JPS6327005Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はダンプ車その他の作業用車両の補助制
動装置に関するものである。

エンジン作動状態で、車両を一時停車して作業
を行う時、作業の安全性をさらに高めるため、パ
ーキングブレーキと連動して全輪のブレーキを制
動状態に保持する作業用補助制動装置が装備され
ている。

従来の補助制動装置は、運転室内のコントロー
ルボツクスのスイツチ及びパーキングブレーキの
操作力に応動するスイツチによりエアタンクとリ
レーバルブ間に設けた電磁弁を作動させホイール
ブレーキを制動状態に保持する構造であつた。ま
た、電磁弁とリレーバルブ間にダブルチエツクバ
ルブを設け、前記ブレーキロツク装置の作動とは
関係なくブレーキバルブによる主ブレーキの操作
が可能な回路を備えていた。

上記従来の補助制動装置では、ブレーキロツク
にはリレーバルブに接続されるエアタンクからの
エア配管と電磁弁とを必要とし、さらには電磁弁
とリレーバルブ間にダブルチエツクバルブを必要
とする多くの構成部品と配管回路を要し、構造が
複雑であり保守点検が容易ではなく、コストも高
くなつている問題があつた。

また、実開昭58−32051号で車両用ブレーキ連
動装置が提供されている。このものは、パーキン
グブレーキレバーの操作力をレバーを介して電磁
ロツク付三方制御弁のプランジヤに伝え、パーキ
ングブレーキレバーを引いたときに電磁ロツクを
解除し、プランジヤを押し下げ、サージタンクか
ら幅空気配管を介して導かれるエアをブースタに
導入し、パーキングブレーキレバーにてホイール
ブレーキを作動させる構造である。

従つて、この場合の電磁ロツクはパーキングブ
レーキを解放した走行状態において、副空気配管
からブースタへの空気導入を遮断するために三方
制御弁のプランジヤをロツクするものである。

このものでは、パーキングブレーキレバーの操
作力をプランジヤに伝えるレバー機構や副空気配
管の別個専用の配管回路を必要とし、前記従来の
補助制動装置と同様の問題点を有している。

本考案は上記従来の問題に鑑み、コントロール
ボツクスの作動スイツチを操作してブレーキペダ
ルを踏み込むことにより全輪のブレーキを制動状
態にロツクする簡単な構造の補助制動装置を提供
するものである。

以下本考案の実施例を図面によつて説明する。
第１図において、１はブレーキバルブ１０（第３
図参照）を開閉するプランジヤであり、ブレーキ
ペダル２のローラ３と対接している。このプラン
ジヤ１の外周に係合凹部５を形成すると共に、プ
ランジヤ１の軸線に対し直交する位置に、ブレー
キペダル２の踏み込みによる制動状態で前記係合
凹部５に係合する電磁ロツク装置４を設置する。

この電磁ロツク装置４は、プランジヤ１の軸線
と直交する軸線で進退移動する係合軸６と、係合
凹部５に係合する方向の前進作動させるためのソ
レノイドコイル７と、係合凹部５からの係合を解
脱する方向の後退作動させるためのスプリング８
とによつて構成されている。

前記電磁ロツク装置４に通電する作動スイツチ
１６並びに制動状態のロツク完了を検出する電気
的検出機構が備えられている。

その回路構成を第３図を含めて説明する。作動
スイツチ１６はコントロールボツクス１７に設け
られ、リレーコイルRL１及びリレー接点RL１−
ａを介してソレノイドコイル７に結線されてい
る。また、電磁ロツク装置４には係合軸６が前進
移動し係合凹部５に係合したロツク完了によつて
ONし、係合凹部５より係合を解脱した後退移動
端のロツク解除でOFFするスイツチ９が設けら
れている。このスイツチ９は、リヤブレーキチヤ
ンバ１４及びフロントブレーキチヤンバ１５に制
動圧力が供給されたときにONする圧力スイツチ
１１，１２と直列に接続されている。さらに、圧
力スイツチ１１，１２はリレーコイルRL３、リ
レー接点RL３−ａを介してブザー１３と結線し
ている。

上記本考案装置の作用について説明する。補助
制動を作動し、かつその状態をロツクする場合、
コントロールボツクス１７の作動スイツチ１６を
ONする。これによりリレーコイルRL１に通電
し、リレー接点RL１−ａがONとなり電磁ロツ
ク装置４のソレノイドコイル７に通電され磁力に
よつて係合軸６が前進移動方向に付勢される。こ
の状態でブレーキペダル２を踏み込まないときに
は係合軸６の先端はプランジヤ１の係合凹部５以
外の外周面に当接しているが、ブレーキペダル２
を踏み込んで全輪の制動状態にすると第１図に示
すように係合軸６は係合凹部５に係合し、ブレー
キペダル２の踏力を解放してもブレーキバルブ１
０は開口状態を保持し補助制動状態でロツクする
のである。

一方、リレー接点RL１−ａがONすることに
よりブザー１３に通電し、補助制動の操作を開始
していることを報知する。そして、リヤブレーキ
チヤンバ１４、フロントブレーキチヤンバ１５に
圧力が供給されホイールブレーキが作動すると、
その圧力によつて圧力スイツチ１１，１２がON
となり、さらに、係合軸６が係合凹部５に係合し
てロツクが完了すると、係合軸６の後端面で押圧
されOFF状態にあつたスイツチ９がONとなり、
リレーコイルRL３に通電され、リレー接点RL３
−ａをOFFする。これによつてブザー１３の通
電回路が切られるためブザー１３が鳴り止み、ロ
ツクが完了したことを確認する。

前記ロツク状態を解除するには、作動スイツチ
１６をOFFすることにより電磁ロツク装置４の
ソレノイドコイル７への通電が切られ係合軸６は
スプリング８の押圧力にて原位置に後退移動し、
係合凹部５より係合を解脱する。よつて、プラン
ジヤ１はリターンスプリング力にて上昇動し、ブ
レーキバルブ１０は閉止され補助制動が解放され
る。尚、係合軸６の後退移動端でスイツチ９が
OFFされ、リレーコイルRL３の通電が切れるた
めリレー接点RL３−ａがON状態に戻される。

以上のように本考案装置によると、電磁ロツク
装置の作動スイツチを操作してブレーキペダルを
踏み込むだけで全輪制動の補助制動状態をロツク
することができ、操作が非常に簡単となると共
に、従来のように圧力配管その他の附属部品が不
要となり構造の簡素化が図られ、保守点検の容易
並びにコストダウンが得られる利点がある。

さらに、ロツク完了を電気的に検出されるの
で、補助制動のロツクが確実に得られ安全性を向
上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の作動状態の断面図、第２
図は非作動状態の断面図、第３図は本考案装置の
電気制御回路図である。 １……プランジヤ、２……ブレーキペダル、４
……電磁ロツク装置、５……係合凹部、６……係
合軸、７……ソレノイドコイル、８……スプリン
グ、９……スイツチ、１０……ブレーキバルブ、
１３……ブザー、１６……作動スイツチ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ブレーキペダルの作動によつて開閉するブレ
   ーキバルブのプランジヤの外周に係合凹部を形
   成し、前記プランジヤの軸線に対し直交する位
   置にブレーキペダルの踏み込みによる制動状態
   で前記係合凹部に係合する電磁ロツク装置を設
   け、この電磁ロツク装置に通電してロツク状態
   に付勢する作動スイツチを備えたことを特徴と
   する補助制動装置。 (2) 前記電磁ロツク装置には、制動状態のロツク
   完了を検出するスイツチを備えた実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の補助制動装置。