JPS6321759Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はクロスフローフアン、特に複数個の並
設した小円板にその円周に沿つて多数の羽根を配
設し、上記複数個の小円板を円心的に支持した構
造のクロスフローフアンに関するものである。

本考案のクロスフローフアンは、複数個の並設
した小円板と、この小円板に設けた多数の弧状の
溝と、この溝内に配設した弧状の羽根とより成
り、上記小円板の弧状の溝は上記小円板の外周よ
り中心に向け等ピツチで多数配設されており、上
記小円板の弧状溝に挟まれた角状突起部には上記
小円板の半径方向に離間して複数個の穴が上記弧
状溝に接近して設けられており、上記弧状の溝内
に弧状の羽根を挿入し、上記角状突起部の外周を
小円板の中心方向と接線方向との中間の方向に圧
縮したとき、上記角状突起部の中央に近い穴と弧
状溝との近接部が最初に圧屈して弧状の羽根の外
側に向け突出し、次に外周に近い穴と弧状溝との
近接部が圧屈して羽根の外側に向け突出し、上記
複数の穴に近接した突出部で弧状溝に挿入した弧
状羽根が上記小円板の外周に固着されることを特
徴とする。

以下図面に従い従来及び本考案の実施例につい
て説明する。

第１図ａはクロスフローフアンの軸方向より見
た端面図、第１図ｂは側面図、第１図ｃは羽根の
詳細図であつて、１は並設された小円板、２はそ
の円周に沿つて配設した羽根、３は小円板を回転
軸４と連結するためその両端に設けた弾性材料製
のハブを示す。第１図ａ〜ｃに示したクロスフロ
ーフアンは回転軸４を電動機その他の原動機（図
示せず）で回転させると羽根と羽根との間に存在
する空気が羽根の回転に伴う遠心力で円板の接線
方向に放出され、反対側から空気を吸入するよう
に働き羽根の外側にその全周の一部を覆うケーシ
ング（図示せず）を取り付けて吸入空気と排出空
気との混合を防ぐと簡単な構造で軸方向に長い送
風機を構成できる。この送風機は特に空気の流れ
が回転軸を横切つて流れるのでクロスフローフア
ンと呼ばれ、クーラーや電子レンジ等の家庭用電
機にしばしば利用されている。

第１図に示したクロスフローフアンは家庭用電
機に使用されることが多いので、その製造コスト
が低廉で不燃性であり、然も低騒音であることが
重要となるのでしばしば金属板をプレス作業で組
み立てる構造のものが採用されている。

第１図ａ，ｂに示す小円板１にはその外周に羽
根２を固着するために羽根２の断面形状に合わせ
て多数の溝が設けてあるが、その部分の詳細を第
２図に示す。

第２図に於いて、７は小円板１の外周に等ピツ
チに設けた小円板１の中心近くは幅が狭く外周近
くは少し幅が広い弧状の溝である。小円板１の外
周に沿つて溝７を等ピツチで設けた結果、外周部
には角状の突起５が等ピツチで配設されることゝ
なる。

小円板１に羽根２を固着するには、羽根２を小
円板１の溝７内に挿入し、角状突起５の弧状の外
周に沿つて溝７の底に当接させ、角状突起５に、
該突起の外側から矢印の方向に圧力を加え、角状
突起５を押し曲げて５−ａのような状態として隣
接する角状突起との間に羽根２を挟むようにして
いる。

然しながら第２図に示した構造では角状突起５
の剛性が大きく、充分にこれを曲げることができ
ず角状突起５−ａと羽根２との間に隙間５−ｂが
でき易く固着が不充分の場所が発生し、羽根２が
回転中に振動し騒音を発生するという不都合を生
じ易かつた。又、羽根の数が多く、軸方向に長い
羽根の場合は羽根を固着する小円板の数も多くな
り固着点が多くなると固着不良の場所が増加し、
然も不良場所の発見が困難であるという問題もあ
る。

そのため角状突起５の剛性を弱くして曲がり易
くするるために第３図に示すように角状突起５の
根本の部分に、該角状突起の弧状の外側に近接し
て適当な大きさの穴８を設けることが考えられ
る。このようにした場合には羽根２を溝７に挿入
して角状突起５に矢印の方向に圧力を加えると角
状突起は５−ｃの如く曲がり、その時に穴８が
８′のように変形しその曲がりの程度が第２図の
場合よりは大きくできるがそれでも角状突起５−
ｃと羽根２との間に隙間５−ｄができる場合があ
り、羽根２を小円板１に完全に固着することがで
きない。

本考案に於いてはこのような欠点を除くため第
４図ａ，ｂに示すように小円板１の角状突起の根
本とこれより遠い部分で角状突起の弧状の内周に
近接して２個の穴１０，１１を設け、角状突起の
根本に近く設けた穴１０の直径φ₁は根本より遠
くに設けた穴１１の直径φ₂より大きく設けるか、
穴１０と角状突起の内周との距離d₁より穴１１と
内周との距離d₂の方が大きく設けて、角状突起５
の剛性を弱めた部分を穴１０と穴１１の２箇所に
設けた穴１０を設けた根本の部分の剛性を穴を設
けた根本より遠い部分の剛性よりも弱く構成す
る。

本考案クロスフローフアンは上記のような構成
であるから第４図ａ，ｂに示した構成の小円板１
に羽根２を固着するには、溝７に羽根２を挿入
し、角状突起５の外側から矢印の方向に圧力を加
えると角状突起５の根本の部分が穴１０によつて
根本より遠い穴１１の近くよりも剛性が弱められ
ているのでこの穴１０付近から先に折れ曲がりが
始まり、穴１０が穴１０′のように変形して角状
突起の内周部分に隆起部１２が外側に隆起して羽
根２の根本部分を押さえ、更に角状突起に矢印方
向に圧力を加えると穴１１の付近も変形を起こし
穴１１が穴１１′のように変形して内側の弧状の
部分に隆起部１３が外側に突出して羽根２の外側
部分を抑えるようになり、羽根２を角状突起５の
内周より外周に突出した隆起部１２と１３によつ
て完全に固着することができる。

上記のように本考案によれば羽根２を極めて簡
単確実に小円板に固定できる大きな利益がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ａはクロスフローフアンの端面図、第１
図ｂはその側面図、第１図ｃはその羽根の斜視
図、第２図は従来のクロスフローフアンの小円板
の組立状態説明図、第３図は従来の他の小円板の
組立状態説明図、第４図ａは本考案クロスフロー
フアンの小円板の説明図、第４図ｂはその組立状
態説明図である。 １……小円板、２……羽根、３……ハブ、４…
…回転軸、５，５−ａ……突起、５−ｂ……隙
間、５−ｃ……突起、５−ｄ……隙間、７……
溝、８，８′……穴、１０，１０′，１１，１１′
……穴、１２，１３……隆起部、φ₁，φ₂……直
径、d₁，d₂……距離。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 複数個の並設した小円板と、この小円板に設
   けた多数の弧状の溝と、この溝内に配設した弧
   状の羽根とより成り、上記小円板の弧状の溝は
   上記小円板の外周より中心に向け等ピツチで多
   数配設されており、上記小円板の弧状溝に挟ま
   れた角状突起部には上記小円板の半径方向に離
   間して複数個の穴が上記弧状溝に接近して設け
   られており、上記弧状の溝内に弧状の羽根を挿
   入し、上記角状突起部の外周を小円板の中心方
   向と接線方向との中間の方向に圧縮したとき、
   上記角状突起部の中心に近い穴と弧状溝との近
   接部が最初に圧屈して弧状の羽根の外側に向け
   突出し、次に外周に近い穴と弧状溝との近接部
   が圧屈して羽根の外側に向け突出し、上記複数
   の穴に近接した突出部で弧状溝に挿入した弧状
   羽根が上記小円板の外周に固着されることを特
   徴とするクロスフローフアン。 (2) 上記小円板の中心に近い位置に設けた穴と弧
   状溝との距離を中心より遠い位置に設けた穴と
   弧状溝との距離より短くなるようにしたことを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項に記
   載のクロスフローフアン。 (3) 上記小円板の中心に近い位置に設けた穴の直
   径を、中心より遠い位置に設けた他の穴の直径
   より大きくしたことを特徴とする実用新案登録
   請求の範囲第１項に記載のクロスフローフア
   ン。