JPS6323965Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、ベルトコンベア上を搬送される搬
送物中から磁性物を選別する磁性物選別装置に関
する。

〔従来技術〕

懸吊された電磁石によつて、ベルトコンベア上
の磁性物を選別する磁性物選別装置が開発され、
効果を上げている。第３図はこの種の磁性物選別
装置の動作原理を説明するための概略構成図であ
り、図において１はベルト、２はベルト１上に搬
送物３を供給するホツパ、４は上方から懸吊され
たセパレートマグネツト（電磁石）である。上記
構成においてマグネツト４を励磁すると、搬送物
３中に混在している磁性物（鉄片等）５がマグネ
ツト４に吸着され、その後にマグネツト４を移動
して励磁を解除すると、吸引されていた磁性物５
が落下し、これにより、所望の場所へ磁性物５が
移送される。この場合、実際にはベルト１の形状
はマグネツト４の直下においては第４図に示すよ
うに平坦に、その他の部分においては第５図に示
すように溝状となるように構成されている。この
ように、ベルト１の形状を異ならせているのは、
マグネツト４の直下においては、搬送物３の幅を
広げて中割れ（平坦化）を起させ、これにより、
搬送物３の層厚を薄くしてマグネツト４の磁気吸
引効果を向上させるためであり、他の部分におい
ては、溝状にして搬送効果を向上させるためであ
る。また、第５図に示すローラ７はベルト１を溝
形にするためのキヤリアローラ、第４図に示すロ
ーラ８はベルト１を平坦にするためのローラであ
り、マグネツト４の磁気吸引効果を向上させるた
めに非磁性体で形成されている。また、第４図に
示す１０はマグネツト４をベルト１の幅方向に移
動させる移動装置であり、１１は磁性物５の移送
位置に設けられている除鉄ホツパである。第６図
はベルトコンベアの縦断面図であり、図示のよう
に、マグネツト４の直下においては搬送物３がマ
グネツト４の下面により近づくように、ローラ８
の位置が高めに設定されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、上述した従来の磁性物選別装置にお
いては、磁性物５が上方に吸引される時に起る他
の搬送物との衝突や接触に起因して、搬送物５が
飛び散つたり、ベルト幅方向へ転がつたりする
と、この部分のベルト形状が平坦になつているた
めに、そのままベルト外へ飛散し、マグネツト４
の下方周辺に蓄積されてゆくという欠点があつ
た。

この考案は上述した事情に鑑みてなされたもの
で、セパレートマグネツトの下方周辺に搬送物が
飛散しない磁性物選別装置を提供することを目的
としている。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は上述した問題点を解決するために、
マグネツトの移送方向端部下面に取り付けられ、
前記マグネツトが吸引位置にある時は前記ベルト
コンベアの一方の側縁の上方に沿う第１の側壁
と、前記マグネツトが吸引位置にある時の前記第
１の側壁に対向するように前記ベルトコンベアの
他方の側縁の上方に沿つて固定配置される第２の
側壁とを具備することを特徴としている。

〔作用〕

吸引時において飛散もしくは転動した搬送物
は、第１、第２の側壁に衝突するために、外部へ
の飛散が防止される。

〔実施例〕

以下図面を参照してこの考案の実施例について
説明する。

第１図および第２図は各々この考案の一実施例
の構成を示す断面図および平面図であり、第３図
〜第６図の各部と対応する部分には同一の符号を
付しその説明を省略する。なお、この実施例の図
示せぬ部分の構成は、前述した従来の磁性物選別
装置と、同様になつている。

第１図、第２図において、２０，２１は各々板
状の側壁であり、ゴムによつて形成されるととも
に、コンベア１の長手方向に沿つて対向して設け
られている。この場合、側壁２０はマグネツト４
の下面右端部（磁性物移送方向端部）に取付部材
２２およびボルト・ナツト２３によつて取り付け
られており、その下端面はベルト１の上面に近接
している。また、取付部材２２はステンレスによ
つて形成されるとともに、マグネツト４の下端面
に溶接によつて接合されている。側壁２１は、コ
ンベア台２５の左端上面から上方に延びているＬ
字状の腕２６，２６の右端面に、ボルト２７，２
７によつて取り付けられており、また、側壁２１
の下端面は、前述した側壁２０と同様にベルト１
の上面に近接している。このように、側壁２０と
２１はマグネツト４の下方において、ベルト１の
上面を磁性物移送方向側とその反対側から囲つて
いる。また、側壁２０，２１は第２図に示すよう
に、ベルト１の走行方向側（下流側：矢印Ｂ参
照）が長くなるように形成されている。

上述した構成によれば、マグネツト４の下方に
おいて、搬送物３が飛び散つたり、ベルト幅方向
に転がつたりしても、これらの搬送物は側壁２
０，２１によつて受け止められ、ベルト外へ飛散
することはない。また、搬送物３はベルトによつ
て搬送されているため、飛散や転動の際にはベル
ト走行方向に流れる傾向にあるが、上述のよう
に、側壁２０，２１はベルト走行方向側がより長
くなるように構成されているので、このような流
れがある場合においても、良好にベルト外への飛
散を防止することができる。また、マグネツト４
に吸着された磁性物５を移送する場合において
は、側壁２０がマグネツト４とともに移動するの
で、移送の邪魔になることはない。

なお、この実施例においては側壁２０，２１が
ゴム板によつて形成されているため、搬送物３が
側壁２０，２１に接触もしくは衝突しても衝激音
等が発生することなく、また、仮に振動等によつ
てベルト１と側壁２０，２１の下面が接するよう
なことがあつても、ベルト１が傷むことはない。
このことから判るように、側壁２０，２１は柔軟
性のある部材で形成されることが望ましい。

〔考案の効果〕

以上説明したようにこの考案によれば、マグネ
ツトの移送方向端部下面に取り付けられ、前記マ
グネツトが吸引位置にある時は前記ベルトコンベ
アの一方の側縁の上方に沿う第１の側壁と、前記
マグネツトが吸引位置にある時の前記第１の側壁
に対向するように前記ベルトコンベアの他方の側
縁の上方に沿つて固定配置される第２の側壁とを
具備したので、磁気吸引時に搬送物が飛散もしく
は転動しても、これらがベルトコンベア外部に飛
び出すことがなく、したがつて、マグネツトの下
方周辺に搬送物が蓄積されることはない。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は各々この考案の一実施例
の構成を示す断面図および平面図、第３図は磁性
物選別装置の動作原理を説明するための概略構成
図、第４図、第５図は各々従来の磁性物選別装置
の構成を示す断面図、第６図は従来の磁性物選別
装置の縦断面図である。 ２０……側壁（第１の側壁）、２１……側壁
（第２の側壁）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ ベルトコンベア上を搬送される搬送物の中か
   ら、懸吊されたマグネツトによつて磁性物を吸
   着し、さらに、前記マグネツトを移動すること
   によつて前記磁性物を所望の場所へ移送する磁
   性物選別装置において、前記マグネツトの移送
   方向端部下面に取り付けられ、前記マグネツト
   が吸引位置にある時は前記ベルトコンベアの一
   方の側縁の上方に沿う第１の側壁と、前記マグ
   ネツトが吸引位置にある時の前記第１の側壁に
   対向するように前記ベルトコンベアの他方の側
   縁の上方に沿つて固定配置される第２の側壁と
   を具備することを特徴とする磁性物選別装置。 ２ 前記第１、第２の側壁が各々ゴム板によつて
   構成されることを特徴とする実用新案登録請求
   の範囲第１項記載の磁性物選別装置。 ３ 前記第１、第２の側壁はベルトコンベアの走
   行方向側がより長く形成されていることを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の磁
   性物選別装置。