JPS6323232B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPS6323232B2
JPS6323232B2 JP22497284A JP22497284A JPS6323232B2 JP S6323232 B2 JPS6323232 B2 JP S6323232B2 JP 22497284 A JP22497284 A JP 22497284A JP 22497284 A JP22497284 A JP 22497284A JP S6323232 B2 JPS6323232 B2 JP S6323232B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive
emulsion
group
monomer
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP22497284A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS61101582A (ja
Inventor
Yukari Shibata
Shinji Yamada
Kenji Matsumoto
Isoji Sakai
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Electric Industrial Co Ltd filed Critical Nitto Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP22497284A priority Critical patent/JPS61101582A/ja
Publication of JPS61101582A publication Critical patent/JPS61101582A/ja
Publication of JPS6323232B2 publication Critical patent/JPS6323232B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、振動板としてポリエステルフイル
ムを使用したスピーカーなどの光透過性フイルム
を組立部品として使用した電気部品の製造方法に
関する。 〔従来の技術〕 音響機器における電気部品のひとつであるスピ
ーカーの振動板として通常10〜100μm程度の厚み
のポリエステルフイルムなど厚みの薄いプラスチ
ツクフイルムが多用されている。このプラスチツ
クフイルムが振動板としての性能を充分に発揮す
るためには、このプラスチツクフイルムのスピー
カー本体との接着部分にしわなどの変形がなく、
かつこのプラスチツクフイルムが振動によつて剥
がれないようにスピーカー本体と強固に接着して
いることが必要である。 従来、上記のプラスチツクフイルムとスピーカ
ー本体とを接着するために溶剤含有型接着剤、エ
マルジヨン型接着剤、シアノアクリレートの如き
吸湿硬化モノマー型接着剤などの液状の接着剤が
用いられていたが、上記のフイルムが薄いため溶
剤やモノマーの揮散によつて上記のフイルムの接
着部分にしわや変形が起きやすいとともに、上記
揮散による安全衛生上の問題があり、また、液状
のため作業性が悪いという問題があつた。 これに対して、溶剤やモノマーの揮散がなく作
業性の良好な接着剤としてシート状粘着剤あるい
は熱硬化型、吸湿硬化型、ホツトメルト型などの
シート状接着剤が上記のプラスチツクフイルムと
スピーカー本体との接着に用いられるようになつ
た。 しかし、上記のシート状粘着剤では充分な接着
強度が得られず振動によつてプラスチツクフイル
ムが剥離する場合がある。一方、上記のシート状
接着剤ではいずれも強固な接着が可能であるが、
熱硬化型あるいはホツトメルト型のシート状接着
剤の場合には高温で加熱するため厚みの薄いプラ
スチツクフイルムが収縮などの熱変形を起こし易
いという問題がある。また、吸湿硬化型のシート
状接着剤の場合には硬化速度が遅いため充分な接
着力を得るのに時間がかかり生産効率が悪いとい
う問題がある。 一般に、厚みの薄いプラスチツクフイルムを組
立部品として使用した電気部品の製造において
は、このフイルムの接着に際して上記と同様の問
題があり、フイルムの接着部分にしわなどの変形
があつたりこのフイルムの接着が不充分な場合に
は電気特性や音響特性などに悪影響を与えること
になる。 〔発明が解決しようとする問題点〕 この発明は、上記の如き電気部品の製造におけ
るプラスチツクフイルムと電気部品との接着に際
しての問題点を解決し、前記従来のものとは異な
る光硬化性シート状粘着剤の使用によつてフイル
ムの接着部分にしわなどの変形をきたすことなく
しかも速やかにかつ強固に接着できる電気部品の
製造方法を提供することを目的とするものであ
る。 〔問題点を解決するたの手段〕 この発明者らは、上記の目的を達成するために
鋭意検討した結果、電気部品とプラスチツクフイ
ルムとの接着にあたり、特定の光硬化性シート状
粘着剤を用いることにより、フイルムの接着部分
にしわなどの変形をきたすことなくしかも速やか
にかつ強固に接着できることを見出し、この発明
をなすに至つた。 すなわち、この発明は、光透過性フイルムを電
気部品本体に接合するにあたり、上記のフイルム
を光透過性シート状粘着剤を介して上記の本体に
貼り付けたのち光照射して上記の粘着剤を硬化さ
せる電気部品の製造方法において、上記光硬化性
シート状粘着剤が、アルキル基の炭素数が1〜12
個の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成
分としてこれに多官能性単量体またはこれとカル
ボキシル基含有単量体とを加えてなる単量体混合
物を用いて第1段目のエマルジヨン重合を行つた
のち、このエマルジヨンにさらにアルキル基の炭
素数が1〜12個のアクリル酸アルキルエステルま
たは酢酸ビニルを主成分としてこれにカルボキシ
ル基含有単量体、エポキシ基含有単量体およびN
−メチロール基含有単量体の中から選ばれる少な
くとも一種の官能基含有単量体を加えてなる単量
体混合物を添加して第2段目のエマルジヨン重合
を行うことからなる2段階エマルジヨン重合法に
より得た2層構造のエマルジヨン粒子を含む重合
体エマルジヨンに、上記のエマルジヨン粒子に含
まれる官能基と反応しうる官能基を有するカルボ
キシル基含有単量体およびエポキシ基含有単量体
の中から選ばれる少なくとも一種の官能性不飽和
単量体を添加して付加反応させることにより、上
記2層構造のエマルジヨン粒子の外層に光重合性
不飽和基を共有結合により導入した被膜形成能を
有するアクリル系光架橋性重合体エマルジヨンに
光増感剤を含ませてなる水分散性光硬化型粘着剤
組成物を、テープ状もしくはシート状に成形して
なる光硬化性シート状粘着剤であることを特徴と
する電気部品の製造方法に係るものである。 〔発明の構成・作用〕 この発明で使用される前記2層構造のエマルジ
ヨン粒子の外層に光重合性不飽和基を共有結合に
より導入した被膜形成能を有するアクリル系光架
橋性重合体エマルジヨンとしては、つぎのアクリ
ル系共重合体に官能性不飽和単量体を付加し
たものが用いられる。 上記のアクリル系共重合体としては、後記a
成分の不飽和単量体を主成分として、これの1種
または2種以上に後記c成分の内部架橋剤として
の多官能性単量体またはこれと後記b成分の官能
基含有単量体とを加えてなる単量体混合物を、乳
化剤の存在下で、重合開始剤を用いて第1段目の
エマルジヨン重合を行つたのち、後述する第2段
目のエマルジヨン重合を行う2段階エマルジヨン
重合法によつて得られるものである。 第1段目のエマルジヨン重合に使用されるa成
分の不飽和単量体としては、アルキル基の炭素数
が1〜12個の(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルが用いられる。また、b成分の官能基含有単量
体としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、
フマル酸、イタコン酸などのカルボキシル基含有
単量体が用いられる。 さらにc成分の内部架橋剤としての多官能性単
量体は、分子中に重合しうる炭素−炭素二重結合
としてのアクリロイル基またはメタクリロイル基
を2個以上有する多官能性単量体であり、たとえ
ば1・4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、1・6−ヘキサングリコールジ(メタ)
アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメ
タンテトラ(メタ)アクリレートなどが挙げられ
る。 また、前記乳化剤としては、通常のエマルジヨ
ン重合に使用される各種乳化剤をいずれも使用で
き、その具体例として、脂肪酸塩、高級アルコー
ル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸
塩、アルキルナフタレンスルホン酸、ジアルキル
スルホコハク酸塩、アルキルフオスフエート塩、
ポリオキシエチレンサルフエート塩などの陰イオ
ン性界面活性剤、ポリエチレンオキサイドの脂肪
酸エステルや長鎖アルキルモノエーテルなどの非
イオン界面活性剤が挙げられる。 重合開始剤としては過硫酸アンモニウム、過硫
酸カリウムの如き過硫酸塩、過酸化水素、過酸化
ベンゾイルの如き過酸化物、あるいは過硫酸塩と
アルカリ金属の亜硫酸塩、重亜硫酸塩などのよう
な還元剤を組み合わせてなるレドツクス系、アゾ
ビス吉草酸、アゾビス(2−アミジノプロパン)
塩酸塩の如きアゾ化合物が挙げられる。 第2段目のエマルジヨン重合は、前記第1段目
のエマルジヨン重合生成物中に、前記a成分のう
ち比較的軟らかいポリマーを付与しうる不飽和単
量体として、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどのアクリ
ロイル基を1分子中に1個有する、アルキル基の
炭素数が1〜12個のアクリル酸アルキルエステル
かあるいは酢酸ビニル50〜95重量%と、前記b成
分の官能基含有単量体つまりカルボキシル基含有
単量体とd)グリシジル(メタ)アクリレートな
どのエポキシ基含有単量体とe)N−メチロール
(メタ)アクリルアミド、N−n−ブトキシ(メ
タ)アクリルアミドなどのN−メチロール基含有
単量体とから選ばれる1種もしくは2種以上の官
能基含有単量体50〜5重量%とからなる不飽和単
量体に、必要に応じて前記乳化剤、重合開始剤お
よびチオグリコール酸、ラウリルメルカプタン、
四塩化炭素などの連鎖移動剤を含ませた混合物を
そのままあるいは水中に分散させた状態で添加し
て行う。これにより前記第1段目のエマルジヨン
重合にて生成したエマルジヨン粒子を核としてそ
の外側に第2段目のエマルジヨン重合による重合
生成物層が形成された内外2層構造のエマルジヨ
ン粒子からなるアクリル系共重合体が得られ
る。 なお、上述した2段階エマルジヨン重合法にお
いて使用される前記a成分の不飽和単量体の使用
量比(重量比)は、1段目:2段目が97:3〜
20:80、好ましくは90:10〜40:60の範囲とする
のがよい。 以上のようにして得られるアクリル系共重合体
に付加させる前記官能性不飽和単量体として
は、上記共重合体の官能基と反応しうる官能基
を有する単量体として、前記b,d成分の官能基
含有単量体、つまりカルボキシル基含有単量体お
よびエポキシ基含有単量体の中から選ばれる少な
くとも一種の単量体が用いられる。 この官能性不飽和単量体の付加反応は、前記
2段階エマルジヨン重合によつて得られたアクリ
ル系共重合体の冷却後の水分散体中に空気を吹き
込んだのち、前記単量体と所望により触媒とし
てトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチ
ルアニリンなどのアミン類を添加して約70〜100
℃程度に加熱して2〜24時間程度撹拌すればよ
い。この付加反応により、前記2層構造のエマル
ジヨン粒子の外層に光重合性不飽和基が有効に共
有結合により導入され、被膜形成能を有するアク
リル系光架橋性重合体エマルジヨンが得られる。 このような官能性不飽和単量体の添加量は、
通常、2段階エマルジヨン重合にて得られたアク
リル系共重合体100重量部に対して1〜40重量部、
好適には5〜20重量部とするのがよく、また前記
触媒としてのアミン類は官能性不飽和単量体に
対して0.5〜5重量%程度で用いるのがよい。 この発明の水分散性光硬化型粘着剤組成物に用
いられる光増感剤としては、前記光架橋性重合体
の光重合反応を促進させるものであれば殊に制限
されない。たとえばジメチルベンジルケタール、
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾ
インエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエ
ーテル、α−メチルベンゾインなどのベンゾイン
類、1−クロロアントラキノン、2−クロロアン
トラキノンなどのアントラキノン類、ベンゾフエ
ノン、p−クロロベンゾフエノン、p−ジメチル
アミノベンゾフエノンなどのベンゾフエノン類、
ジフエニルジスルフイド、テトラメチルチウラム
ジスルフイドなどの含イオウ化合物類などを挙げ
ることができる。この光増感剤は前記光架橋性重
合体100重量部に対して0.05〜20重量部、好まし
くは0.5〜10重量部の範囲で添加される。 この光増感剤の添加方法としては、少量の溶剤
あるいは液状の前記a成分の不飽和単量体を用い
て溶解させたものをアクリル系光架橋性重合体エ
マルジヨン中に添加して充分に撹拌してエマルジ
ヨン粒子に吸収含浸させるのがよい。 以上のようにして得られる水分散性光硬化型粘
着剤組成物は、必要に応じて他の配合剤を適量加
えたものであつてもよい。この添加方法は前記光
増感剤を添加する方法に準ずる。 上記配合剤の例としては、シート状粘着剤の光
硬化速度を速くしまた光硬化後の強度を向上させ
ることを目的とするたとえば、1・4−ブチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、1・6−ヘ
キサングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポ
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)
アクリレートなどの単量体またはエポキシアクリ
レート、ウレタン変性アクリレート、オリゴエス
テルアクリレートなどのオリゴマーの如き光重合
性不飽和化合物などが挙げられ、これらは必要に
応じて2種以上を併用してもよい。 また、製造中の熱重合や保存中の反応を防止す
る重合禁止剤、たとえばハイドロキノン、ハイド
ロキノンモノメチルエーテル、tert−ブチルカテ
コール、p−ベンゾキノン、2・5−tert−ブチ
ルハイドロキノン、フエノチアジンなど、着色ま
たは装飾などを目的とするたとえば亜鉛華、黄
鉛、ベンガラなどの顔料、トルイジンレツド、フ
タロシアニンブルー、フタロシアニングリーンな
どの染料、その他金属粉、ガラスビーズ、ガラス
粉末、ガラスフレークなど、また被着体面への接
着力の向上を目的とするたとえばキシレン樹脂、
クマロン樹脂などの接着性付与樹脂、または光照
射前の凝集力の向上を目的とするたとえばトリエ
ポキシプロピルイソシアヌレート、ブトキシメチ
ル化メラミンなどの架橋剤などが挙げられる。 このような水分散性光硬化型粘着剤組成物から
光硬化性シート状粘着剤を得るには、この組成物
を低接着性の機能を有する樹脂加工紙、プラスチ
ツクフイルムなどの剥離シート上に流延したのち
乾燥させればよい。この光硬化性シート状粘着剤
の厚みとしては通常10〜200μmとするのがよい。 また、この光硬化性シート状粘着剤には、必要
に応じてレーヨン不織布、ナイロン不織布のよう
な不織布、寒冷紗のような布類を補強ないし緩衝
などの機能を付与するための基材として埋設する
こともできる。このような基材を埋設するには、
基材の両面に上記の組成物を塗布ないし含浸させ
るようにすればよい。 この発明の方法においては、このようにして得
られる光硬化性シート状粘着剤を用いて光透過性
フイルムを電気部品本体に接着する。この接着に
あたつては、上記の接着剤を介して上記のフイル
ムを電気部品本体に貼り付けたのち光照射してこ
の粘着剤を光硬化させる。 上記の光透過性フイルムとは通常200〜1100nm
の波長の光を透過しうるプラスチツクフイルムで
あり、その厚みとしては通常10〜500μm、好適に
は10〜100μm程度の薄いものである。またその材
質としてはポリエステル、ポリイミド、ポリアミ
ド、フツ素系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレ
ンなどが挙げられる。 この光透過性フイルムを接合する電気部品本体
の接着部分の材質は通常アルミニウム、銅、エナ
メル、絶縁紙、ポリエステルフイルムなどであ
る。 上記の光照射は、光透過性フイルム側から高圧
水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、
カーボンアーク灯、キセノン灯などの光源を用い
て、通常250〜600nmの波長の光を0.3秒以上、好
ましくは3秒以上照射して行う。この光照射によ
り上記の光硬化性シート状粘着剤は光硬化して光
透過性フイルムと電気部品本体とが強固に接着す
る。また、このとき上記フイルムの接着部分には
しわなどの変形が生じることがない。 なお、上記の光透過性フイルムと電気部品本体
との接着とは、このフイルムを部分的に接着する
場合はもちろん全面を接着する場合も含む。 この発明の方法によつて製造される電気部品の
具体例としては、ポリエステル、ポリイミド、ポ
リアミド、フツ素系樹脂などからなるプラスチツ
クフイルムを振動板として用いたスピーカー、あ
るいはポリエステルフイルムなどを絶縁層として
用いた二層コイルおよびトランス、またはポリエ
チレンフイルム、ポリエステルフイルムなどをコ
イルの端末止めに用いた中間周波トランスおよび
小型トランスなどが挙げられる。 〔発明の効果〕 この発明の製造方法において用いられる光硬化
性シート状粘着剤は、2段階エマルジヨン重合法
により得た2層構造のエマルジヨン粒子の外層に
光重合性不飽和基を導入したアクリル系光架橋性
重合体エマルジヨンを主剤として形成されたもの
であるため、このシート状粘着剤の光硬化時の体
積収縮が非常に小さく、厚みの薄いプラスチツク
フイルムを組立部品として使用した場合でも硬化
にあたつてフイルムの接着部分にしわなどの変形
を生じさせることがない。しかも強固な接着が可
能であり、上記変形がみられないことと相俟つて
電気特性や音響特性などの良好な電気部品を得る
ことができる。また、光硬化であるため硬化速度
が速く、電気部品を生産効率良好に製造できる。 〔実施例〕 以下に、この発明の実施例を記載する。なお、
以下において部とあるのは重量部を意味する。 実施例 1 メタクリル酸エチル 65部 ネオペンチルグリコールジアクリレート5部 ドデシル硫酸ナトリウム 1部 イオン交換水 100部 上記配合組成物を500mlのフラスコに仕込み、
不活性ガス下70℃で1時間加熱撹拌したのち0.05
部の過硫酸アンモニウムを加えて70℃で3時間反
応させ、第1段目のエマルジヨン重合を行つた。
つぎに、 アクリル酸ブチル 22部 メタクリル酸 8部 ドデシル硫酸ナトリウム 1部 イオン交換水 53部 過硫酸アンモニウム 0.05部 からなる配合組成物を乳化させたものを、前記第
1段目のエマルジヨン重合にて得られた重合生成
物中に70℃で加熱撹拌しながら2時間で滴下し、
さらにこの温度下で1時間反応させて第2段目の
エマルジヨン重合を行い、2層構造のエマルジヨ
ン粒子からなるアクリル系共重合体の水分散体を
得た。 続いて上記水分散体を25℃まで冷却し、液中に
1時間空気を吹き込んだのち、メタクリル酸グリ
シジル8部およびジメチルアニリン0.1部を添加
し、70℃で3時間反応を行い、アクリル系光架橋
性重合体エマルジヨンを得た。 このエマルジヨンに、ベンゾインエチルエーテ
ル1部をトリメチロールプロパントリアクリレー
ト5部に溶解したものを、エマルジヨンを急速撹
拌しながら徐々に滴下し均一に混合して水分散性
光硬化型粘着剤組成物を得た。この組成物をシリ
コーン処理紙上に乾燥後の厚みが50μmとなるよ
うに塗布し、100℃で5分間乾燥して光硬化性シ
ート状粘着剤を得た。 この光硬化性シート状粘着剤を用いて以下のよ
うにしてスピーカー本体に厚さ16μmのポリエス
テルフイルムからなる振動板を接着させてスピー
カーを製造した。 すなわち、上記の振動板を上記の粘着剤を介し
てスピーカー本体に貼り付けたのち、この振動板
側から高圧水銀灯(80W/cm/1灯)で10cmの距
離から約3秒間光照射して上記の粘着剤を硬化さ
せた。 つぎに、上記の振動板の固定をさらに確実にす
るために、第1図〜第3図に示すようにスピーカ
ー本体1に光硬化性シート状粘着剤2を介して接
着された振動板3の接着部分に、厚さ150μmのポ
リエステル製のリング4を上記の光硬化性シート
状粘着剤5を介して貼り付け、ついで上記と同様
にして光照射してこの粘着剤5を硬化させた。第
2図はこのとき使用したリング4の平面図、第3
図は第1図の部分の拡大図である。 このようにして得られたスピーカーにおいて
は、上記の振動板の接着部分にしわなどの変形は
全く生じておらず、また後記の試験例からも明ら
かなようにこの振動板は強固に接着されているた
め、このスピーカーは音響特性が良好であつた。 実施例 2 アクリル酸2−エチルヘキシル 40部 ペンタエリスリトールトリアクリレート5部 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3部 イオン交換水 154.5部 上記配合組成物を500mlのフラスコに仕込み、
不活性ガス下70℃で1時間加熱撹拌したのち、
0.05部の過硫酸アンモニウムを加えて70℃で3時
間反応させ、第1段目のエマルジヨン重合を行つ
た。続いて、この重合生成物中に、過硫酸アンモ
ニウム0.05部を加えておき、酢酸ビニル15部とメ
タクリル酸グリシジル6部とからなる配合物を上
記重合生成物中に70℃で加熱撹拌しながら2時間
で滴下し、さらにこの温度下で1時間反応させて
第2段目のエマルジヨン重合を行い、2層構造の
エマルジヨン粒子からなるアクリル系共重合体の
水分散体を得た。 続いて上記水分散体を25℃まで冷却し、液中に
1時間空気を吹き込んだのち、アクリル酸3部お
よびジメチルアニリン0.1部を添加し、70℃で3
時間反応を行い、アクリル系光架橋性重合体エマ
ルジヨンを得た。 このエマルジヨンに、ベンゾフエノン1部をペ
ンタエリスリトール5部に溶解させたものを添加
し、70℃で1時間撹拌を行い均一に混合して水分
散性光硬化型粘着剤組成物を得た。この組成物を
シリコーン処理紙上に置いた50μmの厚みのレー
ヨン織布に乾燥後の厚みが130μmとなるように塗
布し含浸させ、100℃で5分間乾燥して光硬化性
シート状粘着剤を得た。 この光硬化性シート状粘着剤を用いて実施例1
と同様にしてスピーカーを製造した。このスピー
カーにおいて振動板のスピーカー本体との接着部
分にはしわなどの変形が全くなく、また後記の試
験例からも明らかなようにこの振動板は強固に接
着されているため、このスピーカーは音響特性が
良好であつた。 実施例 3 メタクリル酸メチル 40部 トリメチロールプロパントリアクリレート
5部 ポリエチレングリコールラウリルエーテル
4部 イオン交換水 160部 上記配合組成物を500mlのフラスコに仕込み、
不活性ガス下70℃で1時間加熱撹拌したのち0.05
部の過硫酸アンモニウムを加えて70℃で3時間反
応させ、第1段目のエマルジヨン重合を行つた。
つぎに、 アクリル酸ブチル 40部 N−n−ブトキシメチルアクリルアミド8部 ポリエチレングリコールラウリルエーテル
1部 過硫酸アンモニウム 0.05部 からなる配合組成物を乳化させたものを、前記第
1段目のエマルジヨン重合にて得られた重合生成
物中に70℃で加熱撹拌しながら2時間で滴下し、
さらにこの温度下で1時間反応させて第2段目の
エマルジヨン重合を行い、2層構造のエマルジヨ
ン粒子からなるアクリル系共重合体の水分散体を
得た。 続いて上記水分散体を25℃まで冷却し、液中に
1時間空気を吹き込んだのち、メタクリル酸グリ
シジル5部およびジメチルアニリン0.1部を添加
し、70℃で3時間反応を行い、アクリル系光架橋
性重合体エマルジヨンを得た。 このエマルジヨンに、ジメチルベンジルケター
ル1部を1・6−ヘキサングリコールジアクリレ
ート5部に溶解したものを、エマルジヨンを急速
撹拌しながら徐々に滴下し均一に混合して水分散
性光硬化型粘着剤組成物を得た。この組成物を用
いて実施例2と同様にして光硬化性シート状粘着
剤を得た。 この光硬化性シート状粘着剤を用いて実施例1
と同様にしてスピーカーを製造した。このスピー
カーにおいて振動板のスピーカー本体との接着部
分にはしわなどの変形が全くなく、また後記の試
験例からも明らかなようにこの振動板は強固に接
着されているため、このスピーカーは音響特性が
良好であつた。 実施例 4 メタクリル酸エチル 60部 メタクリル酸 5部 ネオペンチルグリコール 5部 ジアクリレートドデシル硫酸ナトリウム1部 イオン交換水 100部 上記配合組成物を用いて実施例1と同様にして
第1段目のエマルジヨン重合を行い、以下実施例
1と全く同様の第2段目のエマルジヨン重合およ
び付加反応を行つて、アクリル系光架橋性重合体
エマルジヨンを得た。 このエマルジヨンに、ジメチルベンジルケター
ル1部をペンタエリスリトールトリアクリレート
5部に溶解したものを、実施例1と同様の手法で
均一に混合して水分散性光硬化型粘着剤組成物を
得た。この組成物より実施例1と同様にして光硬
化性シート状粘着剤をつくり、またこれを用いて
実施例1と同様にしてスピーカーを製造した。こ
のスピーカーにおいて振動板のスピーカー本体と
の接着部分にはしわなどの変形が全くなく、また
下記の試験例からも明らかなようにこの振動板は
強固に接着されているため、このスピーカーは音
響特性が良好であつた。 試験例 実施例1〜4で得られた光硬化性シート状粘着
剤の接着特性を次のようにして調べ、その結果を
下記の表に示した。 〈180度引き剥がし接着力〉 光硬化性シート状粘着剤の片面に厚さ60μmの
ポリ塩化ビニルシートを貼り付けたのち20mm幅に
切断して粘着テープとし、このテープを厚さ
100μmのポリエステルフイルムに貼り付け30分間
放置後、このテープの180度引き剥がし接着力を
20℃、65%RHの条件下で引き剥がし速度300
mm/分で測定した。 また、上記のテープを上記のポリエステルフイ
ルムに貼り付けたのち、高圧水銀灯(80W/cm/
1灯)で10cmの距離から約5秒間光照射して上記
の粘着剤を硬化させ、その後20℃で24時間放置後
上記と同様にして180度引き剥がし接着力を測定
した。 〈タツク〉 傾斜角30度の斜面で助走距離10cmのところから
光硬化型シート状粘着剤表面にステンレス鋼製の
球をころがし、粘着剤表面を10cmころがつた所で
止まる最大の球のボールNo.(直径=ボールNo.×1/
36インチ)で示した。なお、測定は20℃、65%
RHの条件下で行つた。 〈引張り剪断接着力〉 光硬化性シート状粘着剤を20mm×20mmの大きさ
に切断して両面に厚み100μmのポリエステルフイ
ルムを貼り付け、高圧水銀灯(80W/cm/1灯)
で10cmの距離から約5秒間光照射したのち、20℃
で24時間放置し、その後20℃、65%RHの条件下
で引張り速度50mm/分で引張り剪断接着力を測定
した。 【表】
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の方法により得られた電気部
品の一例を示す断面図、第2図は上記電気部品の
製造に使用したリングの平面図、第3図は第1図
の部分の拡大図である。 1……スピーカー本体(電気部品本体)、2,
5……光硬化性シート状粘着剤、3……振動板
(光透過性フイルム)。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 光透過性フイルムを電気部品本体に接合する
    にあたり、上記のフイルムを光硬化性シート状粘
    着剤を介して上記の本体に貼り付けたのち光照射
    して上記の粘着剤を硬化させる電気部品の製造方
    法において、上記光硬化性シート状粘着剤が、ア
    ルキル基の炭素数が1〜12個の(メタ)アクリル
    酸アルキルエステルを主成分としてこれに多官能
    性単量体またはこれとカルボキシル基含有単量体
    とを加えてなる単量体混合物を用いて第1段目の
    エマルジヨン重合を行つたのち、このエマルジヨ
    ンにさらにアルキル基の炭素数が1〜12個のアク
    リル酸アルキルエステルまたは酢酸ビニルを主成
    分としてこれにカルボキシル基含有単量体、エポ
    キシ基含有単量体およびN−メチロール基含有単
    量体の中から選ばれる少なくとも一種の官能基含
    有単量体を加えてなる単量体混合物を添加した第
    2段目のエマルジヨン重合を行うことからなる2
    段階エマルジヨン重合法により得た2層構造のエ
    マルジヨン粒子を含む重合体エマルジヨンに、上
    記のエマルジヨン粒子に含まれる官能基と反応し
    うる官能基を有するカルボキシル基含有単量体お
    よびエポキシ基含有単量体の中から選ばれる少な
    くとも一種の官能性不飽和単量体を添加して付加
    反応させることにより、上記2層構造のエマルジ
    ヨン粒子の外層に光重合性不飽和基を共有結合に
    より導入した被膜形成能を有するアクリル系光架
    橋性重合体エマルジヨンに光増感剤を含ませてな
    る水分散性光硬化型粘着剤組成物を、テープ状も
    しくはシート状に成形してなる光硬化性シート状
    粘着剤であることを特徴とする電気部品の製造方
    法。
JP22497284A 1984-10-25 1984-10-25 電気部品の製造方法 Granted JPS61101582A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22497284A JPS61101582A (ja) 1984-10-25 1984-10-25 電気部品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22497284A JPS61101582A (ja) 1984-10-25 1984-10-25 電気部品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS61101582A JPS61101582A (ja) 1986-05-20
JPS6323232B2 true JPS6323232B2 (ja) 1988-05-16

Family

ID=16822091

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22497284A Granted JPS61101582A (ja) 1984-10-25 1984-10-25 電気部品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS61101582A (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20040022409A1 (en) * 2002-05-02 2004-02-05 Hutt Steven W. Film attaching system
JP5844588B2 (ja) * 2011-09-21 2016-01-20 デクセリアルズ株式会社 回路接続材料及びそれを用いた接続方法並びに接続構造体

Also Published As

Publication number Publication date
JPS61101582A (ja) 1986-05-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH06504809A (ja) アクリルをベースとする組成物の製造のための多段照射及びこれにより製造した組成物
JPH02248482A (ja) 光硬化性感圧接着剤組成物
JPH0790229A (ja) 光重合性組成物、それを用いた接着性テープおよび粘着性テープ
JPH0155645B2 (ja)
JPH08109356A (ja) アクリル系粘着テープ
JPS6323232B2 (ja)
JPS63268784A (ja) 基材レス両面粘着テ−プ
JPS6183274A (ja) 光硬化型粘着剤成形物
JPH0216943B2 (ja)
JPH0134451B2 (ja)
JPS59179677A (ja) 感圧性接着テ−プの製造方法
JPS6069178A (ja) 光硬化型粘着剤成形物
JP2626978B2 (ja) 感圧性接着剤組成物
JPS6164773A (ja) 光硬化型感圧接着剤
JPS60212098A (ja) 電気部品の製造方法
JPS6068083A (ja) 表面保護層形成方法
JPS61182A (ja) 電子部品のパツケ−ジキヤリヤ−接着構造物
JPH0124429B2 (ja)
JPH0136874B2 (ja)
JPS6067581A (ja) 感圧接着性フィルム又はテ−プの改質方法
JPS59127761A (ja) 表面保護層形成方法
JPS61103573A (ja) 表面保護層形成方法
JPH0245510B2 (ja) Hyomenhogosokeiseihoho
JPS6099183A (ja) 光架橋型感圧性接着剤組成物
JPH0129393B2 (ja)