JPS5848262Y2 - 粉粒体空送ラインの耐摩耗エルボ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は高硬度の粉粒体を空送（空気輸送）する場合に
適した耐摩耗エルボの改良に関する。

高硬度の粉粒体を空送する場合、ライン中のエルボ部分
における摩耗が大きな問題となる。

従来その対策としては、ｌ摩耗部に特殊鋼や磁器等の、
より硬度の高い材料を使用して寿命の延長を図る。

２エルボをＳＳ材等のように市販性が高く安価な素材で
作り、頻繁に取り替える・・・等があるが、前者は高価
になり、後者は交換に多くの手間を要するＯ 本考案はエルボの粉粒体衝突側内面にエルボ入口直線部
と平行な棚板群を着脱自在に固定して粉粒体が充満滞留
するポケットを形成し、ポケット内に充満した粉粒体に
後続する粉粒体が当って方向変換すると共に、棚板群で
保持された粉粒体が好ましい湾曲内面を形成するように
したもので、次に図面により説明する。

本考案によるエルボの縦断側面を示す第１図において、
エルボ本体１の下端部１ａ（エルボ入口直線部）と上端
部１ｂは共に概ね正方形の断面形状を備え、途中の湾曲
部分は後述する棚板群２と、その中に充満滞留する粉粒
体３０作用により概ね正方形断面の通路４を形成してい
る。

エルボ下端部１ａは７ランジ５を備え、フランジ５は水
平な輸送管６のフランジ７と接合し、輸送管６は粉粒体
供給装置と気流発生装置（ブロアー等・・・図示せず）
に接続している。

矢印Ａは粉粒体の空送方向ヲ示ス。

エルボ上端部１ｂはフランジ８の部分で輸送管９に接続
している。

エルボ本体１は上下方向に長い矩形断面の筒状部１１と
、その先端の７ランジ１２を一体に備え、７ランジ１２
には棚板群２を一体に有するカバー１３がパツキンを介
して接合し、複数個のボルト１４により締め付けである
。

カバー１３の通路４に面した内面には通路４方向への突
出量（長さ）の順次変化した矩形の棚板２ａ 、２ｂ
、２ｃ。

２ｄ・・・が水平な姿勢でわずかな等間隔をへだてて溶
着している。

各棚板２ ａ ｔ ２ ｂ・・・の先端縁の包絡面Ｂは
、エルボの粉粒体衝突側の所定湾曲内面と近似するよう
に、予め各棚板２ ａ ｔ ２ ｂ・・・の長さが定め
られており、各棚板２ａ、２ｂ・・・の側縁は棚板群２
を筒状部１１内に挿入した時筒状部１１の内面としつく
り接合するように設計している。

従って筒状部１１と棚板群２の間及び棚板群２内の隣接
した棚板２ａ、２ｂ・・・間には粉粒体が充満滞留する
多数のポケット３′ができ（第３図）、矢印Ａ方向に供
給される粉粒体が各ポケット３′内に充満した時、ポケ
ット３′入口部分の滞留粉粒体がエルボの所定湾曲内面
を形成するようになっている。

上流の供給装置から空気流と共にエルボ部分に流入した
粉粒体は、輸送管６からエルボ下端部１ａ内に水平方向
に流入し、そこから通路４に沿い湾曲上昇する際、粉粒
体は慣性力によりポケット３′内に堆積充満し、棚板群
２を支持部材としてポケット３′の入口部分において、
各棚板２ａ。

２ｂ・・・の先端縁を覆うように、ポケット３′の入口
部分に湾曲内面を形成する。

即ちポケット３′内の粉粒体は勿論、ポケット３′の入
口部分の粉粒体は、棚板群２０作用により崩れ落ちるこ
となくその部分に滞留し、粉粒体自体がエルボ内の粉粒
体衝突側内面を形成する。

そして後続する粉粒体はポケット３′入口部分の滞留粉
粒体に衝突して方向変換し、通路４に沿い上昇して輸送
管９内へ流入するＣ以上説明したように本譜゛案におい
ては、エルボの粉粒体衝突側内面を棚板群２内のポケッ
ト３′に充満滞留した粉粒体自体で形成するようにした
ので、棚板群２を市販性の高い安価なＳＳ材等で形成し
ても、ポケット３′に充満した粉粒体が棚板２ ａ ＞
２ ｂ ｔ ２ ｃ・・・の先端縁を覆うか又はわず
かに露出させる形になるため、衝突する粉粒体のエネル
ギーをポケット３′内の滞留粉粒体が大部分吸収して、
棚板群２の摩耗を可及的に減すことができる。

このため棚板群２をカバー１３により一旦取り付けると
、交換の必要がなく、エルボの耐久性が大幅に向上する
。

又粉粒体衝突側内面を特殊鋼や磁器等で構成する場合に
比べて製造コストも低減する。

本考案においてはエルボ本体１の粉粒体衝突側内面にエ
ルボ入口直線部と平行な棚板群２を着脱自在に固定して
いるので、輸送管６０部分からエルボ本体１の通路４内
に流入した粉粒体は、慣性により、エルボ入口側に向い
開いたポケット３′をエルボ入口側のものから順番に充
満させ、同時に粉粒体３により所定の湾曲内面を速やか
に形成することかできる。

即ちエルボ入口側のポケット３′は粉粒体３でいっばい
になると、そこから溢れた粉粒体が隣接した下流側ポケ
ット３′に流入してその充満を促進させ、このように粉
粒体が無駄なく順次下流側のポケット３′に入るので、
棚板包絡面Ｂに近似した湾曲内面が速やかに形成される
。

しかもポケット３′内に一旦充填された粉粒体３は、棚
板２ａ、２ｂ・・・の先端面を覆い、特にエルボ入口側
のポケット３′にエルボ入口直線部（下端部１ａ）から
流入した粉粒体が常時ポケット３′内の粉粒体を押し込
む方向に衝突し、ポケット３′内の粉粒体による充填状
態を常時保持して粉粒体の衝撃を吸収することができ、
又エルボ入口から離れた部分のポケット内にも、粉粒体
が入り勝手になり、充填状態が保持される。

これにより棚板群２の先端摩耗が可及的に低減すると共
に、各ポケット３′内における粉粒体の充満状態が維持
されて流路抵抗が減少する。

更に本考案によると、カバー１３をボルト１４の部分で
取り外すことにより棚板群２を空送する粉粒体の性質や
輸送条件等に適合したものと交換することが容易になり
、エルボの用途が拡大する。

なお本考案によるエルボは水平面内で使用することもで
き、その場合第３図の如くハニカム構造の棚板群２′を
使用すると、第１図の場合と同様の効果を期待すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるエルボの縦断側面図、第２図は第
１図の■−■線に沿う断面図、第３図は別の実施′例を
示すための第２図に対応する図面である。 １・・・・・・エルボ本体、２・・・・・・棚板群、２
ａ、２ｂ・・・・・・棚板、３′・・・・・・ポケット
、Ｂ・・・・・・包絡面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エルボの粉粒体衝突側内面にエルボ入口直線部と平行な
   棚板群を着脱自在に固定して粉粒体が充満滞留する多数
   のポケットを形成し、棚板先端縁の包絡面がエルボの所
   定湾曲内面と近似するようにしたことを特徴とする粉粒
   体空送ラインの耐摩耗エルボ。