JPS63225574A - 切削工具部材用セラミツクス焼結体及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、旋削工具、フライス工具又はエンドミルやド
リルなどの穴あけ工具として用いられる切削工具部材、
特に鋼や鋳鉄を高速切削する場合又は耐熱合金や高硬度
材料を切削する場合のように切削工具部材の切刃部が高
温になるような切削条件で用いるのに適した切削工具部
材用セラミックス焼結体及びその製造方法に関するもの
である。

（従来の技術） 従来、セラミックス焼結体は、大別すると。

酸化物系セラミックス焼結体と非酸化物系セラミックス
焼結体があり、これらの内、前者に属する酸化アルミニ
ウム系セラミックス焼結体と後者に属する窒化ケイ素系
セラミックス焼結体が切削工具部材として実用化されて
いる。これら実用化されているセラミックス焼結体の内
、酸化アルミニウム系セラミックス焼結体は、酸化アル
ミニウム′に炭化チタンを添加したＡｌ１２０３−Ｔｉ
Ｃ系セラミックス焼結体が開発されたことにより。

Ａｌ１２０３−ＭｇＯ系セラミックス焼結体に比較して
強度や熱的性質が改良されたものになっている。しかし
ながら、ＡｊＬ２０３−ＴｉＣ系セラミックス焼結体は
、まだ耐チッピング性又は耐欠損性が劣るために切削工
具部材としての安定性に問題がある。一方、窒化ケイ素
系セラミックス焼結体は、酸化アルミニウム系セラミッ
クス焼結体に比較して強度及び耐熱性がすぐれているけ
れども鉄族金属との親和性が高いために鋼や耐熱合金を
切削する切削工具部材としては短寿命であるという問題
がある。

これらの問題点を改善するものとして、酸化アルミニウ
ムと窒化ケイ素を組合わせた切削工具用焼結体が特開昭
５５−１２８５７４号公報及び特開昭５８−９１０７９
号公報で提案されている。

さらに、セラミックス焼結体は、金属や合金に比較して
衝撃破壊を起しやすいということがらウィスカーで分散
強化することが行なわれている。

酸化アルミニウムや窒化ケイ素からなるマトリックスに
炭化ケイ素、窒化ケイ素などのウィスカーで分散強化し
たセラミックス切削工具が特開昭６１−２７４８０３号
公報で提案されている。

（発明が解決しようとする問題点） 酸化アルミニウムと窒化ケイ素を組合わせた切削工具用
焼結体として提案されている特開昭５５−１２６５７４
号公報は、５ｉ３Ｎｉ５〜１０ｖｏｊＬ％と、残部Ａｌ
２Ｏ３からなる組成の熱間静水圧焼結した切削工具用材
料である。この特開昭５５−１２６５７４号公報の発明
は、従来のホットプレス焼結によるＡｌ１２０３−Ｔ　
ｉ　Ｃ系セラミックス焼結体と同等の強度及び硬度を有
する焼結体ではあるが、鋼や鋳鉄を高速切削する場合又
は耐熱合金や高硬度材料を切削する場合には耐庁耗性又
は耐欠損性が劣るために短寿命であるという問題がある
。また、特開昭５８−９１０７９号公報は、窒化ケイ素
焼結体中に、酸化アルミニウムが５〜５０ｗｔ％残存し
ている切削工具用焼結体である。この特開昭５８−９１
０７９号公報の発明は、窒化ケイ素のすぐれ・た特性と
酸化アルミニウムのすぐれた特性を活用しようとした焼
結体であるけれども窒化ケイ素の含有量が多い焼結体で
あるために高温になる切削条件においては窒化ケイ素と
被削材である鉄族金属との反応が生じて短寿命になると
いう問題がある。さらに、特開昭６１−２７４８０３号
公報の発明は、セラミックスのマトリックスにセラミッ
クスのウィスカーを分散させることにより切削工具とし
ての工具寿命が著しく向上したものであるけれどもウィ
スカーが高価であること及びウィスカーをマトリックス
中に分散混合させて焼結するまでの製造条件が非常に困
難であるという問題がある。

本発明は、上述のような問題点を解決したもので、具体
的には切削工具部材の刃先が、例えば１３００℃以上の
高温になる切削条件において用いられるとき、刃先にム
ライト又はムライト類似の化合物が形成される組成であ
る酸化アルミニウムとケイ素化物とからなる切削工具部
材用セラミツ身ス焼結体及びその製造方法の提供を目的
とするものである。

（問題点を解決するための手段） 本発明者らは、鉄族金属との親和性が低く、耐酸化性に
すぐれている酸化アルミニウムと高温強度及び耐熱性に
すぐれている炭化ケイ素とを組合わせたセラミックス焼
結体が酸化アルミニウムと炭化ケイ素とのそれぞれのす
ぐれた特性を充分に発揮できて、しかも相互の欠点をカ
バーできるようになると非常に苛酷な用途である切削工
具部材としても実用化できるのではということから、次
のような検討を行なった。

第１に、Ａｌ１２０３−３ｉＣ系セラミックス焼結体を
切削工具部材として、ワスパロイを切削し、そのときに
生じた切削工具部材の摩耗部を微少部Ｘ線回析装置によ
り解析した所、摩耗部の表面層にムライト（３ＡＪ１２
０３　　・２ＳｉＯ２）が形成されているという知見を
得た。

第２に、Ａ１２０３　とＳｉＣとの比率が異なる種々の
ＡｌＩ３０３−３　ｉＣ系セラミックス焼結体を用いて
、大気中で酸化試験を行なった所、焼結体に含有してい
るＡｌＩ３０３　とＳｉＣとの比率の違い及び酸化条件
の違いにより、焼結体の表面層にはムライトが形成され
ない場合と形成される場合があり、形成される場合にも
ムライトの量が異なってくるという知見を得た。

以上から、切削工具部材の切刃が切屑及び被削材面との
摩擦により高温になる場合、又は焼結体を大気中で高温
にした場合には、それぞれの表面層に存在するＳｉＣが
５ｉ０２に変化し、このＳ　ｉ　０２がＡ１２０３　と
反応してムライトを形成する場合があり、焼結体の表面
層にムライトが形成されると焼結体中のＳｉＣが保護さ
れて鉄族金属との反応も生じなくなるという技術思想に
基づいて本発明を完成するに至ったものである。

すなわち、本発明の切削工具部材用セラミックス焼結体
は、酸化アルミニウムを主成分とするマトリックス６０
〜８５ｖｏｌ％と、残り炭化ケイ素、酸化ケイ素、マグ
ネシウムケイ素化物、カルシウムケイ素化物、希土類金
属のケイ素化物１周期律表４ａ、５ａ、６ａ族金属のケ
イ素化物及びこれらの相互固溶体の中の少なくとも１種
のケイ素化物と不可避不純物とからなることを特徴とす
るものである。

本発明の切削工具部材用セラミックス焼結体におけるマ
トリックスは、酸化アルミニウムを主成分とするもので
、焼結体の表面層においてケイ素化物と反応してムライ
トを形成し、ケイ素化物を残存しないような酸化アルミ
ニウムの量を含有していればよく、具体的には、酸化ア
ルミニウムの粒成長抑制又は酸化アルミニウムとケイ素
化物との結合促進もしくは焼結促進としての例えば従来
の酸化アルミニウム系セラミックス焼結体に含有してい
るＭｇＯ，ＮｉＯ，Ｃｏｏ、ＴｌＯ２。

Ｚｒ０ｚ　　、Ｃｒｚ　０３などの酸化物又は周期律表
４ａ、５ａ、６ａ族金属の炭化物、窒化物、炭酸化物、
窒酸化物及びこれらの相互固溶体の中の少なくとも１種
の添加物と酸化アルミニウムとからなるマトリックスも
しくは酸化アルミニウムのみ°からなるマトリックスで
ある。マトリックス中に上述のような添加物が含有され
ているときには。

例えば添加物としての酸化物と酸化アルミニウムにより
スピネル（ＭｇＯＩＩＡｆＬ２０３）のような固溶体が
形成されていいる場合がある。このスピネルのような固
溶体がマトリックス中に形成されていて、マトリックス
中の酸化アルミニウムがケイ素化物と反応してムライト
を形成するのを阻害する場合は、添加物の量をできるだ
け少なくしておく必要がある。マトリックス中に存在す
る酸化アルミニウムは、α−Ａ１２０３又はα−ＡｊＬ
ｚＯ３に微量のβ−八見見２０３が混在したものである
。

本発明の切削工具部材用セラミックス焼結体におけるケ
イ素化物は、マトリックスの主成分である酸化アルミニ
ウムと緻密な焼結体を形成して。

強度及び耐熱衝撃性を高めるもので、具体的には、例え
ば炭化ケイ素としてはα−３ｉＣ，β−３ｉＣ，γ−５
ｉＣ，δ−５ｉＣ，酸化ケイ素としては５ｉＯｚ、マグ
ネシウムケイ素化物とじてはＭｇ２Ｓｉ、カルシウムケ
イ素化物としてはＣａ５ｔ、希土類金属のケイ素化物と
してはＹＳｉ２　　、ＹｂＳｉ２．周期律表４ａ、５ａ
。

６ａ族のケイ素化物としてはＴｉＳｉ２　。

ＺｒＳｉ　、Ｖ２　Ｓｉ　、Ｔａ５ｉｚ　　＊Ｃｒ３Ｓ
ｉ　。

Ｍ　ＯＳ　ｔ　２　１　Ｗ　Ｓ　ｉ　２　を挙げること
ができる。

本発明の切削工具部材用セラミックス焼結体は、大気中
、高温状態にしたときに焼結体の表面層にムライト又は
ムライト類似の化合物が形成されるようにしたもので、
そのために焼結体を構成しているマトリックスとケイ素
化物との比率が重要である。焼結体中のマトリックスが
６０マｏｆＬ％未満になると相対的にケイ素化物が４０
ｖｏｌ％を超えて多くなり、大気中、高温状態にしたと
きに焼結体の表面層にケイ素化物が残存して鉄族金属と
反応し、耐摩耗性を低下させること並びに緻密な焼結体
を得るのが困難であることからマトリックスは、６０ｖ
ｏｌ％以上必要である。また、焼結体中のマトリックス
が８５ｖｏｌ％を超えて多くなると相対的にケイ素化物
が１５ｖｏｌ％未満となリ、ケイ素化物による強度及び
耐熱性を高める効果が弱く、耐欠損性を低下させること
からマトリックスは、８５ｖｏｌ％以下にする必要があ
る。

マトリックスとケイ素化物との比率の関係は。

被削材又は切削条件によって異なり、特に耐熱合金を切
削するための切削工具部材用セラミックス焼結体として
は、マトリックスが６５〜８０ｖｏｌ％、残りケイ素化
物からなることが好ましい。

本発明の切削工具部材用セラミックス焼結体の製造方法
は、酸化アルミニウム粉末６０〜８５ｖｏｌ％と、残り
炭化ケイ素、酸化ケイ素、マグネシウムケイ素化物、カ
ルシウムケイ素化物、希土類金属のケイ素化物１周期律
表４ａ、５ａ、６＆族金属のケイ素化物及びこ、れらの
相互固溶体の中の少なくともｌ稀のそケイ素化物の粉末
との混合粉末を真空、不活性ガス又は水素ガス中、１６
００〜１８００℃の温度、２００〜５００ｋｇ／ｃｍ２
の圧力で焼結することを特徴とするものである。

本発明の切削工具部材用セラミックス焼結体の製造方法
において用いる出発原料粉末は、成形性及び焼結性から
平均粒径３．ＯＩＬｍ以下のものを用いるのが好ましく
、その結晶は非晶質及び／又は前述の各種の結晶構造の
ものを用いることができる。これらの出発原料粉末を所
定量に配合した後、混合は、従来の粉末冶金法による種
々の方法で行なうことができるが、不純物の混入をでき
るだけ避けるためには、プラスチック製容器又はプラス
チックを内張した容器にＡ１２０３系セラミックス焼結
体のポールと有機溶媒と配合粉末とを入れて混合粉砕す
るのが好ましい０次いで、内壁に離型剤を塗布した黒鉛
モールド内に混合粉末を挿入して、真空雰囲気、不活性
ガス雰囲気又は水素ガス雰囲気中、１６００〜１８００
℃の温度。

２００〜５００　ｋｇ／ｃｍ２の圧力で焼結することが
緻密な焼結体を得るために好ましいことである。他に、
混合粉末を従来の粉末冶金法による種々の成形方法によ
り成形体とした後、真空雰囲気、不活性ガス雰囲気又は
水素ガス雰囲気中、１６００〜１８００℃で焼結し、次
いで熱間静水圧処理を行なうこともできる。

（作用） 本発明の切削工具部材用セラミックス焼結体は、焼結体
の表面層に微少のクラックが生じた場合、クラックがマ
トリックス粒内を直進する、いわゆる粒内破壊となるけ
れどもマトリックス内に適量分散されたケイ素化物によ
りクラックの伝播が阻止されるために耐欠損性にすぐれ
ているものである・また、マトリックスとケイ素化物と
の比率、具体的にはマトリックス中のＡｌｌとケイ素化
物中のＳｔの比率を一定量内に制御した焼結体であるた
めに、高温時には焼結体の表面層にムライト又はムライ
ト類似化合物が形成されて、鉄族金属との反応を阻止し
、耐摩耗性、耐酸化性及び耐欠損性を高めているもので
ある。゛ （実施例） 実施例１ 市販されている平均粒径１ｐｍのＡ１２０３粉末、平均
粒径ＩＪＬｍのＳｉＣ粉末及び平均粒径１μｍのＴｉＣ
粉末を用いて第１表に示すような各試料を配合し、これ
らの各配合試料とＡｌｌ２０３製ボールとエチールアル
コールとをプラスチック製容器に入れて、４８時間混合
した。

この混合粉末を乾燥後、離型剤を塗布したカーボンモー
ルドに充填し、Ａｒガス雰囲気中、３００ｋｇ／ｃｍ２
の圧力、１８００℃−１時間の条件でホットプレス焼結
した。比較用として、平均粒径０．５４ｍで平均長さ２
０ＩＬｍｃ７）市販のＳｉＣウィスカーを超音波により
充分に分散し、さらに１００＃の網で篩った後、上述の
Ａ立２０３粉末と第１表の如く配合した。これを上述と
同一条件で混合し、ウィスカーの粉砕が生じないように
充分に注意して乾燥後、Ａｒガス雰囲気、６００ｋｇ／
ｃｍ２の圧力、１８００℃−１時間の条件でホットプレ
ス焼結した。こうして得た各試料の密度、硬ざ及び抗折
力値を測定し、その結果を第１表に併記した。また、第
１表に示した３種類の各試料を形状寸法１２Ｘ１２Ｘ５
ｍｌ、大気中１３００〜１５００℃、１時間保持の条件
で酸化試験を行なった、この酸化試験後、各試料の表面
をＸ線解析し、その結果を第２表に示した。さらに、各
試料の酸化層の厚さを走査型電子顕微鏡にて測定し、そ
の結果を第２表に併記した。

以下余白 実施例２ 平均粒径ｌ〜３終ｍ内であるＳｉＣ。

ＳｉＯ２、ＴｉＳｉ２　、Ｍｇｚ　３１　、Ｃａｄｉ　
。

ＹＳｉ、ＴｉＣ及びＡ１２０３の各種市販の粉末を用い
て、第３表に示す組成に配合し、実施例１の本発明品ｌ
と同様の混合条件、２００〜５００ｋｇ／ｃ腸２の圧力
、１８００〜１８００℃の温度、Ａｒガス雰囲気中で焼
結した。各試料の圧力及び温度条件は、第３表に併記し
た。こうして得た各試料を実施例１と同様にして密度、
抗折力値及び１４００℃における酸化試験を行ない、そ
の結果を第３表に併記した。

以下余白 実施例３ 実施例１で得た本発明品１．比較品１，２及び実施例２
で得た本発明品２〜１０．比較品３゜４並びに市販の５
ｉ３Ｎｉ系焼結体を用いて、下記の条件により切削試験
を行ない、その結果を第４表に示した。

切削試験条件（旋削） 被　削　材　ワスパロイ（ＨＲｃ４３．２）切削速度　
２３０　ｍ／ｗｉｎ 切込みｊ１２１０ 進　リ　速　度　　０　　、　１　５ｍｍ／ｒｅｖチッ
プ形状　５ＰＧＮ　　１２０４０８ホーニング　０．ｌ
Ｘ−３０゜ ホルダー　Ｃ３ＤＮＮ　　２５２５ 切削時間　２分間 以下余白 （発明の効果） 本発明の切削工具部材用セラミックス焼結体は、従来の
ＡＪ１２０３−ＴｉＣ系セラミックス焼結体に比較して
、硬度が高く、常温での強度が約２８％向上し、１３０
０℃の高温での強度が約１３０％向上するという効果が
あり、また、耐熱合金を切削した場合に耐摩耗性及び耐
欠損性にすぐれているという効果がある。さらに、本発
明の切削工具部材用セラミックス焼結体は、従来のウィ
スカー人Ａ１２０３系セラミックス焼結体に比較して、
製造工程が簡略で１作業性も容易であるにもかかわらず
、その焼結体特性及び切削性能が略同等であるという効
果を有するものである。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）酸化アルミニウムを主成分とするマトリックス６
   ０〜８５ｖｏｌ％と、残り炭化ケイ素、酸化ケイ素、マ
   グネシウムケイ素化物、カルシウムケイ素化物、希土類
   金属のケイ素化物、周期律表４ａ、５ａ、６ａ族金属の
   ケイ素化物及びこれらの相互固溶体の中の少なくとも１
   種のケイ素化物と不可避不純物とからなることを特徴と
   する切削工具部材用セラミックス焼結体。
2. （２）酸化アルミニウム粉末６０〜８５ｖｏｌ％と、残
   り炭化ケイ素、酸化ケイ素、マグネシウムケイ素化物、
   カルシウムケイ素化物、希土類金属のケイ素化物、周期
   律表４ａ、５ａ、６ａ族金属のケイ素化物及びこれらの
   相互固溶体の中の少なくとも１種のケイ素化物の粉末と
   の混合粉末を真空、不活性ガス又は水素ガス中、１６０
   ０〜１８００℃の温度、２００〜５００ｋｇ／ｃｍ＾２
   の圧力で焼結することを特徴とする切削工具部材用セラ
   ミックス焼結体の製造方法。