JP2001328363A - インクリボン、および熱転写記録装置 - Google Patents

インクリボン、および熱転写記録装置

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JP2001328363A
JP2001328363A JP2000151420A JP2000151420A JP2001328363A JP 2001328363 A JP2001328363 A JP 2001328363A JP 2000151420 A JP2000151420 A JP 2000151420A JP 2000151420 A JP2000151420 A JP 2000151420A JP 2001328363 A JP2001328363 A JP 2001328363A
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ink
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color
transfer
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Takeo Miki
武郎 三木
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】この発明は、被転写媒体の選択の幅を広げるこ
とができ、階調性を高めることができ、ビット抜けのな
い良質な画像を形成できるインクリボン、および熱転写
記録装置を提供することを課題とする。 【解決手段】熱転写記録装置は、下地インク層、イエロ
ーインク層、マゼンタインク層、およびシアンインク層
を並設したインクリボンを使用する。下地インク層の溶
融温度は、各色インク層の溶融温度より低く設定されて
いる。インクリボンは、被転写媒体2とともに所定方向
に移動されてサーマルヘッドを通過され、下地インク1
1’、イエローインク12’、マゼンタインク13’、
シアンインク14’の順に、被転写媒体2の表面2a上
に転写される。下地インク11’の表面上に不所望に付
着したごみ20は、イエローインク12’を転写した
際、粘度の低い下地インク内に押し込まれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、紙などの被転写
媒体に転写される熱溶融性インクを塗布したインクリボ
ン、およびこのインクリボンを用いた熱転写記録装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、運転免許証やパスポートなどの
カード媒体に顔写真を印刷する方法として、インクリボ
ンを用いた熱転写記録方法が知られている。この方法に
よると、樹脂やワックス等のバインダーに着色材料とし
ての顔料を混ぜたインクを基材フィルム上にコーティン
グしたインクリボンを、サーマルヘッドを介してカード
媒体に押し当てて加熱溶融することにより、カード媒体
上にカラーによる顔写真画像を形成する。
【0003】この熱転写記録方法によると、着色材料と
して顔料を用いることができ、且つバインダーとして樹
脂やワックスを用いることができるため、画像の耐光性
を向上させることができるとともに、耐溶剤性を向上さ
せることができる。しかし、この方法では、媒体に転写
したインクドットのサイズを変化させて階調記録を行う
ドット面積階調法を採用しているため、被転写媒体表面
の凹凸に対し非常に敏感で、僅かな凹凸でもドットサイ
ズをコントロールできなくなり、階調性に乏しいといっ
た問題がある。
【0004】このような階調性の問題を解消するため、
色インクを転写する前に、着色材料を含有していないバ
インダーのみからなる透明或いは白色インクを下地イン
クとして媒体表面に転写し、媒体表面を平滑化した後、
その上に色インクを転写するいわゆる下地インク転写方
法が知られている。この方法によると、被転写媒体の表
面を平滑化できるため、媒体表面の凹凸をなくすことが
でき、ドットサイズを高精度にコントロールでき、階調
性を高めることができる。また、この方法によると、被
転写媒体の材質の選択の幅を広げることができるといっ
た利点もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した下地
インク転写方法によると、下地インクを媒体表面に転写
した後、紙粉などの細かいごみが下地インクの上に付着
してしまうと、その部分に色インクがうまく転写できず
にビット抜け等の転写不良を生じてしまう場合があっ
た。
【0006】この発明は、以上の点に鑑みなされたもの
で、その目的は、被転写媒体の選択の幅を広げることが
でき、階調性を高めることができ、ビット抜けのない良
質な画像を形成できるインクリボン、およびこのインク
リボンを用いた熱転写記録装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のインクリボンは、被転写媒体の全面に直接
転写される熱溶融性を有する透明または白色の下地イン
ク層、およびこの下地インク層の上に重ねて転写される
熱溶融性を有する少なくとも1つの色インク層をその一
面に備え、上記下地インク層の溶融温度は、上記色イン
ク層の溶融温度より低いことを特徴とする。
【0008】このように、下地インク層の溶融温度を色
インク層の溶融温度より低くすることにより、被転写媒
体に転写された下地インク層と色インク層との間にごみ
等が不所望に付着した場合であっても、色インクを転写
可能な温度条件下で下地インクの粘度が色インクの粘度
より低くなるため、ごみが下地インク内に押し込まれて
色インクの転写に及ぼす悪影響を無くすことができる。
【0009】また、本発明のインクリボンは、被転写媒
体の全面に直接転写される熱溶融性を有する透明または
白色の下地インク層、この下地インク層の上に重ねて転
写される熱溶融性を有する第1の色インク層、およびこ
の第1の色インク層に続いて転写される熱溶融性を有す
る第2の色インク層をその一面に備え、上記下地インク
層の溶融温度より上記第1の色インク層の溶融温度が高
く、この第1の色インク層の溶融温度より上記第2の色
インク層の溶融温度が高いことを特徴とする。
【0010】また、本発明のインクリボンは、被転写媒
体の全面に直接転写される熱溶融性を有する透明または
白色の下地インク層、およびこの下地インク層の上に重
ねて転写される熱溶融性を有する少なくとも1つの色イ
ンク層をその一面に備え、上記下地インク層の厚さは、
上記色インク層の厚さより厚いことを特徴とする。
【0011】上記した発明によると、上記色インク層の
厚さは2μm以下であり、上記下地インク層の厚さは3
μm〜10μmであることを特徴とする。
【0012】また、本発明のインクリボンは、被転写媒
体の全面に直接転写される熱溶融性を有する透明または
白色の下地インク層、およびこの下地インク層の上に重
ねて転写される熱溶融性を有する少なくとも1つの色イ
ンク層をその一面に備え、上記下地インク層の溶融温度
は、上記色インク層の溶融温度より低く、上記下地イン
ク層の厚さは、上記色インク層の厚さより厚いことを特
徴とする。
【0013】また、本発明のインクリボンは、被転写媒
体の全面に直接転写される熱溶融性を有する透明または
白色の下地インク層、この下地インク層の上に重ねて転
写される熱溶融性を有する第1の色インク層、およびこ
の第1の色インク層に続いて転写される熱溶融性を有す
る第2の色インク層をその一面に備え、上記下地インク
層の溶融温度より上記第1の色インク層の溶融温度が高
く、この第1の色インク層の溶融温度より上記第2の色
インク層の溶融温度が高く、上記下地インク層の厚さ
は、上記第1および第2の色インク層の厚さより厚いこ
とを特徴とする。
【0014】さらに、本発明の熱転写記録装置は、被転
写媒体の全面に直接転写される熱溶融性を有する透明ま
たは白色の下地インク層、およびこの下地インク層の上
に重ねて転写される熱溶融性を有する少なくとも1つの
色インク層をその一面に並んで有するインクリボンと、
上記下地インク層および少なくとも1つの色インク層を
被転写媒体に順次対向させる手段と、上記インクリボン
を被転写媒体に押し付けるとともに、上記下地インク層
および少なくとも1つの色インク層をそれぞれ加熱して
溶融し、上記下地インク層および少なくとも1つの色イ
ンク層を被転写媒体に順次転写せしめるサーマルヘッド
と、を備え、上記下地インク層の溶融温度は、上記色イ
ンク層の溶融温度より低く、上記下地インク層の厚さ
は、上記色インク層の厚さより厚いことを特徴とする。
【0015】上記発明によると、上記サーマルヘッドに
よる押圧力は、少なくとも5.8[N/cm]以上に設
定されていることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながらこの発
明の実施の形態について詳細に説明する。
【0017】図1には、この発明の実施の形態に係る熱
転写記録装置1(以下、単に記録装置1と称する)の要
部の構成を概略的に示してある。
【0018】記録装置1は、紙などの被転写媒体2を所
定方向(図中矢印A方向)に一定速度で搬送する搬送機
構(図示省略)を有する。矢印A方向に搬送される被転
写媒体2の裏面(下面)2b側には、被転写媒体2の搬
送方向と略直交する方向に延設されたプラテンローラ4
が設けられている。プラテンローラ4は、被転写媒体2
を裏面2b側から支持可能に設けられ被転写媒体2の裏
面2bに転接される。
【0019】また、記録装置1は、プラテンローラ4に
沿って矢印A方向に搬送される被転写媒体の表面(上
面)2aに沿ってインクリボン6を送る送り機構(図示
省略)を有する。インクリボン6は、細長いリボン状の
基材フィルム6b上に所定のインク層6aを塗布して形
成されている。送り機構は、インク層6aが被転写媒体
2の表面2aに面接するような姿勢でインクリボン6を
送り、被転写媒体2の搬送方向と同じ方向(図中矢印B
方向)に同じ速度で間欠的にインクリボン6を走行させ
る。
【0020】プラテンローラ4に向けて被転写媒体2と
インクリボン6を押圧する位置、すなわちインクリボン
6の裏面側には、サーマルヘッド8が配設されている。
サーマルヘッド8は、その先端に、インクリボン6の送
り方向Bと直交する方向に並んだ多数の発熱体(図示省
略)を有する。各発熱体は、それぞれ1つのインクドッ
トを形成する。サーマルヘッド8は、バネ9によってプ
ラテンローラ4に向けて下方に付勢され、一定方向に移
動する被転写媒体2およびインクリボン6をプラテンロ
ーラ4との間で押圧して挟持する。
【0021】このとき、図示しない制御回路から画像デ
ータに応じた駆動信号がサーマルヘッド8に供給され、
多数の発熱体が選択的に通電されて発熱する。これによ
り、インクリボン6の裏側からインク層6aが選択的に
加熱されて溶融され、溶融されたインク層6aの部位と
被転写媒体2との間に所定の接着力が持たされ、被転写
媒体2に接着されたインク層6aの部位が基材フィルム
6bと剥離されて、インク層6aだけが被転写媒体2の
表面2a上に転写される。これにより、画像データに基
づく画像が被転写媒体2の表面上に形成される。
【0022】図2には、上述した記録装置1で使用する
インクリボン6の斜視図を示してある。
【0023】インクリボン6は、細長いリボン状の基材
フィルム6bの表面に剥離制御組成物をホットメルトコ
ーティングなどにより塗布して乾燥させた後、インク層
6a、すなわち下地インク層11、イエローインク層1
2、マゼンタインク層13、シアンインク層14を、ブ
レードコートやグラビアコートなどにより、インクリボ
ン6の送り方向Bに沿って順に並べて塗布して乾燥させ
て形成される。
【0024】各インク層11、12、13、14は、少
なくとも被転写媒体2の全面をカバーする大きさに形成
され、それぞれの間が僅かに離間されている。イエロー
インク層12、マゼンタインク層13、およびシアンイ
ンク層14(以下、総称して色インク層とする場合もあ
る)の並び順は任意に変更可能であり、各層の透明度な
どが考慮されて決定される。また、基材フィルム6b
は、例えば、厚さ2〜6μmのポリエステルやポリイミ
ドなどの合成樹脂フィルムによって形成されている。
【0025】下地インク層11は、所定温度に加熱する
ことにより溶融する熱溶融性バインダによって形成され
ている。熱溶融性バインダとして、例えば、マイクロク
リスタリンワックス、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステ
ル、酢ビ−塩ビ共重合体、酢ビ−エチレン共重合体、飽
和ポリエステル樹脂などが用いられる。これら熱溶融性
バインダは、無色透明、白色、あるいは単色透明であ
り、融点が約60℃〜約100℃程度に設定されること
が望ましい。また、下地インク層11の厚さは、後述す
る理由から、3μm〜10μm程度に設定されることが
望ましい。本実施の形態では、熱溶融性バインダ、すな
わち下地インク層11の溶融温度を65℃に設定し、下
地インク層11の厚さを5μmに設定した。
【0026】また、下地インク層11に並んで形成され
た各色インク層12、13、14は、上述した熱溶融性
バインダにイエロー、マゼンタ、シアンなどの色材をそ
れぞれ分散させて形成される。カラー画像を形成する
際、被転写媒体2上に各色インクのドットを順次重ねて
転写することにより所望する色を表現するため、先に転
写した色インクの厚さが厚すぎると、そのドットの凹凸
の影響により、次の色インクを転写する際に転写不良や
ドットの欠けなどを生じる場合がある。このため、各色
インク層12、13、14の厚さはできるだけ薄くする
ことが望ましく、例えば2μm以下に設定することが望
ましい。本実施の形態では、各色インク層12、13、
14の厚さを下地インク層11の1/5程度、すなわち
1μmに設定した。
【0027】さらに、各色インク層12、13、14を
構成した熱溶融性バインダの溶融温度は、少なくとも上
述した下地インク層11の熱溶融性バインダの溶融温度
より高く設定されている。本実施の形態では、下地イン
ク層11の溶融温度を65℃に設定したため、イエロー
インク層12、マゼンタインク層13、シアンインク層
14の溶融温度をそれぞれ70℃、75℃、80℃に設
定した。つまり、各インク層11、12、13、14の
転写順に溶融温度が徐々に高くなるように設定した。
【0028】上記のように構成されたインクリボン6を
用いて実際に被転写媒体2の表面2a上にカラー画像を
形成する場合、まず、下地インク層11が被転写媒体2
に対向するように被転写媒体2とインクリボン6が同じ
速度で移動され、下地インク11’(図3参照)が被転
写媒体2の表面2a上に転写される。下地インク11’
は、被転写媒体2の全表面2aに転写される。その後、
被転写媒体2が逆方向に搬送されて元の位置に戻され、
続いて、イエローインク12’、マゼンタインク1
3’、シアンインク14’の順に下地インク11’上に
重ねて転写される。各色インク12’、13’、14’
は、サーマルヘッド8の多数の発熱体に選択的に通電す
ることにより所定の部位だけがインクドットとして下地
インク11’上に選択的に転写される。
【0029】図3には、上記のように構成されたインク
リボン6を用いて被転写媒体2の表面2a上にインクを
転写する際の、各インク層の状態変化を示してある。こ
こでは、被転写媒体2として、表面2aの凸凹の度合
い、すなわち凸部と凹部の高さの差が1〜10μm程度
の紙を用いたため、被転写媒体2の表面2aが図示のよ
うに凸凹になっている。
【0030】まず最初に、インクリボン6の下地インク
層11が被転写媒体2の表面2aに対向されて、図3
(a)に示すように、被転写媒体2の全表面2aに下地
インク11’が転写される。下地インク11’は、被転
写媒体2の表面2aにある凸間をブリッジするように転
写される。これにより、被転写媒体2の全表面2aの凸
凹が平滑化され、被転写媒体2の全表面2a(下地イン
ク11’の各色インク層を受ける表面)が平らになる。
【0031】このとき、図3(a)に示すように、下地
インク層11の平らな表面にごみ20が付着する場合が
ある。通常、このように下地インク層11の表面上にご
み20が付着すると、被転写媒体2の表面2aを平滑化
するため形成した下地インク層11の表面が凸凹になっ
てしまい、結果的に、各色インク12’、13’、1
4’を受ける下地インク11’の表面が凸凹になってし
まう。このように、各色インク12’、13’、14’
を受ける面が凸凹になってしまうと、各色インク1
2’、13’、14’を重ねて転写する際にビット欠け
等の転写不良を生じてしまう。
【0032】このため、本実施の形態では、被転写媒体
2上に転写された下地インク11’の厚さがごみ20の
厚さ(ここでは、数μm程度と想定した)より少なくと
も厚くなるように、インクリボン6の下地インク層11
の厚さを5μmに設定し、且つ、各色インク層12、1
3、14の溶融温度より下地インク層11の溶融温度が
少なくとも低くなるように設定し、上述したごみ20の
付着による転写不良を解消するようにした。
【0033】すなわち、図3(b)に示すように、ごみ
20が付着した下地インク11’上にイエローインク1
2’を転写する際、イエローインク12’によってごみ
20が下地インク11’内に押し込まれる。つまり、本
実施の形態では、イエローインク層12の溶融温度を下
地インク層11の溶融温度より5℃高い70℃に設定し
ているため、イエローインク層12を転写可能な温度条
件下では、溶融温度の低い下地インク層11の方が常に
粘度の低い状態となり、下地インク11’とイエローイ
ンク12’との間に付着したごみ20は、比較的粘度の
高いイエローインク12’内に押し込まれることなく、
比較的粘度の低い下地インク11’内に押し込まれる。
このとき、下地インク11’の厚さがごみ20のサイズ
より厚く設定されているため、ごみ20は、下地インク
11’内に完全に埋没する。
【0034】このように、下地インク11’の表面上に
不所望に付着したごみ20を下地インク11’内に押し
込むことにより、下地インク11’の表面が常に平らな
状態となり、イエローインク12’を下地インク11’
上に転写する際の、ごみ20による転写不良を防止でき
る。
【0035】また、図3(b)に示すように、イエロー
インク12’の転写によって下地インク11’内に押し
込まれずに下地インク11’の表面に付着したまま残っ
たごみ20は、図3(c)に示すように、次に転写され
るマゼンタインク13’によって下地インク11’内に
押し込まれる。つまり、本実施の形態では、色インク1
2’、13’、14’の転写順に徐々に溶融温度を高く
設定してあるため、溶融温度が75℃に設定されたマゼ
ンタインク13’を転写可能な温度条件下でも、下地イ
ンク11’上に不所望に付着したごみ20は下地インク
11’内に押し込まれることになる。言い換えると、下
地インク11’上に不所望に付着したごみ20は、イエ
ローインク12’、マゼンタインク13’、シアンイン
ク14’のうちいずれかを転写する際に下地インク1
1’内に必ず押し込まれることになる。
【0036】以上のように、上述した本実施の形態に係
るインクリボン6を用いて被転写媒体2上にインクを転
写して画像を形成することにより、表面の平滑性が悪い
被転写媒体であってもビット抜け等のない階調性の高い
良質な画像を形成でき、被転写媒体の選択の幅を広げる
ことができる。
【0037】ところで、上述したように、ごみ20を下
地インク11’内に確実に押し込むための他の条件とし
て、サーマルヘッド8による押圧力を考慮する必要があ
る。
【0038】上述してきた熱転写による記録方式では、
インクと被転写媒体との間の接着力を利用して被転写媒
体2上にインクドットを形成しているため、インクリボ
ン6と被転写媒体2との間の密着性が悪いと転写不良を
生じて画質が劣化してしまう。このため、インクリボン
6と被転写媒体2との間の良好な密着性を得るために
は、サーマルヘッド8による押圧力を適切な値に設定す
ることが重要となる。当然のことながら、下地インク1
1’に付着したごみ20を押し込む場合にも、サーマル
ヘッド8による押圧力が重要となる。
【0039】図4には、サーマルヘッド8による適切な
押圧力を調べるため、上述してきた条件下でサーマルヘ
ッド8による押圧力だけを徐々に変化させたときの画像
のビット抜け個数を計数した結果を示してある。
【0040】ここでは、被転写媒体2の表面2a全体に
下地インク11’を転写した後、紙粉を下地インク1
1’の表面上に吹きかけ、その上からシアンインクによ
るパターン画像を転写した。そして、被転写媒体2の表
面2a上の任意の領域(5mm×5mm)内にシアンド
ットのビット抜けがいくつあるかを計数した。
【0041】この結果、サーマルヘッド8による押圧力
を5.8[N/cm]より小さく設定した場合にはビッ
ト抜けが生じているが、押圧力を5.8[N/cm]以
上に設定した場合にはビット抜けを生じていないことが
確認できた。つまり、サーマルヘッド8による押圧力を
5.8[N/cm]以上に設定することにより、色イン
ク12’、13’、14’を転写した際に下地インク1
1’上に付着したごみが下地インク11’内に押し込ま
れて下地インク11’の表面が完全に平滑化されること
になる。
【0042】以上のように、サーマルヘッド8による押
圧力を適切な値に設定することにより、下地インク1
1’上に不所望に付着した紙粉等のごみを下地インク1
1’内に完全に押し込むことができ、ビット抜け等の転
写不良のない良質な画像を形成できる。
【0043】尚、この発明は、上述した実施の形態に限
定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変形可
能である。例えば、上述した実施の形態では、下地イン
ク層11の厚さを5μmに設定したが、下地インク層1
1の厚さは紙粉等のごみが完全に埋まる厚さであれば良
く、周辺環境等により任意に設定される。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、この発明のインク
リボン、および熱転写記録装置は、上記のような構成お
よび作用を有しているので、被転写媒体の選択の幅を広
げることができ、階調性を高めることができ、ビット抜
けのない良質な画像を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る熱転写記録装置の
要部の構成を概略的に示す図。
【図2】図1の記録装置で用いられるインクリボンを部
分的に示す斜視図。
【図3】図2のインクリボンを用いて被転写媒体上にイ
ンクを転写する際の状態変化を説明するための図。
【図4】サーマルヘッドによる適切な押圧力を調べるた
めの実験結果を示すグラフ。
【符号の説明】
1…熱転写記録装置、 2…被転写媒体、 2a…表面、 4…プラテンローラ、 6…インクリボン、 6a…インク層、 6b…基材フィルム、 8…サーマルヘッド、 9…バネ、 11…下地インク層、 11’…下地インク、 12…イエローインク層、 12’…イエローインク、 13…マゼンタインク層、 13’…マゼンタインク、 14…シアンインク層、 14’…シアンインク、 20…ごみ。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被転写媒体の全面に直接転写される熱溶
    融性を有する透明または白色の下地インク層、およびこ
    の下地インク層の上に重ねて転写される熱溶融性を有す
    る少なくとも1つの色インク層をその一面に備え、 上記下地インク層の溶融温度は、上記色インク層の溶融
    温度より低いことを特徴とするインクリボン。
  2. 【請求項2】 被転写媒体の全面に直接転写される熱溶
    融性を有する透明または白色の下地インク層、この下地
    インク層の上に重ねて転写される熱溶融性を有する第1
    の色インク層、およびこの第1の色インク層に続いて転
    写される熱溶融性を有する第2の色インク層をその一面
    に備え、 上記下地インク層の溶融温度より上記第1の色インク層
    の溶融温度が高く、この第1の色インク層の溶融温度よ
    り上記第2の色インク層の溶融温度が高いことを特徴と
    するインクリボン。
  3. 【請求項3】 被転写媒体の全面に直接転写される熱溶
    融性を有する透明または白色の下地インク層、およびこ
    の下地インク層の上に重ねて転写される熱溶融性を有す
    る少なくとも1つの色インク層をその一面に備え、 上記下地インク層の厚さは、上記色インク層の厚さより
    厚いことを特徴とするインクリボン。
  4. 【請求項4】 上記色インク層の厚さは2μm以下であ
    り、上記下地インク層の厚さは3μm〜10μmである
    ことを特徴とする請求項3に記載のインクリボン。
  5. 【請求項5】 被転写媒体の全面に直接転写される熱溶
    融性を有する透明または白色の下地インク層、およびこ
    の下地インク層の上に重ねて転写される熱溶融性を有す
    る少なくとも1つの色インク層をその一面に備え、 上記下地インク層の溶融温度は、上記色インク層の溶融
    温度より低く、 上記下地インク層の厚さは、上記色インク層の厚さより
    厚いことを特徴とするインクリボン。
  6. 【請求項6】 被転写媒体の全面に直接転写される熱溶
    融性を有する透明または白色の下地インク層、この下地
    インク層の上に重ねて転写される熱溶融性を有する第1
    の色インク層、およびこの第1の色インク層に続いて転
    写される熱溶融性を有する第2の色インク層をその一面
    に備え、 上記下地インク層の溶融温度より上記第1の色インク層
    の溶融温度が高く、この第1の色インク層の溶融温度よ
    り上記第2の色インク層の溶融温度が高く、 上記下地インク層の厚さは、上記第1および第2の色イ
    ンク層の厚さより厚いことを特徴とするインクリボン。
  7. 【請求項7】 被転写媒体の全面に直接転写される熱溶
    融性を有する透明または白色の下地インク層、およびこ
    の下地インク層の上に重ねて転写される熱溶融性を有す
    る少なくとも1つの色インク層をその一面に並んで有す
    るインクリボンと、 上記下地インク層および少なくとも1つの色インク層を
    被転写媒体に順次対向させる手段と、 上記インクリボンを被転写媒体に押し付けるとともに、
    上記下地インク層および少なくとも1つの色インク層を
    それぞれ加熱して溶融し、上記下地インク層および少な
    くとも1つの色インク層を被転写媒体に順次転写せしめ
    るサーマルヘッドと、を備え、 上記下地インク層の溶融温度は、上記色インク層の溶融
    温度より低く、上記下地インク層の厚さは、上記色イン
    ク層の厚さより厚いことを特徴とする熱転写記録装置。
  8. 【請求項8】 上記サーマルヘッドによる押圧力は、少
    なくとも5.8[N/cm]以上に設定されていること
    を特徴とする請求項7に記載の熱転写記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017007298A (ja) * 2015-06-26 2017-01-12 シンフォニアテクノロジー株式会社 プリンタ、インクリボン
JP2017140706A (ja) * 2016-02-08 2017-08-17 アルプス電気株式会社 画像形成方法

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