JPS63256192A - バルキング抑制剤及びバルキング抑制方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はバルキング抑制剤及びバルキング抑制御方法に
関し、更に詳しくは活性汚泥式による排水処理時に発生
するバルキング現象を有効に抑制することができるバル
キング抑制剤及びバルキング抑制方法に関する。

（従来の技術） 従来、排水処理方法としては多くの方法が利用されてい
るが、生活排水や産業排水の如く多くの有機物を含有す
る排水の処理方法としては活性汚泥方式が最も広く利用
されている。

この活性汚泥方式による排水処理では、一般的には排水
をまず調整槽（貯留ＮＩ）に進めて、その液性を調整し
、その調整液を連続的に又は断続的に活性汚泥を含む曝
気槽へ給液し、散気式或いは機械撹拌式等により曝気す
ることにより、排水中の有機物の大部分を活性汚泥によ
り酸化分解する。次にこの処理水を沈澱槽へ送り、そこ
で静置することにより、活性汚泥を沈降させ、沈澱槽の
上澄液を処理済水として放流し、一方、沈降した活性汚
泥を曝気槽へ返送し循環使用する。この工程において活
性汚泥は増殖するので余剰の活性汚泥は系外に引き抜か
れて処理される。

又、上記の−・般的方法は、設備のために大きな面積を
必要とするため、１つの槽内で好気処理、嫌気処理及び
沈降分離等を回分式で行う回分方式も広く使用されてい
る。その他種々の変形方式の利用されているが、いずれ
も活性汚泥による有機物の分解、活性汚泥の沈降分離、
活性汚泥の返送及び余剰活性汚泥の処理が必須の工程で
ある。

（発明が解決しようとしている問題点）上記の各種の活
性汚泥式排水処理方法における重要な１つの問題として
バルキング現象か知うわている。このバルキング現象は
、沈ａｍにおける活性汚泥の沈降性が悪化して、活性汚
泥が浮」−シたり、沈降した活性汚泥の容積が著しく大
になり、活性汚泥の脱水分離が困難になる現象であり、
活性汚泥式排水処理の著しい効率低下の原因となる。

上記バルキング現象の原因としては種々の原因が考えら
れているが、多くの場合は活性汚泥処理によフて処理水
中で糸状菌が異常に発生及び増殖し、この糸状菌が活性
汚泥フロックから射出することで、活性汚泥の沈降性を
悪化させることにより生じるものである。糸状菌の発生
及び増殖、すなわちバルキング現象は、排水の基質組成
、活性汚泥の負荷、運転条件、気温の変動等の多くの誘
発因子によって生じることが知られているが、これらの
各種条件を全て一定にして処理を実施するのは事実上不
可能であり、又、それらの因果関係は単純でなく、発生
の正確なメカニズムやその制御方法も殆ど解明されてい
ない。

このようなバルキング現象は活性汚泥による排水処理効
率を著しく低下させるため、従来からバルキング抑制剤
として、次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素、塩化第二
鉄、水酸化カルシウム、硝酸等の化学薬剤が提案された
が、これらの薬剤は時によっては有効である場合もある
ものの、多くの場合その効果は低く、現在まで確実に十
分なバルキング抑制効果を示すものは全く知られていな
い。

従ってバルキング現象を十分に抑制できるバルキング抑
制剤及びバルキング抑制方法か強く要望されている。

（問題点を解決するための手段） 本発明者は以上の如きバルキング現象を化学薬剤によっ
て抑制することを目的として多くの化学薬剤のバルキン
グ現象に及ぼす効果について鋭意研究の結果、特定の２
種の薬剤を組合せて使用することによって、多くのバル
キング現象を有効に抑制し得ることを知見して本発明を
完成したものである。

すなわち、本発明は、２発明からなり、その第一の発明
は、水溶性ソルビン酸塩及び水溶性アルカリ金属塩から
なることを特徴とするバルキング抑制剤であり、第二の
発明は、排水を活性汚泥を用いて処理する方法において
、調整槽、曝気槽、沈澱槽或いはそれらの経路のいずれ
かに水溶性ソルビン酸塩と水溶性アルカリ金属塩とを添
加することを特徴とするバルキング抑制方法である。

（作　　　用） 本発明のバルキング抑制剤を使用することによって、排
水処理系における糸状菌の発生及び増殖が有効に抑制さ
れ、活性汚泥方式による排水処理の効率低下を有効に防
止できる。

（好ましい実施態様） 次に本発明の好ましい実施態様を挙げて本発明を更に詳
しく説明する。

本発明のバルキング抑制剤は、水溶性ソルビン酸塩と水
溶性アルカリ金属塩とからなることを特徴とするもであ
る。

本発明のバルキング抑制剤において使用する水溶性ソル
ビン酸塩とは、ソルビン酸（別名、２゜４−へキサジエ
ン酸又はβ−プロペニルアクリル酸）のアルカリ金属塩
、アンモニウム塩、アミン塩等である。これらの水溶性
ソルビン酸塩の中で本発明において特に好ましいものは
、ソルビン酸のアルカリ金属塩、特にナトリウム塩及び
カリウム塩である。

又、本発明において使用する水溶性アルカリ金属塩とは
、ナトリウムやカリウムの水溶性塩であり、特に好まし
いものは塩化ナトリウム及び塩化カリウムである。

以上の如き水溶性ソルビン酸塩は従来がら公知であり、
又、食品等の防カビ剤や防腐剤として使用されていたも
のであるが、このような水溶性ソルビン酸塩を活性汚泥
式による排水処理時に生じるバルキングの抑制に試験し
てみたところ、バルキング現象の主たる原因となる糸状
菌の増殖抑制に若干の効果を示すものであった。しかし
ながらこの単独使用では工業的にはバルキング抑制剤と
しては実用性に乏しく５本発明者は更に詳細に研究した
ところ、上記水溶性ソルビン酸塩に塩化ナトリウムや塩
化カリウム等の水溶性アルカリ金属塩を併用することに
よって、バルキング現象に対して著しい抑制効果を示す
ことを見い出したものである。

すなわち、食塩等も古来から食品の保存用或いは防腐剤
として広く使用されて来たものであるが、本発明者の研
究によれば、バルキング現象の原因となる糸状菌の発生
及び増殖に対しては、これら水溶性アルカリ金属塩単独
では若干の抑制効果を示すものの、実用には程遠いもの
であったが、直配水溶性ソルビン酸塩と併用することに
よって糸状菌の発生及び増殖に対して著しい抑制効果を
示すことを見い出したものである。

本発明のバルキング抑制剤は上記の水溶性ソルビン酸塩
と水溶性アルカリ金属塩を主体とするものであり、その
他本発明の目的の達成を防げない範囲でその他の排水処
理時に使用する無機栄養塩類（窒素、燐及びその他の微
量成分）、有機高分子凝集剤、沈降促進剤（塩化第二鉄
等の無機凝集剤、炭酸カルシウム、粘土、ケイソウ土等
）、硫酸ナトリウム等の中性塩等の添加剤を同時に含有
することができる。

又、水溶性ソルビン酸塩と水溶性アルカリ金属塩との使
用比率は特に限定されないが、水溶性ソルビン酸塩１重
量部あたり、水溶性アルカリ金属塩を約１乃至７５０重
量部の範囲で使用するのが好ましい。

本発明のバルキング抑制剤は、必須成分である水溶性ソ
ルビン酸塩及び水溶性アルカリ金属塩は共に固体の粉末
であるので、それらを混合した粉末混合物でもよいし、
これらを水中に溶解した水溶液の状態でもよく、その形
態は特に限定されない。

本発明の第二の発明であるバルキング抑制方法は、排水
を活性汚泥を用いて処理する方法において、調整槽、曝
気槽、沈ｉｇＩＪｆＩ或いはそれらの経路のいずれかに
而記本発明のバルキング抑制剤を添加することを特徴と
するものである。

本発明のバルキング抑制方法が適用される排水処理方法
は、その主たる処理手段として活性汚泥を用いる限りい
ずれの方法であってもよく、例えば、最も一般的に行な
われている方法は、排水を調整槽に導ひいて排水の性状
を調整し、調整した排水を曝気槽に導ひいてここで活性
汚泥とともに曝気処理し、次いで処理排水を沈ｉ！糟に
導びき、ここで処理水に持ち込まれた活性汚泥を沈降分
離し、上澄水を放流し、一方、沈降した活性汚泥の１部
を曝気槽に返送し、余剰の活性汚泥を廃棄処理する方法
であり、これらの操作には一般に連続的に行なわれる。

上記一般的方法の変形方法としては、ステップエアロー
ション法、コンタクトスタビリゼーション法、モディフ
ァイドエアローション法、長時間曝気法、ハイレート・
エアレージジン法、クラウス法等がある。又、別の変形
方法としては竪型（探検）曝気法、酸素曝気法、二段（
多段）活性汚泥法、生物化学的窒素除去法等があり、更
に排水の曝気処理（好気処理）、嫌気処理及び沈澱処理
等を１個の糟で行う回分式処理方法等があり、いずれも
本発明のバルキング抑制方法が通用できるものである。

上記め如き従来公知の活性汚泥式排水処理においては、
すでに述べた通り、排水組成の変化、運転条件の変化、
気候の変化等によって曝気槽や沈ｌａ糟において糸状菌
が異常発生及び増殖してバルキング現象が発生し、この
バルキング現象の発生は殆ど予測不可能である。

従って本発明の方法では、本発明のバルキング抑制剤を
バルキング現象の発生とは係りなく、原排水調整槽、曝
気槽、沈澱槽及びそれらの経路に常に少量づつ加えるこ
とができ、この場合は原排水の組成、運転条件、気温の
変動等が生じてもバルキング現象が生じることがない。

又、本発明のバルキング抑制剤は沈澱槽においてバルキ
ング現象が発生した時に沈１ＩＩＮ！或いはその前の曝
気槽や調整槽中に添加しても、沈＃槽中で生じたバルキ
ング現象を容易に消滅させることができる。

原排水や処理水中に加えるバルキング抑制剤の量は、−
ｈ記の如くバルキング現象の発生に係わりなく予め加え
る場合には比較的少量でよく、一方、発生したバルキン
グ現象に対しては比較的多量に加える必要がある、例え
ば、前者の場合には、水溶性ソルビン酸塩は約０．００
５乃至０．２０ｇ／Ｒの範囲で、一方、水溶性アルカリ
金属塩は約０．５０乃至１５ｇ／ＩＬの範囲が好ましく
、又、後者の場合には水溶性ソルビン酸塩が約０．０３
乃至０．５０ｇ／Ｒで、水溶性アルカリ金属塩は約２乃
至５０ｇ／ｌの範囲が好ましい。添加量が上記範囲未満
の濃度であるとソルビン酸塩やアルカリ金属塩が活性汚
泥によって！９１養されてしまい、バルキング抑制効果
が不十分となり、又、上記範囲を超える濃度では、不経
済となるので好ましくない。勿論これらの水溶性ソルビ
ン酸塩と水溶性アルカリ金属塩とは同時に原排水や処理
水中に加えてもよく５又、別々に加えてもよく、更に添
加する場所及び時間等が異なっても、これらの薬剤が沈
澱槽において上記の濃度になればよい。

（効　　果） 以上の如き本発明によれば活性汚泥式排水処理において
生じる沈澱槽のバルキング現象を有効に抑制することが
でき、排水処理のバルキング現象による処理効率の低下
を有効に防止することができる。

（実　施　例） 次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。

実施例１乃至１０及び比較例１乃至４ グルコース７２０ｍｇ／ｊ！、スターチ４００　ｍｇ／
ｌ、ペプトン３２０ｍｇ／ＩＬ、尿素１６　ｒａｇ／ｌ
及びリン酸−カリ４０Ｈ／ｌの合成排水を調製した。こ
の合成排水のｐＨは８．１、ＴＯＣは８５０Ｌ１ｇ／　
Ｊ！、ＣＤＯは８２０ｍｇ／ｌ、ＢＯＤはｉ、　ｏｏ。

ＩＩＩｇ／ＩＬ１窒素は５０ｎ＋ｇ、ｌＨＬびリンは１
０ｍｇ／ｕであり、糸状菌が最も発生及び増殖し易い組
成である。

次に第１図示の如き実験用排水処理装置を組立てて、こ
の装置と上記の合成排水を用いて活性汚泥の培養を行う
とともに沈澱槽におけるＳＶＩ　（ｍｕ／ｇ）を求めた
。

この方法によりＢＯＤ負荷０．８Ｋｇ／ｒｎ’−日、Ｓ
ＲＴ　８日及び原水ＢＯＤ濃度８００ｍｇ／ＩＬの条件
を用いて運転を行ったところ、糸状菌の発生と増殖に従
って沈降した活性汚泥のＳＶＩは初期５０ｍｊＺ／ｇか
ら１０日後で５００ｍＪＺ／ｇとなった。

以上の結果は非常に再現性に優れているので、本発明の
バルキング抑制剤を用いて上記の操作を繰返して本発明
のバルキング抑制方法を以下の様に実施した。

下記の第１表に示す如く水溶性ソルビン酸塩と水溶性ア
ルカリ金属塩を添加した＋Ｔｆｆ記合成排水を用いて上
記の操作を繰返した。

１　　　　０．０１　　　０　　２０　　　５０　　：
１８Ｑ２　　　　０．０５　　　０　　２０　　　５０
　３３０３　　　　　Ｇ、ｌＱ　　　　Ｑ　　　２０　
　　５０　２２０’４　　　　０．３０　　　　Ｑ　　
　２０　　　５０　１０５５　　　　０．５（ｌ　　　
　Ｏ２０５０８２６１、（１（ｌ　　　　Ｏ２０５０９
１７０，１（１２０５０４１（１ ８０，１０５０５０：１６０ ９　　　　０．１０　　　１０　　　０　　　５０　２
８０１０　　　　０．１０　　　５０　　　０　　　５
０　１３０１　　　　０．１（１００５０４８０ ２０，３０００５０４６０ ３０，５０００５０４７０ 尚、上記においてソルビン酸カリウムに代えてソルビン
酸ナトリウムを使用しても同様な結果が得られた。

又、原排水中にバルキング防止剤を添加せず、１０日後
の沈澱槽中にソルビン酸カリウム及び塩化カリウムを夫
々０．３　ｇｉｒｔ及び：ｌＯｇ／Ｊ！の割合で添加し
たところ糸状菌は容易に溶解してＳＶＩが短時間で約５
００から　１２０に低下した。

実施例１１ 実際の乳業排水（ＢＯＤ２６０乃至４３０ｒｓｇ／ｆｔ
　、　ＢＯＤ負荷０．６乃至０．８にｇ−ＢＯＤ／ゴ・
日）に、ソルビン酸カリウム０．２ｇ／４及び塩化カリ
ウム２ｇ／Ｒの割合で添加し、６日間連続運転を行った
ところ、ＳＶＩは２３０ｒｓｌＬ／ｇとなった。一方、
本発明の方法を通用しない場合にはバルキング状態（Ｓ
ＶＩ４２０乃至４８０ｔｓｌ／ｇ）　となった。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例で使用した実験用排水処理装置を説明す
る図である。 １：＠気槽　　　　　　２：沈澱槽 ３：ｌ＆気管　　　　　　４：エアボンブ５：原水貯槽
　　　　　６：原水ポンプ７：処理水　　　　　　８：
仕切板 ９：沈降汚泥 特許出願人　環境エンジニアリング株式会社代理人　弁
理士吉田勝広’：’；Ｊ、：、’ｊｌｌ　・　　ビ

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. （１）水溶性ソルビン酸塩及び水溶性アルカリ金属塩か
   らなることを特徴とするバルキング抑制剤。
2. （２）水溶性ソルビン酸塩がソルビン酸のアルカリ金属
   塩である特許請求の範囲第（１）項に記載のバルキング
   抑制剤。
3. （３）水溶性ソルビン酸塩がソルビン酸のカリウム塩で
   ある特許請求の範囲第（１）項に記載のバルキング抑制
   剤。
4. （４）水溶性アルカリ金属塩がハロゲン化アルカリ金属
   である特許請求の範囲第（１）項に記載のバルキング抑
   制剤。
5. （５）水溶性アルカリ金属塩が塩化ナトリウム又は塩化
   カリウムである特許請求の範囲第（１）項に記載のバル
   キング抑制剤。
6. （６）水溶性ソルビン酸塩と水溶性アルカリ金属塩との
   重量比が前者１重量部あたり後者１乃至７５０重量部の
   範囲である特許請求の範囲第（１）項に記載のバルキン
   グ抑制剤。
7. （７）バルキング抑制剤が粉末混合物又は水溶液である
   特許請求の範囲第（１）項に記載のバルキング抑制剤。
8. （８）排水を活性汚泥を用いて処理する方法において、
   調整槽、曝気槽、沈澱槽或いはそれらの経路のいずれか
   に、水溶性ソルビン酸塩と水溶性アルカリ金属塩とを添
   加することを特徴とするバルキング抑制方法。
9. （９）水溶性ソルビン酸塩の添加量が排水に対して０．
   ００５乃至０．５０ｇ／ｌの範囲であり、水溶性アルカ
   リ金属塩の添加量が排水に対して０．５乃至５０ｇ／ｌ
   の範囲である特許請求の範囲第（８）項に記載のバルキ
   ング抑制方法。