JPS63264071A - 貯血用具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野コ 本発明は貯血用具に関し、一層詳細には、人工透析シス
テム、人工肺システム等のように、血液を体外循環させ
るシステムに組み込まれ、前記システムの作動状態等を
確認すべく血液を所定量貯留するための貯血用具であっ
て、当該貯血用具に血液を案内する管体の先端部を円筒
状の貯血部の側壁部に接線方向から臨ませ、前記貯血部
内に血液を導入する際に懸念される気泡の発生を可及的
に回避することを可能とした貯血用具に関する。

［発明の背景］ 一般に、血液の体外循環システム、例えば、人工透析シ
ステムにおいては、血液の循環が正常に達成されている
か否か等を確認するために当該血液を所定量貯留する貯
血用具が配設されている。この場合、前記貯血用具では
その上方から血液をポンプの圧送作用下に断続的に導入
してこの中に所定のレベルで貯留し、一方、当該貯血用
具の下方から前記血液を導出するよう構成している。

然しなから、前記のような構成の貯血用具では、血液は
ポンプによる圧送力並びに重力によって貯血用具内に落
下する。従って、前記貯血用具内に予め貯留されている
血液の液面に落下し、その結果、前記血液に気泡が発生
することが確認されている。すなわち、このように血液
中に気泡が発生すると、貯留される血液の量を視認する
ことが困難になり、あるいは当該気泡によって血液が酸
化する度合が増大してしまう。

換言すれば、前記酸化作用によって当該血液が凝固して
血栓が発生する等の不都合を露呈する。

そこで、前記貯血用具内に血液を導入する際に気泡が発
生しないよう構成した貯血用具が種々案出されている。

例えば、この従来技術に係る貯血用具では血液導入口の
口径を大きくして貯血用具に導入される際の血液の圧送
力を弱め、あるいは上方から導入される血液が当該貯血
部の内壁に衝接するよう構成している。

然しなから、前記のいずれの場合も血液が上方から導入
される構成を採用しているため、新たに導入される血液
は既に貯溜されている血液に対して上方から落下するこ
とになり、その衝撃力によって気泡が発生する現象を回
避するには至っていない。

また、他の従来例として、当該貯血用具を構成する本体
部の側面にその軸心に指向して血液導入用管体を配設す
るよう構成したものがある。

このような構成では、導入される血液を当該貯血用具の
反対側の内壁面に一旦当接し、この内壁面に沿って血液
を液面に落下させる。

ところが、前記のように、血液はポンプの圧送作用下に
脈動的に導入されるため、前記血液の導入圧力が減少し
た時、血液は貯血用具の反対側内壁まで到達することな
くその自重によって貯血用具内に既に貯留されている血
液の液面上に落下し気泡を発生してしまう。

さらに、前記の貯血用具において、血液を導入する管体
を一挙に反対側の内壁面近傍まで延在させることも考え
られる。然しなから、この場合、血液の導入圧力が大き
いと、前記血液が内壁面に衝突して当該貯血用具内に血
液が飛散してしまい、これによって貯血用具内における
血液レベルの視認は到底困難となっている。

［発明の目的コ 本発明は前記の不都合を克服するためになされたもので
あって、人工透析システム、人工肺システム等のように
血液の体外循環を行うシステムに組み込まれる貯血用具
に血液を導入する際に、当該貯血用具を構成する円筒状
の貯血部の側壁部にその接線方向に臨むように血液導入
用管体を接続し、前記管体を介して血液を貯血部の内周
壁面に周回するように構成し、これによって、前記血液
内に気泡を発生させるこ七なく当該貯血部に貯留される
血液を容易且つ正確に視認出来、しかも前記体外循環シ
ステムを円滑に作動することを可能とした貯血用具を提
供することを目的とする。

［目的を達成するための手段］ 前記の目的を達成するために、本発明は血液を一時的に
貯溜する貯血用具であって、貯血部を構成する上部側壁
部に開口した血液の導入口を設け、一方、前記貯血部の
下部に血液の導出口を備え、該導入口は流入される血液
が前記側壁部の内面を伝わって流下するよう構成したこ
とを特徴とする。

［実施態様］ 次に、本発明に係る貯血用具について好適な実施態様を
挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。

第１図において、参照符号１０は本発明に係る貯血用具
を示す。当該貯血用具１０は貯血部１１を含み、この貯
血部１１は略円筒状を呈する本体部１２と、当該本体部
１２の上部に気密に係合する蓋体１４とからなる。この
場合、前記本体部１２および蓋体１４は内部に導入され
る血液を視認出来るよう透明な材料により形成しておく
。

前記蓋体１４の上面部には管体１６および１８が接続さ
れる。この場合、前記管体１６および１８には、図示を
省略したが、当該貯血用具１０内の圧力を測定する圧力
測定装置および貯血用具１０内に貯留される血液の量を
一定に保つためのレベル調整装置としてのシリンジが接
続されている。さらに、前記蓋体１４の側面部上部には
血液導入口１９が画成され、この血液導入口１９に連通
して管体接続機構２０が形成される。前記管体接続機構
２０は蓋体１４の外周面部に対して接線方向で且つその
先端部が上方に指向するよう傾斜形成される。すなわち
、円筒状の管体接続機構２０の尾端部は、第２図並びに
第３図から容易に諒解されるように、下方に指向して延
在している。なお、この場合、前記管体接続機構２０の
傾斜角度は当該貯血用具の軸線に直交する接線に対して
−１０゜乃至６０６、好ましくは０°乃至３０６の範囲
で選択しておく。

前記本体部１２の下部には、フィルタ部材２２が気密に
係合する。前記フィルタ部材２２は実質的に円筒状の本
体部１２に外嵌する係合部２４を含み、この保合部２４
には血液導出口２６を画成する管体接続部２８が突出形
成される。また、前記保合部２４には本体部１２の内部
にあって前記血液導出口２６を囲繞するように円錐状の
フィルタ本体３０が取着されている。

本発明に係る貯血用具１０は基本的には以上のように構
成されるものであって、次に当該貯血用具１０を組み込
む人工透析システムについて説明する。

第２図に示すように、人工透析システム３２は患者Ａの
動脈に刺入される動脈側穿刺針３４を含み、この動脈側
穿刺針３４には管体３６が接続される。前記管体３６は
血液を断続的、すなわち、脈動的に送給する血液ポンプ
３８に連結されるものであって、当該血液ポンプ３８に
は前述した貯血用具１０の血液導入口１９に管体接続機
構２０を介して連通ずる管体４０が取着されている。従
って、患者Ａの動脈内を流動する血液は血液ポンプ３８
の駆動作用下に動脈側穿刺針３４、管体３６並びに管体
４０を介して貯血用具１０内に導入され所定量貯留され
ることになる。一方、管体接続部２８に管体４２が接続
され、前記管体４２はダイアライザ４４と連通している
。

前記ダイアライザ４４の内部には半透膜４５が配設され
、前記管体４２を介して当該ダイアライザ４４に導入さ
れた血液は前記半透膜４５を通過し、管体４６内に到達
するよう構成されている。

前記ダイアライザ４４の側面部上部に設けられる透析液
導入口４７には管体５０を介して透析液供給装置４８が
連結されている。さらに、ダイアライザ４４の側面部上
部には前記透析液供給装置４８から送給された透析液を
外部に排出する透析液排出口５２が設けられると共に、
この透析液排出口５２に管体５４が接続される。

一方、前記管体４６は本発明に係る他の貯血用具１０ａ
の管体接続機構２０ａに連結されており、従って、前記
ダイアライザ４４を通過した血液は管体４６を介してこ
の貯血用具１０ａ内に貯留されることになる。前記の他
の貯血用具１０ａの血液導出口２６ａを画成する管体接
続部２８ａには管体５６が配設され、この管体５６の先
端部には静脈側穿刺針５８を取着しておく。

本発明に係る貯血用具並びにこれを組み込む人工透析シ
ステムは基本的には以上のように構成されるものであり
、次にその作用並びに効果について説明する。

先ず、人工透析システム３２内に生理的食塩水を充満さ
せ、次いで、第２図に示すように、動脈側穿刺針３４を
患者Ａの動脈に刺入すると共に、静脈側穿刺針５８を前
記患者Ａの静脈に刺入する。

次に、血液ポンプ３８を駆動して前記患者Ａの動脈内を
流動する血液を動脈側穿刺針３４を介して断続的に管体
３６内に導入する。当該管体３６内に導入された血液は
管体４０へと送給され、この管体４０から貯血用具１０
に導入される。

この場合、第３図に示すように、管体４０を介して導入
される血液は当該貯血用具１０を構成する貯血部１１の
内周壁面に沿って周回するように落下し、前記貯血部１
１の内部に貯留されるに至る。すなわち、貯血部１１の
蓋体１４の内壁に上方に指向して血液が導入される。こ
の血液は導入された圧力と重力との均衡点まで一旦到達
した後、前記内壁に沿って落下し始める。

従って、従来技術のように前記導入される血液がその導
入圧力並びに重力等により落下して当該貯血用具１０に
予め貯留される血液の液面に衝撃的に当接することがな
い。

このようにして貯血用具１０の貯血部１１内に貯留され
る血液の量は当該貯血用具１０の管体１Ｂに接続される
図示しないシリンジによって常時一定となるよう調整さ
れることになる。すなわち、貯血用具１０への血液の流
入量と当該貯血用具１０からの流出量とが異なると、こ
の貯血用具１０内に貯留される血液の量が増減してその
液面が上昇または下降する。この場合、例えば、前記液
面が上昇した際には、前記管体１８に接続される図示し
ないシリンジにより貯血用具１０の内部に圧縮空気を送
給し、この圧縮空気により前記血液を管体４２側に押し
出して当該貯血用具１０内の血液の量を調整する。また
、前記液面が下降した際には、前記シリンジの駆動作用
下に貯血用具１０内に導入される空気を吸引して前記貯
血用具１０内に貯留される血液の量を調整している。

さらに、当該貯血用具１０内の圧力を管体１６を介して
接続される図示しない圧力測定装置により検出して前記
管体３６．４０および管体４２が血栓等により閉塞され
ているか否かを検出している。

この場合、例えば、管体３６または管体４０が閉塞され
ると、貯血用具１０内の圧力が低下し、一方、管体４２
が閉塞されると、貯血用具１０内の圧力が上昇すること
になる。以上のようにして、当該人工透析システムの異
常等を検知することが可能である。

次に、前記貯血用具１０の貯血部１１内の血液はフィル
タ本体３０により当該血液内に混入される不純物を取り
除かれ、血液導出口２６から管体４２に導出され、前記
管体４２内を流動してダイアライザ４４に到達する。前
記ダイアライザ４４内において、前記血液はこの内部に
配設される半透膜４５内を流動して管体４６に至る。そ
の際、前記ダイアライザ４４内には透析液供給装置４８
から管体５０を介して透析液が導入され、この透析液は
前記半透膜４５の外部を通過して透析液排出口５２から
管体５４へと排出される。この結果、血液に混入する尿
毒素および余剰な水分等を透析液側に排出して当該血液
が浄化されることになる。

このようにして、浄化された血液は管体４６を介して本
発明に係る他の貯血用具１０ａに貯留される。この場合
、当該貯血用具１０ａでは、前記貯血用具１０と同様の
作用が行われるため、ここではその詳細な説明を省略す
る。

前記貯血用具１０ａから導出された血液は管体５６、静
脈側穿刺針５８を介して患者Ａの静脈へと導入されて所
定の人工透析が終了する。

この場合、本実施態様によれば、前述したように、貯血
用具１０に血液が導入される際に当該血液に気泡が生じ
ることを効果的に回避している。例えば、本発明に係る
貯血用具１０と従来からの技術に係る貯血用具に３点を
選択し、同一の条件で血液を導入して気泡の発生を視認
する実験を行った。この従来技術に係る貯血用具はその
側面部に血液導入口を設け、導入される血液をこれら貯
血用具の反対側の壁面に衝接させるよう構成されたもの
である。

そこで、前記従来技術に係る貯血用具並びに本発明の貯
血用具１０に血液凝固防止剤としてのヘパリンを加えた
生血を毎分２００−並びに毎分４００ｍｆ７’導入した
。この実験の結果、従来技術に係る貯血用具に導入され
た血液には気泡が発生し、本発明に係る貯血用具１０に
導入された血液には殆ど気泡が発生しないことが判明し
た。

以上のように、本発明に係る貯血用具１０は当該貯血用
具１０内に貯留される血液の量を容易且つ正確に視認す
ることが出来る。しかも、当該貯血用具１０を組み込む
人工透析システム３２内において、血栓が生じる等の事
故を回避して円滑に人工透析を行うことが可能である。

次に、本発明に係る貯血用具の他の実施態様について説
明する。

なお、本実施態様において前記第１の実施態様と同一の
参照符号は同一の構成要素を示すものであり、従って、
その詳細な説明は省略する。

第４図に示すように、本実施態様に係る貯血用具６０で
は貯血部１１を構成する本体部１２の上部に係合する蓋
体をより大径に構成している。すなわち、蓋体６２は前
記本体部１２に嵌合する係合部６４と当該係合部６４の
上部に形成される大径部６６とからなり、前記大径部６
６に血液導入口６日を形成している。この場合、前記血
液導入口６８に連通形成される管体接続部は、図示を省
略したが、前記第１の実施態様と同様にその接線方向に
指向して傾斜形成されるものである。

以上のように形成される貯血用具６０は前記第１の実施
態様に係る貯血用具１０と略同様の作用により消泡効果
が得られるが、本実施態様に係る貯血用具６０によれば
、前記第１の実施態様に係る貯血用具１０に比し血液導
入口６８を大きく形成しているため、当該貯血用具６０
内に導入される血液の導入圧を一層減圧して予め貯留さ
れている血液の液面に到達させることが出来、血液に気
泡を発生することがない。

［発明の効果］ 以上のように、本発明によれば、人工透析システムおよ
び人工肺システム等のように血液の体外循環を行うシス
テムに組み込まれる貯血用具であって、当該貯血用具を
構成する貯血部の側面部に血液を導入するための血液導
入口を設け、しかもこれに接続される管体を接線方向に
指向するよう配設している。このため、前記貯血用具に
導入される血液はその内周壁面に沿って周回するように
下方に指向して流下し、当該貯血用具内に貯留される。

従って、当該貯血用具内に血液が導入される際に気泡が
生じることがない。この結果、前記血液内に発生する気
泡に起因して血栓が生じたり、貯血用具内に貯留される
血液の量を視認することが困難になるという不都合を回
避し、当該貯血用具が配設される人工透析システムおよ
び人工肺システム等の作動を円滑に行うことが可能とな
る効果が得られる。

以上、本発明について好適な実施態様を挙げて説明した
が、本発明はこの実施態様に限定されるものではなく、
例えば、当該貯血用具を構成するフィルタ部材を単に血
液導出口が画成される底部材に代替可能である等、本発
明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設
計の変更が可能なことは勿論である。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明に係る貯血用具の一部省略斜視図、 第２図は本発明に係る貯血用具が組み込まれる人工透析
システムの概略説明図、 第３図は本発明に係る貯血用具に導入される血液の流動
軌跡の説明図、 第４図は本発明に係る貯血用具の他の実施態様を示す一
部省略縦断面図である。 １０・・・貯血用具　　　　　　１１・・・貯血部１２
・・・本体部　　　　　　　１４・・・蓋体１９・・・
血液導入口　　　　　２０・・・管体接続機構２２・・
・フィルタ部材　　　　２６・・・血液導出口３４・・
・動脈側穿刺針　　　　３８・・・血液ポンプ４４・・
・ダイアライザ　　　　４８・・・透析液供給装置５８
・・・静脈側穿刺針

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. （１）血液を一時的に貯溜する貯血用具であって、貯血
   部を構成する上部側壁部に開口した血液の導入口を設け
   、一方、前記貯血部の下部に血液の導出口を備え、該導
   入口は流入される血液が前記側壁部の内面を伝わって流
   下するよう構成したことを特徴とする貯血用具。
2. （２）特許請求の範囲第１項記載の貯血用具において、
   貯血部は少なくとも円筒状の本体部と、当該本体部に係
   合する蓋体と、当該貯血部の内部に血液を導入する管体
   を接続すべく血液の導入口と連通形成される管体接続機
   構とからなり、前記管体接続機構を貯血部を構成する蓋
   体または本体部において実質的に当該蓋体または本体部
   の接線方向に指向して筒状に形成してなる貯血用具。
3. （３）特許請求の範囲第２項記載の貯血用具において、
   管体接続機構は実質的に水平方向に対して傾斜形成され
   ることからなる貯血用具。
4. （４）特許請求の範囲第１項乃至第３項のいずれかに記
   載の貯血用具において、当該貯血部の内周壁に段部を設
   け、この段部近傍に血液の導入口およびこれに連通する
   管体接続機構を設けてなる貯血用具。
5. （５）特許請求の範囲第１項乃至第４項のいずれかに記
   載の貯血用具において、血液の導出口は実質的に本体部
   に係合すると共に、血液を濾過するフィルタ本体を有す
   るフィルタ部材に設けてなる貯血用具。
6. （６）特許請求の範囲第１項乃至第４項のいずれかに記
   載の貯血用具において、血液の導出口を本体部に係合す
   る底部材に設けてなる貯血用具。