JPS6322980Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、たとえばマスカラ、液状アイライナ
ー、液状口紅等の液状化粧料を入れて使用するの
に好適な液状化粧料容器に関するものである。

従来、マスカラ、液状アイライナー等の液状化
粧料を入れる容器として、内部にしごき栓を設
け、このしごき栓によつて筆軸をしごくようにし
た構造のものが知られている。

この種の容器では、筆軸を容器から引き出すと
きにしごき栓の作用によつて筆軸およびその先端
の塗布刷毛に付着している余分な液状化粧料をし
ごき落してその化粧料の付着量を均一かつ一定量
にすることができるものである。

ところで、前記液状化粧料（以下化粧液と称
す）の使用量には、一般に個人差があり、たとえ
ばマスカラなどにおいて、目元をより強調したい
人はその使用量も多く、逆に自然に仕上げたい人
は使用量が少ない。このような場合、従来のしご
き栓を内蔵した容器にあつては、前述のように塗
布刷毛への化粧液の付着量が均一かつ一定量にな
るだけであるため、必要に応じてその付着量を適
宜に調節することができず、このため、化粧液を
多く使用したい人は塗布刷毛を容器内に何回も出
し入れして使用する必要があり、逆に使用量の少
ない人はしごき栓によつて数回しごいた後で使用
しなければならないなどの不具合があつた。

本考案は、このような背景に基づいて提案され
たもので、塗布印毛への化粧液の付着量を無段階
に調節し得て使用者の必要な化粧液量に合わせる
ことができ、しかもその調節操作がきわめて簡単
でかつその調節機能も確実に働く液状化粧料容器
を提供することを目的とするもので、この目的を
達成するために、先端に塗布刷毛のついた筆軸を
収容する容器本体の口縁に、前記筆軸が貫通する
中筒を容器本体の軸回りに回転自在に設け、この
中筒内に該中筒の回転によつて中筒の軸方向に移
動する移動筒を設け、さらに、この移動筒の少な
くとも一端にしごき栓を位置させ、前記移動筒の
移動量によりしごき孔の径を変える構造としたこ
とを特徴とするものである。

以下、本考案の第１実施例を第１図および第２
図により説明する。

図において、符号１は容器本体、２はこの容器
本体１内に出し入れ自在に挿入される塗布刷毛３
付きの筆軸４を有する蓋体である。

前記容器本体１は、有底筒状に形成されてお
り、この容器本体１の口縁には、筒状のガイド筒
５が固定的に嵌め込まれるとともに、このガイド
筒５を介して筒状の中筒６が容器本体１の軸回り
に回転自在に設けられている。そして、これらガ
イド筒５および中筒６を通つて前記筆軸４が容器
本体１内に導かれるようになつている。

これらガイド筒５および中筒６は、後述の移動
筒を、これら筒体の軸方向に移動させるもので、
以下これらガイド筒５および中筒６について説明
を補足する。

ガイド筒５の内周面の相対向する位置には、ガ
イド筒５の軸方向に沿つて延びるたて溝７が形成
され、このたて溝７の上部の内周面には、周方向
に沿つて延びる周溝８が形成されている。また、
ガイド筒５の下端には、前記筆軸４が貫通する円
形のしごき孔９をもつたしごき栓１０が凹凸嵌合
によつて嵌め込まれている。なお、このしごき栓
１０は、全体としてゴムなどの適宜な弾性をもつ
素材で形成されていることは勿論である。

また、前記中筒６の内周面には、めねじ６ａが
形成され、中筒６の上部および下部は、それぞれ
胴部よりも小径の筒状部１１，１２とされてい
る。そして、上部の小径筒状部１１の外周には、
前記蓋体２のめねじ２ａに螺合するおねじ１１ａ
が形成され、下部の小径筒状部１２の外周には、
前記ガイド筒５の周溝８に嵌合する周突条１３が
形成されている。なお、この中筒６の外径は、前
記容器本体１の外径とほぼ同一とされている。

また、図において、符号１５で示すものは、前
記しごき栓１０をたわませる移動筒で、この移動
筒１５は、その下端１５ａをしごき栓１０に当接
させ、回り止め機構を介して前記中筒６内に該中
筒６の軸方向に移動自在に螺合されている。この
移動筒１５の回り止め機構としては、前記ガイド
筒５に形成されたたて溝７と、移動筒１５の外周
面に形成され前記たて溝７に嵌合するガイドリブ
１６とから構成されている。なお、これらたて溝
７およびガイドリブ１６は互いに逆であつても良
い。また、前記移動筒１５の外周面には、中筒６
のめねじ６ａに螺合するおねじ１５ｂが形成され
ていることは勿論である。

なお、この一実施例では、中筒６に移動筒１５
を螺合させ、ガイド筒５に回り止め機構を設け
て、中筒６の回転により、移動筒１５を軸方向に
沿つて移動させる構造としたが、ガイド筒５に移
動筒１５を螺合させ、中筒６に回り止め機構を設
けて、移動筒１５を軸方向に沿つて移動させる構
造としても良い。

以下、このように構成された液状化粧料容器の
作用について説明する。

第１図に示すように、蓋体２が閉じられた状態
で、かつしごき栓１０が定位置にあるときは、し
ごき栓１０は原形に保たれており、しごき孔９の
内径に変化はない。ここで、容器本体１をもつて
中筒６を回すと、中筒６内の移動筒１５は、ガイ
ド筒５のたて溝７とガイドリブ１６からなる回り
止め機構によつてその軸方向にのみ摺動自在とな
つているから、中筒６のめねじ６ａ、と移動筒１
５のおねじ１５ｂの作用を受けて下方へ移動す
る。移動筒１５が下方へ移動すると、しごき栓１
０は移動筒１５の下端１５ａにより押圧されて下
方へ弾性変形し、移動筒１５の摺動限位置（最下
降位置）では、第２図に示すように変形する。し
たがつて、しごき孔９の内径も大きくなる。な
お、中筒６を逆方向に回すと、移動筒１５は上昇
して定位置に戻り、原形に復帰する。

以上の動作から理解できるように、中筒６を適
宜に回せば、その回動量に応じてしごき孔９の内
径が変化する。したがつて、このしごき孔９でし
ごかれる塗布印毛３の化粧液の付着量は中筒６の
回動量を決めることで、無段階に調節することが
できる。また、この調節は単に中筒６を回転させ
るだけの簡単な操作で行なえる。さらに、移動筒
１５は、互いに螺合する中筒６のめねじ６ａと、
移動筒１５のおねじ１５ｂとの作用によつて移動
し、しごき栓１０をたわませるので、確実に動作
し、作用効果を発揮する。

第３図および第４図は、本考案の第２実施例を
示すもので、中筒６と移動筒１５との間の気密性
をさらに高めるために、移動筒１５の上部外周に
Ｏリング１７を設けたものである。なお、この第
２実施例にあつてもその作用効果は第１実施例と
同様であるが、Ｏリング１７を設けたことによつ
てガイド筒５と中筒６との接合部分の気密性を向
上させることができる上、移動筒１５がガタつく
ようなことを防止することができる。

また、第５図および第６図は、本考案の第３実
施例を示すもので、移動筒１５の上端に位置させ
てしごき栓１８を設け、このしごき弁１８を移動
筒１５の上部内周面に設けた押圧片２０によつて
たわませ、しごき栓１８のしごき孔１８ａの径を
変化させるようにしたものである。なお、前記し
ごき栓１８は、中筒６の内周面に一体に突設され
ている。また、この実施例においても、前述した
第１実施例と同様の効果を得ることができるとと
もに、ガイド筒１５の下部に設けたしごき栓１０
によつて一旦筆軸４と塗布刷毛３についた余分な
化粧液がしごき落され、さらに前記しごき栓１８
によつて塗布刷毛３に付着した化粧料をしごき落
せるので、より確実に化粧液の付着量を調整する
ことができる。

以上説明したように、本考案によれば、塗布刷
毛への化粧液の付着量を無段階に調節し得て使用
者の必要な化粧液量に合わせることができ、しか
もその調節操作がきわめて簡単でかつその調節機
能も確実に動作するという優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案の第１実施例を示
すもので、第１図は移動筒が定位置にある状態の
中央縦断面図、第２図は移動筒を最下降位置まで
降ろした状態の中央縦断面図、第３図および第４
図は本考案の第２実施例を示す中央縦断面図、第
５図および第６図は本考案の第３実施例を示す中
央縦断面図である。 １……容器本体、２……蓋体、３……塗布刷
毛、４……筆軸、５……ガイド筒、６……中筒、
６ａ……めねじ、７……たて溝、８……周溝、９
……しごき孔、１０……しごき栓、１５……移動
筒、１５ｂ……おねじ、１６……ガイドリブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 先端に塗布刷毛のついた筆軸を収容する容器本
   体と、この容器本体の口縁に容器本体の軸回りに
   回転自在に設けられ前記筆軸が貫通する中筒と、
   この中筒内に設けられ該中筒の回転によつて中筒
   の軸方向に移動自在な移動筒と、この移動筒の少
   なくとも一端に位置し前記筆軸が貫通するしごき
   孔をもつたしごき栓とを具備し、かつ、前記しご
   き栓は前記移動筒の移動量によりしごき孔の径を
   変える構造としたことを特徴とする液状化粧料容
   器。