流量を設定した上で継続的に曝気
槽へ送るようにしたことによって、汚水濃度を均一化し
、好気性菌の作用による汚水の消化（Ｂ。

０、Ｄ、の除去）を促進することができるようになる他
、図示する実施例のごとくに、貯留槽と曝気槽の双方の
上部空間を以って独立した２つの流量調整槽を設けた場
合は、それらの間に段差があっても、何ら支障なく、所
望流量の汚水を継続的に流動させることができるように
なり、きわめて簡単な構成によって多大な実用的利益を
挙げることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を概略的に示す平面図、第２
図はその縦断側面図、第３図は第１図における■−■断
面図である。 １・・・・・・汚水供給管、１０・・・・・・外周壁、
１１・・・・・・環状隔壁部分、１２・・・・・・筒状
隔壁部分、Ａ・・・・・・貯留槽、Ｂ、Ｂ’・・・・・
・流量調整槽、Ｃ・・・・・・曝気槽、Ｄ・・・・・・
沈澱槽。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ０）汚水供給管１を介して貯留槽Ａ内に供給した汚水を
   流量調整槽Ｂ、曝気槽Ｃ１沈澱槽り等の処理槽を通して
   浄化するようにした汚水処理システムにおいて、 前記貯留槽Ａ又は前記曝気槽Ｃの中の少なくても一方の
   処理槽の上方に所望の大きさの処理空間を設けるべく、
   その処理槽の外周壁１０を縦方向に延長するとともに、
   このような外周壁の内周面に外接させた環状隔壁部分１
   １とこの隔壁部分の内側周縁部に対して下端部を接続し
   た筒状隔壁部分１２とを内装することにより、前記外周
   壁１０の内側上部に設定した前記処理空間を以って、前
   記流量調整槽Ｂを形成したことを特徴とする小型合併式
   汚水処理装置。 （２）前記貯留槽Ａ及び前記曝気槽Ｃ上に各１個の流量
   調整槽Ｂ、Ｂ’をそれぞれ設置したことを特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第１項に記載の汚水処理装置。 （３）前記流量調整槽Ｂを前記貯留槽Ａ上に設定した構
   成において、この後者の貯留槽から前者の流量調整槽へ
   汚水を揚げるために、前記環状隔壁部分１１を通して、
   上端部４０ａを前記流量調整槽Ｂの水面レベルＬ０より
   も上方に突出させ、かつ下端部４０ｂを封閉した状態で
   前記貯留槽Ａの底部に向かって延長した汚水採集管４０
   を設けるとともに、その内部に、前記流量調整槽Ｂの水
   面レベルＬ よりも高い位置を占める放出口４１ａが備
   わったエアーリフトパイプ機構４１を装設し、さらに前
   記貯留槽Ａ内の中間分離水の４尺のための汚水導入管４
   ２を設け、この汚水導入管と前記汚水採集管４０との間
   に溢流用連通管４３を設置したことを特徴とする実用新
   案登録請求の範囲第１項４に記載の汚水処理装置。