JPS6323794Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、光学式情報読取装置におけるピツク
アツプ装置に関する。

光学式情報読取装置において、情報記録媒体で
ある例えばビデオデイスクあるいはデジタルオー
デイオデイスクなどのデイスクは、その表面に情
報信号に応じた微細なピツト（へこみ）を渦巻状
のトラツクとして形成することによつて当該情報
信号を収録するものである。かかるデイスクを再
生する場合、このデイスクを所定回転数で回転さ
せつつそのトラツク上にスポツト光を照射せしめ
てその反射光若しくは透過光の強さの変化を電気
信号に変換し、元の情報信号として再生するもの
である。

このデイスクの再生においては、デイスクの記
録面上に照射光を正確に集束しなければならずそ
のために光学系の記録面に垂直な方向すなわちフ
オーカス方向における位置の制御（フオーカスサ
ーボ）が必要であり、また記録トラツクを照射光
が常に正確にトラツキングしなければならないた
めにデイスクの半径方向すなわちトラツキング方
向への照射光の制御（トラツキングサーボ）が必
要である。

そのために情報読取装置の読取ピツクアツプ装
置においては、情報読取用のスポツト光をデイス
クの記録面に照射せしめる光学系をフオーカス方
向及びトラツキング方向に移動自在に支持する支
持機構と、フオーカスエラー信号及びトラツキン
グエラー信号に応じて該フオーカス方向及びトラ
ツキング方向に光学系を駆動する駆動装置とが設
けられている。

かかるピツクアツプ装置は、従来種々提案され
てれおり、第１図及び第２図にその例を示す。

第１図に示した従来例のピツクアツプ装置にお
いては、周縁部をフレーム１に固定された円形板
バネ２の中心部に、対物レンズ３及び筒状部４を
有する光学系５が嵌着されている。光学系５は、
円形板バネ２によつて光学系５の光軸方向即ちフ
オーカス方向Ｚに所定範囲内で移動自在に且つ上
記光軸方向に垂直な方向即ちトラツキング方向Ｘ
に揺動自在であるように支持されている。

筒状部４の下方に固着された円形のボビン６に
はフオーカス方向Ｚへの駆動用コイル７が巻装さ
れており、筒状部４にトラツキング方向Ｘに突出
して設けられた一対のボビン８にはトラツキング
方向Ｘへの駆動用コイル９が巻装されている。ま
た、フレーム１には、各駆動用コイル７及び９に
それぞれ電磁駆動力を付与せしめるための磁気回
路（図示せず）が固設されている。駆動用コイル
７に適当な電流が供給されると光学系５はフオー
カス方向Ｚに平行移動し、駆動用コイル９に電流
が供給されると光学系５はトラツキング方向Ｘに
揺動するのである。また、光学系５の上記２方向
への駆動に伴つて板バネ２は適当に変形する。

上記した形式のピツクアツプ装置においては、
光学系５がトラツキング方向Ｘに駆動されること
によつて、光学系５がデイスク記録面に対して傾
斜してしまうという欠点があつた。また、光学系
５が傾くために、対物レンズ３として収差補正が
可能な大型のものを使用する必要があり、ピツク
アツプ装置全体が大型となりコストが高かつた。

第２図に示した従来例のピツクアツプ装置にお
いては、一端がフレーム１０に固定された片持梁
状部材１１の自由端に光学系５が固着されてい
る。片持梁状部材１１は、デイスク記録面（図示
せず）に平行に配設されており、フオーカス方向
Ｚにのみ可撓な板バネ部１２と、トラツキング方
向Ｘにのみ可撓な板バネ部１３とを有している。
フレーム１０には、光学系５に設けられた各駆動
用コイル７及び９にそれぞれ電磁駆動力を付与せ
めるための磁気回路（図示せず）が設けられてい
る。駆動用コイル７及び９に適当な電流が供給さ
れることによつて、板バネ部１２及び１３がフオ
ーカス方向Ｚ及びトラツキング方向Ｘに各々撓ん
で光学系５が駆動されるのである。

光学系５の駆動に当つては、光学系５がデイス
ク記録面に対して傾斜することなくトラツキング
方向Ｘ及びフオーカス方向Ｚに平行に駆動される
ことが好ましい。そのため、本形式のピツクアツ
プ装置においては、種々のウエイトを光学系５に
取り付けて光学系５の重心と駆動中心を一致さ
せ、光学系５の重心を正確に駆動することが行わ
れている。尚、第１例のピツクアツプ装置と同構
成の部材については同じ参照符号を用いている。

本形式のピツクアツプ装置においては、光学系
の重心と駆動中心とを一致させるために種々の重
さのウエイトを光学系に取り付ける必要があるこ
とから、光学系の質量が変化し、フオーカス方向
Ｚ及びトラツキング方向Ｘの両方向における読取
感度が低下するという欠点があつた。また、既に
光学系に組み込まれている対物レンズを、より性
能の良いあるいはより安価な対物レンズに変更し
たい場合、光学系の重心位置が変化する為に光学
系全体の設計変更を余儀なくされ、長い開発期間
を必要とし、コストが高くなつていた。

そこで本考案は、デイスク記録面に対して平行
な光学系の駆動が確実になされ、しかもコストが
安いピツクアツプ装置を提供することを目的とす
る。

本考案によるピツクアツプ装置は、記録媒体の
記録面にスポツト光を照射せしめるための光学系
と、前記光学系を前記光学系の光軸方向及び前記
光軸方向と垂直な方向に駆動する駆動装置と、前
記光学系を前記光軸方向及び前記垂直な方向の少
なくとも一の方向において移動可能に弾性部材を
介して支持する支持機構とを含み、前記光学系は
前記光学系の重心位置を前記光軸方向において移
動し得る重心位置移動手段を備えていることを特
徴とする。

以下、本考案に係るピツクアツプ装置を図面を
参照しつつ説明する。

第３図に示されるように、一端がフレーム１６
に固定された片持梁状部材１７の自由端に、対物
レンズ１８及び筒状部１９を有する光学系２０が
固着されている。片持梁状部材１７は、デイスク
記録面（図示せず）に平行に配設されており、光
学系２０の光軸方向すなわちフオーカス方向Ｚに
のみ可撓な板バネ部２１と、該フオーカス方向と
垂直なトラツキング方向Ｘにのみ可撓な板バネ部
２２とを有している。

筒状部１９の下方に設けられた円形のボビン部
２３にはフオーカス方向Ｚへの駆動用コイル２４
が巻装されており、筒状部１９にトラツキング方
向Ｘに突出して設けられた一対のボビン部２５に
はトラツキング方向Ｘへの駆動用コイル２６が巻
装されている。また、フレーム１６には、各駆動
用コイル２４及び２６にそれぞれ電磁駆動力を付
与せしめるための磁気回路（図示せず）が各駆動
用コイル２４及び２６に対応して固設されてい
る。

筒状部１９の先端部外周には雄ネジ部２７が形
成されている。この雄ネジ部２７の所定位置に
は、内周面に雌ネジ部が形成されたリング状の重
心調整用ウエイト２８が螺合し且つ接着剤等によ
つて固着されている。

重心調整用ウエイト２８を雄ネジ部２７に螺合
し、これを回転することによつて雄ネジ部２７上
を移動させると、第４図ａ，ｂ及びｃに示される
ように、該重心調整用ウエイト２８を含む光学系
２０の重心位置（Ｇ点）がフオーカス方向Ｚにお
いて移動する。重心調整用ウエイト２８は、第４
図ｂに示されるように、フオーカス方向Ｚ及びト
ラツキング方向Ｘにおける光学系２０の駆動中心
Ａ−Ａ及びＢ−Ｂと、光学系２０の重心位置とが
一致した状態において雄ネジ部２７に固着されて
いる。

尚、筒状部１９に重心調整用ウエイトを取り付
けるに当つては、螺合のみに限らず、例えば筒状
部１９に重心調整用ウエイトを嵌合によつて仮に
取り付け、スライドさせて所定位置に位置決めし
た後に接着剤などで固着することも可能である。

以上詳述した如く、本考案による光学式情報読
取装置におけるピツクアツプ装置においては、光
学系が、該光学系の重心位置を光軸方向において
移動し得る重心位置移動手段を備えている。

すなわち、本考案による光学式情報読取装置に
おけるピツクアツプ装置においては、光学系の駆
動中心と光学系の重心位置とを正確に且つ容易に
一致せしめることが出来、従つて、デイスク記録
面に対して平行な光学系の駆動が確実になされる
のである。

また、本考案による光学式情報読取装置におけ
るピツクアツプ装置においては、上記のようにデ
イスク記録面に対する光学系の平行な駆動が確実
に得られる為、光学系に組み込まれる対物レンズ
に収差補正機能が要求されず、安価で小型軽量の
対物レンズを用いることが出来るのでピツクアツ
プ装置全体の小型化及びコストの低減が図れるの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来のピツクアツプ装置を
示す図、第３図は本考案に係るピツクアツプ装置
の斜視図、第４図ａ，ｂ及びｃは光学系の重心位
置の移動状況を示す図である。 主要部分の符号の説明、１６……フレーム、１
７……片持梁状部材、１８……対物レンズ、１９
……筒状部、２０……光学系、２１，２２……板
バネ部、２３，２５……ボビン部、２４，２６…
…駆動用コイル、２８……重心調整用ウエイト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 記録媒体の記録面にスポツト光を照射せしめる
   ための光学系と、前記光学系を前記光学系の光軸
   方向及び前記光軸方向と垂直な方向に駆動する駆
   動装置と、前記光学系を前記光軸方向及び前記垂
   直な方向の少なくとも一の方向において移動可能
   に弾性部材を介して支持する支持機構とを含むピ
   ツクアツプ装置であつて、前記光学系は前記光学
   系の重心位置を前記光軸方向において移動し得る
   重心位置移動手段を備えていることを特徴とする
   光学式情報読取装置におけるピツクアツプ装置。