JPS63217000A - 電解コンデンサ用アルミニウム箔のエツチング方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、電解コンデンサ用のアルミニウム箔を、重金
属が再析出しないように交流エツチングする方法である
。

［従来の技術］ アルミニウム電解コンデンサの静電容量は構成する陽極
および陰極の合成容量として表わすことができる。又、
陽極および陰極の容量は、それぞれの表面積に比例する
ことから、電極用のアルミニウム箔は予めエツチングに
より粗面化される。

エツチング法には大別して電気化学的な方法と化学的な
方法の２種類があり、電気化学的な方法はざらに直流法
と交流法に分けることができる。実際のエツチングは、
これら３法の中から最適な条件を選択し決定され、いず
れかの単独条件又は２．３種を組み合せた条件で行われ
る。

アルミニウム箔はエツチング後、誘電体皮膜を付けるた
め化成される。化成電圧が低い場合は皮膜が薄いことか
ら細かいエッチピットでも使用可能でおる。

一方、電解コンデンサ用のアルミニウム箔には、エツチ
ング後に高い静電容量を得る目的で銅を添加するのが一
般的で、その量は陽極用で３０〜６０１）ｌ）ｍ　１陰
極用で０．２〜０．３％の場合が多い。

［発明が解決しようとする問題点］ 銅を含有したアルミニウム箔を交流エツチングするとア
ノード分極時にアルミニウムとともに銅も溶解し、カソ
ード分極時には銅のみがアルミニウム箔の表面に析出す
る。すなわち、交流エツチング中の電位変化の一例では
、電位は十〇、１〜−１．７Ｖの間で変化しているが、
銅の析出電位は液中の銅イオンの濃度によるものの、十
０．０５〜＋０．１Ｖと見積られることから交流エツチ
ングのカソード分極時に溶液中の銅が析出する。このよ
うな箔を用いてコンデンサをつくると、この銅が悪影響
を及ぼす。

そこで、本発明は交流エツチング時に銅が析出しない方
法を提供するものである。

［問題点を解決するための手段］ 本発明は、銅を含むアルミニウム箔を塩素イオンを含む
水溶液中で交流電解エツチングするに際し、銅と錯イオ
ンを形成する添加物を含有する電解液を用いることを特
徴とする電解コンデンサ用アルミニウム箔のエツチング
方法である。そして上記添加物としては、０．１ｇ１５
１〜２５（Ｊｕｌの濃度範囲の五酸化燐、シアンおるい
はカルボキシル基含有化合物およびＥＤＴＡ、トリポリ
リン酸とそれらの塩のうちの一種以上を用いるものであ
る。

すなわち、本発明は電解時に銅が表面に析出した箔は、
コンデンサ作成時の電気的特性を悪くし、電極用として
好ましくない点に着目し、銅の析出を抑制するには、銅
の析出電位を例えば−１，７Ｖ以下にする。すなわち、
電解液中で銅が何らかの錯体を形成する条件にすること
が有効であることを見出したものである。

そして、実験結果から、五酸化燐又はシアン、カルボキ
シル基含有化合物の電解液への添加が、銅と錯イオンを
形成し、交流エツチング中に銅が析出するのを抑制する
効果のあることを見出した。シアン化合物としては、シ
アン化カリウム、シアン化ソーダ等が挙げられ、カルボ
キシル基含有化合物としては、グリシン、酢酸ソーダ、
シュウ酸ソーダ等が挙げられる。又、同様の効果を奏す
る添加物としては、他にＥＤＴＡ、トリポリリン酸とそ
れらの塩類が挙げられる。

上記物質の電解液への添加量は、溶液中の銅イオンの量
にもよるが、０．１ａ／１以上は必要であり、上限は塩
素イオン濃度に変化を及ぼさない程度の量の２５０／１
で、それ以上添加するとエツチングに悪影響を及ぼす。

水沫によれば、銅以外の重金属例えば鉄の電解液からの
析出を抑制することも可能でおる。

［実施例］ つぎに実施例並びに比較例について述べる。

実施例１ エツチングするアルミニウム箔として、Ｃｕ３５ｐｐｍ
　、　Ｓ　ｉ　５０ｐｐｍ　、　Ｆ　ｅ５０ｐｐｍその
信奉可避不純物を含む純度９９．９８％の０．１ｍｍ厚
さのものを用いた。

エツチングは１２．５％塩酸と０．６％燐酸の水溶液に
グリシン（Ｎ２　ＮＣ）−１２Ｃ０ＯＨ＞０．５１；ｌ
／Ｕを添加した５５℃の電解液中で、０、６Ａ／ｃｍ　
２で３分間、６０Ｈ２の交流を流すことにより行った。

実施例２ グリシンに代え、０．２５１１１／文のシアン化カリウ
ム（ＫＣＮ＞を添加した以外、実施例１と同一条件にて
行った。

実施例３ グリシンに代え、０．１ｇ／ｌの五酸化燐（Ｐ２０５　
）を添加した以外、実施例１と同一条件にて行った。

実施例４ グリシンに代え、０．５Ｍ文のＥＤＴＡ（ＣＩｌＨ１４
Ｎ２０ａ　Ｎａ２・２Ｈ２０）を添加した以外、実施例
１と同一条件にて行った。

実施例５ グリシンに代え、１．０ｇ／Ｕのトリポリ燐酸ソーダ（
ＮａｓＰ３０＋ｏ）を添加した以外、実施例１と同一条
件にて行った。

実施例６ Ｃ：、　ｕ　Ｏ，２８％、３　ｉ　０．０５％、ＦｅＯ
，０７％その信奉可避不純物を含む純度９９．５％の５
０μｍ厚さのアルミニウム箔を用いた以外は実施例１と
同一条件にて行った。但し電解時間は１分とした。

比較例１ グリシンの添加量を０．０１０／　、Ｑとした他は実施
例１と同一条件にて行った。

比較例２ グリシンを無添加とした他は実施例１と同一条件にて行
った。

比較例３ グリシンを無添加とした他は実施例４と同一条件にて行
った。

上記各実施例並びに比較例にお−けるエツチング後の箔
の表層を硝酸で溶解し、銅の含有量を分析した。結果を
表１に示した。

表１ 表１の結果から明らかなように、比較例のエツチング後
の箔の表層は銅含有量が増加しているのに対し、実施例
では銅含有量の増加が少なく、銅の析出が抑制されてい
るのがわかる。

［発明の効果］ 本発明によれば、交流エツチング時の銅の析出を抑制す
ることにより安定した品質のコンデンサを作ることがで
きる。本発明を利用することにより、現在９９．９８％
Ａ１が使用されている陽極低圧用の分野に、より低純度
例えば９９．９４％Ａ１の利用の可能性が生じた。つま
り、低純度のアルミニウムを使用した場合、析出する重
金属が多くなり、コンデンサ特性が悪化しがちであるが
、本発明によって、その析出を抑制することが可能とな
り、低純度のアルミニウム箔を用いた場合でも特性のす
ぐれたコンデンサを提供することができる。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）銅を含むアルミニウム箔を塩素イオンを含む水溶
   液中で交流電解エッチングするに際し、銅と錯イオンを
   形成する添加物を含有する電解液を用いることを特徴と
   する電解コンデンサ用アルミニウム箔のエッチング方法
   。
2. （２）添加物として０．１ｇ／ｌ〜２５ｇ／ｌの濃度範
   囲の五酸化燐、シアンあるいはカルボキシル基含有化合
   物およびＥＤＴＡ、トリポリリン酸とそれらの塩のうち
   の一種以上を用いる特許請求の範囲第（１）項記載の電
   解コンデンサ用アルミニウム箔のエッチング方法。