JPS6324476B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、感熱インクを用いて記録を行なう転
写型感熱記録装置に関するものであり、特に、ロ
ールまたはエンドレスベルト状薄膜フイルムの上
に塗布された感熱インクのうち、感熱ヘツドによ
つて加熱、溶融されなかつた感熱インク―すなわ
ち印字に使用されなかつた残留インクを除去する
ことができるような転写型感熱記録装置に関する
ものである。

これまで、特開昭53―127334号、特開昭54―
121142号、特開昭54―158236号、特開昭54―
161946号、特開昭55―3941号公報等に見られると
おり、感熱インクをロールまたはエンドレスベル
ト状ベースフイルム上に塗布し、繰り返し使用で
きるようにした装置は、いくつか提案されてい
る。

しかしながら、このような装置において、例え
ば、前回までに塗布されたインクが残留している
エンドレスベルト状ベースフイルムの上に、新た
な感熱インクが重ねて塗布された場合、インク膜
厚が除々に厚くなり、結果的に、画像記録に悪影
響を及ぼすという欠点があつた。

理想的には、インク塗布ロールを用いて、感熱
インクをベースフイルム上にくり返し塗布する装
置において、残留インクは、加熱されたインク塗
布ロールの熱により溶融、再利用されるはずであ
る。

しかし、このインク塗布ロールによる加熱時間
が短い場合は、感熱インクが十分に熱せられない
ため、若干のインクはベースフイルム上に固まつ
たままである。

したがつて、このインクの上に新たなインクが
重ねて塗布された場合、インク膜厚が過度に厚く
なつてしまう。インクの厚の変動は、記録画像の
濃度を変化させるので、均一な濃度の画像が得ら
れなくなる。

この欠点を除去する装置として、ベースフイル
ムの表面にほぼ接触するように、残留インクのか
き取り手段を設けることが考えられる。

しかしながら、このような装置においても、残
留インクは、通常、固型状であるために、残留イ
ンクの完全な除去は困難であつた。したがつて、
除去されなかつた残留インクの上に、新たな感熱
インクが重ねて塗布されると、インク膜厚に変動
が生じるという欠点があつた。

もし、従来用いられていたようなかき取り手段
により、残留インクを強いて完全に除去しようと
すれば、装置の駆動系にかかる負荷が過大になる
ため、大きな駆動力が必要となり、結果的に装置
が大型化する。また、ベースフイルムが変形し
て、その平面性が悪くなり、記録画像に濃度むら
が生じるおそれがある。

本発明の目的は、前記の欠点を除去して、均一
で良好な品質の画像記録が連続して得られるよう
な転写型感熱記録装置を提供することにある。

前記の目的を達成するために、本発明は、残留
インクのかき取り部において、残留インクを加熱
する手段を設けることにより、前記残留インクを
加熱軟化させ、ベースフイルムの表面にほぼ接触
するように設けられたかき取り手段により、残留
インクをベースフイルムから一旦ほぼ完全に除去
するようにした点に特徴がある。

以下、添付図面を参照して、本発明の実施例に
ついて説明する。第１図は本発明の一実施例の概
略断面図である。

図において、１は記録紙、６は表面に感熱イン
ク層５ａが塗布されたエンドレスベルト型のベー
スフイルム、２は前記ベースフイルム６の駆動ロ
ール、３は前記ベースフイルム６に当接し、前記
感熱インク層５ａを選択的に加熱、溶融する感熱
ヘツドである。

１２は対向するアプリケータロール４との間
に、ベースフイルム６を挾むように配置された対
向ロール、８は前記アプリケータロール４に当接
し、その表面に、前記インクタンク１３内の感熱
インク５を付着させるインク供給ロール、１７は
前記感熱インク５を加熱するために、インクタン
ク１３の底部に設けられたインク加熱ヒータであ
る。

７は前記ベースフイルム６上の感熱インク層５
ａのうち、前記感熱ヘツド３により加熱、溶融さ
れなかつた残留インク５ｂを加熱するために、ベ
ースフイルム６を挾んでその近傍に設けられた残
留インク加熱装置、１１は、前記ベースフイルム
６の表面にほぼ接触するように設けられたかき取
りブレードである。

前記のような構成の転写型感熱記録装置の動作
を、以下に説明する。

まず、インクタンク１３内の感熱インク５は、
インク加熱ヒータ１７により加熱、溶融されてい
る。感熱インク５は、インク供給ロール８の表面
に付着して持上げられ、前記インク供給ロール８
に当接し、同方向へ回転するアプリケータロール
４の表面に、ほぼ一様の厚さに付着される。

さらに、前記感熱インク５は、アプリケータロ
ール４により、前記アプリケータロール４に当接
して走行するエンドレスベルト型のベースフイル
ム６上に、所定の厚さの層状に塗布される。

前記ベースフイルム６上に塗布された感熱イン
ク層５ａは、その後、大気で冷却されて、一旦、
非粘着状態になる。つぎに、感熱インク層５ａは
記録紙１に圧着され、感熱ヘツド３により選択的
に加熱、溶融されて、前記記録紙１への転写記録
が行なわれる。

すなわち、感熱ヘツド３によつて加熱された部
分の感熱インク層５ａは、粘着状態になつて記録
紙１に転写され、加熱されなかつた部分の感熱イ
ンク層５ａは、残留インク５ｂとしてベースフイ
ルム６上に残される。

さらに、ベースフイルム６上の残留インク５ｂ
は、前記アプリケータロール４により、そのベー
スフイルム６上に新たな感熱インク５が塗布され
る以前の位置において、ベースフイルム６を挾ん
でその近傍に設けられた残留インク加熱装置によ
り加熱され、軟化状態になる。

前記加熱装置７により加熱され、軟化して粘度
が下がつた残留インク５ｂは、ベースフイルム６
との付着力が弱まる。したがつて、前記ベースフ
イルム６の表面にほぼ接触するように設けられた
かき取りブレード１１により、前記残留インク５
ｂは、前記フイルム６から容易に剥離される。こ
のようにして除去された残留インク５ｂは、イン
クタンク１３へ戻して再利用が可能である。

一方、残留インク５ｂがすべて除去された後の
ベースフイルム６には、前述のように、アプリケ
ータロール４によつて、インクタンク１３内の新
たな感熱インク５が所定の厚さに塗布される。

以上の動作が繰り返されることにより、ベース
フイルム６上には所定の厚みの感熱インク層５ａ
が常に再生され、均一で良好な画像記録が連続し
て得られる。

本発明者の実験においては、ベースフイルム６
として、厚み20μmのマイラを用い、前記ベース
フイルム６上に、軟化温度80℃のパラフイン系感
熱インクを厚み10μmで塗布した。

また、残留インク加熱装置７としては200Wの
コルツランプを用い、これを前記ベースフイルム
６側に、このフイルム６から20mm離して設けた。
そして、ベースフイルム６を、その進行方向に対
して直角に照射した。

さらに、かき取りブレード１１として、硬度
60゜のウレタン製ブレードを用いて、前記加熱装
置７により加熱、軟化された残留インク５ｂを剥
離したところ、ベースフイルム６を変形させるこ
となく、その表面からほぼ完全に残留インク５ｂ
を除去することができた。

なお、前記の場合においては、残留インク加熱
装置７として熱輻射型のものを用いたが、これは
例えばロール状の加熱装置等、一般的な加熱を行
なう装置であればどのようなものでもよい。

また、残留インク５ｂの加熱をベースフイルム
６側から行なつたが、残留インク５ｂ側から加熱
するようにしてもよい。

本発明は、前記のように、残留インクを加熱す
る手段を設けて、前記残留インクを加熱、軟化さ
せ、さらにベースフイルムの表面にほぼ接触する
ように設けられたかき取り手段により、残留イン
クをベースフイルムから、一旦ほぼ完全に除去す
るようにしたので、均一で良好な品質の画像記録
が連続して得られるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の概略断面図であ
る。 １…記録紙、２…駆動ロール、３…感熱ヘツ
ド、４…アプリケータロール、５…感熱インク、
５ａ…感熱インク層、５ｂ…残留インク、６…ベ
ースフイルム、７…残留インク加熱装置、８…イ
ンク供給ロール、１１…かき取りブレード、１２
…対向ロール。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 無端状表面を有する基体と、常温では固体で
   あり、加熱により溶融される感熱インクを前記基
   体の表面に塗布するアプリケータロールと、記録
   信号に応じて選択的に基体表面の感熱インク層を
   加熱する熱印加手段と、前記基体の表面にほぼ接
   触して設けられた残留インクかき取り手段とを有
   する転写型感熱記録装置において、前記残留イン
   クかき取り手段が設けられた位置の上流側におい
   て、前記残留インクを加熱する手段を具備したこ
   とを特徴とする転写型感熱記録装置。