JPS6324758Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、建物のブロツク壁体に関する。

〔従来の技術とその問題点〕

各種の空洞ブロツクを組積したブロツク壁体
を、建物の外壁や仕切壁にすることは従来周知で
あるが、特に建物の外壁においては、その屋内側
面に結露し床に流下するという問題があつた。

本考案の目的は、この結露が床に流れるのを防
止するブロツク壁体の提供にある。

〔問題点を解決するための手段〕

多数整列した水切りブロツクの上に空洞ブロツ
クを組積している。

上記水切りブロツクは、中央上面を平坦な搭載
面とした厚板状主体が、第１に、その搭載面の前
方に前側辺縁部を延出し、第２に、その搭載面の
後方に断面Ｕ字形の水受溝を形成した後側辺縁部
を設けてなる。

この水切りブロツクは、その複数個が、水受溝
を直列に連続させてかつ後側辺縁部を屋内側にし
た状態で設置され、その搭載面上に、空洞ブロツ
クが公知の工法により組積されている。

〔作用〕

組積した空洞ブロツクの屋内側面に結露したと
しても、それは水切りブロツクの水受溝に流入誘
導され、床に流出するようなことがない。

〔実施例〕

以下本考案を図示の実施例について説明する。

第１，２図に示した水切りブロツク１は、ブロ
ツク壁体２の真つ直ぐな部分に使用するものであ
り、また第５図に示した水切りブロツク３は現場
で適宜加工してブロツク壁体２の角部分において
使用するためのものであつて、これらはいずれも
セラミツク製の厚板状をなしている。

上記水切りブロツク１は、厚板状主体イの左右
両側に横Ｕ字形の凹部４，４を形成し、中央上面
を平坦な搭載面ロとし、この搭載面ロの前方に斜
め前下がりに傾斜した斜面５とした前側辺縁部ハ
を延出し、後方には断面Ｕ字形の水受溝６を形成
した後側辺縁部ニを設けてなる。この後側辺縁部
ニは、水受溝６の後側壁７を上記搭載面ロよりも
少し高くしているとともに、裏面中央に断面台形
の凹部８を形成し、また前側辺縁部分ハの下面全
長にわたつて断面半円形の細溝９を形成してい
る。

次に、水切りブロツク３は、上記水切りブロツ
ク１とは凹部４，４に相当するものを形成してい
ないことが相違し、その他の構成は同じである。

そこで、下階のブロツク壁体１０の上に設けた
臥梁１１上に、上記構成の水切りブロツク１，３
を使用して、上階の前記ブロツク壁体２を構築す
る実際を説明するに、臥梁１１にモルタル１２を
施し、ブロツク壁体１０の真つ直ぐな部分に対応
するところに水切りブロツク１を所要個数、斜面
５の部分を臥梁１１の前方に突出させ、かつ互い
に隣接するものの凹部４と４、水受溝６と６を対
向させ直列に並べて載置し、凹部４と４の対向部
分に縦鉄筋１３を設立している（第３，４図）。

また、ブロツク壁体２の〓形の角部分の一側に
対応するところに載置する水切りブロツク１′は
前記構成のブロツク１の左後側隅部（第４図）を
切欠して使用し、またこのブロツク１′の左方に
は、前記構成のブロツク３の右後側隅部と左前側
隅部を切欠したブロツク３′を載置し、さらにそ
の左方には同じくブロツク３の右前側隅部を切欠
したブロツク３″を載置している。

また、上記ブロツク１′とブロツク３′の隣り合
う前側のところに別に容易したＬ字形板状のブロ
ツク１４を載置するとともに、ブロツク３′とブ
ロツク３″の隣り合う後側のところにも同じく別
に容易したＬ字形板状のブロツク１５を載置して
いる。

上記ブロツク１４は前側辺縁部分に水切りブロ
ツク１の斜面５と同じ斜面１６を形成してあり、
この斜面１６の両端を水切りブロツク１′と水切
りブロツク３′の斜面５，５′に揃列させていると
ともに、これら３個のブロツク１′，３′，１６に
囲繞された空処のところに縦鉄筋１３を設立して
いる。

上記ブロツク１５は、後側辺縁部分に水切りブ
ロツク１の水受溝６と同じように水受溝１７を形
成してあり、この水受溝１７の両端を水切りブロ
ツク３′と３″の各水受溝６′，６′に対向させてい
るとともに、これら３個のブロツク３′，３″，１
５に囲繞された空処のところに縦鉄筋１３を設立
している。

そして、臥梁１１に載置した上記各ブロツク
１，１′，３′，３″，１４，１５のたがいに隣り
合うものの斜面間及び水受溝間にはそれぞれモル
タルを施す。

そのあと、各ブロツクの平坦な搭載面上にセラ
ミツク製の空洞ブロツク１８を慣行の工法にした
がつて積み重ねることによつて、所望のブロツク
壁体２を構築する。

このブロツク壁体２は、その内側面（第３図右
側面）の下縁部に水受溝６，１７が目地を介して
連続して形成されるため、ブロツク壁体２の屋内
側面に結露して流下した水はこれら水受溝６，１
７に受けられたのち所要位置において接続した排
水管（図示していない）を通じて排水する。ある
いは火山れき、砂等１９をこの水受溝６，１７に
入れておいて吸水させることにより結露による水
が屋内の床等へ流入するのを防止できるものであ
る。

２０，２０は臥梁１１の外側面に張設したタイ
ルである。

なお、上記水切りブロツクはセラミツク製に限
らずコンクリート製にしてもよい。

〔考案の効果〕

以上述べたところから明らかなように、本考案
によれば、組積した空洞ブロツクの屋内側面に結
露した場合、それは水切りブロツクの水受溝に流
入誘導され、床に流出するようなことがない。

すなわち、上記水切りブロツクは、中央上面を
平坦な搭載面としてあるから、これに空洞ブロツ
クを公知の工法で組積することによつて、水受溝
を後側、すなわち、屋内側に位置させた本考案ブ
ロツク壁体を容易に構築できるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１，２図はブ
ロツク壁体の真つ直ぐな部分に使用する水切りブ
ロツクの平面図及び側面図、第３図は本考案ブロ
ツク壁体の縦断側面図、第４図は水切りブロツク
を臥梁上に載置した状態を示した平面図、第５図
はブロツク壁体の角部分に使用する水切りブロツ
クの平面図である。 ロ……搭載面、イ……厚板状主体、ハ……前側
辺縁部、６，６′，１７……水受溝、ニ……後側
辺縁部、１……水切りブロツク、１８……空洞ブ
ロツク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中央上面を平坦な搭載面とした厚板状主体が、
   上記搭載面の前方に前側辺縁部を延出するととも
   に、上記搭載面の後方に断面Ｕ字形の水受溝を形
   成した後側辺縁部を設けてなる水切りブロツク
   を、その後側辺縁部を屋内側にして多数整列しそ
   れらの搭載面上に、空洞ブロツクを組積してなる
   ことを特徴とする建物のブロツク壁体。