JPS6322545Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車後方の障害物検知装置に関す
る。

従来、自動車後方の障害物検知装置は自動車後
方に装着され超音波パルスの送受信を行い障害物
迄の距離を検出し、該距離に対応する時間幅、す
なわち超音波パルスの送信から受信迄に要した時
間幅を有する距離パルス信号を出力する障害物検
知器と、車室内に取りつけられ、前記距離パルス
信号に応じて距離を表示する表示器とから構成さ
れる。

しかし、従来の構成のものでは、障害物検知器
と表示器間のワイヤハーネスの断線或いはコネク
タの接触不良が生じた場合、それを運転者に表示
できないと言う問題点を有している。

本考案の目的は、前述の従来形の装置の問題点
にかんがみ、障害物検知器からの距離パルス信号
の有無を判別する事によつて、障害物検知器と表
示器との間のワイヤハーネスの断線またはコネク
タの接触不良を検出するという着想に基づき、障
害物検知器と表示器の間のワイヤハーネスの断線
またはコネクタの接触不良を表示可能にし、装置
の異状を迅速に運転者に報知することにある。

本考案においては自動車後方の障害物を検出し
障害物迄の距離を表示する自動車後方の障害物検
知装置において、自動車後方の設定領域内に障害
物が存在する時には、基準時間に対して障害物迄
の距離に対応した時間後変化する距離信号を出力
し、障害物が設定領域外の時あるいは存在しない
時には、基準時間に対して設定領域内の最長距離
に対応する時間経過後変化する距離信号を出力す
る障害物検知器と、該距離信号の有無を判別し、
該距離信号が伝送されない時は、前記障害物検知
器と表示器との間のワイヤハーネスの断線或いは
コネクタの接触不良と判定し、これを表示する手
段を有する表示器とから構成されることを特徴と
する自動車後方の障害物検知装置が提供される。

本考案の第１の実施例としての自動車後方の障
害物検知装置が第１図ないし第６図に示される。
第１図に示されるように、本装置は障害物検知器
１および表示器２から構成される。さらに障害物
検知器１は、超音波を送受信する送受波器３、送
信超音波の搬送波として利用される基本信号ａを
発生する発振器４、該基本信号ａをクロツク入力
信号として分周・論理動作を行い送受切換信号ｂ
およびゲート回路制御信号ｃを発生するパルス発
生器５、前記送受切換信号に応動し送信時には発
振器４を送受波器３に接続し受信時には送受波器
３を増幅器７に接続する送受切換器６、増幅器
７、検波器８、該検波器８に接続され比較出力信
号ｄを出力する比較器９、および、該比較器９か
らの比較出力信号ｄ、パルス発生器５からのゲー
ト回路制御信号ｃおよび送受切換信号ｂを入力信
号とし、ゲート回路出力信号ｅを出力するゲート
回路１０で構成される。また、表示器２は距離ク
ロツク信号ｆを発生する距離クロツク発生器１
１、該距離クロツク信号ｆと前記ゲート回路１０
からのゲート回路出力信号ｅを入力とし、障害物
検知器１と表示器２との間のワイヤハーネスの断
線或いはコネクタの断線を検出する断線検出器１
２、前記ゲート回路１０の出力信号ｅと距離クロ
ツク信号ｆを入力とする信号変換器１３、およ
び、該信号変換器１３の出力に応じ距離を指示す
ると共に断線検出器１２の出力に応じて前記ワイ
ヤハーネスの断線或いはコネクタの接触不良が生
じたことを指示する指示器１４から成る。さらに
ゲート回路１０は第２図に示すようにインバータ
１０ａ、アンドゲート１０ｂ、第１のフリツプフ
ロツプ回路１０ｃ、ノアゲート１０ｄ、および第
２のフリツプフロツプ回路１０ｅとからなる。ま
た断線検出器１２は第３図に示すようにカウンタ
１２ａ、分周回路１２ｂ、およびナンドゲート１
２ｃから構成され、また、前記信号変換器１３は
第４図に示すように、前記ゲート回路１０の出力
信号ｅと距離クロツク信号ｆとが入力されるアン
ドゲート１３ａと、ラツチ信号およびリセツト信
号を発生するパルス信号発生器１３ｂと、前記ア
ンドゲート１３ａの出力端子と、クロツク端子が
接続され、パルス信号発生器１３ｂからのリセツ
ト信号が加えられるカウンタ１３ｃと、該カウン
タ１３ｃの出力内容を記憶するラツチ回路１３ｄ
とから構成される。さらに指示器１４は第５図に
示すように前記信号変換器１３の出力信号と断線
検出器１２の出力信号ｇを入力とするオアゲート
群１４ａ、該オアゲート群１４ａの出力信号と前
記断線検出器１２の出力信号ｈを入力とするアン
ドゲート群１４ｂ、該アンドゲート群１４ｂの出
力端子に接続される抵抗群１４ｃ、および発光ダ
イオード群１４ｄとからなる。

実施例の作動を第６図を用いて説明する。パル
ス発生器５からの送受切換信号ｂが「１」の時発
振器４と送受波器３が接続され基本信号ａによつ
て送受信器３が励振され超音波が自動車後方に放
射された後（超音波の放射時刻を基準時とする）、
送受切換信号ｂが「０」になると送受波器３は増
幅器７に接続され直ちに受信体制に入る。一方放
射された超音波信号は障害物によつて反射され、
その一部が送受波器３によつて受信されその後増
幅、検波、比較され、比較器出力信号ｄが得られ
る。他方パルス発生器５から前記送受切換信号ｂ
が「１」となつてから時間t₁後に立上り時間幅t₂
のゲート回路制御信号ｃが出力される。前記時間
t₁は送受波器３に加えられる基本信号ａが取り除
かれた後でも振動が余韻として残存する時間に相
当し、この間は障害物からのエコー信号を検出で
きない。また時間t₁＋t₂は障害物を検出すべき最
大距離に相当する時間であり、従つて設定距離内
の障害物からのエコー信号による比較器出力信号
ｄだけがゲート回路１０のアンドゲート１０ｂの
出力に現われ、この出力信号がノアゲート１０ｄ
の一方の入力端子に印加される。一方前記ゲート
回路制御信号ｅはインバータ１０ａによつて位相
反転され第１のフリツプフロツプ回路１０ｃのク
ロツク端子に加えられ、前記送受切換信号ｂがフ
リツプフロツプ回路１０ｃのリセツト端子に印加
される結果フリツプフロツプ回路１０ｃの出力は
送信時点から時間t₁＋t₂後に立上がるパルス信号
となり、該信号が前記ノアゲート１０ｄの他方の
入力端子に印加され、該ノアゲート１０ｄの出力
信号が第２のフリツプフロツプ回路１０ｅのリセ
ツト端子に加えられると共に、前記送受信切換信
号ｂがフリツプフロツプ回路１０ｅのセツト端子
にも印加されている。この結果フリツプフロツプ
回路１０ｅの出力信号ｅは設定距離内に障害物が
存在すれば、その障害物迄の距離に対応した時間
幅を有するパルス信号ｅとなり、また設定距離内
に障害物が存在しない時には、時間幅t₁＋t₂を有
するパルス信号ｅとなる。従つて障害物検知器１
と表示器２との間のワイヤハーネスの断線或いは
コネクタの接触不良が生じない限りはゲート回路
１０からの出力信号ｅはなくならず、該ゲート回
路出力信号ｅは前記信号変換器１３のアンドゲー
ト１３ａの一方の入力端子に加えられ、アンドゲ
ート１３ａのもう一方の入力端子には前記距離ク
ロツク発生器１１の出力信号が印加され、アンド
ゲート１３ａから障害物迄の距離に対応したパル
ス数のパルス列信号が出力され、前記カウンタ１
３ｃによりパルス数を計数し、さらにパルス信号
発生器１３ｂからのラツチ信号に応じてラツチ回
路１３ｄによつて前記カウンタ１３ｃの計数内容
が記憶された後、パルス信号発生器１３ｂからの
リセツト信号によつてカウンタ１３ｃはリセツト
され次の計測状態に移る。この結果前記ゲート回
路１０の出力信号ｅは、その時間幅に応じたパラ
レルのコード信号に変換される。また前記ゲート
回路出力信号ｅは断線検出器１２のカウンタ１２
ａのリセツト端子にも入力される。またカウンタ
１２ａのクロツク端子には、前記距離クロツク発
生器１１の出力信号が入力されると共に、カウン
タ１２ａの所定の出力端子Qnとクロツクエネー
ブル端子が接続される。この結果ワイヤハーネス
の断線、或いはコネクタの接触不良が生じれば出
力端子Qnの出力信号ｇが「１」となり、該出力
端子Qnおよび距離クロツク信号の分周回路１２
ｂの出力と接続されたナンドゲート１２ｃの出力
は、第６図７に示すようにワイヤハーネスの断線
或いはコネクタの接触不良がない時には「１」と
なり、断線或いはコネクタの接触不良が生じた時
には所定の周期のパルス列信号ｈとなる。そして
前記断線検出器１２の出力信号ｇが指示器１４の
オアゲート群１４ａに入力され、各々のオアゲー
トの他の入力端子には前記信号変換器１３の出力
端子が接続されており、また、オアゲート群１４
ａの出力端子とアンドゲート群１４ｂの一方の入
力端子とが接続され、さらにアンドゲート群１４
ｂの他の入力端子には、前記断線検出器１２から
のパルス列信号ｈが印加され、従つて断線或いは
コネクタの接触不良がない時には、障害物迄の距
離に応じて発光ダイオード群１４ｄが点灯し、断
線或いはコネクタの接触不良が生じると所定の周
期で全ての発光ダイオードが点滅し、断線或いは
コネクタの接触不良が生じた事を示す。

第７図に本考案の第２の実施例に用いられる指
示器が示される。第２の実施例の指示器以外の部
品については第１の実施例と同一である。第１の
実施例では距離表示に用いる発光ダイオード群１
４ｄを点滅させてワイヤハーネスの断線或いはコ
ネクタの接触不良を表示させたが、第２の実施例
に用いられる指示器は第７図に示す如く指示器１
４′に信号ｇによつて作動するブザー、ランプ、
発光ダイオード等の報知手段１４ｅを付加して断
線或いはコネクタの接触不良を表示する。

なお、上記実施例では後方障害物までの距離に
応じてパルス幅を変える例を示したが、超音波を
発射した時点から反射波を受信した時点で初めて
パルス信号を出すようにし、また後方障害物が所
定領域内に存在しない時は障害物を検出すべき最
大距離に相当する時間経過後にパルス信号を出す
ようにしてもよい。

本考案によれば、障害物検知器と表示器との間
のワイヤハーネスの断線またはコネクタの接触不
良を表示することができ、装置の異状を迅速に運
転者に報知することができる。

また、障害物検知器と表示器の間は距離信号の
みを伝送すればよいので伝送線の数を減少でき、
配線作業を容易にすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１の実施例としての自動車
後方の障害物検知装置を示すブロツク回路図。第
２ないし第５図は第１図の装置の各ブロツクの回
路図であつて、第２図はゲート回路、第３図は断
線検出器、第４図は信号変換器、第５図は指示器
を示し、第６図は第１図の装置の動作を説明する
信号波形図、第７図は本発明の第２の実施例に用
いられる指示器の回路図である。 １……障害物検知器、２……表示器、３……送
受波器、４……発振器、５……パルス発生器、６
……送受切換器、７……増幅器、８……検波器、
９……比較器、１０……ゲート回路、１１……距
離クロツク発生器、１２……断線検出器、１３…
…信号変換器、１４……指示器。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 自動車後方の障害物を検出し障害物迄の距離を
   表示する自動車後方の障害物検知装置において、 自動車後方の設定領域内に障害物が存在する時
   には、基準時間に対して障害物迄の距離に対応し
   た時間後変化する距離信号を出力し、障害物が設
   定領域外の時あるいは存在しない時には、基準時
   間に対して設定領域内の最長距離に対応する時間
   経過後変化する距離信号を出力する障害物検知器
   と、 該距離信号の有無を判別し、該距離信号が伝送
   されない時は、前記障害物検知器と表示器との間
   のワイヤハーネスの断線あるいはコネクタの接触
   不良と判定し、これを表示する手段を有する表示
   器とから構成されることを特徴とする自動車後方
   の障害物検知装置。